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バックナンバー室(24)No.70〜No.72
No.70 
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                    =  違いのわかる英語  = 
  
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               ☆ 意外に知らない?英語の知識について考えるマガジンです 
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さて、「完了形」も今回でめでたく最終回です。 

<今回のテーマ> 
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                            完了形(3) 
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まずは、参考書でも必ず載っている、この2つを取り上げておきましょう、 

  have been to 〜 と have gone to 〜 

have been to と have gone to はそれぞれ「経験」と共に「完了、結果」の 
意味を表します。 

○ have been to 〜 ; 〜に行ったことがある(経験) 
                   ; 〜に行ってきたところだ(完了、結果) 

  I have been to Hawaii.  ハワイに行ったことがあります(経験) 
  I have been to Hawaii.  ハワイに行ってきたとこです(完了、結果) 

Hawaii [ハ・ワ'ー・イ](ハワイ) 

been とは be (〜にいる)の過去分詞ですから、 
上の文だと、「過去」から「現在」までの間で(この場合矢印 ――→ は結構 
長くなりますね)、ハワイに「いたことがある」ですから「行ったことがあ 
る」という意味になります。 

下の文は、今度は矢印 ―→ がぐっと短くなって「現在」から見て「過去」の 
割合近い時点でハワイに「いました」ということですから「行ってきました」 
という意味になるんですね。 

  ●→○       動詞 be に関して過去と現在の時間的な感覚が短ければ、 
過去  現在    「行ってきたところだ」の訳になりますし、 

 ●―――→○   この長さが長くなれば自然に「〜に行ったことがある」とい 
過去      現在    う訳にもなるんですね。 
 

このように同じ文でも、文脈やその状況で「経験」の意味になったり、「完 
了、結果」の意味になったりするんですね。 
例えばこの文に once (一度、かつて)とう語が付いたとすると、I've been to 
Hawaii once.「一度行ったことがありますよ」と明らかに経験を表す文になっ 
たりしますね。 
 

○ have gone to 〜 ; 〜に行ったことがある(経験) 
                   ; 〜に行ってしまった(完了、結果) 

  He has gone to India.   彼はインドへ「行ったことがある」(経験) 
  He has gone to India.   彼はインドへ「行ってしまった」(完了、結果) 
                                (だから今はいない) 

India [イ'(ン)・ディ(ァ)](インド) 
これも have been to と考え方は同じです、今度は go になりますから「行 
く」をもとにして考えていきます。 
上の「経験」の文は、そのままズバリ「行ったことがある」ですね。 
下だと、現在から見て割合に近い過去の時点で「行った」のですから、 
「行ってしまった」の意味になりますね。 
これも、意味は違ってきますが、「過去」から「現在」へと続く矢印 ―→ が 
あるのは同じなんですね。それが短いか、長いかで意味が変わってくるだけ 
で、完了形としての考え方は同じなんです。 

さて、私が中学の頃は、have been to は「〜に行ったことがある」そして 
have gone to は「〜に行ってしまった」と訳しなさい、と無条件に言われた 
ものでしたが(みなさんはどうでしたか?)、今の参考書では一応、すべての用 
法が紹介されているようですね。 

ただ、have gone to の方は「経験」の用法はアメリカでは使われることがあ 
るが、「経験」としては使わない方がよい、とされている参考書等が多かった 
です。 
アメリカで使われているんなら、我々も同じように使ってもよい、と私なんか 
は思うんですけどね…どうでしょう。ところで今の高校の入試などでは実際に 
はどうなっているんでしょうね? 
 

さて、私たちは「完了形」を習う際には、「完了」「結果」「経験」「継続」 
の4用法に分けて学習しましたが、 
面白いことに、英語圏での英語教育(日本だと国語の時間)では私たちのように 
「完了」「結果」「経験」「継続」の4つの用法にきちんと分けて教えてはい 
ないんです。(これが面白い) 
では、どんな感覚で完了形をとらえているかというと、 

○ 完了形はすべて「経験」として考えることができる 

英米人の感覚だと、完了形を「経験」としてとらえているようです。 

例えば、我々が言うところの「完了」の用法、 

  I've already finished homework. 宿題をもう終えてしまいました 

1.「完了」というのは、動作が終了したことですね、その動作については当人 
はもちろん「体験」している訳ですから、これも大きな意味では「経験」と言 
うことができますね。宿題をした、という自分の「経験」でもあるのです。 

2.「結果」の用法は「完了」の用法の結果として当然出てくる用法ですから、 
「完了」の用法が「経験」であるとすれば、これも「経験」の仲間だと言うこ 
とができますね。 

3.「継続」とは過去に起こったことが今まで継続していることです、これもそ 
のことを当人は「体験」している訳ですから、これも大きな意味では「経験」 
と言えなくもありませんね。 

  He has lived here for ten years. 彼は10年間ここに住んでいます 

彼にとっては、10年間ここに住んでいる、という「経験」でもあります。 

4.「経験」はもちろん経験ですね。 
 

以上のように、私たちのように用法的には「完了」「結果」「経験」「継続」 
の4つに分けることができるのですが、 
その根底の部分には「経験」のイメージがあるのです。 

そしてこれが私たちのいう「完了」「結果」「経験」「継続」の4つの意味に 
なるのは、あくまでそれに伴う「副詞」(already, yet, never など)やその 
時の「状況」によってなんですね、 

  He has gone to Sydney. 
               [si'dni] 
例えば、上の文に already や just が付けば「完了」の意味になりますし、 
それと共に「今はここにはいないよ」という「結果」の意味を表したりもする 
でしょう。 
またこれに、three times なんて言葉がくっつくと「行ったことがある」とい 
う「経験」の意味になりますね。 
仮にこのような、副詞が付かなくても He's gone to Sydney. だけでもその場 
の「状況」によってその意味は今のようないろいろと変わってくるでしょう。 

もちろん、ネイティブもこれらのいろんな意味をその場に応じて使い分けてい 
るのですが、我々のように4つの用法にきちんと分けているわけではないんで 
すね。彼らにとっては大きな意味での「行った」という「経験」が基本で、矢 
印 ―→ の長さが、その場の状況や副詞によって長くなったり短くなったりす 
るだけなんですね。 

  ●→○       動詞 go に関して過去と現在の時間的な感覚が短ければ、 
過去  現在    「行ってしまった」となりますし、 

 ●―――→○   この長さが長くなれば自然に「〜に行ったことがある」とい 
過去      現在    う訳にもなるんですね。 

まあ、彼らは教えられなくとも、自然にこれら4つのの用法が身に付くので 
しょうが、母国語でない私たちが英語を効果的に学ぶためには、「完了」「結 
果」「経験」「継続」の4つの用法に分けることが必要なのかもしれません 
ね。 
ただその一方で、完了形を大きな「経験」の意味としてとらえながら見ていく 
のも、わずらわしい完了形に我々が親しむ、一つの方法ではないでしょうか。 
 

● アメリカでの過去分詞教育 

アメリカでは小学校の1、2年で「現在形」「過去形」「過去分詞形」の練習 
をします。 
日本だと sing―sang―sung などと、現在形―過去形―過去分詞形、単語を並 
べて覚えていくことが多いですが、アメリカでは次のように文章で覚えていき 
ます。(やはり本場) 

  I sing today. / I sang yesterday. / I have sung many times. 
                   [saeng]                  [s∧ng] 
  I run today. / I ran yesterday. / I have run many times. 
   [r∧n]         [raen] 
  I beat it today./ I beat it yesterday./ I have beaten it many times. 
                                               [bi':t∂n] 

このように「過去分詞形」を覚える際には「現在完了形」の文の形で覚えてい 
きす。面白いのは、現在完了形には many times を付けてることですね。これ 
だと「何度も〜した」の意味になりますね、 
やはり完了形の基本は「経験」ということなのでしょうか。 
 

ところで、日本では「完了形」と言うのですが、これは英語だと the Perfect 
と言います。 
(現在完了形は the Present Perfect、過去完了形は the Past Perfect) 

これは perfect ですから「完了形」というより、むしろ「完全形」と言うこ 
ともできますね。 

これまで見てきたように、現在完了形とは、過去の出来事・ことがらが「現在 
まで」影響を与えている用法でした。 
「完了」形とは言いますが、過去のことではなく実は「現在」のことを表 
しているのが「現在完了形」でしたね。ここには、 

●――――→○      過去と現在とを結ぶ「線」のイメージがありますから、 
過去       現在  これを、過去と「現在」との関係を「完全に」結ぶ形、 
                 とも言うことができるのではないでしょうか。 

というのも、「完了」という言葉だと、私たちはどうしても最初に「過去形」 
との結びつきを強くイメージしやすくなりますからね、 
そこで perfect を「完全」として「現在完全形」とか、または「完全現在 
形」という名前に変えれば、今よりは「現在」との結びつきが感じられる表現 
になるかも知れませんね。 

という訳で、現在完了形というのをやめて「現在完全形」とか「完全現在形」 
に名前を変えてみるのもいいかも…… 
 

No.71 
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                    =  違いのわかる英語  = 
  
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take といえば、多義語の代表選手の一人ですね。「取る」「受ける」「利用 
する」「持って行く」「行う」「要する」などなど、いろんな意味があります 
が、今回はその中で「持って行く」の意味の take に注目したいと思います。 

<今回のテーマ> 
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                           bring と take 
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take には先程も挙げたように、いろんな意味があるのですが、特に私たちに 
は「取る」「受け取る」「食べる」「手に取る」など、 
自分のところにあるものを「取り込む」というイメージのある語だと思いま 
す。(私も中学の時、最初に習ったのが確か take a photograph (写真をと 
る) だったような気がしますが) 

ですから、take と聞いた時にすぐに「持って行く」という、先程とは全く逆 
の方向性を表す意味を思い浮かべる人は少ないように思いますが、みなさんは 
どうでしょうか。 

ところが、実際の日常会話では、「持って行く」の意味の take もよく見受け 
られます、 

  Take them over there. それを向こうに持っていきなさい 
                  (例えば、お母さんがこれから夕食の用意をするのだが、 
                     子供がテーブルの上に物を置いている時に) 

  Don't forget to take your umbrella. The weather says it'll begin to 
rain afternoon.  傘を持って行くのを忘れちゃダメよ、 
                    天気予報は午後から雨が降る、て言ってるわよ。 

the weather ;天気予報 (weather report, weather forecast) 
        テレビなどで天気概況を伝えたりする人(気象予報士、というのかな) 
       は weatherman とか weatherperson などと言います。 
 

  Take me home. 家まで頼む(例えば、社長が運転手に向かって) 

  She has to go back home now. Can you take her to the station? 
     彼女、家に帰らなきゃダメなんだよ、駅まで送ってあげられる? 

(私たちにおなじみ、と言えば、ファーストフードの take out 「テイクアウ 
ト」の take なんかがこの「持って行く」の take ですよね) 

ちなみに、後の2つの文は「モノ」でなく「人」を「持って行く」場合です 
ね。(また、send は「送る」ですが、この take のように「人」を送ってい 
く場合には使えません、「モノ」を送るのが send です。) 
 

そして、この take と反対の意味にあたるのが bring となります。「持って 
行く」の反対ですから、bring は「持って来る」ですね。 

  Bring it here right now.  今すぐここに持って来て 

  Bring me the newspaper.  新聞を持ってきてくれ 

まあ「持って来る」の bring はおなじみでしょうが、ここでは 
take と bring ではその方向性が全く逆であることを、確認しておいて下さ 
い。 
        bring                    自分のいる場所へ、又は自分の表現して 
  ♀ ←―――●                  いる場所へと「持って来る」のが bring 
「こっち」に持って来るのが bring      になります。 

        take 
  ♀ ●―――→                  bring と反対の方向で、自分がいる場所 
「あっち」に持って行くのが take  から反対の方向へと「持って行く」のが 
                                        take です。 

こんな風にわざわざ図にしてみたのは、take と同じく「持って行く」の意味 
を表す語がもう一つあるからなんですが、お分かりですか。 
多分、こちらの方が「持って行く」という意味では、すぐに浮かんでくる人も 
多いかも知れませんね。その語とは… 

  Let me carry the bag (for you).  鞄を私に持たせて下さい 
                                 (→ 私が鞄をお持ちしましょう) 

と、このような carry にも「持って行く」の意味がありますが、take とは 
                    その方向性がちょっと違うんですね。 
   \|/        carry の表す方向性は、左のように「いろんな方向」を 
  ― ● ―      示すんです。言い方を変えれば、「持って行く」のですが、 
   /|\       その方向性を示さないのが carry になります。 
    carry        carry が表すのは、方向性ではなくて、何かを持って(携帯 
                して)「どこかに」移動する、という行為なんですね。 

もちろん、例えば先程の、Let me carry the bag (for you). を山登りの途中 
で相手に言ったのなら、当然その目的地は限定されて、一直線にその目的地に 
行くことはあるでしょうが、それはいくつもある carry の方向性のうちのた 
またま一つに過ぎないんですね。 

  The ship carries wheat from Australia to Japan. 
                  [hwi:t] [⊃(:)stre'ilj∂] 
                その船は小麦をオーストラリアから日本まで運んでいます 

また、「乗り物」に関して言えば、当然行き先が決まっているので、この場合 
の carry は take に近い意味で「行き先」を示す語と共にも使われますが、 
carry のもつ、「何かを持って(携帯して)」、という部分、この場合でいうと 
「荷物を積んで」移動する、というところに carry のイメージが感じられま 
す。 

あと、それほどは使わない表現ですが、fetch [fet∫]という語があります。 
                     (イギリス英語のようですね) 
     ―――→     これは「行って持ってくる」の意味ですから、 
  ♀ ←―――●   bring に「行く」の go が加わったイメージの語ですね。 
       fetch             (fetch = go + bring) 

  Fetch me the coat.    行ってコートを取って来てくれる 
              [kout] 
このように「行って取ってくる」という時には go and get を使う方が普通で 
すし、 
だいたい「持って来て」とか「取って」と言った場合には、そこに行かなけれ 
ば取れないのですから、Bring me the coat. とか Get me the coat.でも十分 
なんですよね。 

ちなみに、今挙げた例のように「人に」持ってくる、とか「人へ」持って行 
く、という時は、「4文型」の形の方がよく使われます。 

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         [4文型]                     [3文型] 
  Take him the newspaper. (Take the newspaper to him.) 

    take A  B ;B を A に持って行く = take B to A 

  Bring me the newspaper. (Bring the newspaper to(for) me.) 

    bring A  B ;B を A に持って来る = bring B to A 
                 (A のために)                 (for) 

  Get me the newspaper.   (Get the newspaper for me.) 

    get A  B ;Bを A (のため)に取ってくる・持ってくる = get B for A 

(fetch は fetch A  B = fetch B for A;A (のため)に B を行って取ってく 
る) 
※ 最初に出てきた Take them over there. や Take me home. はちなみに文 
型だと、3文型になります。 
 

さて、最後に、ちょっと面白い表現を一つ、 
take A  B は「 A に B を持って行く」で bring A  B は「 A に B を持って 
来る」ですね、全く正反対の表現なんですが、場合によって、同じことを意味 
する場合があります。 

例えば、レストランなどで店の人をつかまえて、こう言う場合… 

  Take her a glass.    彼女にグラスを持って行ってあげて 

  Bring her a glass.   彼女にグラスを持って来てあげて 
 

彼女を視点にすれば、彼女へとグラスがやって来る(bring)ことになります 
し、逆に自分や店員さんから見れば、彼女の方にグラスを持って行く(take) 
ことになりますね。 

 a glass               自分又は店員から見ると、自分の立場から、 
♀ ●―――→ ♀     彼女の方(あっち)へグラスを「持って行く」行為 
 [自分]      [彼女]  になるので、take の方向性と同じ。 
(or店員) 

           a glass    グラスは彼女の方へやって来ているが、これは 
  ♀ ←―――●      彼女の方(こっち)にグラスを「持って来る」行為 
[彼女]               だから bring の方向性と同じ。 
 

これは、日本語でも全く同じように言う場合がありますよね、「グラスを持っ 
てってあげて」「グラスを持って来て」と。言い方は違いますが、結局、同じ 
ことを表しているのは、日本語も英語でも同じなんですね。 
 

No.72 
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                    =  違いのわかる英語  = 
  
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今回は「近く」とか「そば」、そして「辺り」「周辺」などの意味を表す「前 
置詞」を紹介していきます。 

<今回のテーマ> 
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                                近く 
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「近く」を表す前置詞と言えば、まず浮かぶのは near でしょうね、やはり。 
そして次は beside かな、案外出にくいのが by ではないでしょうか。 
まずはこの3つを見ていきましょう。では、beside から、 
 

○ beside ;〜のそばに    「側(そば)」「横」を意識させる語 

    Sit still beside me. 私のそばでじっとしてなさい 
    beside the telephone pole ;電柱のそば・脇 
    walk beside him ;彼と並んで歩く 

beside の場合は、side という語が使ってありますから「側(そば)」「横」 
「傍(かたわ)ら」という対象に対して「側面」を意識させる語ですね、 
つまり「横に並んでいる」状態が beside です。sit beside me なら自分の 
「横」に相手が座っていますし、beside the telephone pole も、電柱の 
「横」「脇」というイメージですし、walk beside him なんかまさに「横」を 
表していますね。 

そしてこの「横」のイメージでから、 

[● ○]       左の様に、対象の物がすぐ横にあれば beside が使えますが、 
[●             ○]  このように、離れていくと「横にある」「横に並んで 
いる」とはちょっと言いにくくなってきますよね。 

つまり、beside の場合は対象物との「間隔が詰まっている」場合に使う表現 
なのです。ですから、その距離は「とても短い」もの、「かなり近い」位置に 
なりますね。 

    beside    「横」にあって「(かなり)近い」 

    | 
    |       また、beside は beside sea (海のそばに、海沿いに) とか 
海  | ●   beside river(川のそばに、川沿いに) などと「横」かな?、 
    |      という場合にも使えますが、例えばこれは海岸線や水辺を垂直に 
    |      して考えれば、「横」にあると考えることもできますね。 
 

また beside にはこんな意味もあります、 
「近い」けれど結局は「外れている」ので、beside the point (見当をはずれ 
て) とか、 

beside oneself ;我を忘れて    という意味が生じると考えることができま 
                            す、自分の側にあるもう一人の自分…ですか、 
                犯罪者などを異常者として見ることで、我々とは違うのだと 
                人々であると見てしまいがちですが、正常と異常の境目はそ 
          れ程遠くない位置にあるのかも知れませんね。(うーん、哲学的) 

  He was so beside himself with fear when Oiwa emerged in front of 
him.            お岩が目の前に現れて彼は恐怖で我を失っていた 

emerge [im∂':rd3]v.i.(どこからか)現れる 

また besides になると「〜に加えて」なんて意味にもなりますが、 

○ besides ;〜に加えて 

  She won an Academy Award besides a Grammy Award. 
              彼はグラミー賞に加えてアカデミー賞を受賞した 

award  n.賞、賞品 

これもアカデミー賞のすぐ近くに、もう一つグラミー賞が並んでいるのがイ 
メージできるのではないでしょうか。 
 

では、次は by と near について見ていきましょう、 

by は多くの意味を持つ前置詞ですね、主なものをここで挙げておきましょ 
う。 

○ by   「動作主」(受身などの文で) 
                  I was struck by lightning. 私は雷に打たれた 

        「手段・経路」    by car ;車(電車、飛行機)で 
                          (train, plane) 
                          by the freeway ;高速(道路)経由で 
                          by hand 手で 

        「期間」     by day ;日中・昼間に    by night ;夜間に 
 

        「時間の期限」  by tomorrow afternoon ;明日の午後までに 

        「程度・差異」  miss by 3 minutes;3分の差で遅れる 
                        little by little (bit by bit) ;少しずつ 
                        step by step ;一歩ずつ 

        「準拠」    judge people by appearances ;人を見かけで判断する 
      (よりどころにすること) 

        「誓言」    by God ;神にかけて;きっと 

        「単位」    rent by the month ;月極(つきぎ)めで賃貸する 

        「関係」    by birth(name); 生まれ(名前)は 
                    by reason of 〜 ;〜の理由で 

        「通過」    go(pass) by the station ;駅を通り過ぎる 
                    go(pass) by without speaking 
                                         ;話もせずに通り過ぎる 

などがあり、そして 

      「位置」   〜のそばで・を、〜の近くにを 

           a house by the river ;川のそば・近くの家 
           a piece of garbage by the chair;椅子のそば・近くのごみきれ 
           stand by me ;私のそばに立つ 
           sit by me ;私のそばにすわる 

garbage [gα':rbid3]n.ゴミ   他に trash, rubbish(主に英で)とも言う 

という「そば」「近く」を表す用法が by にはあります。 
(そう言えば、stand by me は歌のタイトルでありましたから、この「位置」 
を示す用法もなじみがある人が多いかも知れませんね) 

さて、ここでよく問題にされるのが near と by は、じゃあどっちが近いの 
か、ということなんですが、普通はこのように説明されることが多いようで 
す、例えば、a house by the river と a house near the river とでは、 
                     ̄                       ̄ ̄ 
\    \                          by だと、川のすぐそば、にある家が 
  \    \  ● by the river        イメージされ、 
    \ 川 \                                 near は川からいくらか離れ 
      \    \           ● near the river   たところにある家が 
        \    \                             イメージされる。 

near というのは大きな意味で「近い」ということを表しますから、 
(つまり「遠くなければ」近い、と言えるということです) 
川から結構離れたところにあっても、当人が「近い」と思えば、それは near 
ですから、near の範囲みたいなものは大きくとることができるんですね。 

と、この辺りが基本的な考え方でいいと思うのですが、次回はさらに突っ込ん 
で考えて、さらに next to や前置詞ではありませんが、close についても取 
り上げたいと思います。 
 

 
 

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