その1
私なら……
「あたし……せ、センセイのその……あの……」
う〜ん、どうも気になるな。
「ストップっ!」
「え?」
「あ、あの、ごめん……い」
「う、うれしくて、その、あ、あたし……せ、センセイに
その……バカみたいにまた……は、話して、その……」
「あ、いや、違うって、俺がやめてほしいのは、それじゃなくて」
「その先生って呼び方」
「え……?」
「さっきも言ったとおり、俺って、まだまだビギナーで、
先生なんて呼ばれるほど、えらかないんだな」
「俺ごときは、テキトーに呼んでくれていいよ。
なんだったら呼び捨てもOKだし」
「お兄さんでもお兄ちゃんでも先輩でも好きに呼んでくれな」
内輪ネタ〜その1〜
「あ、いや、違うって、俺がやめてほしいのは、それじゃなくて」
「その先生って呼び方」
「え……?」
「さっきも言ったとおり、俺って、まだまだビギナーで、
先生なんて呼ばれるほど、えらかないんだな」
「俺ごときは、テキトーに呼んでくれていいよ。
なんだったら呼び捨てもOKだし」
「新谷でも良和でもあるまじろでも好きに呼んでくれな」
「そ、そんな、その呼び捨てなんて……その……せ、せ、センセイに……」
「本人が許可してるんだから、いいって。
特別に許可。かわいい女の子には特にね」
「……」
「じゃ、じゃあ……あるまじろさんで……その……」
まあ、いいかな? ちょっとヘンかもしれないが。
内輪ネタ〜その2〜
「……」
「あれ、どうかしたの?」
「……ごめん……い」
「どうして謝るわけ?」
「だ、だって……た、楽しくないでしょ……せ、せっかく
……あ、会ってくれたのに、マンガ喫茶屋さんなんて……」
「……」
「ふ、普通の喫茶屋さんのほうがよかったですよね。あ、あたし、その……」
「そ、それにあたし、さっきからマンガの話ばっかり……。
も、もっと、そのなにか……おもしろいこと……」
「こ、こんなときに……その、話ばっかりしたがって……きっと、
つまんなくて、なに、言ってるのか、その……」
あさひちゃん、相当気にしてるな。
俺もちょっと面食らったけど、せっかく、一緒に話しできる機会なのに
……。
「別にいいんじゃない。よくよく考えてみれば、
俺ってあさひちゃんのこと、よく知らないしさ」
「あさひちゃんも俺のこと、わからないだろ?」
「だったら、とりあえずお互いの趣味の話とか、
自己紹介みたいなカンジでじゃないかな」
「俺もマンガ描いてる以上、マンガには興味あるし。それに……」
「そ、それに?」
「あるまじろ君もあさひちゃんがどんなものが好きで、
どんなことを考えてるのか、興味があるだろうからさ」
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