窯元紹介
 窯元 山口県下関市豊北町大字粟野4112−8

ギャラリー    山口県萩市堀内372−10

      0838(22)9822


    Eメール  onihagi@gmail.com 

        陶工  宮田佳典
 鬼萩は、土が扱いにくいだけではなく、失敗が多く、その上、大変、漏れやすいという欠点を持ってます。そのせいで、他の窯元さんはあまりやってません。やるとしても茶碗やぐい呑みなどに限定されてます。しかし、僕はどうしても鬼萩の焼き味が好きで、向付、コーヒー、銘々皿、番碗など、ほとんどの日用雑器でやってます。ロクロで数を引くと、指先から血が滲んできますし、高台削りの時は、手のあちこちが真っ赤に腫れ上がります。それでも、僕が鬼萩に拘ってしまうのは、僕が造形や釉薬などより、焼き味を一番重要に思っているからです。     
萩焼 一佳窯
とにかく窯を自分で作りたかったです。焼物を始めようと思ったとき、一番やりたかったことが、焼物を作るということより、窯を自分で作りたいということでした。そのへんちょっと不純ですが、窯を自分で作ったということが、僕の焼物に対する考え方の原点だと思います。独立した時、お金はなかったけど、時間だけは、たっぷりありましたから、中古のレンガを買ってきて、ああでもないこうでもないと試行錯誤を繰り返しながら、デコボコの登り窯を完成させました。上の写真がそうです。ちょうど窯を焚いているところですが、窯を自分で作ると、火の回り方から燠のたまり方まで、窯の構造をベースに考えるもんですから、無理な焚き方などはしません。窯詰めなんかも窯に対して素直に詰むようになります。そして、何より窯を使って焼くということを中心に考えますし、焼きを至上に考えます(あくまで僕の場合ですが)。いくら良い形でも焼きが悪ければつまらない物になりますし、変な形でも焼きがよければ素晴らしい物になります。マイナス面もありますが、僕はどうしても窯に一番拘ってしまいます。
作りについて
について

      
 自己紹介


 
独立したころ、一通りのことは分かってるつもりでしたけど、今から思えば何も分かってない半人前でした。よく独立してからが本当の勉強だといわれましたが、全くその通りだと思います。独立して30年、失敗の連続でした。おかげで、ごまかす腕も上がりましたが、焼物のことも少し分かってきて、ようやく陶工としてスタートラインに立てたような気になってます。
  陶歴

   
  経済産業大臣指定工芸品
        萩焼 伝統工芸士  認定

    萩陶芸家協会正会員
    萩伝統工芸士会正会員
    北浦芸術文化懇話会正会員

    西部工芸展入選
    田部美術館大賞 茶の湯の造形展入選
    西日本陶芸美術展入選
    九州山口陶磁展入選
    現在形の陶芸 萩大賞展入選

  陶工    宮田佳典

  生年月日   1960年8月4日
  
1988年  萩焼 松唐山にて修業
  1991年   独立 山口県豊北町に移り住む
  
1992年   同地に自ずからの手でで登り窯を築窯

                    
現在に至る

 萩博物館の裏の関係者駐車場の入口の斜め前に直営のギャラリーがあります。萩にお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

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  ギャラリーは個展や窯焚き等で休みにすることがあります。お越しになる数日前にご確認のお電話等頂ければありがたいです。
 
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山口県萩市堀内372−10

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(直営店)
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  土練り3年、ロクロ10年とよく言いますが、本当は
そのあとにロクロ
忘れるのに15年という言葉があり
ます。いったん覚えた技術を忘れる
ということではな く、訓練された機械のような技術から、個性のある人間的な技術になるということです。僕もちょっとの間ですが、職人をやってました。その時、覚えた技術は、早く、薄く、同じ形にドンドン作るということでした。独立してから、その技術に結構悩まされました。もう少し厚く引きたいと思っても、すぐ薄く引いてしまうし、かなり形をゆがめて作ったつもりでも、少ししかゆがんでなかったりとか、自分でこうしたいというものが、その時の技術に邪魔されてなかか出来ませんでした。
 
僕は基本的にシンメトリーな形よりも、少しいびつな形、不完全な形に魅力を感じるので、ロクロもいかに巧くじゃなくて、いかに味わい深くなるかということを考えて引いてきました。また、ロクロ自体が機械なので、作ることに慣れ、創造することが生産することにならないように心がけてきました。
 形を作るということはセンスだと思います。そして、新しい形を作るということは、創造するいうことを量産しなけれ
ばいけないと思います。それが陶工としての本当の仕事だと思います。僕は何につけても量産することが苦手なので、そのへんがこれからの僕の作るということのテーマだと思っています。       

萩焼の土にも、きめの細かいもの、荒いもの、鉄分の多い物や少ない物といろいろあります。僕が使ってる土は鉄分が多く、萩の窯元の中でも、かなり砂気の多い、荒いものを使ってます。鬼萩と呼ばれるもので、上の写真がその粘土と砂の分量です。砂の量も凄く多いんですが、砂の粒の大きさも、かなり大きなものを選んで入れます。大変扱いにくいです。普通に手で揉んだだけでは、バサバサして、とても使えません。 それで僕は、今はもうほとんどの窯元がやらなくなった足練り(下の写 真)ということををやっています。粘土も、うどんと同じで、足でよく踏んでやると、よく粘りが出ます。そして、それを、ある程度の期間寝かせてから使ってます。寝かせるとバクテリアが繁殖して粘りが一層出るからです。
  同じ萩焼といっても 作り手の考え方やその方法でかなり違ったものになってきます。そこで作風というより、僕自身の焼物に対する考え方、作る上での好みや方法を紹介させてもらうことで、僕の焼物が少し分かってもらえたらと思いまして、いくつか特徴的なことを書いています
について