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No.143 TWA800便の墜落



▼事故発生

1996年7月17日、20時19分、アメリカのニューヨークにあるジョン・F・ケネディ空港から、トランスワールド航空(TWA)800便が離陸した。このTWA800便の機体はボーイング747型機、目的地はフランスのパリにある、シャルル・ド・ゴール空港である。

しかし離陸してしばらく経った20時48分、TWA800便は突然大爆発を起こして火の玉と化し、機体は二つに割れて空中分解し、大西洋に墜落した。

墜落現場はニューヨーク州ロングアイランド・センターモリチズの南西沖26kmの海上である。乗員18名、乗客212名の合計230名は全員が死亡した。機体は7km四方に渡って飛び散った。

TWA800便の残骸
22時30分、ホワイトハウスに緊急会議指令センターが開設され、沿岸警備隊や連邦航空局、国防総省、FBI、CIAのトップが集まった。


事故が起こったのは離陸してから間もなくだったために目撃者も多くおり、事件を報道したアメリカCNNニュースは、大西洋に面しているリゾート地ハンプトンで取材し、多くの目撃者の証言を放送した。

当時はアトランタオリンピックを一週間後に控えている時期であり、アメリカと敵対する中東の組織がオリンピックを妨害するためにテロを行ったのではないかという説も浮上し、このことを踏まえてCNNニュースはテロリズム研究の専門家であるラリー・ジョンソン氏にもインタビューを行った。

「私の経験から言えば、火の玉状の爆発が起こるのは機内で何らかの爆発が起きたとしか考えられない。」

と、ラリー・ジョンソン氏は語った。機内に爆弾が仕掛けられていた可能性があるというのだ。

また、目撃者の証言から、「オレンジ色の光が800便に向かって飛んで行き、その直後に爆発が起きた。」と証言する人もおり、ミサイルによる撃墜説も浮かんできた。


▼難航する原因の究明

FBIも大規模な調査に乗り出し、徹底的な原因究明が行われた。国家運輸安全委員会は十ヶ月以上の期間を要して残骸を回収し、最終的には95%の残骸を回収、それぞれの残骸を様々な分野の専門家が分析し、莫大(ばくだい)な費用と労力をかけて原因究明が行われた。

そしてワシントンのFBI科学鑑定所が、機体の破片から、プラスチック爆弾やミサイルの弾頭に使用される四硝酸ペンタエリットという科学物質を検出した。これにより、テロによって爆破されたのは確定的と思われたが、後の調査により、この800便は飛び立つ前に爆弾探索犬の訓練で使用されていたことが判明した。

要するにこの機体を使って、爆弾を見つけるための探索犬の訓練を行っていたのだ。検出された物質は、その時の訓練で使用された残留物という可能性が高くなり、テロであるという説は消えた。


また、ミサイル攻撃の面から行われた調査でも確固たる証拠を発見することは出来なかった。地対空ミサイルであれば、熱感知誘導システムが組み込まれているために標的の「熱」を感知して追尾していく。旅客機に当たるとすれば、そこは主翼のエンジンであることが普通である。

ところが、回収された4機のエンジンには墜落による損傷の跡しか発見出来なかったのである。何よりミサイルで破壊されたのなら、それがエンジン以外の部分に当たったとしても必ずミサイル攻撃特有の痕跡が残るものなのだ。そうした痕跡が全く発見出来なかった。

ミサイルによる攻撃という説も消えた。

その他、静電気による燃料タンクの爆発という実験も行われたが、決定的な結論を導き出すことは出来なかった。

半年以上経っても依然、原因は不明のままで調査は行き詰まっていた。


▼事故原因が発表される

しかし事故から4年経過した2000年8月23日、これまでの調査が実を結んだのか、事故の原因が正式発表された。

この事故機TWA800便(機体名ボーイング747)は製造されてから25年経っており、機体自体が老朽化していた。爆発の原因は、燃料タンクの近くにある電気回線が腐(くさ)っていたためにショートし、漏れ出した高電圧の電流が燃料タンク監視システムにつながる電気回線に流れ込んだ。その電流が燃料タンク内にも流れ込んだ。

事故の時、中央燃料タンクには1万3000ガロンの容量に対して50ガロンしか入っておらず、そのためタンクの中は空間が多い状態だった。

更に、800便は19時ちょうどに離陸の予定だったが、離陸時間が1時間以上遅れ、その間、真夏であったためにエアコンはかけっぱなしにしてあった。このエアコンの空調装置が燃料タンクの真下にあったために、空調装置の熱で燃料タンクが暖められて、タンク内には気化した燃料が充満している状態だった。

そこへ電流が流れ込み、気化した燃料に引火し、燃料タンクは大爆発を起こした。老朽化からくる電気コードの腐食が引き金となった事故だった。

トランスワールド航空(TWA)は、ボーイング747の製造メーカーに対し、事故再発防止の対策案として燃料タンクの改善と整備の強化を申し入れた。

なお、トランスワールド航空はこの事故以前から業績が悪化していたが、この事故が決定打となって、深刻な経営不振に陥(おちい)り、2001年にアメリカン航空に吸収合併された。


▼発表されたことは本当に事実か

ここまで読まれた方は、特に不審な点は感じず、純粋な事故だと思われたかも知れない。

この事件は別に超常現象や、UFOに撃墜されたとかいう部類の事件ではない。ただ、「発表された事故原因は本当なのか?」「都合の悪いことは隠して嘘の発表をしたのではないか?」と主張する、関係者やジャーナリストが多く、発表されたことが灰色の状態である解決不明瞭な事件に属する。

事故の調査を行ったのは警察やFBIだけではない。テレビ局や新聞社、ジャーナリストなどの民間人も、多くの人間が調査に参加し、この事故の真相を追った。そこから導き出された結論と、捜査当局が発表した結果がかなり食い違う。

「そこから導き出された結論」と書いたが、確固たる証拠があったわけではないので、これは「推論」としか言えない。

つまり、事故原因が発表はされたが、それが事実かどうか疑わしい。

そして以下が、TWA800便の爆発の真相として考えられているものである。


▼オレンジ色の光

目撃者の1人であるポール・アンシェリデス。
「オレンジ色の光が800便を直撃した」と語っている。
たまたま撮影された映像。右上が火を噴くTWA800便。
下の白い点は
「本来撃墜されるはずのミサイル」
「別方向に飛んでいく飛行機」
「レンズについた汚れ」
などと、意見が分かれている。
冒頭にも書いたが、TWA800便が爆発する直前、オレンジ色の光を見たという証言がある。それも1人や2人ではなく、ロングアイランドの住民154人が「見た」と証言しているのだ。

「オレンジ色の光が尾を引きながら飛行機(TWA800便)に向かって飛んでいき、飛行機を直撃した。その直後に大爆発が起こって墜落した。」

証言した人たちの全てが同じような話をしている。

また、ニューヨーク州の空軍のパイロット数人も、同じ光を見たと証言している。この光については、電気回線のショートによって爆発したとする説では説明はされていない。

このオレンジ色の光線の正体は、電磁波を使った「エネルギー・ビーム」の一種ではないかと言われている。アメリカ軍の開発した、「秘密兵器」とも言える新開発の兵器である。

もちろん、800便という民間機を狙って軍が打ったわけではない。不運の重なった事故だったのである。

ある海軍関係者がもらした情報によると、800便が離陸した時、ロングアイランドの沖では海軍が演習を行っていた。このエネルギービームで、飛来するミサイルを撃墜するという実験だった。

このロングアイランド沖は、海軍が演習地域として使っている。その演習区域を含めて、この沖合には7個所の警告エリアが設定されている。海軍が演習などでこの警告エリアを使用する時には、あらかじめ連邦航空局に通知しておかなければならない。

あの事故の時は3個所の警告エリアを使用して海軍が演習を行っていた。ただ、警告エリアといっても、民間機がその近辺を飛ぶことが一切許されていないというわけではない。

連邦航空局は、警告エリアの中に「フライト コリダー・ベティ」と呼ばれる航空機専用の安全なエリアを設定しており、もし演習中に危険が想定されるなら、このフライト コリダー・ベティの中で航空機を旋回待機させることにしている。

事故当時、TWA800便はこのフライト コリダー・ベティの中を飛行していた。だが安全であるはずのこのエリアの中で800便は撃墜されてしまっった。

これは800便が定刻を1時間以上遅れて離陸していたことと、そのことを連邦航空局が海軍に連絡していなかったことが大きな原因となっている。演習中のエリア近辺に民間機がいるかも知れないという概念が海軍側にはなかった。

ロングアイランドの東岸には海軍の秘密兵器実験施設がある。事件のあったこの日のこの時刻、この実験施設から演習海域に向けて電磁波を使ったエネルギービームを発射する実験が行われていた。

これは沖合に停まった軍艦ノルマンディーから発射されたトマホークミサイルを、電磁波ビームで撃墜するという実験だった。

実際ノルマンディーから発射されたミサイルには多くの目撃者がおり、たまたま撮影されたビデオにもミサイルらしきものが映っている。

ミサイル発射の連絡を受け、電磁波ビームを発射する際、レーダースクリーンには点滅する二つの光が映っていたはずである。標的であるトマホークミサイルとTWA800便である。

しかし、二つのそれぞれが「何」であるかの確認もなく電磁波ビームの発射ボタンは押された。ビームは一直線に標的であるミサイルに向かって放たれる。しかし、ここで最悪の偶然が訪れる。

電磁波兵器とミサイルとを結ぶ直線上に、この瞬間、たまたま飛行中の800便がさしかかった。電磁波ビームはミサイルに当たる前に800便を直撃した。そして次の瞬間、火の玉と化した800便は墜落した。


▼超能力者たちが事件を透視

この事件は最初FBIが16ヶ月間調査しても何らテロや犯罪に結びつくような証拠は発見されず、純粋な事故として処理され、犯罪方面からの捜査は打ち切られた。事件の処理は、事故の面からの調査ということで運輸安全委員会に引き継がれた。

まだ、事件の原因究明が暗礁に乗り上げた状態である時、ジョージア州アトランタにある「ザ・ファーサイト・インスティテュート」と呼ばれる施設で、数名の超能力者を使って事件の真相を透視させる実験が行われた。

透視とは、別に物が透明に見えるという能力のことではない。隠されたものや離れたところにあって視界に入っていないものを、頭の中に浮かんだイメージなどで正確に判断出来る超能力である。

そして透視能力は、「目の前の箱の中に何が入っているのか」などとという視界の範囲内で感じる能力だけにとどまらない。遠く離れた場所で起こった事件なども、まるでその事件を横で見ていたかのような映像が、断片的にではあるが、頭の中に浮かび、感じることもある。

遠く離れた場所での出来事の映像を見ることを「遠隔透視」、または「リモートビューイング」という。もちろん、確率は100%というわけにはいかず、当たったりはずれたりするわけだが、アメリカでは日本よりもはるかに超能力の研究が進んでおり、犯罪捜査で協力を求めたり、軍事に理用する目的で様々な実験も行われており、ある一定の成果を上げているのも事実である。

事件や事故の真相究明に超能力者を使うというのもアメリカならではの考え方と言える。


この実験に臨む前には、もちろん超能力者たちには余分な情報は全く与えられていない。

「TWA800便」「墜落の瞬間」「メカニズム」という3つのキーワードだけが与えられ、それぞれの脳裏に何が浮かぶのかを見てもらった。

その結果、

「軍服を着た人物がスクリーンの前に立っているのが見える。」
「その人物がボタンを押した直後に、エネルギー状のものがすごい勢いで発射されて空間を突き進み、航空機を直撃した。」

「ものすごい音が響き渡り、炎が発生した。」
「物が吹き飛び、異様な臭いがたちこめ、その後に冷たい水の中に沈んでいく感覚があった。」

と超能力者たちは語った。

この時点では、800便の墜落は事故だと思われていたが、超能力者たちが感じたイメージでは、明らかに軍による撃墜であったのである。


▼事実が不明瞭な事件

もちろん、電気回線の腐食が爆発の原因と発表されている以上、電磁波ビームの件は推論に過ぎないことになっている。アメリカ海軍の側としてもこうした実験が行われていたことは一切認めようとしない。

軍が、間違えて自国の民間機を撃墜したと認めれば大変なことになるであろうし、使用していたものが秘密兵器に属するものであればなおさらである。


過去のものを含めて、全世界では何万、何十万という事件が起こってきた。中には未解決事件もあるが、解決された事件ならばどれも「判決が出た」、「公式発表があった」、「断定された」などとといった形で事件は終了する。

もちろんそのほとんどは正しい結果となっているであろうが、中にはごく一部
「その発表は事実と違うのではないか?」「その判決は、デッチ上げられた証拠で下った判決ではないのか?」

と、多くの異論が出ている事件もある。現代事件簿に書いた「No.046のリンドバーグの子供の誘拐事件」もその一つである。

権力者や軍の圧力によって歪(ゆが)められた解決をしている事件も世の中には一部あり、この事件がそうだと断定は出来ないが、灰色解決の事件の一つではある。



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