主に学生時代に、槍ヶ岳、剣岳、八ヶ岳、富士山など日本の主だった山々に登ったものの、会社に入って登山をしなくなり、メジャーな山の中で穂高に登っていないのを心残りに思っていた所、職場の山好きの同僚から、北アルプスへ行こうと持ちかけられ、迷わず穂高に登ることを提案した。(彼は偶然にも私と生年月日が全く同日。今後も彼と登山のページを増やしていくことになるだろう。)
本当は、10/10の夜に出発の予定であったが、3日後には天気が崩れると予報されていたので、急遽出発を1日早め、10/9に会社から帰宅すると慌てて荷物を準備をすることになった。寝る暇もなく出発。さらに当初、穂高と涸沢の山小屋で2泊する予定であったが、天気が崩れる前に下山するため、穂高岳山荘の1泊だけで下山するハードなスケジュールとなった。
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このページで紹介している写真のいくつかを、デスクトップの壁紙用に加工してみました。
あなたのパソコンのデスクトップを山頂からの展望で飾ってみて下さい。
832*642pixelの大写真になってますので、”写真が小さいぞ!”と不満の方も覗いてみて下さい。
”穂高-槍完全縦走分割払い計画”第2弾、”北穂〜槍-キレット越え-”は、こちらで掲載中です。
96.10.10 | ||
0:00 | 私の愛車で四日市を出発。東名阪-名古屋高速-中央高速と乗り継いで、まずは松本を目指す。 | |
3:00 | 松本ICで高速を降りると、国道158で上高地に向う。ところが、こんな夜中に渋滞発生。夜中から上高地へ向う車で渋滞しているのかと思って驚いたが、道路工事だった。結局この渋滞で30分位はロスした。 | |
4:10 | 沢渡着 約4時間で沢渡到着。始発バスの時間(5:30)をチェックしてからしばらく仮眠(と言っても私は寝られない...)。 | |
5:40 | 沢渡発 バスで上高地へ 始発バスには乗り遅れて2本目に乗車。始発には”何が何でも始発に乗るぞ!”と気合の入った人達が時間の10分以上前から並んでるので、始発の時刻にバス停に行ったのでは乗れない...。それでも、最初は次々バスがやってくるので、始発に乗れなくても大丈夫。 | |
6:10 | 上高地バスターミナル着 | |
6:30 | 入山届けを済ませ岳沢へ向けて出発! お天気は快晴。河童橋より眺める、朝日を浴びた穂高の山々が美しい。これまで2度ほど観光で来て、見上げるだけだった穂高に、今日は真っ正面から登っていく。 しばらく梓川に沿って歩くが、すぐに梓川と別れ、いよいよ岳沢への登りにかかる。最初は赤や黄色に色付いた樹林帯の中を歩く。時折、”河原に出る”という感じで岳沢のガレ場に出て、西穂の稜線が展望できる。道はとにかく登りっぱなし。岳沢ヒュッテが見えてるのになかなか近付いてこない。岳沢のガレ場をやっとの思いで登り切って、岳沢ヒュッテに到着。 | |
8:45 | 岳沢ヒュッテ ヒュッテ前のベンチで大休止。眼下には上高地、そして正面遠くには乗鞍岳が見える。山の方を見上げると、色付いた木々の向こうに穂高の陵線が見える。 岳沢ヒュッテを出ると、しばらく岳沢のガレ場をジグザグに登る。まもなく再び樹林帯に入り、折り返しながら高度を上げていく。振り返り上高地を見下ろすと、右手の焼岳もずいぶん低く見えるようになってきた。ずいぶん登ってきたものだ(って、朝からずっと登りっぱなしだ...)。しかし重太郎新道の急登はここからが正念場。奥穂〜西穂の複雑な陵線を見上げながら登っていくと、道を折り返すごとにますます勾配がきつくなり、鎖場も現われる。そして最後には手も使わなければ登れない状態になってしまう。このコースは、かなり手が活躍するので軍手をお忘れなく。鎖付きの長いガレ場を登り詰めると、ようやく紀美子平に到着。 | |
11:40 | 紀美子平 奥穂へ続く吊り尾根の縦走路、そして奥穂〜西穂の峰々を眺めながら昼食。イワヒバリが2羽現れ、急登の疲れを癒してくれた。 | |
12:20 | 重いザックを紀美子平にデポジットし、岩だらけに見える前穂頂上を目指し出発。 身軽になって、ガレ場を一気に山頂へ直登。 | |
12:40 | 前穂高岳山頂(標高3090m) 岩だらけの頂上からは、近くは、西穂、奥穂、北穂、遠くは、槍、常念など、360゜パノラマが開ける。しかし残念ながら、 槍ヶ岳の雄姿はすぐに雲に隠れてしまった...。 | |
13:00 | 雲の中から再び槍が姿を現わすのを待ったがあきらめて復路に着く。 | |
13:30 | 紀美子平 再び重いザックを背負って吊り尾根を奥穂へ向う。奥穂への道のりは非常に遠い。岳沢から見上げた複雑な陵線から予想されたことだが、何度もピークを越えても、まだその先にピークが現われ、山頂にはなかなか到達できない。そのうちに雲が増えて周囲が真っ白になってしまった。山の天気が良いのは午前中だけだ。日の光も遮られ、風が冷たくなってきた。朝からの急登続きで足が重い...。何度もアップダウンを繰り返してようやく奥穂頂上に到着。 | |
15:10 | 奥穂高岳山頂(標高3190m:標高日本第3位) せっかく辿り着いた奥穂頂上だが、ガスのため、西穂に続く峰々もジャンダルムより先が見えない状態で展望はない。おまけに岩陰には先日降った雪が残っており、非常に寒い。 頂上には、標高第2位の北岳(3192m)の高さに追い付くべく積み上げられた大ケルンの上に小さな祠が祭られていた。 | |
15:20 | 風が冷たく、周囲は真っ白で展望も望めないため早々に穂高岳山荘に向かう。 奥穂から穂高岳山荘への下りは、鎖、ハシゴの続く急下降だ。山荘は目の前(目の下?)だが、油断は禁物。ハシゴって登るのは簡単だが、降りるのは厄介だ。足元を確かめながら慎重に降りる。最後はハシゴの連続技で絶壁を急降下して穂高岳山荘に到着。 | |
16:00 | 穂高岳山荘 穂高岳山荘は非常に奇麗な山小屋で、ロビーにはテレビ、電話もあり、とても3000m近い山の上にあるとは思えないほど設備が充実している。 部屋の窓から見えた、真っ赤な夕焼けの中に浮かぶ笠ヶ岳のシルエットが非常に美しかった。 | |
96.10.11 | ||
5:00 | 穂高岳山荘の玄関正面より日の出を望む。 少し雲が多いが、今日も天気が良さそうだ。朝日の逆光の中で常念岳が美しい。 | |
6:50 | 朝御飯をしっかり食べて穂高岳山荘を出発 このところ寝不足続きで頭が痛い。昨夜も同室者のイビキで寝られなかった...。 山荘の生命線、ヘリポートを越えて”ガレキの山”という感じのガレ場を登っていく。 | |
7:10 | 涸沢岳頂上(標高3110m) 西側には朝日を浴びて笠ヶ岳が美しく輝いている。笠ヶ岳は私にとって最初に登った北アルプスの山なので、なんだか愛着をもって眺めてしまう。北方には双耳峰に見える北穂、そしてその向こうには、私の大好きな槍ヶ岳の鋭角的なピークが見える。こうしてパノラマを見渡しても、自分の登ったことのある山は、明らかに他の山とは違って見えてしまう。 涸沢岳を越えると、道はガレ場を急下降。鎖やハシゴが連続して緊張する。ようやく鞍部に降りてほっと一息。振り返ると、とんでもない所を降りてきたのに驚く。その後もこのような急登、急下降が2、3度繰り返され、鎖やハシゴが連続するので、確実な3点支持による慎重な行動が要求される。もし足を滑らせれば、カスリ傷ではすまないだろう。また浮石も多く登山者が多い時には落石の危険もあるので注意しよう。(と言っても、逃げる場所はない。ヘタに動くと自分が”落人”になってしまう...。) 涸沢側と滝谷側、両側の谷を覗きながら、危険なガレ場、ザレ場を進んでいくと、大好きな槍ヶ岳もだんだん近付いてきた。最後の難関、奥壁のガレ場を登り切ると、北穂頂上は目の前。 | |
9:20 | 北穂高岳頂上(標高3106m) 私の大好きな槍ヶ岳の雄姿を間近で見ることができ大感激。大パノラマは、黒部五郎、薬師、槍から、大天井、横通、常念と続き、反対側の、鋸の刃の様な特徴的な前穂の北尾根、荒々しい奥穂、そして笠ヶ岳と360°見渡すことができる。 | |
9:40 | 今回の登山最後のピークからの素晴しいパノラマをずっと楽しんでいたかったが、終バスまでにバスターミナルにたどりつかなければならないので、後ろ髪を引かれる思いで北穂高岳頂上を後にした。 登山のハイライトを終えて、頭痛だけが残った。延々と下りが続き、余計に頭に響く。ガレ場をひたすら下って涸沢に到着。 | |
11:40 | 涸沢小屋(昼食) カラフルなテント村がいかにも涸沢らしい。見上げると穂高岳山荘〜涸沢岳〜北穂と今朝から歩いてきた陵線を一望できる。 | |
12:10 | 昼食を終えて、あとは、上高地に戻るだけ。 涸沢からは、パノラマ新道を通って上高地へ向かう。時折、荒々しい稜線を見上げながら、パノラマ新道は樹林帯の中を行くが、途中、道が細かったり、崩れかかっていたりしていて、あまり状態が良ろしくない。せっかく、標高3000mの岩稜歩きをしたあとに、泥んこ道で苦戦するのも興醒めだ。さらに、樹林帯を行くのであまり展望もない。”パノラマ新道”っていう名前にダマされたって感じ...。また、地図で見るとこっちの方がずいぶん近道に見えるのだが、やや苦戦する分、時間的メリットも少ないように思われる。場合によっては通れなくなりそうなパノラマ新道より、コース状態に不安の少ない横尾経由で降りた方がよいと思われる。 | |
15:50 | 徳沢 天気が崩れ、小雨が降りだしてしまった。しかし、あとは平坦な道だけだ。と言うものの、この遊歩道が非常に長い...。 | |
17:10 | 上高地バスターミナル到着 やっと上高地バスターミナルに到着した頃には、少し薄暗くなっていた。忘れずに下山届けを提出。 | |
17:20 | 上高地バスターミナル発。バスで沢渡駐車場へ | |
17:50 | 沢渡着 | |
18:00 | 沢渡発 | |
22:10 | 四日市着 |
¥¥¥御参考まで¥¥¥ | ||
高速料金 (片道) |
東名阪 名古屋高速 中央自動車道(春日井-松本) |
800円 500円 4700円 |
駐車料金 | 沢渡1泊 | 1500円 |
バス料金 | 沢渡-上高地(往復) | 2000円 |
宿泊料 | 穂高岳山荘(2食付き) | 8200円 |
このコースは、岳沢〜奥穂の間は、紀美子平手前がかなりの急登であるものの、体力勝負で、あまり危険とは思えないので、体力に自信のある方なら初心者の方でも大丈夫と思われるが、奥穂〜北穂の間は、本文中にも写真付きで紹介したように、かなり傾斜がきつく、特に涸沢岳からの下りはガレているので危険である。ザイルなどの特別な装備を必要とするわけではなく(軍手は必要です。)、”3点支持”の基本に忠実に行動すれば大丈夫であるが、下りの場合、運悪く浮石に足を乗せてしまうと転落する危険があることを肝に命じて、慎重に行動する必要がある。
また、浮石が多くガレているので、夏のシーズンなど登山者が多い時には落石の危険もある。もし落ちてきても避ける余裕はないかもしれないので、万一のためヘルメットを持って行った方が良いかもしれない。少なくとも自分は石を落とさないよう注意して下さい。
長野県警のhomepageによると、97年7,8月の穂高での事故は12件、死者3名と報告されています。何処でどのような事故であったのか詳細はわかりませんが、十分注意して登山を楽しみましょう。
”穂高-槍完全縦走分割払い計画”第2弾、”北穂〜槍-キレット越え-”は、こちらで掲載中です。