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南九重山縦走
-久住、稲星、中岳-

upload 2000.12.11

長者原-すがもり越-久住山-稲星山-中岳-白口谷-法華院温泉-すがもり越-長者原

 以前”キレット越え”に一緒に行った会社の同僚S氏と二人で、10月に九重、阿蘇にいってきました。天気がイマイチで、ガスで展望を遮られることが多かったですが、久しぶりに木のない山の縦走を楽しむ事ができました。
 私もS氏も九重は初めてということで、とりあえず久住-中岳へ行こう!ということで、長者原からすがもりを越えて、久住、稲星、中岳をまわって白口谷から法華院へ降りて長者原に戻りましたが、アップダウンの多い、異常にハードなコースでした。特に白口岳の横から法華院への下りが岩ゴロゴロの所を延々下って最悪でした。遠回りの長者原から登ったのが敗因でした。久住、中岳へは、牧の戸から登ることをお薦めします。
 とりあえず、九重南部の山は一通り廻れたので、今度はミヤマキリシマの時期に北部の山へ行きたいです。しかし、九州は遠い...。2,3時間で行ければいいのに...。


2000.10.14(土) 曇りのち晴れ、時々ガス
10/13
22:40
新南陽市発
 夜中走ってって、朝一から登るといういつもの作戦で、前夜出発。ずっと国道を走って九重へ行く予定だが、九州に入るとたちまち道に迷う。10号線に入るのも迷ったが、中津から耶馬渓に向う212号線がまた見つからない。耶馬渓への県道の案内はあったが、国道の案内はなかったと思うのだが...。とにかく九州の道はなんだか不親切だ。その後も迷いながら、約5時間かかって長者原に到着。出発した頃は空は良く晴れていて、秋らしい雲が見られたのだが、九州に近付くにつれ雲が厚くなってきて、長者原に着く頃には空一面分厚い黒い雲に覆われてしまった。
3:50 長者原着
 この分厚い雲が数時間で消えてくれることを祈りながら仮眠につく。
 しかし、夜が明けても低く垂れ込めた雲はなくなる事はなかった。辺りは真っ白で、駐車場からは山が何処にあるのか分からない状況だ。
6:55 長者原を出発
 あんまり気が進まないが、ここまで来たのでやむを得ず出発。まずは、雑木林を開いた舗装路を行く。30分位歩くと、巨大な砂防ダムの工事現場にさしかかる。右手が大きく開けて、遠くに牧の戸温泉であろうか、白い水蒸気を立ち上らせている建造物が見える。ここを過ぎると間もなくこの作業道をショートカットする山道への入り口が左手に見つかる。
7:25 作業道から山道へ入る
 黒い粘土質の道を登っていく。足元は朝露に濡れて半ヌルヌル状態なので、滑ってコケルと悲惨なことになるので注意しながら登る。少し登ると大きく開けてススキ野原になる。朝露に濡れたススキの穂が朝日に白く美しく輝いている。広いススキ野は開け過ぎてどこを歩けばいいのか分からなくなるくらいである。霧で真っ白なら本当に迷ってしまいそうだが、幸い立ちこめていた霧が徐々に薄くなって青空が見えてきた。地形を地図と照らし合わせて確認しながら進む。ススキ野原を約30分歩くと再びコンクリートの作業道に合流。
8:00 再び作業道に合流
 霧もすっかり晴れて、朝日を浴びながら作業道を行くと、ゴウゴウと音を立ててそこら中から水蒸気を吹き出している硫黄山が正面に現れビックリ! 吹き出し口付近は硫黄で黄色くなっているのが遠くからでもよくわかる。これを見上げながら砂防ダム(土石流ダム?)の工事現場の上を通って石コロだらけのガラガラ道を上り詰めると”すがもり越”に到着。
8:30 すがもり越
 真新しい避難小屋で小休止。ほとんどの人はここから三俣山に登っていく。久住へ向う人は一人もいない...。しかし我々は北千里浜の遥か向こうに見える久住を目指す。
 すがもり越からガラガラ道を北千里浜に降り、南へ進むと右手に再び蒸気を噴出している硫黄山が見えてくる。当然、硫黄臭く、北千里浜は盆地になっているので、風がないとヤバいのではないかと不安になる。ここで硫化水素で倒れた人はいないのだろうか? とは言え、久しぶりに木の生えてない山を歩くのは気持ちが良い。
 北千里浜の突き当たりを久住分れに向けて登っていく。途中振り返ると、やけに青々とした三俣山が正面に見える。丸みを帯びた女性的な山容である。左手に天狗ヶ城を見ながら、上り詰めたところが久住分れ。
9:35 久住分れ
 牧の戸からの道と合流する久住分れ。久住へは長者原からより牧の戸からの方が約1時間近いので、既に牧の戸発組が大勢先行しているようである。また牧の戸組の半数くらいは”登山”というより”ハイキング”という感じの装いである。
 さて、久住分れから見渡すと、三俣山がその名の通り”三俣”に見える。そしてその右手遥か遠くには雲海から頂上を突き出している山が見える。由布岳であろうか?
 久住分れからは、左手に中岳、右手に久住を見ながら高原のような雰囲気の中を進む。道脇の草むらには綺麗なリンドウの花が咲いている。しかし、私のカメラのズームレンズに付いているマクロレンズは1mも離れなければピントが合わない。普通1mも離れると登山道から落ちてしまう...。おまけにそんなに離れると、花はえらい小さくなってしまって、これじゃ”マクロ”じゃなくて”ミクロレンズ”だ...。
 すでに大勢の人が見える頂上を見上げながら廻り混むように登り詰めると、出発から3時間以上掛ってようやく久住頂上に到着。
10:15 久住山頂上(1787m)(大休止)
 九重山系最高峰は中岳であるが、人気の点ではこちらの方が主峰と言える。やたらに人が多い。昔は実際にも久住が最高峰であったらしい。と言う事は、最近にも山の高さが変わる程の噴火があったということなのだろうか?...恐ろしい。
 向いの天狗ヶ城、中岳を眺めながらひと休み。南方に見えるはずの阿蘇の山群は一面に広がる雲海の下でほとんど見えない。一瞬、山頂部だけ見える事があったが、涅槃像のように見えるという阿蘇の全貌を垣間見ることはできなかった。残念...。
10:40 休憩を終え出発
 右手、雲海の中に祖母〜傾山の山群がわずかに頭を覗かせているのを眺めながら、尾根道を稲星山へ向う。この尾根道にもリンドウが沢山綺麗な青い花を咲かせている。この尾根道は九重の山々が一望にできて本当に展望が良い。こっちの方の山には全く木が生えていないが、大船山はずいぶん緑色に見える。あっちの方の山は木が生えているようだ。
 道は一旦下った後再び登りになり、稲星山は遠そうに見えるが、下った”底”から約10分程で稲星山頂に到着。
11:10 稲星山頂上(1774m)(昼食)
 ”もし斜面の草が真っ赤になったら綺麗だろうな”などと思いながら久住を振り返る。相変わらず久住の頂上は人が一杯だ。中岳の方も結構人が多そうだ。少し早いが、人の少ない稲星で昼食を取ることにした。
 最近は犬を連れて山に登る人も多いが、ここにも犬を連れた人が昼食の準備を始めていた。主人がいい匂いをさせてジュージューと肉を焼いて自分だけ食べ始めると、おとなしくしていた犬くんもさすがに怒り出したのだった...。
12:05 昼食を終え出発
 さて、次ぎは向いの中岳へ。また一度下って登る事になるが、頂上からはなだらかに見えた中岳への登りが、稲星を下るにつれて切り立って見えてくる。東千里浜まで降りると中岳への道は見上げるような急登になってしまい、登る元気がちょっとなくなる。しかし高度差約110mの急登も意外に早く登れて稲星から20分程で中岳頂上に到着。
12:25 中岳頂上(1791m)(大休止)
 九重山系最高峰の中岳。緑色の水を讃えた御池の向こうに久住山、右手の方には天狗ヶ城とその奥には星生山、白煙を上げる硫黄山が望める。しかし再びガスが広がってきて、それ以上遠くは見えなくなってしまった。北方には三俣山や、これから降りていく坊ヶツルの平原が広がっている
 中岳へは、我々が登ってきた稲星からの道と、天狗ヶ城からの道の他に、北側に坊ヶツルの方へ降りていくと思われる道があった。坊ヶツルの方へ降りるには近道そうであるが、我々の持ってる地図にこの道がなかったのと、結構急下降そうだったので、予定通り白口谷から降りる事にした。
13:00 休憩を終え出発
 という訳で、御池の横を通って東千里浜へ降り、白口岳とその背景に大船山を見ながら白口谷へ向う。白口岳には背の低い木が生えていて、少し紅葉している木も見られる。この日、大船山の頂上付近では早くも綺麗な紅葉が見られたそうである。
 白口岳の前を過ぎるとあとは谷沿いにひたすら下るだけ。この道はあまり人が通らないようで、草木が道にかぶさっている。石がゴロゴロしている道なのに足元が良く見えないので、よくつまずく。転倒や捻挫しないよう注意が必要だ。下れども、下れども、坊ヶツルは近くならない。いい加減イヤになる程下ると、急に視界が開けて、坊ヶツルが見渡せるところに出る。法華院温泉の屋根も見える! ヤレヤレやっと着いたと思ったらまだ早い、下りはまだまだ続く...。
14:20 法華院温泉
 やっとの思いでキャンプ場に辿り着く。温泉にでも浸かりたい所だが、時間の余裕がないので、温泉小屋は素通り。小屋入り口には入湯300円と書いてあったかな?
 法華院まで降りたら、”あとは三俣山の前を通って、北千里を歩く平坦コース”と思っていたが、三俣山の前は見上げる程の峠になっている...。”また登るのか...”という精神的ショックは大きい。30分掛って高度差約200mを登り、溶岩がゴロゴロしている所を越えると、今度こそ本当に平坦な北千里浜にでる。
15:05 北千里浜
 右手に三俣山を見上げながら、すがもり越へ向う。北千里は、水の流れた跡が認められるが、雨が降ると川のようになってしまうのだろうか?
15:20 すがもり越
 南九重一周コース?をまわって、ようやくすがもり越に戻ってこれたが、長者原まではまだまだ遠い。途中のススキ野原が粘土質でヌルヌルしていて下りは滑りそうでイヤだということで、帰りはずっと作業道を行く事になったが、疲れた足で長時間アスファルトを歩いたのが悪かったのか具合が悪くなってきた。私は足が疲れてくると下りで足首からポキポキ音が出るようになる。音が出るだけでたいていは痛くないのだが、腰がコリコリしだすとヤバい。非常に痛い。痛いのでこれをかばって歩くせいか、そのうち足の付け根まで痛くなってきて、最悪のヘロヘロ状態で長者原に辿り着いた。
16:40 長者原駐車場帰着
 白口谷の下りから長い苦難の道であった。やっぱり牧の戸から行けば良かった...。
 足の状態は最悪だが、できれば明るいうちに阿蘇の登山口へ着きたいので、直ちに出発。
16:50 長者原発
 やまなみハイウェイを南へ向う。高原のような雰囲気の中、車を走らせると、正面に夕焼けの中に阿蘇の山々のシルエットが浮かび上がって見えてくる。山口県には平野がないので、このような広々とした大地の光景はまるで別世界のようだ。脇見運転をしながらハイウェイを降りると、コンビニでちょっと食料を買い足して阿蘇仙酔峡道路へ。こちらはやまなみハイウェイとはうって変わって、ただの山道だ。
18:00 阿蘇仙酔峡着
 長者原から1時間ちょっとで仙酔峡到着。もう薄暗くなってしまった。早速夕食に取り掛かる。仙酔峡は標高900m位なのでこの時期もう寒いと思ったが、全く風がないため、長い間車の外にいても平気であった。しかし風がないため、どんよりとした雲が動かず、明日の天気が心配だ。そもそも、私の足は明日歩けるのだろうか...。

今回の九州遠征の後編、”阿蘇縦走”はこちらです。
黒岳、大船山、三俣山など、九重山北部の山の縦走記録はこちらです。




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