No.33自分は女だと思っていたら実は男だった


現代は生まれてくる前から男か女か分かる時代ですから、こういうことはないと思いますが、昔は生まれたばかりの赤ちゃんの性別は、ペニス(赤ちゃん風にいうとオ○ンチン)があるかないかで決めていました。当然と言えば当然の鑑定方法です。

ですがごくまれに、母親の胎内で身体を形成していく過程で、このペニスが身体の外につかずに、体内に入ったままで生まれてくる赤ん坊がいます。医者も周りの人も男の象徴がついていないのだから、当然女だと思います。

戸籍にも女として載せられ、もちろん本人も自分のことを女だと思って生活します。ですが思春期になると、男性ホルモンの働きでノドボトケが出てきたり、声変わりがしたり、ヒゲが生えてきたりしてきます。

その上、身体も妙に筋肉質になってきたりして、本人にとっても「私の身体はおかしいんじゃないかしら?」と思うようになります。何よりも女の子にヒゲが生えてくるのはショックでしょう。周りの人もおかしいと思って病院で診察してもらったら実は男だったというケースです。

本人も周りの人もびっくりですが、このままにしておくわけには行かないので病院でペニスを外に出す手術をしてもらい、それから後の人生は男として歩むようになります。


また、その逆のパターンですが、今から40年くらい前、「男だと思っていたものが、実は女だった」という事件がありました。

この人はまだ赤ん坊として母親の胎内にいる時に、何らかの理由で、男性ホルモンが増えてしまい、女性特有の器官である「卵巣」が身体の外に出てしまいました。この、外に飛び出した卵巣がペニスそっくりに見えたため、生まれた時点で「男の子」と判断されてしまったのです。

この男の子(じゃないですが)は、ずっと男として育てられ、やがて成長して軍に入り、アメリカ陸軍の軍曹にまでなったのですが、成人してやっと女性であることが分かり、手術を受けて本来の姿である「女」に戻ることが出来ました。

またイギリスでも、ドーン・シモンズという人がやはり男から女に変わっています。彼女の場合はその後出産までして世界中のニュースにもなりました。ですが元々女だったので出産しても全く不思議はありません。

男と女はやはり外見も体内の構造も違うものであり、性器のみで男女の判定をしていた時代には、こういう事件の一つや二つは起こっても仕方のないことだったのかも知れません。