心の分類

ページ 1

次のページへ


 これらは単一の分類の中にあっても、完全にひとつの型のみに当てはまる人間は稀である。
 何種類かの型を合わせ持っているか、時と場合によって、それぞれの型を使い分けている人間がほとんどで、それが普通である。


 これらの分類で自分を分析するのは自由だが、中途半端な偏見を持つと、人間関係に支障が出る恐れがあるため、他の人物を分析するのはやめておいたほうがよい。

「聖なる予言」コントロールドラマの分類
脅迫者  強い口調や、激しい身振り、時には暴力により相手を萎縮させ、関係の優位に立とうとするタイプ
尋問者  相手の誤りや欠点を指摘することにより、自分が攻撃されないようにして、関係の優位に立とうとするタイプ。
 他にも、なぜ、どうしてなんだと問い詰め、相手をコントロールしようとする。
傍観者  あえて何も語らず、自分をミステリアスに見せたり、相手に気を遣わせることにより、関係の優位に立とうとするタイプ
被害者  おどおど、びくびくと、自分が被害者であるように振る舞うことで、相手に同情心や罪悪感を抱かせ、関係の優位に立とうとするタイプ。

体形による性格分類
内胚葉型  全体に丸みがあり太っている。
 依頼心が強い、落ち着いている、くつろいでいる、いい気分、満足している、遅い、穏やか、ゆったりとしている、協力的、愛想がいい、辛抱強い、気取っている、温かい、寛大、同情的、心がやさしい、物惜しみしない、情が深い、社交的、物静か
中胚葉型  骨太で筋肉質。スポーツマンタイプが多い。
 支配的、ほがらか、自信がある、精力的、がむしゃら、能率的、情熱的、競争心が強い、決然としている、積極的、議論好き、おしゃべり、活動的、威張り散らす、勇気がある、進取的、冒険好き、向こう見ず、独断的、楽天的、怒りっぽい
外胚葉型  長身で痩せていて、弱々しい印象を与える。
 超然とした、緊張している、心配している、控えめ、自意識が強い、几帳面、内省的、、正確な、考え深い、思いやりが深い、恥ずかしがり、ぎこちない、冷静、疑い深い、内向的、深刻、用心深い、如才ない、感受性が強い、引っ込み思案、気立てが穏やか

クレッチマー 体形による性格分類
肥満型  精神医学的には躁鬱循環質。善良で人には親切であり、人付き合いもいいが、陽気な時と陰気な時があって、気分が一定しない。さらに細かくみると、気軽なタイプ、気重なタイプ、両者の中間のタイプに分けられる。
痩せ型  分裂気質と言われる性格。自分の殻に閉じこもり、非現実的で空想にふける特徴がある。怒りっぽく神経質で理想主義なタイプ(過敏型)、怠惰でひねくれた考えを持つ冷酷なタイプ(鈍感型)、行動が首尾一貫している冷たい精力家(中間型)に分類される。
筋肉型  粘着気質と呼ばれる性格で、執着心が強く、保守的で冒険をしない。気分は、鈍重でぐずな状態と、爆発的に高揚する状態の間で揺れ動く。

フロイト リビドー的類型
エロティック型  愛することを最も重視する性格。このタイプの人たちは、愛を失うことに対する不安に支配されている。
脅迫型  超自我が強いタイプ。良心の不安によって支配され、内面への依存が強く、非常に独立心が旺盛である。社会的には保守的な態度をとる。
ナルシズム型  主な関心が自己保存に向けられるタイプ。自主的で、物おじすることはほとんどない。自我は攻撃性を思いのままにすることができ、いつでも行動に移せる。愛情生活では、愛されることよりも愛することのほうが優位を占める。既成のものを打ち壊し、文化の発展に新たな刺激を与える指導者の役割を引き受ける。
エロティック・脅迫型  欲動生活が、超自我の影響によって制限を受けている。両親の遺物や、教育者や模範に対する依存性が強い。
エロティック・ナルシズム型  ナルシズムの優位との関連から、他のエロティック型のタイプに比べて、攻撃性と活動性が強い。このタイプに当てはまる人が最も多いと考えられる。
ナルシズム・脅迫型  外的な自立性と良心に加え、強力な活動への能力を持っている。自我を超自我に対して強化することによって、文化的に価値の高い変革を生み出す。

フロイト 名作文学の3つの性格類形
例外人型  人間はだれでも、内心では「自分は一般と異なる例外人である」と考え、他人に対して特権を要求したがっている。しかし実際に、自分が例外だと公言し行動しようとする時、理由づけが必要になる。神経症の患者の中には、幼児期につらい経験や苦痛を受け、それが不公平だからと言って、何らかの賠償を要求する者がいる。
成功した時に破滅する人間  フロイトは、神経症の中に、長い間持ちつづけた願望が成就された瞬間に発病するケースがあることを発見した。良心の力が、願望成就の快感を受けることを禁じるためであると考えられる。
罪の意識から罪を行う人間  患者の中には、自分でもわからない強迫的な罪の意識に苦しめられていたのが、盗み、詐欺、放火などの犯罪を犯した後、それまで抱いていた罪の意識からくる圧迫感が軽くなるものがいる。

フロイト 幼児期の性的体験による性格形成の分類
口唇性格  人に対して依存する傾向が強く、自分が人に愛されているかどうかを常に気にしていて、それによって気分が激しく変動する。愛されていると感じる状態なら陽気で楽天的、自信にあふれていて活動的だが、愛されていると感じない状態では、悲観的、内向的になる。世話好きで親切なことも、この正確の特徴。食事やお喋りなど、口を使う動作を好む傾向にある。
 こういう人の深層心理には乳児の時代へのこだわりがあって、母親の完全な庇護の元で育てられるのと同じような状態を求めていると考えられる。
肛門性格  トイレの習慣をしつけられた時期に対する強いこだわりが背後にある。几帳面、清潔、きれい好き、整頓好きなど、総合的にきちんとしていることが特徴で、これはトイレのしつけを厳しくされた結果とされる。また、欲張りで倹約家、けちんぼう、収集癖などの傾向を持つこともある。
 親のしつけに反抗的な場合は、がんこ、怒りっぽい、反抗的、無計画などが特徴になる。
 人とは距離をとって付き合い、礼儀正しい半面、堅苦しい印象を与え、人に対する不信感や警戒心を感じさせる。

ライヒ 幼児期の性的体験による性格形成の分類
ヒステリー性格  外見と内面が裏腹なのが特徴。自己顕示的で虚栄心が強く、身振りは大げさで、感受性が強いことを強調したがる。性的魅力を誇示し、興奮しやすく、空想にふけるなど、現実から逃避しようとする傾向も見られる。
 愛想がよく、気遣いも細やかなものの、対人関係の葛藤には敏感で、気持ちは不安定になりがち。深層心理的には、異性の親との強い近親相姦願望があるとされる。
 この性格が男性に見られるときには、「受け身的・女性的性格」と呼ばれている。
男根性格
(男根期自己愛的性格)
 男らしさを誇示するように精力的で自信に満ちている。やや大雑把で独断的なところはあるものの、言動は堂々としていて目立ち、傲慢で人に強い印象を与える。人に対しても、仕事に対しても攻撃的で、リスクをいとわないのも特徴である。付き合う女性や妻を次々と取り替えたり、同性愛に向かうこともある。つまずくと、抑うつ状態に陥るか、ますます攻撃的になる傾向がある。
性器的性格  完全に成熟し、充足していて合理的、円満で偏ったところの全くない性格。他の性格と違って未成熟なところがないため、神経症にはなりにくい。エディプス・コンプレックスからは解放されているため、性の対象としては異性を選ぶ。リビドーは抑圧されることなく、セックスと昇華によって開放され、満足できる状態になっている。自我も合理的に働く。
 いわば、人格円満な理想的な性格だが、現実にはこういう性格の人はありえず、理想型としてだけ考えられる。
 ライヒとカール・アブラハムが考えた性格類型。

ユング 「内向的」「外向的」性格類型
外向的  感心と注意が客観的な出来事に向けられる。社交的で、他人に影響されやすい。
 特徴として、迎合的、一見打ち解けた、気さくな態度、適応、くよくよしない、などが挙げられる。
内向的  関心が内に向かい主観的な判断に頼る。孤独で外部からの影響をあまり受けない。
 特徴として、躊躇、反省、引っ込み思案、容易に胸襟を開かない、人見知りをする、いつも受身の姿勢である、自分を陰に置いて周囲を疑い深く観察する、などが挙げられる。

同 補足
外向思考型  なにごとにも、客観的な事実・普遍的な理念に即して考える。他人には不寛容。
外向感情型  感情のおもむくままに行動する。
外向感覚型  常に外の刺激を求め、享楽的。現実主義者。
外向直感型  可能性を追求し、多方向に自分の能力を伸ばそうとする。
内向思考型   事実よりも主観を重視する。がんこ。強情。自分以外には無関心、拒絶的、否定的である。
内向感情型  物静かで近寄り難く、不可解。感受性が強い。
内向感覚型  外からの刺激を自分の主観的な感覚に沿って受けとめる。独特な感受性を持っている。繊細か鈍感。
内向直感型  非現実的で主観的。芸術家、神秘的な夢想家、予言者に多い。

「外的統制型」「内的統制型」性格分類
外的統制型  自分の行動によって生まれる結果は、外的要因に大きく左右されると考える。成功・失敗の原因を偶然に求めるので、周囲の影響を受けやすい傾向にある。いつも他者の行動を気にしているのも特徴。
内的統制型  成功・失敗は自分自身の能力や努力にあると考えるので、自分は自分、他者は他者と考え、自分と他者を比べたりはしない。他者の長所や成功を率直に認めるので、好感を持たれやすい。

アドラー 社会環境との関連を重視した性格類型
楽観主義者  困難な状況に出会った時、楽観的な態度をとる。
悲観主義者  困難な状況に出会った時、悲観的な態度をとる。
 
攻撃型の性格  虚栄心、嫉妬、羨望、貪欲、憎悪。
被攻撃型の性格  控えめさ、不安、臆病、適応不足の表現としてのむき出しの衝動(ぶしつけ)。
その他の性格  快活さ、思考様式と行動様式(ステレオタイプ型)、未熟さ、原理主義と杓子定規、卑屈さ、横柄さ、気分屋、不運の過大視と取り越し苦労、宗教心(宗教への逃避)

同 補足
より思索的で慎重な性格
あるいは、空想的で現実的で現実の生活にかかずらうことを避けて、行動に移すことをためらう性格
 
行動的で、あまり慎重ではなく、空想にふけることよりも実生活で忙しく働く積極的な性格  

同 補足
権力や名声を求めることはせず、高度の共同体感覚を含んでいる性格  社会に共通な利益と全体の福祉を重視する傾向がある。
徹底的に名誉を求めるような性格  自分が他人よりもどんなに優れているかを見せようとするだけに努力する傾向がある。

ホーナイ 神経症的な性格分類
自己拡大的支配型  自分が優秀であることに誇りを持っているのが共通点。なにかというと「自分が、自分が」としゃしゃり出てきて、自己主張が強すぎる。自慢話が多く、自己陶酔する傾向がある。細かいことまでゆるがせにしない完全主義者でもある。人を支配したり、征服したりすることに重きを置くタイプもいる。総じてモーレツ型のサラリーマンで、人により評価は分かれるだろう。
自己収縮的依存型  自己主張をせず、なるべく目立たないようにする。人に服従することも平気で、たいていのことは「みなさんといっしょでいい」「みなさんと同じでいい」という。電車やエレベーターで、つい他人に優先権を与えてしまうのも、このタイプである。勝負ごとで人に勝つと何か悪いことをしたような気がする。人に頼みごとをするのが苦手な反面、人に頼まれると「断ると悪い」と思って引き受けてしまう。きわめて損な性格といえる。
自己制限的あきらめ型  自分の人生に対して無関心なタイプ。期待することは失望のもとだからといって、何かを期待したり、望んだりしない。「どうせ・・・」という言葉がよく口をついて出るような性格の人である。自分から積極的には何もしないほうが安全だ、と考えている。消極的で現実逃避的な人生を歩むタイプで、周囲から「何が楽しみで生きているのか」と見られたりする。

次のページへ

≪戻る≫