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No.116 監禁した女性に人肉を食べさせる「ゲリー・マイケル・ハイドニク」



6人の女性を長期に渡って自宅に監禁し、そのうち2人を死亡させたゲリー・マイケル・ハイドニクは、1987年3月25日、その犯罪が明るみに出てついに逮捕されることとなった。監禁されていた女性の内の1人が、言葉巧みにハイドニクから外出許可をもらい、そのまま助けを求めに行ったのである。


1986年11月26日。ハイドニクは、1人の売春婦に声をかけ、彼女を連れて家に帰ってきた。彼女の名前はジョゼフィナ・リベラ。まさかこれから自分監禁されることになろうとは夢にも思っていない。

ハイドニクは自宅でのセックスの後、態度を豹変(ひょうへん)させ、いきなり彼女の首を絞め始めた。しばらく経って、もがき苦しむ彼女の首から手を離したハイドニクは、彼女に服従を誓わせ、地下室へと連れて行った。

ジョゼフィナは手錠をはめられ、足には足かせをつけられた。地下室で足かせの鎖の先を固定すると、ハイドニクは床に穴を掘り始めた。ジョゼフィナが、「まさか自分が埋められるのでは・・?」と、恐怖に引きつった顔をして見ていると、ハイドニクはそれを悟ったかのように説明を始めた。

「別にこの穴にお前を埋めようってんじゃない。この穴は、お前が俺に逆らった時、罰に使うだけさ。今の俺には計画があって、10人の女を誘拐してここに住まわせ、全員に俺の子供を生ませる。そしてその子供たちもここで育てて、幸せな大家族を築くのさ。」

ジョゼフィナは、その最初の1人が自分だということは聞かなくても理解できた。ハイドニクは、穴掘りが一区切りつくと再びジョゼフィナに襲いかかり、犯した。


そしてその日の夜、ジョゼフィナは1人で部屋に閉じ込められている時、脱走を試みた。足は鎖でつながれていたが、鎖には何メートルかの長さがある。窓を棒でこじ開け、その窓から裏庭に出ることには成功した。鎖の長さいっぱいまで移動して助けを求めて何度も何度も叫び続けた。

だが、その声がハイドニクにまで聞こえてしまった。怒ったハイドニクはジョゼフィナを連れ戻すと、髪をつかんで棒で何度も彼女を叩きのめした。ジョゼフィナが気を失うと罰として彼女を穴へ突き落とし、上から板でフタをし、更にその上に砂袋を置いてそこを立ち去った。


そしてそれから3日後、次の犠牲者が連れて来られた。今度はハイドニクの昔の彼女である。同じように脅して地下室へと連れて行き、鎖につないだ。

地下室には裸電球が一つ。そして床にはワラが敷いてあるだけである。毎日彼女達を殴り、強制セックスをさせ、そして食事はパンとオートミールだけという最低限のものだった。トイレはオマルにさせ、風呂にも入れさせず、タオルで身体を拭くように指示した。

女達が騒ぐと容赦なくシャベルの柄で殴り、例の穴に突き落として上からフタをし、2〜3日は食事を与えないという罰を与えた。時には別の罰として、彼女たちの片腕に手錠をはめ、その手錠の片方を上の方にあるフックに引っ掛けるという罰も与えた。これをされると、片腕をあげた体勢で何時間も立っていなければならない。


12月22日にはまた1人連れて来られた。ライザ・トーマスという女性が「食事をしないか」と声をかけられ、その後ハイドニクの家にビデオを見に行くことに同意した。家につくとハイドニクは彼女の首を絞め、手錠をはめて地下室に連れて行き、彼女の足も鎖でつないだ。

年があけて1987年1月1日にまた1人、1月18日にもまた1人連れてこられた。この頃には、一番最初に捕らえらていたジョゼフィナは「模範囚」のような存在になっていた。誰よりも従順で、他の女たちの脱走計画も報告し、時には拷問も手伝ったりして、ハイドニクのお気に入りになっていたのだ。
ハイドニクもジョゼフィナだけは特別に扱い、一緒に外出して食事をしたりもした。


2月7日、ついに最初の死者が出た。元々は、穴に閉じ込めていた女性が這(は)いあがろうとしたことが原因だったのが、それまで彼女が食事を拒否していたことにもハイドニクは腹を立てていた。彼女の両手に手錠をかけて上から吊るし、そのまま1週間放置したのだ。

ある晩、ジョゼフィナが目を覚ますと、その女性は吊るされたままぐったりとなっていた。近寄って励ましたのだが反応がない。そこへハイドニクが降りて来て「ちゃんと立ってろ!」と殴ったのだが、やはり反応がない。「こいつ仮病を使いやがって!」と怒鳴ると手錠をはずし、また穴の中へと蹴り落とした。

しかしあまりにも動かないので脈をさぐってみると、すでに死亡していた。衰弱死である。


この時点で初めてハイドニクは慌てた。死体を何とか処理しなくてはならない。とりあえず彼女の死体を地下室から上に持ってあがった。女たちが地下室でじっとしていると、やがて上の階から電動ノコギリの音が聞こえてきた。そしてたまらないような匂いもただよってくる。

地下室の女性達の予想通り、ハイドニクは死体をバラバラにしていたのだ。ハイドニクはバラバラにした死体をさらに切り刻み、挽き肉の機械にかけた。そうして出来あがった人間の挽き肉をドッグフードに混ぜて、自分が飼っている2匹の犬に食べさせた。余った肉片は冷蔵庫に保管した。

しばらく経って、ハイドニクは女性達に今日の分の食事を運んできた。だが、ハイドニクからも、そしてその食事からも、さっき電動ノコギリの音とともに漂ってきた匂いと同じ匂いがしている。その食べ物が何であるかは彼女たちもすぐに気づいた。これ以降、彼女たちの食事はドッグフードと人肉を混ぜたものが主食になっていった。


ハイドニクは、死亡した彼女の身体で食べられる所は女達に食べさせることにしたのだが、処理しきれなかった頭と両手、両足、胸の部分は仕方がないので焼却することにした。

だがそれらを火にかけるとすごい悪臭が漂い始め、匂いは家の中のみならず外にも漏れて、さすがに近所の人たちも騒ぎだした。一度、警官がハイドニクの家に事情を聞きにきたのだが、「夕食用の肉を焦がしただけだ。」と言って何とかごまかした。

警官をごまかした後、今度はハイドニクは監禁している女性の中で、いつも反抗的な態度をとっていたデボラという女性を、上の階に連れて上がった。5分ほど経ってデボラは地下室へと戻ってきたが、帰って来た時にはなぜか別人のようにおとなしくなっていた。

ジョゼフィナがデボラに何があったのかを聞いてみると、
「ナベに入っているあの人の頭を見せられたの。フライパンの上にはアバラ骨が乗っていて、冷蔵庫には足や腕が入っていたわ。言うことを聞かないと私もああなるんだって・・。」と答えた。


数日後、ハイドニクは今度は電気ショックという拷問方法を思いついた。コードの端を切り落として電線を露出させ、もう片方をコンセントに突っ込む。

この電線が剥(む)き出しになっているところを彼女たちをつないでいる鎖に触れさせるのだ。鎖をつたって電気が流れ、その瞬間彼女たちは「ギャッ」と悲鳴をあげる。その姿を見てハイドニクはおおいに喜んだ。


3月18日。3人の女性を穴の中へ押しこんだハイドニクは、ジョゼフィナに上から水をかけさせた。3人にまとめて電気ショックの罰を与えようと思ったのだ。穴の中には水がある程度溜まり、不安な顔の3人が座っている。ハイドニクは3人をつないだ鎖の輪にゆっくりと電気コードの剥(む)き出しになった部分を近づけていった。コードが鎖に触れた瞬間、3人の身体に電気が流れた。「ギャッ!」という悲鳴があがる。

そのうちの1人であるデボラは金切り声をあげたままぐったりと動かなくなってしまった。残りの2人がはっと気づくと、デボラは泥水の中に顔をつけてぴくりともしない。

「デボラが死んだわ!」「あんたたちが殺したのよ!」残りの2人が叫んだ。前回の衰弱死に続いて2人目の犠牲者である。


デボラの死から4日経った3月22日。ハイドニクは車にデボラの死体を積み、ジョゼフィナと共にニュー・ジャージー州に入った。この頃には、ジョゼフィナはますますハイドニクのお気に入りとなり、すでに女囚というより彼女として扱かわれており、2人で行動を共にすることが多くなっていた。

パイン・バレンズという森林地帯に着くと車を停め、デボラの死体を担ぎだした。時はすでに真夜中で辺りは真っ暗である。ジョゼフィナが車で待っていると、しばらく経ってハイドニクが帰ってきた。死体をこの辺に埋めて処理してきたようだった。


10人の女を捕らえるつもりが、逆に2人も減ってしまった。また代わりの女を探さなくてはならない。「代わりの女を探そう」とハイドニクが言いだすと、ジョゼフィナは「私を一度家族の元へ返してくれたら、私の友達を連れてきてあげるわ。」と言い始めた。

「4ヶ月も家族と会ってないのよ。きっとみんな心配してると思うわ。一目姿をみせたらそれで安心すると思うから、お願い、一回家に帰して。絶対戻ってくるって約束するわ。」

すでにジョゼフィナには相当気を許していたハイドニクは、この頼みをしぶしぶ承知した。その代わり、逃げたら残りの女達は殺すと脅してもおいた。

帰ってくる時の待ち合わせの時間と場所を決め、その時にジョゼフィナが自分の友達を連れてくると約束して、ハイドニクはジョゼフィナを車で送って、彼女の家の近くで開放してやった。


もちろん、ジョゼフィナにはハイドニクの元へ帰る意思などなかった。彼の車が走り去るのを確認すると、急いで昔の恋人のところへ直行した。ついにハイドニクの束縛から逃れたのだ。

恋人の家に到着すると、真夜中にも関わらずドアをドンドンと思いっきり叩き、彼氏を起こした。目をこすりながら出てきた彼にこれまであったことを必死で伝え、すぐに警察を呼んでもらった。まもなく警官チームが到着して、これまでの経緯と、足についた足かせのアザを見せ、残りの女性たちを助けて欲しいと頼み込んだ。

警官たちも、ジョゼフィナの真剣な話と身体の傷を見て真実であると判断したようだ。ジョゼフィナに問題の家まで案内させ、警官たちは周りを取り囲んだ。家はレンガ造りの二階建てで、シェパードとドーベルマンが飼われていた。


3月25日午前4時30分。警官隊は家に突入した。中にいたヒゲをはやした男は、銃をつきつけられるとあっさり手をあげ、観念したようだ。ハイドニクは身柄を拘束され、警官たちは部屋の捜索を始めた。

2人の刑事が地下室で2人の女性を発見した。2人とも毛布の中で身を寄せ合っており、刑事たちを見ると悲鳴をあげた。
「我々は警察です。心配しないで。君たちを助けに来たんだ。」

この言葉を聞いて、やっと2人ともほっとして、ふらふらと立ち上がった。彼女たちは全裸で、足には足かせがはめられており、鎖でつながれていた。


「他には誰かいないのか?」と刑事が聞くと、
「あそこです。あの穴の中に1人。」そういって女性はいつも「罰」に使われていた穴を指差した。フタ代わりの板を取り除くと、中に1人の女性がうずくまっていた。彼女もまた全裸だった。同じように足かせがはめられており、後ろ手に手錠をかけられていた。

「警察よ!私たち助かったのよ!」と2人が叫ぶ。発見された女性たちは全員傷だらけで衰弱しており、直ちにボルトカッターで拘束道具が切断され、病院に運ばれた。そして彼女たちを病院に、ハイドニクを警察署へ送ってからも部屋の捜索は続けられた。

台所のナベの中には骨が一本入っており、冷蔵庫には腕が入っていた。他にも人間の残骸の入った箱、血に染まった衣服、人肉のこびりついたナベなどが押収された。

翌日の新聞にはどれも第一面に「拷問」「監禁」「人食」などの文字がでかでかと書きたてられ、ハイドニクのハーレムはここで世間の明るみに出ることとなってしまった。

1988年7月、ハイドニクには死刑の判決が下った。



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