July |
高村誠とヨシュアという2人の主人公を切り替えながらストーリーを進めていく、テキストアドベンチャーゲーム。 キャラクターデザインに、トニーたけざき、梅津泰臣 両氏を起用。 |
メモリーバックアップ 4ブロック〜 |
ストーリー
高村誠は、6年前 ロンドンでバス爆破テロに巻き込まれ、それによって妹を失い、母も植物人間状態となってしまった。 大学生となった誠は、毎年行われているテロ事件の慰霊祭で、謎の人物にMOを手渡される。 |
世紀末になるにしたがい、世界各地に特異な能力を持つ人間が確認され始めた。 そんなセックスレス体の1人 ヨシュアは、幼い頃 両親を殺されて拉致され、人体実験に耐える日々をおくっていた。 |
レビュー
新興宗教に世紀末、ノストラダムスの予言と、ケレン味あふれる設定に期待してプレイしたのですが、全くの期待ハズレでした。
オープニングでは、中東辺りにアメリカ軍が部隊を展開――とかいうCGムービーが流れるのですが、戦車はどう見ても、日本の90式かドイツのレオパルドUってな感じで、いきなりゲンナリさせられます。
このようなCGムービーは、合間、合間に挿入されるのですが、お世辞にもよいデキとはいえません。
この戦車も、結局 途中で登場する日本の戦車の使い回しなのですが、他にも普通の電車だというのに、異様に車体が短く、なんじゃコリャ?
と思っていたら、それは後に登場するモノレールの使い回しだったりと、明らかに手抜き部分が見て取れます。
車体の長い電車のCGをモノレールとして使用するなら、まだ理解できるんですが、最初に違和感のある寸詰まりな電車を見せられ、それが実はモノレールの使い回しだったと後で知らされるのは、かなり間違ってる気がします。
それだけではなく、肝心なテキスト部分でも、台詞回しなど端々に稚拙な部分が見て取れたり、選択肢が出でても、どちらを選んでも結局 同じだったりと、あんまりなデキです。
そしてストーリーも、主人公を切り替える事ができるというシステムも何ら活かされない上、大した盛り上がりもなくダラダラと進んで行き、ラストにきても、演出が悪いのか大した盛り上がりもなく終わってしまいます。
ネタバレになるので色を変えて書きますが、(読みたい方は、『すべて選択』などで色を反転させてください)
ラストで世界各地のミサイルが発射されるシーンがありますが、どう考えても、大陸間弾道ミサイルなら核弾頭装備で、そんなもんが発射されたら、爆発に巻き込まれなくても、放射能で日本は終りだろう と、子供だましな お話はなんとかして欲しかったです。
他にも、新興宗教が開いているインゴットパークという遊園地が出てくるのですが、ゲーム内の設定では、「連日
大勢の人が訪れ、大盛況」ってことになってるんですが、グラフィックを見る限り、入り口の「インゴットパーク」とカタカナで書かれた安っぽい看板や、数えるほどしかゴンドラのないチャチな観覧車など、どう見てもウン十年前に出来たような場末の遊園地で、とても某有名テーマパークのように人が集まっているとは思えません。
この辺も、ゲーム世界への感情移入を妨げる原因の1つにもなっています。
あと、ストーリーがある程度進んだり、場面転換の時に、演出としてシャッターが締まるのですが、確かに演出や見た目としては、いい感じなのですが、どこに行っていいのかわからず さ迷っている時など、はっきり言ってウザいです。
ちなみに、このゲーム、再プレイさせるためかどうかは知りませんが、出会った端役キャラが記録されていきますが、全員に会うと真のエンディングでも見れたりするのでしょうか?
あと、高村誠の要所 要所の選択によって、何やらメーターが上がり下がりしますが、これでエンディングが変わったりするんでしょうか?
しかし、それらを確かめる気力は、私にはありませぬ・・・
聞いた話では、当初 サターン用として作られていたという話ですが、どちらにせよ「龍的五千年」と どっこいどっこいだったでしょうね。
ですが、「この国は政治家が腐っているのではない、何をしてもこの国は変わらない、だから何もしないと諦めている国民自体が腐っているのだ」という主張など、いい事言ってるところもあるんですけどね。
ところで、端役キャラの顔が、あまりにも個性的すぎるなんですが、これも全部、トニーたけざきさんのお蔭なんでしょうか?