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蒜山三山縦走

upload 2002. 7. 1

犬挟峠-下蒜山-中蒜山-上蒜山-中蒜山-下蒜山-犬挟峠

map

 ゴールデンウィークに帰省する際に、蒜山に寄ってきました。蒜山は麓が観光牧場になっていて、観光地”蒜山高原”として有名ですね。山の方は、上蒜山、中蒜山、下蒜山と3つの山が並んでいて縦走できます。縦走コースのほとんどは背丈より低い笹の原になっているので、展望のよい、まさに高原気分の縦走が楽しめます。でも夏は暑いかも...。
 大山に近いので、大山の展望を楽しみに行ったのですが、思ったより大山が遠く随分小さく見えました。大山に最も近い上蒜山頂上は残念ながら展望がありません(上蒜山登山道からは大山がよく見えます)。中蒜山、下蒜山の頂上はほぼ360度の大展望が得られますが、中蒜山からは大山は上蒜山に隠れて見えません。下蒜山からは中蒜山、上蒜山、大山が並んで見えます。でもちょっと遠い...。
 この時期、まだ木々が葉を付けてませんので、山全体としては緑が少なくイマイチですが、登山道脇にはカタクリ、コイワカガミ、ショウジョウバカマなど沢山の花が咲いていました。この時期、花が一番多かったのは下蒜山かな? 逆に一番少なかったのは中蒜山でカタクリは見られませんでした。新緑の季節には、鮮やかな緑の中、高原気分の縦走が楽しめることと思います。


区間所要時間(分)
犬挟峠-(70)→下蒜山-(75)→中蒜山-(35)→上蒜山-(40)→中蒜山-(70)→下蒜山-(45)→犬挟峠


2002. 4.27(土) 曇りのち晴れ
0:05 新南陽市発
 一昨年の大山行き同様、国道2→54→183→181→313と乗り継いで蒜山を目指す。大山への道と別れる時にはすでに5時で、大山の時には5時に登山口に着いていたのに今回は少し遅いようだ。大山の時は霧で前が見えなかったのにえらい飛ばしてたな...。国道313で東へ流れていくと朝焼けの中、中国山地の山々の稜線が赤く浮かび上がってきた。道は観光地の雰囲気に一変し、”蒜山高原”に到着。
 ”蒜山高原”には到着したものの、下蒜山の登山口はまだ遠い。上、中蒜山の辺りはいかにも観光地として綺麗に整備されているが、中蒜山の前を過ぎると、いきなり道は狭くなりただの田舎道になってしまう。なんという変わり身の早さ...。蒜山三山を左手に見ながら東へ流れていくと再び国道313に入って蒜山三山の東の端、犬挟峠を目指す。
5:45 犬挟峠(下蒜山登山口)着
 下蒜山が近付いてきたら、左手に注意。木製の案内板と休憩所が見えたら、これが下蒜山登山口。辺りには、売店はもちろん自動販売機すらない。トイレもないので、上、中蒜山の方で済ませてきた方がよい。駐車スペースは十数台分くらいかな?
6:00 登山口を出発
 6時間近く走ってきたので少し休憩したいところだが、ガイドブックのコースタイムでは往復すると9時間くらい掛かりそうなので、早めに出発。
 沢山のウグイスが鳴く中、林の中に入っていくと、”頂上まで1時間40分”の案内板から急登がはじまる。横木の階段状の急登で寝不足の体には堪える。あまりの急登のため、所々ロープや鎖が付けられているが、このロープや鎖がやたらと長い。また、鎖は不要と思われる箇所も多い。こんなに長いロープや鎖は返って危険を招く恐れがあるので、不要箇所のロープや鎖は外し、また長さも短くして欲しいものだ。
 あまりに急登のせいか、10分も登ると、まだ薄暗い空にまわりの山並みが低く見えてくる。
6:30 5合目
 5合目の標識を過ぎると木がなくなり、視界を遮るものが全くなくなる。背後には緑の盆地が広がり、前方には稜線を直登していく下蒜山頂上までのルートがはっきりと見て取れる。まさに”蒜山高原”のイメージそのままの光景であるが、一面の笹のような草が枯れていて緑色ではないので大きくイメージダウン。これが一面緑色だったら最高なのに...。1ヶ月位あとに来ればいいのかな? と言う訳で山は緑が少なくイマイチだが、道脇には色とりどりの花が咲いており、”雲居平”を過ぎるとカタクリも見られるようになる。
 7合目あたりから再び急登となって、9合目から一旦下って登り返すとようやく頂上に到着。
7:10 下蒜山頂上(1101m)(朝食)
 頂上は北西方向はやや難があるが、ほぼ360度の大展望。南には緑の盆地が広がり、西にはこれから歩いていく、中、上蒜山、そして皆ヶ山、烏ヶ山、大山と並んでいる大山北壁にはまだ雪も少し残っているようだ。北方には真っ平らな平野が海へとつながっている。
 ベンチも2つ置かれているのだが、朝早すぎるので、夜露に濡れてびしょびしょだ。水を払ってスペースを確保、朝食に取り掛かる。ウグイスの鳴き声やキツツキのツツキ音?の響く中、大山を眺めながらおにぎりを食べる。一晩置いといても海苔パリパリのおにぎりが食べられるのはありがたいことだ。しかし、大山は期待したよりちょっと遠くて小さいな...。空は雲が多くて日が射さないので寒い...。
7:55 朝食を終え出発
 思ったより早く頂上に着いたので、もう少し日が高くなるまで休憩したかったが、風も吹いてあまりに寒いので、暖まるために出発。薄い林の中、夜露でヌルヌルの黒土の道を急降下。このあたりカタクリが非常に多い。しかしまだ朝早いのでカタクリは皆お休み中で、夜露から雄しべ、雌しべを守るようにうつむいて花びらを閉じている。カタクリの他、コイワカガミも多くて、ピンク色が濃いもの、薄くてほとんど白に見えるものなど色々あった。
 道は一度大きく下って、軽いup-downのあと、前方が大きく開けると中蒜山頂上への道が見渡せるようになる。前方が開けるということは道はまた急降下となる。中蒜山からは大山が見えないのでしばらく大山は見納め
8:35 フングリ乢
 フングリ乢を過ぎると道は登りに転じ、本格的に急登となる。こうゆう急登の時こそ道脇の花が励みになるのだが、どうゆうわけかこの急登区間ほとんど花がない...。ブナの新芽が膨らみ始めているのを右手に見ながら登っていくと塩釜冷泉への分岐が現れる。
9:00 塩釜冷泉への分岐
 分岐を過ぎると前方に避難小屋が見えてくる。小屋の向こうが中蒜山頂上だ。振り返ると、遠かった下蒜山からのルートが一望できる
9:10 中蒜山頂上(1122m)(大休止)
 中蒜山頂上も下蒜山同様360度の大展望が得られる。ただし、大山は上蒜山の裏になってしまうので見えない。
 こちらはベンチが5つか6つ置かれていて好きな方を向いて陣取ることができる。幸い下蒜山では濡れていたベンチも乾いている。上蒜山に向かって腰を降ろす。上蒜山は下蒜山に比べるとずいぶん近そうだ。ルートもはっきり見て取れる。北方の平野の向こうの海岸線が霞んではっきりしないのが残念だ。
9:35 休憩を終え出発
 予定よりだいぶ早いので、この調子で行くと10時過ぎに上蒜山に着いちゃいそうだが、京都まで帰らなければならないので、そうゆっくりとはしていられない。上蒜山への縦走路には誰も居ないので、ひょっとすると下、中に続いて上蒜山まで一番乗りになりそうだ。
 頂上をでるとすぐに道の真ん中に水溜まりができている...と思って近付て見ると、カエルの卵だった。ゼリー状のチューブの中に卵が綺麗に並んでいる。しかも、水溜まりと思えるほど多量である。2リットル以上はありそうだ。卵が2リットルということはお母さんは5リットルくらいの体積になるはず...そんな大きなカエルがいるのだろうか? それとも何匹か一緒に卵を産んだのだろうか? そもそも道の真ん中なんかに卵を産んじゃって孵ったオタマジャクシはどすればいいの...?
 林を抜け、ユートピアと呼ばれる、すがすがしい高原の雰囲気の中を20分ほどひたすら下ると登りに転じてまたまた急登となる。しかし、上蒜山への急登は花も多い。中蒜山ではほとんど見られなかったカタクリも沢山咲いている所が3ケ所ほどあった。途中、何組か上蒜山から来た人とすれ違った。さすがに三山一番乗りにはならなかったようだ。約20分ひたすら登ると上蒜山頂上に到着。
10:10 上蒜山頂上(1202m)
 しかし上蒜山頂上は木に囲まれ展望が全くない...。蒜山三山で一番高いのに...。大山に一番近いのに...。
 実は正確にはここは上蒜山頂上ではなくて三角点は西側にある1200mのピークの方に付けられている。2m低いのに...。そこで三角点の方へ行こうとしたが薮に阻まれ進めない。結構登る人が多い山なのに誰も三角点の方には行かないのだろうか? 笹薮なら分けて進めるが木の薮は厄介なので途中で退却。誰も行かないと言うことは大山の展望もないのだろう...。
 中蒜山の方から見ると左手の方に展望の良さそうな尾根が張り出していたので、大山が見える所まで上蒜山の登山道を降りてみることにした。しばらく林の中を下ると木がなくなって展望の良い気分爽快の尾根道となる。
10:30 上蒜山南尾根(1116m)(昼食)
 少し早いが正面に烏ヶ山を従えた大山を眺めながら昼食。しかし、小さな虫が飛び回っているのがうっとうしい...。辺りにはコイワカガミが多いが花はほとんど付けていない。
11:25 昼食を終え出発
 あとは上、中蒜山を越えて下蒜山へ来た道を帰る。所要時間も大体わかったので、各頂上で20分ずつ休んでも3時頃には下山できそうだ。
11:35 上蒜山頂上(1202m)
 さて、中蒜山を経て下蒜山に戻る復路は花の分布に注目して歩いてみよう。上蒜山〜鞍部までの間は、カタクリが所々固まって咲いているが、登りに転じて鞍部〜中蒜山の間はやっぱり花が少ない。
12:15 中蒜山頂上(1122m)(大休止)
 気が付くと少し天気が悪くなっていて、上蒜山頂上も下蒜山頂上も雲の中に入っている。北の海の上には黒い雲が多くなってきてちょっと心配。お昼にもなったので、徐々に人が多くなってきた。
12:35 休憩を終え出発
 少し下るとすぐに塩釜冷泉への分岐と分かれて、さらに急降下。まだまだ遠い下蒜山への尾根道を見渡しながら下っていく。やっぱり中蒜山は上、下蒜山に比べると花が少ない...。咲いてるのはショウジョウバカマくらいかな?
12:50 フングリ乢
 フングリ乢を過ぎると登りに転じる。縦走路上では、この鞍部から下蒜山頂上に掛けての一帯が最も花が多い。少なくともカタクリ、コイワカガミについてはこの一帯が一番多いと言える。またイカリソウはこの辺りにしか咲いていなかった。ただし、鞍部付近のカタクリはこの時期すでに終わっている株が多かった。でも下蒜山頂上近くのカタクリはまだ綺麗に咲いている。そう言えば、朝はみんな花びらを閉じていたカタクリは今ではみんな全開、お馴染みの姿に反転している。やっぱりカタクリは夜は閉じていて日が出ると開き始め昼にかけて全開になるようだ。
 2段構えになっている最後の急登を登り切ると下蒜山頂上に帰着。
13:45 下蒜山頂上(1101m)(大休止)
 中蒜山では心配された天気も持ち直して、一面雲に覆われていた空も南の方は青空が広がっている。
 このコースはとにかくup-downが激しいので辛い。各頂上間の鞍部は200〜300m低くなっていて急降下&急登の繰り返しで大変疲れた。登山口が標高500m位だから、登りだけ積算しても1600m位は登ったことになるのではないだろうか? 当然登った分は降りなければならない...。
14:20 休憩を終え出発
 と、言う訳で最後の約600mの下りに掛かる。盆地を見下ろしながら急降下。爽やかな風が心地よい。
14:45 5合目
 5合目から10分ほど下ると木の枝の隙間から車道が見え、車の走る音も聞こえてくるようになる。あと少しだ...。しかし、延々続く横木の階段が辛い...。
15:05 犬挟峠(下蒜山登山口)帰着
 中、上に比べ、人気の無さそうな下蒜山だが、登山口には数台車が停まっていた。下山して顔や足を洗ってさっぱりしたい所だが、登山口にはトイレもない。そういう時に便利なのが、ウエットティッシュ。昔は数百円したものだが、今では100円ショップで売ってるので、厚手で大き目のものをザックに入れておくと重宝する。全身的にさっぱりしたい方は、塩釜の休暇村へ行けば入浴できる。
15:30 犬挟峠発
 さて、京都へは山陽へ戻るのと日本海へ抜けるのとどちらが速いか微妙な所だが、中国山地沿いの道は、道幅など不安なので、日本海まわりの9号線で帰る事にした。
21:05 京都着
 やっぱり6時間近く掛ってようやく到着。今回のドライブでは、セルフ給油のGSが目立ったのが新しい発見かな? 実家の近所にもできていた。
 次の帰省の寄り道は、何処にしようか? 後山か氷ノ山か...? しかし、ゴールデンウィークには、まだ新緑には早いのが残念だな。山はやっぱり緑じゃなきゃ...。




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