南津海の栽培方法

1.新しい植栽の場合

南津海を新たに植えつける場合その植栽距離がまず一番の問題になります。現在私の園にある最も古い木は13年生
ですので、20年生、30年生になった時の木の状態は推測するしかありませんが、樹勢は強く温州みかんより樹冠拡大
はずっと大きいように思います。私が最初に南津海を新植した時には4年生の大苗で2m×3mで植えてみましたが結果
的には狭すぎたように思います。13年生の今2mの方は完全に重なり合う状態で来春には間伐しないと無理な状態で
す。みかんの木が最も効率よく働く10年生から20年生の期間に必要な樹間距離は、南津海の場合3mから4mは最低
必要と見て植えつけなければなりません。若い人で将来30年以上栽培することを考慮に入れるならば(このような人は
今時殆どいませんね。)最終的な樹間距離は5m以上に取るべきだと思います。
苗木の成育状態は写真に見られるように大変よく成長します。2年間育苗して3年生から少しづつ結果させています。

1年生苗木(11月3日)



2年生苗木(11月3日)


 
            3年生(11月3日)                       一部結果の3年生(1月20日)


2.既存園に高接の場合

新しい品種が出たときには誰しも少しでも早く新種の実が見たい、早く生産したいとの願望は強いものです。苗木で一
からはじめるよりは短い期間で成園化できる接木を選ぶのはしかたのないことかもしれません。今まで何度も品種更
新をしてきましたが長い目で見れば高接ぎ更新より苗木による更新の方がはるかに利点が多いと思います。しかし、そ
れぞれの事情があるので高接ぎ更新も多少は必要でしょう。我が家では青島温州に南津海を高接ぎしていますが、成
育は大変よいと思われます。

高接ぎ(腹接ぎ) 2年目 台木(青島温州)




3.防鳥対策その1 ネット栽培
南津海の栽培のなかで防鳥対策は欠かすことができません。秋にはみかんや山の木の実など豊富にあった小鳥たち
の餌も一月二月となると急に少なくなってきます。そのうえ南津海は果皮も薄く柔らかいためヒヨドリ・メジロなどの小型
の鳥にとってもとても食べやすく大群がやってきて食害することがあります。そこで完全に鳥から実を守るためにはネッ
トで園全体を覆うのが一番よい。





                                      2004年1月20日

4.薬剤散布
レインガンによる薬剤散布。600lの薬液タンクが3分で空っぽになります。薬液の飛距離は風の状態にもよりますが、
最大25mから28mくらいです。運転席で散布操作ができるので自分が薬液を浴びることはありません。
  


5.収穫・出荷
 いよいよ収穫です。まる1年樹になっていた果実を一つ一つ丁寧に収穫してゆきます。この日はとても暑くて30℃近く
まで気温が上昇し家内と二人で暑い暑いとぼやきながらもぎました。
  

 最近は収穫時に普通の20kgコンテナを使うのをやめて高さが三分の二のコンテナを使っています。12〜13kgはいり
ますがちょうど手頃な重さで便利のよいものです。
  


 数日の予措の後出荷されます。
  

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