魔術師の遺産
ミスタラを継ぐ者たち
下巻
安田均/笠井道子 訳
末弥純 挿絵
電撃文庫 |
ストルースの執拗な追跡をかわしながら、シャドウ・エルフの王女と王子をイングモールへ送り届ける旅を続ける一行だったが、ストールースとの戦闘により離れ離れになってしまう。
人間とシャドウ・エルフとの間の緊張状態はさらに高まり、両者間の戦争は目前に迫っていた。
果たしてダヴたちは2人を無事イングモールに送り届け、戦争を食い止める事ができるのか?
上巻は、海と陸での冒険でしたが、今回は地下を、空を旅し、パーティが分断された事もあって、目まぐるしく舞台が変わっています。
モンスターも、ドラゴンが出てきたり、普通のオークとはちょいと違う、赤オークなんてものが出たり、シャドウ・エルフの乗り物スキンウイングが出てきたり、戦闘も多いので、みどころはたくさんあります。
前回に続いて、シャドウ・エルフの境遇や、本当は地上のエルフと同じく命を大切にする平和的な部族なのだということろが強調されています。
アルフヘイムを呪われた地にした理由も、森を呪ってエルフを住めなくすることで、無駄な戦争で命を無駄にしないためだったのとか。
シャドウ・エルフの地上の都レイフェルトンも出てきますので、シャドウ・エルフについて知るにはもってこいかと。
そういえば、カレンデリが、手なずけたG・スラッグに乗って移動しますが、わたくし的には、ナメクジに乗るのは、かんべんです。
最後にジリアンの村も、ちらっと登場します。
上巻と同じく魔法のほとんどがAD&Dのようで、私には、いまいち判別しにくいのですが、一応書いときます。 |
ダヴォニン・カーラン
【人間・16歳・ファイター(レンジャー?)】
ブラックハート王国 クエイン城 城主レディカンの息子。
私生児として生まれ、海賊ドルサー・カーランの息子 ウィジス・カーランに育てられる。
語学、地理、歴史などには詳しいが、魔法で守られた谷で育ったため、世間知らずで、おひとよし。
ウィジスが蛇に噛まれて死んだため、養父の友人のアムストローゼ・ヴァードンのもとへ旅立つ。
リーンナ
【人間・14歳・ファイター】
ヴォーロイで奴隷として働かされていたが、海岸で流木を拾っているところを奴隷商人に捕まり、暁島まで連れてこられたところをダヴに助けられる。
奴隷の身分だったため、お金にはうるさい。
傭兵の宿舎で育ったため、戦闘の腕前はダヴよりも優れている。
カレンデリ
【シャドウ・エルフ(ウィザード/プリースト?)】
シャドウ・エルフの王女。
見た目は人間でいうと8歳程度だが、王女として育てられたため、プライドが高く高飛車。
オークによってイングモールから連れ去られたところを、ハーフエルフ/オークのコーシュニドに奪われ、奴隷商人に売り飛ばされた。
リーンナたちとともにダヴに助けられる。
風の歌を感じ取ることができる。
イライアン
【シャドウ・エルフ(ファイター/ウィザード)】
シャドウ・エルフの王子。
見た目は人間でいうと4歳くらい。
姉のカレンデリとともに奴隷商人に売り飛ばされた。
姉と違って素直で、好奇心旺盛。
動物の心を感じることができる。
サーディック
【マジックユーザー(ウィザード)】
ヘマをやらかして海賊に追われている雇われ魔術師。
軽薄なところがあるが、魔法の腕は確か。
ホーガンヴァー・ストーントーカー
【ドワーフ(ファイター)】
ヘイユーとともに、流木に捕まって漂流していたところをダヴたちに助けられる。
憎まれ口ばかり叩いているが、ヘイユーを心から愛している。
ヘイユー
【ジリアン(ローグ?)】
本当に価値があるものよりも、ピカピカ光るものの方が好きな臆病者の鳥人。
幼い頃ホーガンヴァーに拾われて育てられた。
ジリアンは飛ぶことはできないが、その大きなクシャミは、人間程度のものならばは簡単に吹き飛ばしてしまうほどの威力を持っている。 |
ウェラン
【ホモンクルス(AD&D版)】
ストルースによって作られた魔法生物だが、その支配下から解き放たれて、ダブと一緒に旅をすることになる。
あまりに早口で喋るために、人間には聞き取りにくい。
* * *
ストリース・フローリグ
【人間・マジックユーザー・クレリック(ウィザード(エボケーション)・プリースト)】 .
〈騒乱の魔術師〉
ブラックハート王国 最後の魔術師にして、ミスタラ世界 最強の魔術師の1人。
アルファティア大陸との戦争で疲弊したブラン大陸を支配するため、エンクマールのタール王と取引し、カレンデリとイライアンを誘拐させて、人間とシャドウ・エルフの間に戦争を起こそうとしている張本人。
コーシュニド・ヘイトライト
【ハーフ・オーク/エルフ(ファイター)】
オーク達からも嫌われている、オークとエルフのハーフ。
カレンデリとイライアンを誘拐したオーク達を殺し、2人を奴隷商人に売り飛ばした。
オークの力とエルフの知性をあわせ持っている上に、性格が悪いので手におえない。
タナダレヨ女王
【シャドウ・エルフ(ファイター/ウィザード)】
カレンデリとイライアンの姉であり、テレモン王の名大としてイングモールを支配している〈光の王女〉
黄金のルーン文字が刻まれたトゥハンドソードを手に前線で戦う。
カラーサラン
【シャドウ・エルフ(ファイター/ウィザード)】
タナダレヨ王女の副司令官
アスウェイン指揮官
【人間・ファイター】
ダロキン共和国軍の司令官
テレモン王
【シャドウ・エルフ】
シャドウ・エルフの地下王国〈星の都〉の王
ポーフィリエル
【シャドウ・エルフ(クレリック)】
シャドウ・エルフの神レイフェルの巫女
ブレティンフェレルス
【ヒュージ・ブルー・ドラゴン】
ブルーエンストリネルの母親
胸に3本の長い傷跡がある伝説の竜。
ブルーエンストリネル
【スモール・ブルー・ドラゴン】
ブレティンフェレルスの息子 |
ホモンクルス
(AD&D版 上巻にイラストあり)
オーク
赤オーク
シャドウ・エルフ
(カラーサランのカラーイラストあり)
スモール・ブルードラゴン
(イラストあり)
ヒュージ・ブルー・ドラゴン
(カラーイラストあり)
トロール
コボルド
コボルド・ウォーカン
ゴブリン
トロール
G・スラッグ
スキンウイング
(イラストあり) |
レビテート
ライトニング・ボルト
インビジビリティ
クラウド・キル
テレポート
〈氷(アイス)〉の呪文
小さな氷の破片の嵐を起こして、氷の槍でダメージを与えたり、地面を凍らせたりできる。
〈アイス・ストーム〉か?
〈透明の壁〉の呪文
術者と周りの人間を敵から守ることができる。
低レベルの魔法らしい。
〈プロテクション・フロム・イービル・10’レイディアス〉か、AD&D〈ウォール・オブ・フォース〉か?
〈探知〉の呪文
物に触れる事で、それを身につけていた者のいる方向を知ることができる。
ドルイド呪文〈ロアー〉か?
〈目に見えない巨大な拳〉
巨大な拳に殴り飛ばされたかのように、宙にはねとばされる。
AD&D〈ビッグバイズ・クレンチド・フィスト〉か?
〈火の玉〉
複数出現させられる火の玉でダメージを与える。
矢や〈アイス〉の魔法で撃ち落せる。
AD&D〈メルフズ・マイニュート・メテオ〉か?
〈外見を変える幻覚〉
身体だけでなく、着ている物の見た目まで変える。
精神集中は必要ない。
AD&D〈オルター・セルフ〉か?
〈灼熱の炎〉
範囲内を業火で焼き尽くす。
AD&D〈フレーム・ストライク〉か〈ファイア・ストーム〉か? |
光の護符
イモータルのタナトスらが製作に力を貸したアーティファクト。
すべての魔法や魔法的な力を打ち消し、魔法を使えない者でも呪文を真似するだけでも魔法を使う事ができるようになる。
ミスタラ世界の魔法の法則に反するほどの力を持ち、イモータルの目からも身につけた者を隠すことができる
カンレッドウェイス
熱さまし、炎症をいやす薬草。
薄青い色の草で、浜辺などに生える。
寒い気候では成長しない。
トーシエル
毒を吸い出す効果のある薬草。
葉の先が五つにわかれていて手のように見える事から〈チャルダステス神のいやしの手〉とも呼ばれる。
アドールの実
ジリアンたちの大好物 |
マンガン
洞窟の床の上に積もった場所に生えるキノコ。
表面はごわごわした革のように見えるが、気泡の多い新鮮な灰色の肉をして、すかすがしい香りを放つ。
馬のエサになる。
セイタカキノコ
背の高い乾燥したキノコ。
よく燃え、たきぎや松明として使える。
ラーモン
透かし編みのような表皮に覆われた背の高いキノコ。
茎に切り目を入れるとねばねばした汁が出てくる。
この汁は、G・スラッグの好物。
ホールディング・バッグ
一定量のものを、重さを感じることなく入れられるバッグ。
通称『四次元バッグ』 |
オーディン
〈思考の領域〉の至高神(ハイラーク)
長身でたくましいが、老齢で腰が曲がっている。
杖にもたれかかり、ぼろぼろの帽子を被って、2羽のカラス、ヒュージンとミュージンを従えている。
ジャエア
〈思考の領域〉に属する女神。
ずさんな考え方を嫌う。
レイフェル(名前のみ)
エルフの守護神
カグヤー(名前のみ)
ドワーフの守護神 |
ゼンドロール砦の北の丘陵地帯を抜けて
アルタンテーペ山脈へ入り
世界最大のミミズ、イスクラニンのトンネルを通って
アルタンテーペ山脈の西端へ抜け
イングモールへ
スキンウイングでイングモールの西端まで飛び
ダロキン共和国との国境へ
その他の場所:
ジアティス帝国 山中の洞窟 ストリースの隠れ家
その2
イラルアムの砂漠
イモータルの世界パンディウス〈思考の領域〉の居住区 |