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かつて世界は「ミレニアム」と呼ばれる、超国家によって支配されていた。しかし、原因不明の異変により、「ミレニアム」は、一夜にして消え去ったという。 その異変により、壊滅的な打撃を受けた世界は、再び暗黒の時代に逆戻りすることになった・・・ 時は流れ、人々はかつての栄華を極めようとしのぎをけずっていた。しかし、それがもとで、お互いのあいだに緊張を生み、戦乱の時代を迎えようとしていた。 そんな時代にいきる少年アルヴィンは、トレジャーハンター(宝探しをする人)のバースのもとで修行中の身だった。 |
アルヴィンが16歳の誕生日を迎えたとき、バースはアルヴィンをつれてティラ島の町「ハーク」に向けて旅立った。ティラ島には、昔から海賊のだからが隠されているという噂があり、バースはその海賊の宝を探すためにティラ島に向かった。 しかし、事態は思わぬ方向に向けて動き始めていた。そして、まだそんな運命に気づくすべもないアルヴィンを乗せた船は、ハークの地に到着した・・・・。 |
システム
典型的なフィールド型のファンタジーRPG。 パーティは最高3人までで、ストーリーに合わせて、キャラが入れ替わる。 |
戦闘はコマンド形式。 攻撃方法は、武器と魔法、アイテムだが、特殊アイテムにより、助っ人モンスターを呼び出すことが出来る。 |
レビュー
ゲームギア初期の佳作RPGです。
セガ・マークIIIで出てたなら、セガRPGの代表作の一つとなったのではないでしょうか?
それぐらい、デキはいいです。
ただ、敵の強さの調整が不充分だったのか、それとも旧世代のRPGと同じくレベル上げを前提としていたのかはわかりませんが、強制的にシナリオが進むと、敵が強くなってハマることがあります。
それさえ注意しておけば、グラフィックはカラーでよく描かれていますし、シナリオも息をつかせぬ展開で進んでいきますし、カラーですし・・・カラーって言いましたっけ?
それはさておき、ホント、シナリオがいいんです。
確かに、レベル上げをしないといけないぶん、お話が中断されてしまう感がありますが、中盤くらいからは、1つのイベントをクリアしたかと思えば、すぐさま次の事件が起こって、グイグイとプレイヤーを物語の中に惹き込んで行きます。
ですがさっきも書いた通り、その時の強制イベントの後に敵の強さがハネ上がって、ハマってしまうという弊害も引き起こしてしまうんですけどね。本当に惜しいトコです。
ですから、3ヶ所できるセーブを順番に使い分けるといいですね。
それと、おすすめするのは、経験値が比較的、楽に稼げる場所を見つけてレベル上げをして、ダンジョンなどでは逃げまくって、ボスだけ倒すようにすれば、その後でハマったとしても時間的ダメージが少なくてすみます。
このゲームでは、レベルが上がると、同じ敵でも入る経験値が低くなるシステムなので、目安はつけすいと思います。
あ、それから、中盤辺りから、ヌゥンの魔法(1発で相手を殺す魔法)をかけてくる敵が出てくるので、レベル上げのときは1戦闘ごとにセーブをした方がいいでしょう。
なんかこの魔法、かなりの確率でかかるんですよね。
あと、解毒の魔法を憶えるまでは、毒もやっかいですね。
魔法が、名前から効果が予想できないのもつらいところ。
携帯するのに、一覧まで持ってかないと・・・しかもマップの裏なんで、広げるのが、ちと恥ずかしいんです。
ちなみにこの名前は、ヘブライ文字の読み方だったりします。アルファベットで言うと、「エー」とか「ビー」とか、そんな感じです。
(もし、裸ソフトや、マップがついていなかった人がいるかもしれませんので、一覧を載せておきます。→魔法一覧)
ですが、もちろんいいトコもあります。
このゲーム独特の「ムチ」というアイテムは面白いです。
ムチを使うと、敵の武器を落として敵の攻撃力を下げることができるのですが、一撃で倒せない攻撃力の高い敵が出てきたときに有効です。ただ、武器をもっていない相手には効果がありませんけどね。
それから、ダンジョンのトラップで、いきなり床からトゲが出てきたり、壁からヤリが飛び出して来たり、砂漠を歩いているとHPが徐々に減っていくというのも、いい感じを出しています。
他にも、最終目的には直接関係のないダンジョンが所々にあったりするのも、冒険の楽しみを増してくれます。
この世界には、こういうところもあるんだぞって感じで。
「ムチ」といい、これはテーブルトークRPGを意識しての造りでしょうか?
敵キャラも、ソフトバンクの「RPG幻想辞典」から仕入れてきた感もありますし。
エンディングは、スクロールする字幕と1枚絵のみですが、主人公アルヴィンの成長と独り立ちが描かれていて、心に染みるものがありました。
さて、それでは最後に、上記の「ストーリー」の後のお話を少々。
アルヴィンは、師匠バースとともに海賊の宝を発見するも、あと1歩というところでそれを手にできずに終わる。
師匠との別れ・・・
そして新たなる目的と、その陰に暗躍する者達。
記憶喪失の少女リアルと、一族の仇を探すブルームーンとの出会い。
リアルを狙う魔道士「ギィー」とは?
持つ者を「ミレニアム」に導くと言われる「黄金のナイフ」を狙う「セブンナイツ」の正体とは?果たして、アルヴィンは「ミレニアム」にたどり着けるのか?
リアルの失われた記憶は?
ブルームーンの思いは遂げられるのか?この冒険が終わるとき、少年は大人になる。
そんな感じのお話です。