南津海の誕生

南津海は1978年に交配され翌年の春芽を出しました。1984年に初めて花を付けその秋には初めての実を見ることが
できました。
                     
                          交配したみかんの種子の発芽

南津海は母親がカラーマンダリンで、花粉親が吉浦ポンカンです。最初は交配種として見ていたのですがその後の調
査で珠心胚実生と断定されました。


南津海がはじめて実を付けた時の状態はよく記憶しています。よく伸びた枝に驚くほどたくさんの果実をたわわに実ら
せ初結果にしては見事でした。
それで南津海は豊産生の柑橘であると予測されたので一次選抜を通過し、1985年以降栽培及び特性の試験が始めら
れました。


その後何年か栽培してみたのですが、当時の常識として完全着色すれば収穫できるものと考え12月から1月にかけて
収穫していました。糖度は高いのですが酸味が強くとても美味しいとはいえませんでした。
南津海はこの時点で食味が悪いということで二次選抜にもれていったん捨てられました。試作のために五本あった南
津海もすべて伐採しょうとしていたのですが多少愛着があったので一本だけ残して後は伐採しました


残った南津海の木はみかん園の片隅で毎年たわわに実を付けていました。ある年に収穫もされずそのまま冬を越した
南津海の木は四月になってもたくさんの実を付けていました。四月の末ごろのある日突然カラスがやってきて仲間を呼
び寄せあっという間に全ての実を食べ尽くしてしまいました。カラスは結構グルメとして知られています。一粒も残さず仲
間を呼んでまで食べるということはこの時期になれば南津海はおいしいのかもしれない。この時カラスたちが南津海の
食べ時をおしえてくれたのです。


次の年には鳥たちに取られないように南津海の樹全体に網をかけ春を待ちました。
三月下旬から7月のはじめまで10日ごとに果実をとって食味と糖酸分析を行いました。すると、三月にはまだ酸っぱく
ておいしくなかった実は四月になるとどんどん減酸して五月の連休ごろには糖酸バランスのとれたとってもおいしいミカ
ンになることが分りました。


こうして五月・六月の初夏のころにおいしく食べられるミカン南津海が生まれたのです。

あなたもオリジナルのみかんを作ってみませんか

次のページに進んでみましょう  




戻る
戻る




新規ページ
新規ページ