秋に会社の同僚2人と、山口からはるばる”北穂-槍縦走”に行ってきた。一昨年の”前穂-北穂縦走”に続く、”穂高-槍完全縦走分割払い計画”第2弾であったが、キレット越えに手間取り、南岳泊りで槍までピストンする変則縦走となってしまった。山中2泊3日で、3日とも天候に恵まれ、標高3000mの尾根から美しい青空をバックに北アルプスの山々を堪能することができた。予定変更により、槍頂上には登れなかったが、代わりに立ち寄ることになった天狗原付近は早くも色付き始め、赤、オレンジ、黄色の紅葉と美しい槍の姿を楽しむことができた。
今回のメイン、”大キレット越え”は落石が頻発して、予想以上に危険なコースであった。山口から片道1000km以上になる車でのアプローチを含めて、無事に帰還することができて本当によかった。
”穂高-槍完全縦走分割払い計画”は最難関”西穂-奥穂”区間が残されているが、今回のキレットでの落石で少し弱気になってしまった。”西穂-奥穂”は、浮き石どころか、”浮き岩が岩ごと落ちる”と言われているし...。経験者の方、アドバイス頂ければ幸いです。
・このページの紙芝居版”バーチャル登山:槍穂縦走”はこちらで掲載中です。
・”穂高-槍完全縦走分割払い計画”第1弾、”穂高縦走-前穂、奥穂、北穂-”は、こちらで掲載中です。
98. 9.11(金) | ||
0:00 | 山口発 夜中から会社の同僚のS氏の車で四日市に移動。S氏は私が赴任する以前に四日市の職場にいたことがあり、鈴鹿で山登りを始めたという。従って、私が四日市でよく一緒に山に登ったH氏とも親交が深い。 | |
12:00 | 四日市着 四日市は、つい2週間前まで居た所なので全く違和感がない。スーパーで山中での食料を仕入れる。 | |
16:30 | 四日市発 遠征を共にするのは今回で6回目となるH氏を拾って上高地へ向かう。 | |
21:00 | 沢渡着 沢渡にはいくつか駐車場があるが、バスの始発となる”第一駐車場”に車を泊めよう。(一番松本側にある。料金は一日当り500円...一昨年より安くなっている。)そして駐車場に着いたら、バスの始発時間をチェックしよう! | |
98. 9.12(土) 曇りのち晴れ | ||
5:00 | 沢渡発 一昨年の秋(10月)は、上高地行きバスの始発は、5時半であったが、今回は5時ということで4時半から準備していたのだが、結局前回同様、始発は乗り遅れて、2本目に乗車することになった。バスは始発時間の10分くらい前にやって来て、満員になり次第出発。以降満員になり次第順次発車する。料金は往復で2000円。4名以上で団体割引となり7400円/4名から人数が多い程割安となる。一昨年は団体割引などなかったような気がするが、タクシーに客を取られているのだろうか? ちなみにタクシーだとバスターミナルまで片道4500円位のようだ。 | |
5:30 | 上高地着 約30分で上高地バスターミナル着。残念ながら、空は一面雲に覆われていて、今にも雨が落ちてきそうな雰囲気だ。 いよいよ、S氏が巨大なザックを担ぐ。背が高いS氏だが、荷物は体よりひとまわりもふたまわりも大きく、”歩くキャンピングカー”と化している。見かけは非常にタフそうなS氏(”北斗の拳”の主人公のよう!)なので大丈夫なのかと思ったのだが...、あとから思うと、この巨大ザックを背負った時点で”S氏はすでに死んでいる”のであった。 | |
5:50 | バスターミナル出発 とりあえず梓川沿いに出て、”お約束”の河童橋から目前に広がる穂高連峰を眺める。ここから見る穂高連峰は何度見ても素晴らしい。が、天気が悪いので今日の穂高はイマイチだ。反対の下流側には、”俺も忘れてくれるな!”と焼岳が顔を覗かせている。中学の時だったか、夏休みに旅行で上高地に来た時の焼岳の写真を4つ切りに引き延ばして”夏休みの宿題”にしたのを思い出した。超安易な宿題であったが、この頃から山に引かれるところがあったのだろうか? この穂高連峰の眺めが、のちに私を山へ登らせる契機となったのは間違いないと思われる。 小梨平を抜けて、前穂の南尾根にあたる明神岳を左に見上げながら、梓川の左岸を徳沢、横尾に向かう。道は横尾まで平坦でウォーミングアップには丁度良い...が、いくらなんでも長過ぎる。歩くに連れ、ゴジラの背のような複雑な前穂の稜線が変化していくのが面白い。 | |
8:15 | 横尾 長い平坦な道をようやく横尾に到着。ここが自動販売機のある最後の休憩所となる。無料の水もここまで。ここで水を汲んでいった方がいいだろう。(この時は涸沢には水がなかった!) 横尾を出ると、槍への道と別れて、梓川を渡り、いよいよ登りになる。林の中を少し登ると、垂直に切り立つ屏風岩を見上げながらトラバース。屏風の頭を廻り込むようにして涸沢へ向かう。横尾谷を渡って少し登ると正面に南岳であろうか、岩だらけの山頂が見えてくる。振り返ると、常念の特徴的な白い山頂が覗いている。 平坦な横尾までは快調に見えたS氏だが、登りに入るとさすがにペースダウン。30分も歩くとカラータイマーが点滅状態となり、30分ごとに休憩を取ることになった。 さて、道が岩だらけになってくると、木々の向こうにゴツゴツした岩の固まりのような山が見えてくる。”岩の殿堂”奥穂高だ! 朝は雨が降りそうな天気であったが、いつしか素晴らしい青空になっている。尾根の按部の穂高岳山荘まで見えるようになったら、涸沢は近い。樹林帯を抜けると、奥穂〜涸沢槍まで見渡せるようになり、穂高にやってきたことを実感する。このスケールの大きさ、岩だらけの荒々しさは北アルプスでなければ味わえない。鋭く尖った涸沢槍を見上げながら、延々続く岩の石段を登っていくと、ようやく涸沢小屋に到着。 | |
12:00 | 涸沢小屋(昼食) さて、お昼を食べようと思ったら、なんと日照り続きで水がないという。ペットボトル入りのミネラルウォーターしかないと言うことで、横着にも飲む分しか水を持ってこなかった私は、お昼にインスタントラーメンの”中華三昧”を3日間毎日”一昧”ずつ味わうという贅沢な計画はもろくも崩れ去った。 | |
13:10 | 昼食を終え出発 屏風の頭の肩から頭を覗かせている常念を見ながら、北穂への登りにかかる。常念は一旦見えなくなってしまうが、高度が上がるに連れ、屏風の頭の上に、どこが頂上だか分らないなだらかな蝶ヶ岳が見えてくる。岩だらけの道は、北穂頂上を目指して直登しており急登を強いられる。振り返ると、向いの前穂の高さに徐々に迫っている。再び常念が見え、大天井まで見えるようになったら、北穂頂上は近い。両側が崩れ、ガレた痩せ尾根(下を覗き込むと怖い!)を通過するとまもなく北穂のテント場に到着。しかしテント場は南峰にあるが、小屋は遥か北峰頂上の向こうなので、届けに行くのも”一山”越えなければならない! ガレた岩だらけの石段(岩段?)を登り詰めると北穂頂上にでる。 | |
17:00 | 北穂高岳頂上(3109m) 2年振りに北穂頂上に立つ。が、辺りは真っ白で東の常念側を除き展望がなく、日も暮れ始めて風が冷たい。直ちに小屋へ向かい、届けと水を仕入れてテント場に戻った。 今回はテント泊なので、着いてからがまた大変。明るいうちにテントを張って夕食に取り掛かる。食べるうちにあたりは真っ暗になって寒いため、食事が終わると直ちにテントに直行。私はテントを持っていないので、荷物はH氏のテントに、体はS氏のテントに潜り込む。しかし3100mのほとんど頂上でのテント泊は寒い! とにかく寒い! 体を縮めて丸まってもやっぱり寒い! まくら代わりにしていたレインコートから上着を出して掛けてみたがそれでも寒い! 昨日からかなりの距離を運転して疲れているはずのS氏も寝られずゴソゴソしている。結局3人とも寒くてほとんど寝られないまま、朝を迎えてしまった。 | |
98. 9.13(日) 晴れ | ||
今日も天気がいい! 向いの奥穂が朝日を浴びて金色に輝いている。下界はみな雲海の下だが、前穂の左手には南アルプスの山々に続いて富士山が雲海から頭を出しているのが望めた。 | ||
7:15 | 北穂高岳頂上 昨日とあわせ通算3度目の北穂頂上。前穂、奥穂から、笠ヶ岳、鷲羽、双六、そして槍ヶ岳に、大天井、常念と、360度のパノラマが広がる。テント場を出発したばかりだが早くも大休止となる。 キレットへは小屋の前を通って北側へ廻る。滝谷の断崖絶壁に驚きながら降り口につく。見下ろすと荒々しいキレットの尾根が続いている。キレットは予想外に遥か下にあり、相当下らなければならない。正面には南岳、中岳、大喰岳、そして槍ヶ岳が我々を待っている。涸沢岳から北穂もこんなだったなと思い出しながら、岩だらけのガラガラ道をジグザグに下っていく。ふと見上げると青空に月が浮かんでいて、なんだか別世界にいるようだ。しかし油断はできない。鎖場や横這いを慎重に降下。下るにつれてますます傾斜がきつくなり浮石だらけになる。私は先頭だったので時折後続から石が落ちてくる。身内から落ちてくる石は小さく速度も大したことはないが、はるか上方から落ちてくると、落石が落石を生み”岩”と呼べるほどのものにまで”成長”しており、直撃したら無事では済まない。上部に余程の粗忽者がいるのか、そのうちに5分に1度くらいの頻度で”カラン!、カラン!”と音を響かせて巨大な落石が発生するようになってしまった。まさに”ロシアンルーレット状態”でいつ直撃弾を受けるかわからない恐ろしい状況だ。とにかくできる限り速くこの危険地帯を抜け出した。この落石地帯を過ぎると、滑りやすい急斜面を長い鎖を頼りに痩せ尾根へと伝い降りる。(写真は慎重に下るH氏とS氏。) | |
9:45 | (たぶん)A沢のコル 北穂からの急下降が終わっていよいよ尾根道となる。しばらく鎖付きの”横這い””縦這い”が連続し緊張するが慎重に行動すれば危険ではない。岩にしがみつくような状態が続くが、岩はしっかりしていて崩れることはないと思われる。鎖場を過ぎると痩せ尾根のup-downが南岳まで続く。やや道幅も広がってくると、左手に広がる笠ヶ岳を眺める余裕もでてくる。 | |
11:35 | ようやく南岳の麓?に到着。キレットは無事通過できたものの、今度は南岳の急登が待ち受けている。尾根を歩きながら、”南岳は絶壁のように見えるが一体どこから登るのだろう?”と疑問に思っていたのだが、答えは簡単、正面からハシゴで直登するのであった。南岳によじ登る途中振り返ると、北穂から歩いてきた”大キレット”の道のりを見渡すことができた。歩いている時はどこをどう歩いているのかよくわからないものだが、こうして俯瞰するとよくわかる。キレットからの侵入者を阻むようにそびえる”獅子鼻”を見上げながら登り詰めると、”大キレット展望台”を経てすぐに南岳小屋に到着する。 | |
13:00 | 南岳小屋(昼食) ようやく南岳小屋に到着。キレットを渡るだけで6時間も掛かってしまった。このペースでは明るいうちに槍ヶ岳に到着できそうもない。かといって、仕事の都合上、もう一泊増やすこともできそうもない。槍はあきらめて南岳から降りることにした。と言っても槍沢ロッジに降りるには槍まで行くのと同じくらい時間が掛かる。今日は南岳で泊まることになった。 | |
13:40 | 昼食を終え出発 昼食を終えると、S氏には小屋でゆっくり休憩してもらって、私とH氏は水とカメラだけ持って大喰岳を目指した。標高3000m全山制覇のためには中岳、大喰岳を押さえておかなければならない。しかしこの時ヘッドランプを持たずに出掛けたことをあとで後悔することになる。 小屋を出てしばらくのなだらかな登りを登るとすぐに南岳頂上に着く。 | |
13:45 | 南岳頂上(3033m) まだ小屋を出たばかりなので少し立ち止まるだけで、中岳を目指す。南岳もそうなのだが、槍ヶ岳の手前には、中岳、大喰岳と何処が頂上なのかよくわからない、ただの尾根のような”山”が続いている。 | |
14:35 | 中岳頂上(3084m) 中岳は南岳からいくつかピークを越えた、小さい岩だらけの山で、”塵も積もれば山”となった瓦礫の山のようである。そんなことよりも、槍が随分近付いてきたのが嬉しい。 | |
15:10 | 大喰岳頂上(3101m) こちらも何処が頂上だかわからない山だが、とにかく槍が目の前に見える。槍肩のテント場までは目と鼻の先だ。槍からやってきた人に聞くと15分で来れたと言う。”せっかくだから槍まで登ってきたら?”というH氏の誘いに心が動く。しかし彼は続けた”...僕はここで帰るけど。” 実は彼とS氏は昨年新穂高から槍に登っている。私も行くつもりであったが、天候が悪そうなので取り止めた。 南岳小屋からここまで1時間半。槍肩まで15分として、日の暮れそうな18時までに小屋に帰るには16時までには頂上に立ち、直ちに引き返さなければならない...。しかし空荷で体調も良く、それができる自信があった...”渋滞”さえなければ...。 | |
15:35 | 槍ヶ岳山荘 確かに15分で肩の小屋に到着。実は槍ヶ岳山荘のホームページのリンク集のなぜか1番目にこのサイトを掲載してもらっているのだが、お礼を言う暇もなく頂上への登りに取り付く。しかし... 恐れていた通り”渋滞”が発生していた。最初のハシゴですでに10人近くが並んでいた。前で女性が動けなくなっていて全然進んでないという。おまけに落石事故で怪我人がでて、先ほどヘリで運ばれていったため、”者間距離”をたっぷりとっているのも渋滞の原因らしい。最近はJTBなどがツアーを組んで山へ人を送り込んでいるようだが、”団体客”に対してちゃんと教育を行っているのであろうか? 観光地の展望台気分で槍頂上に登ろうという人が多いのではないだろうか? 空荷にもかかわらすハシゴで動けなくなるような人は、地元の山で、鎖、ハシゴを十分経験してから槍頂上を目指すべきではないだろうか? 槍頂上の渋滞はいつものことだし、この程度なら子供でも登れる所ではあるが、山の事故は自分だけでなく、落石のように他人の命をも危険にさらすことを十分に承知した者でなければ、安易に”槍頂上”を目指すべきではないのではないだろうか? 槍頂上の落石事故や、キレットでの落石の多発で、”登山ブーム”に対し不安を感じざるを得なかった。 | |
15:45 | さて、16時には帰路に着かなければならない私は、普通の道ならやや強引にでも追い抜くことはできるが、ハシゴ場で、しかも順番待ちをしているようでは先を行く訳にもいかない。おまけにこれ以上行くと一方通行で戻れなくなるので、ここで登頂を断念。”頂上の根っこ”にタッチするだけで引き返すことにした。 | |
16:05 | 大喰岳頂上通過 | |
16:20 | 中岳頂上 槍頂上には立てなかったものの、ここまで私の集中力は切れていなかったし、ある種の充実感さえ抱いていた。...しかし、フィルムの最後の1枚を撮り終えて巻き戻す際に、私を支えていた精神の糸は”プッツン”と音をたてて切れてしまった。”フィルムが切れた!” 動転して”プッツン”した私は愚かにもカメラのふたを少し開け、中を覗いてしまった。(このため南岳小屋-槍ピストン区間の写真はありません。...悲しい...。) こうして、槍の登頂を逃し、今日1日のフィルムまで失った私は、トボトボとひとり南岳小屋へ向かった。陽は傾き、あたりは白いガスで包まれていた。 | |
17:30 | 南岳小屋帰着 中岳で”切れた”わりには、予定より30分も速く、出発から4時間弱で小屋に帰着。しかしこの時は、”これなら槍頂上まで行けたかな?”などと思う元気はなかった。切れたフィルムの善後策について皆に相談すると、S氏が学生時代、実はカメラ小僧であったことが判明した。(注:ここで言う”カメラ小僧”とはレースクイーンやキャンギャルを撮りまくるカメラ小僧のことではない。...たぶん。)”布団の中で手で巻取って光を通さない袋で包めばいい。”というS氏のアドバイスに従ってフィルムを回収。おかげでフィルムの約半分の写真は無事救出された。(しかし、あの時開けずに持って帰れば全部無事だったと思うとやっぱり悔しい。) さて、昨夜寒くて寝られなかった我々は、今夜は小屋に泊まることにした。...だが、宿泊客が多く、静かではないので、やっぱりよく寝られなかった。宿泊客が多いのには訳があった。夜中に地震があって(全く気が付かなかった。昨夜は寒さで震えていたから少々揺れても気付かない...。)、北穂直下の”飛騨泣き”部が落石の危険のため通行止めになっていて、引き返してきた人が多いようだ。確かにあの落石の多さは尋常ではなかった。いつもあんなに落石が起こっていたら、夏のシーズンには毎日ひとりやふたり死人がでても全く不思議ではない。我々が通った後に通行止めになったようだ。それにしてもキレットを北穂の直下まで渡って返された人は気の毒であった。南岳側で早く止めることはできなかったのだろうか? | |
98. 9.14(月) 本日も晴天なり | ||
朝飯前に”キレット展望台”からご来光を拝む。今日も天気が良さそうだ。丁度常念の肩からお日さまが顔をだす。しかし、ここでカメラにまたしてもトラブル発生! 寒いとシャッターが切れないのだ。(フィルムは切れたのにね。)電池を取り出し、手で握って暖めてはシャッターを押してみる。ようやく撮れた時にはすっかり日が上がってしまっていた。南東方向、前穂の左には、雲海の上に南アルプスの山々と富士山が並んで頭を出しているのが見えた。(一番左端が富士山。)そして徐々に、大キレット、北穂が赤く色付き始める。私は横で中版カメラを構えていた”山岳写真家”にペースを合わせてしまい、かなりのフィルムを無駄にしてしまった。彼等は一箇所でフィルムを丸一本使ってしまうのだ。しかし、フツーのフィルムでは、フツーの写真屋さんに現像してもらうと、少々絞りを変えようが日の色が変わろうが結局プリント段階で皆同じになってしまう...。 | ||
6:40 | 南岳小屋出発 今日は南岳から天狗原へ降りて槍沢に合流、上高地に帰る。最後にもう一度”展望台”へ行って、キレット、北穂、奧穂に別れを告げて南岳小屋を後にした。 南岳頂上は簡単に通過。小屋からとそんなに眺めが変わるわけではない。槍の左手奥に鷲羽、三俣蓮華などの山々が連なっていて、やけに緑色が眩しい。あの辺の山にも登ってみたいと思いながら尾根道を行く。(実は学生の時行ったのだが雲の平を通ったので、山には登った憶えがない。三俣蓮華、双六すら頂上はバイパスしたような...。) | |
7:10 | 天狗原分岐 槍へ続く尾根道を30分位行くと天狗原へ降りる分岐点に到着。南岳と中岳、大喰岳に別れを告げて、槍のview-point、天狗池目指して下りにつく。尾根からの降り口は結構急降下で鎖もついている。下りながら、またしても槍に見とれてしまう。槍はどこから見ても素晴らしい。岩だらけの槍とは対照的に、北穂の東面は綺麗に色付いていて、西側の滝谷の絶壁とは随分印象が異なっている。 道が岩ゴロゴロの状態になって天狗池が近付くと、辺りは赤い木々が目立ち始める。涸沢では紅葉は見られなかったので、天狗原の方が少し色付くのが早いのだろうか? | |
8:40 | 天狗池 いよいよ天狗池に到着。ここは槍ヶ岳山荘の主、穂苅氏もお気に入りの槍のphoto-spotである。お約束の”水面に写る槍ヶ岳”を撮影。...しかし、50mmレンズでは、槍の穂先から水面の槍の先までフレームに入らないではないか!(やはり広角レンズが欲しい。)と言う訳で”逆さ槍”は別フレームに。ここからは槍だけでなく、色付く木々と、山の真っ白な岩肌とのコントラスト、真っ青な青空とのコントラストも美しい。天狗池へは槍沢から往復1時間位なので、槍の行き帰りに時間の余裕があれば、是非立ち寄ってみて欲しい。 天狗池から下って槍沢の道との合流点附近では、ななかまどが早くも真っ赤になっていて鮮やかであった。 | |
9:40 | 槍沢の道と合流 だんだん小さくなっていく槍を何度も振り返りながら槍沢を下る。大曲りで振り返った時には槍はもう隠れてしまっていた。正面に見えているのは中岳と大喰岳であろうか? 槍が見えなくなってしまったらあとは槍沢に沿ってひたすら下るだけ。沢は途中、水がなくなってしまって枯れ沢になってしまう。 槍沢小屋跡附近では、赤沢山であろうか、迫力ある岩塊が突き出しているのが見られる。しかし勢い余って道にまでガレが流れ出ているのは困りものである。 | |
11:15 | 槍沢ロッジ 枯れていた沢も槍沢ロッジ附近ではどう言う訳か水が豊富になっている。ほんの少し前の槍沢小屋跡では水がなかったのに! | |
12:30 | 横尾 ようやく涸沢への分岐点、横尾まで戻ってきた。しかし、ここからバスターミナルまでが、だらだらと非常に遠い。徳沢辺りまでバスが来ればいいのに...。 | |
15:50 | 上高地バスターミナル帰着 S氏は足にマメまでできて非常に辛そうであったが、とりあえず全員無事、上高地に戻ってくることができた。(しかしまだ山口までは1000kmの道のりがある!)バスターミナルに着くと売店にも寄らず、そのままバスを待つ列に直行。一同の疲労が伺えた。 | |
この日は四日市の会社の同僚宅に転がり込んでビバーク。翌日1日掛かりで山口へ帰った。やっぱり山口は遠い。山中以外に往復まる2日余計に掛かってしまう...。 |
沢渡駐車料金 | 500円/1日 |
沢渡-上高地バス料金 | 往復2000円(4名以上団体割引あり) |
北穂高岳テント料金 | 500円/1人 |
南岳小屋宿泊料金 | 素泊5500円、2食付8500円 |
飲料水(北穂、南岳、槍) | 200円/1リットル |
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・”穂高-槍完全縦走分割払い計画”第1弾、”穂高縦走-前穂、奥穂、北穂-”は、こちらで掲載中です。 |
Link:”槍岳山荘”さん 穂苅氏の写真便りは要チェック! Link集も充実(なぜか、うちがトップに掲載されている! \(^-^)/ ) |