世界各地の海岸で、時々正体不明の巨大な生物の死体が流れついていることがある。もちろん、それら全てが未確認動物や恐竜の生き残りとは限らず、既存の生物が巨大化したものや、巨大化した上に奇形となった生物も含まれているかも知れない。発見された時にはだいたい腐敗がすすんで原型が分からなくなっている場合が多く、正体の推測は出来ても確定出来ないものも多い。

サハリン

2006年7月、ロシアの東部、サハリンの海岸で発見された巨大生物の死骸で、体長は約7メートルある。発見された時にはすでに腐敗がすすんでおり、骨格だけになっている部分もある。

皮膚はザラザラした感じで、体毛のようなものも生えており、頭部には巨大なくちばしがあって、この口の形状から「歯クジラ」ではないかと言われている。

また、「恐竜のプレシオサウルスではないか。」との意見もあったが、プレシオサウルスの特徴であるヒレのような部位がない。その骨格を比較すると、既存のクジラやワニ、サメ類とも違うようで、正体は不明のままである。

発見後、間もなくしてロシア政府の関係者と名乗る男たちが現場に現れて死骸を回収していった。その後は、別に政府から調査結果の発表や新種の動物を発見した、などの発表があるわけでもなくそのままになっており、結局残ったのは、発見当初に撮られた写真のみである。




中国

2007年11月13日、中国の海岸で発見された巨大な頭部。くちばしだけで1メートルあり、頭全体では約3メートルある。ちぎれたような首からは、首の骨が出ている。

だいたい、流れつくものとしては、肉の塊(かたまり)となった胴体が多いのだが、頭部だけが発見されるというのは珍しいパターンである。

くちばしを持った巨大生物が流れついた事例は他にもあり、2007年7月26日には鹿児島に体長6.5メートルでくちばしを持った生物が漂着しており、また1925年6月4日にはアメリカ・カリフォルニア州で、体長15メートルの巨大な生物の死骸が流れついている。この生物にも巨大なくちばしがあったが、歯はなく、クジラのような尾がついていた。


アフリカ・ギニア

2007年5月16日、アフリカのギニアの海岸に漂着した巨大な死骸。頭部はなく、胴体だけと思われるが、全身に毛が生えており、腐敗も進行していたこともあって正体ははっきりとは分からない。

調査の結果、尻尾らしきものと、4本の足がついていたというから、水中に住む動物ではなく陸上の生物かも知れない。クジラかウバザメだろうという説や、水死した象であるとか、亀ではないかという意見もあったが、地元の研究者たちは正体不明として結論となった。




アメリカ・オレゴン州

1990年7月にアメリカ・オレゴン州で発見された生物の死骸で、全長は約10メートル。頭部がなく胴体だけだった。頭部は腐敗してちぎれたのかも知れないが、船のスクリューで首が切断され、それが原因で死亡した可能性もある。

地元の海洋生物研究者は、正体をハイイロクジラではないかと推測した。




チリ

2003年6月、チリの沿岸で発見された肉の塊(かたまり)で、どこが頭でどこがヒレで、という判別はつかずに、ただの巨大な肉の塊である。

いったんは地元の海洋生物の研究者が、クジラであるとの結論を出したが、別の研究者の調査では、体長が12メートル以上の無脊椎動物だとの判断を下した。脊椎動物であるクジラではない、ということになる。

巨大なダイオウイカの身体の一部がちぎれて流れてきたか、全くの未知の生物ではないかと推測されている。


ニュージーランド

ニュージーランドの浜辺で発見されたものだが、これは流れついた死骸ではなく、生きている生物である。
単体の巨大生物ではなく、小さな海洋生物が寄り添いあって、一つの巨大な塊を形成しているのだ。

身体を大きく見せて敵から身を守るという本能がそうさせたのだろうか。
発見場所には人も多くおり、野次馬も集まって、その気持ち悪さに盛り上がったらしい。


ニュージーランド

1977年4月25日、ニュージーランド沖で、日本の漁船である大洋漁業(現マルハ)のトロール船・瑞洋丸が引き上げた、全長約10メートル、体重1800キロの巨大な腐乱死体で、新聞やテレビでも報道もされ、ニュー(新しい)とニュージーランドのニューをとって、ニューネッシーと名付けられた。

だが、引き上げはしたものの、あまりにも悪臭がひどいために一時間後に再び海に捨てられた。持ち帰らなかったことで一部非難の声も上がったが、仕事で来ている船に正体不明の巨大な腐乱死体を保存して持ち帰ることは困難だったかも知れない。

身体の一部を採取して分析した結果、ヒゲのアミノ酸含有率分析でウバザメのそれと数値が一致し、ウバザメの一種だろうという結論となった。しかし、実際に見た船員たちの話では、足があったという証言もあり、ウバザメ説を否定する意見もある。



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