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No.011 怒りのうずまく面接

自分の知り合いで、ある警備会社の面接を受けに行った男がいる。
面接は一人ずつ、部屋の前に順番に待たされる。一人一人面接が終わって、次々と部屋から出てくる。そしていよいよ、次が彼の番になった。

廊下に用意されたイスに座って待っていると、部屋の中から何か怒鳴るような声が聞こえてきた。彼の前の人の面接だ。

「これが面接か!! ふざけんなよ、お前ら! こんな会社、こっちからお断りじゃ!」というような声が聞こえてくる。

しばらく経ってドアがバーン!と開き、怒った顔をして前の人が出てきて、そのまま怒ったようにドアをバーン!と閉めた。

中で何があったんだろうか・・? 不安になりながらも彼の番が来た。

ドアをノックして「失礼します。」と言って中に入り、名前を告げた後「よろしくお願いします。」と言って面接官3人の正面に置いてあるイスに座った。

その瞬間、

「誰が座っていいと言った。」

といきなり言われた。


「は?」

「勝手に座るなよ、お前。ちゃんと断ってから座るのが礼儀だろうが。」

「あ・・すいません。」

まずここでカチンと来た。で、こういう調子で始まったこの面接の内容は・・・。

「ほぅ、免許取消になったことがあるんですか、どうしようもない人だね、君は。社会に出ること自体が間違ってるんじゃない?」
「前の仕事、1年で辞めたんですか。まるっきり辛抱が足りませんね。これじゃ人間のカスですね。」

「出身は〇〇大学ですか。完全に三流ですね。そんな程度でよくうちの面接受ける気になったね、逆に感心するよ。」
「君みたいな人はどこへ行っても役立たずなんだろうね。」

というような感じで言われたい放題。最初は我慢していたが、終盤になるとさすがに彼もキレて、

「これが面接か!! ふざけんなよ、お前ら! こんな会社、こっちからお断りじゃ!」と思いっきり怒鳴ってドアをバーン!と開けて、怒った顔をして部屋を出て、そのままドアをバーン!と閉めた。


廊下に出て、ちらっと見ると次の人が不安そうな顔をしてこっちを見ている。この人も中に入れば、自分のこの行動が理解出来るだろう。

しかしこういう面接がホントにあるんだろうか、いや、これで採用者を決めるつもりがあるんだろうか。

面接官たちが自分のストレスを発散しているのか、受けに来た人間が、どの程度、怒りに対して我慢出来るかを測定しているのか、はたまた、採用する気がないのにしようがなく求人広告を出しているのか・・・その真意はよく分からない。