昨年秋に、九重山縦走に続き、阿蘇へハシゴした九州遠征記の後編”阿蘇縦走”です。仙酔峡から、仙酔尾根を登って、高岳、中岳をまわるスタンダードなコースですが、高岳の東峰の方へも少し寄り道してみました。しかし、霧の為、仙酔尾根のすぐ横の鷲ヶ峰や、隣の根子岳すら、よく見えない状態で残念でした。ところで、この仙酔尾根は通称”馬鹿尾根”と呼ばれているようですが、尾根が馬鹿なんでしょうか、それともこんな所を登るヤツが馬鹿なんでしょうか...?
2000.10.15(日) ガス時々まれに晴れ | ||
6:30 | 起床 やはり辺りは真っ白でがっかり。駐車場の中でさえ、端までよく見えない...。今日は”登っただけ”ということになりそうだが、登山口まで来ちゃってるので、やむを得ず出発の準備。 | |
7:40 | 仙酔峡を出発 霧が晴れる様子は全くないが雨は降らないはずなので出発。 仙酔尾根へは、駐車場から東へ橋を渡る道、または駐車場から南へ登る遊歩道、いずれでも行ける模様。我々は遊歩道を行く。すぐに左手へ分かれて川を渡ると、草を分けて尾根道へ登ることになる。 | |
仙酔尾根 岩ゴロゴロの仙酔尾根だが、足元の石、岩はセメントで固めたようになっており、さらに岩はチョコレート色のペンキで塗られたような状態になっている。最初は、滑り易いので人為的に固めてあるのかと思ったが、ずっと上の方まで固められておりその労力を考えると、人の手によるものではなく自然の産物のようだ。溶岩が流れたのであろうか? しかし溶岩にしては砂岩っぽいというかセメントっぽい。砂岩が溶けてもこんな風にならないと思うのだが...。不思議、不思議...。不思議といえばこのチョコレート色のペンキのようなものも不思議だ。 道はひたすら登っていく。この尾根の楽しみはすぐ横に険しい鷲ヶ峰が見えることだが、この日はガスで全く見えない。かなり登った頃ようやく霧が少し薄くなって鷲ヶ峰が霧の中から姿を現した。しかし霧が晴れるのが遅すぎた。道は尾根の右手に廻っていくのですぐに鷲ヶ峰は尾根に隠れてしまった。あと1時間早く晴れてくれればよかったのに...。グランドキャニオンのような赤い地層の仙酔谷もかすかに見えるようになった。日も出てきて、登っていく高岳からの逆光でススキもどき(←ススキのようでススキでない。)の穂が白く輝いている。滑り易いザレ場を登り切ると高岳の稜線に出る。 | ||
9:55 | 高岳稜線 高岳は右手であるが、左手の東峰も近そうなので寄り道することにした。東峰へは車も走れそうな広い平らな道が続いている。稜線から北の風景は仙酔尾根とは打って変わってなだらかな平原のようになっており、避難小屋がポツンと建っているのが見える。南には、槍の穂先のような鷲ヶ峰が霧の中から浮かび上がっている。 楽勝そうに見えた東峰への道だったが、最後に一度下って登り返すことになる。 | |
10:10 | 高岳東峰(大休止) これが東峰なのかどうかよくわからないが、とりあえず、それらしき所に到着。すぐ前の鷲ヶ峰も霧に隠れがちで遠景は全く得られない。少し東の、根子岳が正面に見える(はずの)所へ移動して霧が晴れるのを待つ。根子岳へは尾根続きになってるのかと思ったら、道は大きく下っていた。しかし、下っていった先は霧の中で見えない。時々霧の中から根子岳の沢山ある峰の先だけが垣間見ることができた。 | |
10:45 | 休憩を終え出発 いつまで経っても根子岳の全貌を見ることはできそうもないので出発。来た道を引き返し、高岳を目指す。なだらかで雪が積もったらスキーができそうな高岳へ続く稜線の北側と違って、南側は険しく切り立っている。再び霧が濃くなっていく中、平坦な稜線を歩いて高岳に到着。 | |
11:00 | 高岳頂上(1592m)(大休止) 阿蘇の山群の中では最も高い高岳(←そのまんまの分かり易い名前)。しかし、霧のためほとんど展望がない。次の中岳さえ、隠れがちだ。 | |
11:25 | 休憩を終え出発 次の中岳へは、ずいぶん下ってしまう。高岳からはかなり下に見えるのだが標高差は100mもない。すぐに到着。 | |
11:45 | 中岳頂上(1506m) 今回の九重、阿蘇遠征で最後のピークになる中岳だが、ガスで展望がないのと、風が強いためほとんど素通り。とは言え、これ以上進むと観光客の中で昼食をとることになってしまうので、昼食の準備ができそうな凹地を探す。 | |
11:50 | 昼食 中岳から少し下った所で昼食。霧に霞む阿蘇の火口上空をヘリコプターが2機飛んでいる。初秋の行楽地の様子を取材に来たのだろうか? 翌日の朝刊には九重大船山の空撮写真が載っていた。 | |
12:30 | 昼食を終え出発 中岳の稜線の端っこは、阿蘇の火口がよく見渡せる絶好の展望所であった。火口の右の方からは白煙が噴き上がっており、阿蘇は今も活動中だ。このスケールの大きな光景を見る事ができて、やっぱり来た甲斐があったというものだ...。火口の向こう側に見える火口西展望所の方は車で行けることもあって、人出が多いようであったが、こちら側の火口東展望所には人も少なく、仙酔峡のロープウェーは営業が成り立っているのか他人事ながら心配になるほどであった。素通りしてしまった中岳頂上を振り返るが、やはり霧の中で視界はなさそうだ。 火口を見下ろしながらガラガラ道を下っていくと、ロープウェーからの遊歩道の端っこ、東展望所に降りる。降りてきた道を振り返ると、今にも崩れそうで危なっかしい。 | |
12:50 | 東展望所 火口を間近に望む展望所。なぜかこの附近、小さなハエだか羽蟻だか、とにかく小さな虫が大発生しており、歩いていると身体中にくっついてくる。払おうとすると潰れてしまって始末が悪い。目の中にまで入ってしまった為、翌日まで痛くて目が真っ赤になった。あんな所を飛んでいるので羽にたっぷり硫酸ミストがくっついていたのではないだろうか? | |
13:10 | ロープウェー火口駅 時間的にも体力的にも余裕があるので、ロープウェーは使わずロープウェーに沿った遊歩道を降りる。往きにはほとんど見えなかった鷲ヶ峰を見上げながら、ひたすらコンクリートに固められた道を下る。 | |
13:55 | 仙酔峡駐車場帰着 霧で遠景が得られず、やはり”登っただけ”であったが、阿蘇の火口は見れたし、昨日死にかかった足もなんとかもったし、まあ良しとするか...。 九重も阿蘇も火山活動でできた地形の中を歩いて、大地の広さというか力強さを感じた遠征であった。 | |
14:20 | 仙酔峡発 せっかく”火の国”熊本まで来たので、帰りに温泉に入ろうという訳で内牧温泉に寄り道。皇室御用達の由緒あるホテルでサッパリして帰路に付く。 途中、渋滞を避けながら、どこをどう走ったのか分からないが、とにかく小倉に到着。500番台の国道を通った気がする。国道って一体何番まであるのだろう? 小倉からは高速を走り、迷うことなく帰宅。 | |
21:00 | 新南陽着 九州は近そうで遠い...。往復570km走りました。 |