船木誠勝のハイブリッド肉体改造法

船木誠勝オフィシャルブログ「REDZONE」
(敬称略)
1996年、プロレス団体「パンクラス」のエースとして活躍したプロレスラー・船木誠勝選手の肉体改造法。名前の通りダイエットの本ではなく、格闘家としての身体を作るために自分自身が実行してきたことをまとめたもので、一環して行う筋力トレーニングと、減量期、増量期の体験がまとめられています。この中でも、減量と増量に関する部分を中心に参考にしました。

ただ、船木自身が述べているように、トレーニング方法は常に試行錯誤を繰り返し、今日までやってきたことを明日から変えるかも知れないとも言っています。減量増量に関しても同様で、あくまでこの当時のもの、ということで後にはまた方法を変えていたかも知れません。

初期の減量

後に船木は、栄養学を勉強したり尊敬するレスラーからアドバイスを得て身体に関する著書を出版するほどになりますが、まだそのような知識も経験のない、若かりし頃、左腕骨折で練習から遠ざかり、体重が106kgに達したことがあります。この時、自分なりに考えた減量を実行します。

当時の船木の考えは、極力食べないでトレーニングやスパーリングをすることです。練習は普段通り行い、食事を極端に制限します。

朝・・なし。 昼・・ちゃんこ鍋のスープ・野菜1皿・納豆1パック・タマゴ2個・ご飯茶碗半分 を混ぜ合わせて食べます。 夜・・豆腐1丁・納豆1パック・ツナ缶1個 を皿に入れて混ぜます。それをレンジで温めて食べます。

小食な女性ならこれでも良いかも知れませんが、プロ格闘家としての練習を行った上でこの食事ですから、船木自身も、「寝る前に空腹でつらかった。」と言っています。また、空腹からイライラが増し、練習生にヤツ当たりしたりして精神的にも不安定になり、更に試合の後に吐き気がしたりフラフラしたりして、自分自身で「身体に悪いダイエットだった」と後に述べています。

トレーニング

それから時は経ち、船木が「すごい身体」と認めるレスラー・シャムロックからアドバイスを受け、本格的な肉体改造に取りかかります。

以下は著書における心構えです。

「これまでの自分の身体を作り変えるんだから、楽な道ではない。トレーニングは忍耐と継続が第一なのだということを分かっていただきたい。その忍耐と継続を実行し続けるには『力』が必要になってくる。その力がない人は最初から無理だと言っておこう。」

「三ヶ月は何かあってもやりぬくこと。鏡の前で自分の体型が変だなと思っても、自分を信じて我慢してやるようにして欲しい。」

「身体を作るということは自分自身を作るということ。それを続けることによって、強い精神力も作れる。自分に自信もつく。一つのことをやり遂げたという自信のついた人は強い。何もしなければ何も変わらない。」

「トレーニングは、どんな食事をするかによって、どういう形で肉体が形成されるかが決まる。脂肪の多いものを食べていればそのまま脂肪がついてくる。脂肪が少なくてタンパク質の多いものを摂取すれば筋肉がついてくる。」

一つの部位の筋トレをして、その回復までに48時間かかるといわれています。つまり2日間はその部分のトレーニングはすべきではないのです。

船木は以前の新日本プロレス時代、毎日ヒンズースクワットを500回やっていましたが、後に新日本を辞め、この身体の回復期を知ってからはヒンズースクワットも間隔を置くようになりました。

そして筋肉の発達に重要なのが睡眠です。筋肉は寝ている間に成長するといわれています。船木は一日に7時間から10時間の睡眠をとっていました。

トレーニングにおける重量の選択は、パワーアップを目指している時期には、5回持ち上げられるものを基準にします。この重量で5セットから10セットを行います。逆に減量時期でのトレーニングの時には15回から20回上げられる重量で行います。

そして筋肉を作る原料となるタンパク質は必須で、プロテインパウダーを飲みます。スポーツをしている男性の場合、タンパク質の一日の摂取量は体重1kg当たり最低でも2g、多くて3gが基準となります。(女性はこれでは多いです。1kg当たり1~1.5gくらいです。)

本格的な減量

減量に最適な運動は有酸素運動です。ランニングや自転車などの、息の上がる運動を20分以上行います。20分以上経たないと脂肪がエネルギー源として使われないためです。

ただ、1時間も2時間も行うのは身体に負担をかけますので、船木の推奨する時間は30分が目安です。

そして腹の脂肪を取りたい人は、20分以上の有酸素運動をやった後に腹筋を行います。回数は15回から20回で、これを1分の休憩をはさんで2セットから6セット行います。有酸素の後に部分的に腹を責めることが有効だということです。

そして外を走る場合においては、やはり30分くらいが理想で、出来れば心拍数を測りながら行います。
最も脂肪が燃える心拍数は
(220-年齢)×0.65
となっています。

25歳であれば、220-25で195。
195×0.65で126.75となります。この心拍数が脂肪が燃焼している心拍数ということになります。

そして走る場合に大切なのは、距離ではなく時間だとも述べています。

各栄養素の重要性

筋量を増やしたい人は、タンパク質と炭水化物の量を多めにとります。逆に脂肪を落としたい人はタンパク質と炭水化物を最低限に設定します。

理想的な比率は「タンパク質30% 炭水化物50% 脂肪20%の割合」で

タンパク質が100gなら炭水化物は170g、脂肪は70gとなります。

タンパク質が150gなら炭水化物は250g、脂肪は100gとなります。

タンパク質が200gなら炭水化物は330g、脂肪は130gとなります。

 タンパク質
タンパク質が多く含まれている食品として、以下のようなものがお勧めです。

魚・鶏肉・納豆・豆腐・卵の白身・牛乳・チーズ・牛のヒレ肉・豚のロース・プロテイン

この中でも良質のタンパク質は
魚・鶏肉・卵の白身・プロテインとなります。プロテインはホエイ・プロテインが吸収力が高くお勧めです。

豆腐もタンパク源として有名ですが、豆腐は植物性タンパク質なので、吸収力が少し低く、身体を大きくしたい男性であれば動物性のタンパク質をとるようにし、女性であれば植物性のタンパク質をとるようにしましょう。

また、タンパク質は炭水化物と一緒にとらないと吸収力が低くなります。タンパク質単体だと、タンパク質がエネルギー源として使われるからです。

 炭水化物
炭水化物は身体を動かすエネルギーとなるため、トレーニングの前に摂るようにします。仕事に出かける人は朝食で多めにとります。寝る前にはその逆であまりとらないようにします。余った分は脂肪となるからです。

代表的な炭水化物は、

米・麦・麺類・パン・イモ類などで、日本人が主食として食べているものです。

 脂肪
ダイエットをする人であれば、ちょっとでも脂肪を落としたいところですが、脂肪もある程度人間にとっては必要なものです。主に体温の調節と内臓の保護をいう役割があります。

ひまわり油、べに花油を料理に使うことで摂取します。また、チーズやヨーグルトにも含まれています。こういった油はコレステロールを溜めません。逆に肉類に含まれている油は良いものではありません。

 ビタミン
1日に必要なビタミンを、食事だけでとるのは難しく、ビタミン剤を飲んだ方が効率的です。船木の場合、ほうれん草、ブロッコリー、ニラ、人参を1日一回食べた上で、朝・昼・夜にビタミンの錠剤を飲みます。

3回飲むのは常に身体の中のビタミン量を一定にしておきたいからです。そして寝る前にはカルシウムの錠剤(1000mg)を飲みます。

道場の食事

格闘技団体では必ずといっていいほどある「ちゃんこ鍋」の、パンクラスでのちゃんこの中身は基本的に鶏肉と野菜です。その他のものとしてはツナ缶、ご飯、納豆を食べ、また、テーブルの上には小魚と海苔、ダイコンおろしが常時置かれていました。

練習性で細い者は無理やりにでも食べさせ、太っている者は脂肪を落とすように個人によって食べさせるものを変えていました。

ある練習生は入門当時62kgしかありませんでしたが、船木の徹底した食事指導で2年後には80kgにまで増量することが出来ました。

この時には、この練習生に毎日1万kcalの食事を食べさせていました。普段であればパンクラスの選手たちは卵の黄身を食べずに捨てるのですが、その残った黄身を食べさせたり、ちゃんこの残りを全部食べさせたり、そして固形物が入らないと判断すると、ちゃんこの残りとご飯をミキサーにかけ、ドロドロの状態になったものを無理やり飲ませたりもしました。

船木のダイエットメニュー

 減量時期のメニューとして船木がよく食べたものは、
・ゆでただけのスパゲティー(もちろん味なし)
・ゆでた野菜(何もかけずに)
・卵の白身(黄身は食べない)
・豆腐(マーボ豆腐の素をかける。マーボ豆腐の素が60kcal前後で意外とカロリーが低いので。)
・こんにゃくラーメン(麺の代わりに糸こんにゃくを入れる。こんにゃくはカロリーが0。)

 外食する時には
・寿司と和食をなるべく選ぶ。
・焼肉屋では、極力ご飯と鶏肉とワカメのサラダで、ワカメはオイルなしで注文する。行き着けの店だと「いつものやつ」で通じる。
・ステーキではヒレ肉。
・本物のラーメンを食べる時にはスープを残す。
・ハンバーガーなどのファーストフードは極力食べない。
・イタリア料理店ではスパゲティとサラダ、魚介類のマリネ。

 外食する時はカロリーブックを持って行ってだいたいのカロリーを計算しながら注文します。それを繰り返すことによってだんだんと外食のカロリーを覚えていきます。

外出する時や移動の時には自分で作った弁当をよく持っていきます。減量中の弁当の中身は、

ご飯の上にツナ缶を2つ乗せ、おかずはササミをゆでたものとブロッコリーをゆでたものです。ササミもブロッコリーもゆでただけで味がありません。この弁当の中で味があるのはツナ缶だけです。

ただ、こういった食生活は摂取カロリーを抑えるにはいいのですが、やはりまともなものを食べないとイライラして心にも非常に悪い影響を与えます。船木は一週間に一回は好きなものを腹一杯食べる日を作っていたと語っています。トレーニングにも休息日が必要ですが、ダイエットにも休息日が必要なのです。

残りの日をきちんと節制していれば多少食べても変わりません。ダイエットとは、なるべく食べないということではなく、身体にいいものだけを食べることというのが船木の理論です。

 そして一日の食事の回数は6回を推奨しています。日によっては5回から7回と柔軟に幅を持たせます。

格闘技やスポーツをしている人であれば、三回の食事の合間にプロテインを飲み、寝る前にもプロテインを飲みます。食事とプロテインを合わせて6回ということです。

タンパク質というものは、一回の食事で身体が吸収する量がだいたい決まっています。いっぺんに大量のタンパク質をとっても吸収しきれずに残った分は排出されたりエネルギー源となったりします。少量を回数を分けて飲むのが効率的に一番いいのです。

やせたい人であればこれまでの一回分の食事を半分だけ食べて、残りの半分を数時間後に食べます。3食ともこうすることによって一日に6食となります。腹一杯の食事を一日に6回するという意味ではありません。

船木の食事例

 代表的なパターン
1回目:イモ類・ジャム・チーズ・果物・ヨーグルト・オレンジジュース・卵の白身。
2回目:トレーニング終了後20分以内にプロテイン40gと牛乳とバナナをミキサーにかけて飲みます。
3回目:2回目の1時間後に鶏のササミ、もも肉・ご飯・野菜・卵の白身。
4回目:3回目の2~3時間後にプロテイン。
5回目:魚・パスタ・野菜・卵の白身。
6回目:寝る1~2時間前にプロテインとカルシウム、ビタミン、ミネラルの錠剤。

1回目の食事の後トレーニングに入ります。トレーニングの前なので炭水化物であるイモ類を食べます。

2回目の食事はトレーニングの直後なので、タンパク質の吸収率を上げるために炭水化物であるバナナを一緒に混ぜます。

5回目以降の食事は寝ることに備えてタンパク質を重視し、炭水化物は極力少なくします。筋肉は寝ているときに成長し、また、エネルギー源となる炭水化物は寝る前には不要だからです。

 オフの日
1回目:11:00 プロテイン40g
2回目:13:00 カレー2杯
3回目:16:00 プロテイン40g
4回目:18:00 ラーメン2杯・ヒレステーキ300g・サラダ(ボール1杯)
5回目:21:00 プロテイン40g・ヨーグルト・アイスシャーベット2個・カルシウム、ビタミン、ミネラルの錠剤。

 試合(4週1回)に向けてのトレーニング期
1回目:08:00 プロテイン40g
2回目:10:00 プロテイン40g(この後トレーニング)
3回目:12:00 プロテイン40g
4回目:14:00 ちゃんこ・ご飯・納豆・卵の白身
5回目:17:00 プロテイン40g
6回目:19:00 魚・マーボ豆腐丼・ほうれん草のおひたし・ワカメの味噌汁
7回目:21:00 プロテイン40g

 試合直前
1回目:12:00 バナナ・グレープフルーツ・キウイ・リンゴを細かく刻んで低脂肪ヨーグルトに入れたもの・ゆで卵の白身・牛乳、オレンジジュースを250cc・トースト2枚

2回目:15:00 ご飯2杯・魚・ほうれん草のおひたし(この後家を出て道場に出発)

3回目:17:00 (道場で練習直前に)バナナ・オレンジジュースをミキサーしたもの

4回目:20:00 ちゃんこ・ご飯・納豆・卵の白身

5回目:23:00 アイスシャーベット・チョコレートなどの糖分。

試合直前になるとプロテインはやめて、天然の食物を中心に栄養素を摂ります。

ちなみに船木が推奨する格闘家としての体重(筋肉質)は 身長-100+10
です。

身長が180cmならば90kgが理想的な体重となります。


Top Page  ダイエット情報室  05  07

ハイブリッド肉体改造法の本

このページの先頭へ