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No.23 自転車に乗る女の子

石田明子さん(仮名)は、都内のあるアパートに引っ越してきた。最初に部屋に入った時、何か言いようのない不気味な感じがしたが、別に気にすることもなく引越しの片付けを始めた。

明子さんはフローリングの床に直接布団を敷いて寝ている。だが、朝起きて布団をたたむと不思議と布団を敷いていたところがぐっしょりと濡れているのだ。布団を敷く場所を変えてみても同じ。こういうことが毎日続くとさすがにちょっと気持ち悪くなってくる。


だがある晩、決定的なことが起こってしまった。夜中にふと目を覚ました明子さんが何の気なしに部屋の中に目をやると、そこには、自分の部屋の中で、5〜6歳くらいの女の子が補助輪のついた自転車を乗り回していたのだ。

しかもその女の子は自転車に乗ったまま、壁の中に入ったり壁から出てきたりしている。びっくりして声も出ない明子さんは思わず目をつぶり、「助けて!!」と心の中で叫んだ。

ふと明子さんのひたいに何かが当たった。恐る恐る目を開けてみると、目の前にはさっきまで自転車に乗っていた女の子の顔が!
女の子は明子さんの横にしゃがみ込んで顔を近づけ、じっと覗き込んでいる。

「ひっ!!」と悲鳴をあげたが、勇気を出して「あなたは誰なの?」と聞いてみた。するとその途端、女の子の姿はスッと消えてしまった。


どっと冷や汗が出る。次の朝すぐにアパートの管理人にところへ行ってこのことを話してみた。管理人の奥さんに最初に話したのだが、一通り話を聞くと何かじっと考え込んでいる。

「何か知っているのではありませんか?」と明子さんが聞くと、「ちょっと主人を呼んできます。」と行って主人を連れてきた。管理人夫婦が部屋を見せて欲しいというので明子さんが自分の部屋へ連れて行くと管理人は何か外からの距離を測っている。

「あなた・・。やっぱりあの墓の立っていた位置じゃないですか?この部屋・・。アパートを建てるとき、一基だけあったあの墓・・。あの時はちゃんと移動させたつもりだったんだけど、やっぱり動かしたのがまずかったのかしら。」

奥さんの意見に主人も賛同したようで、移動先の寺の住職にさっそく来てもらった。住職に調べてもらった結果、あの時墓を移動はしたものの、その時に骨壷の数が一個合わなかったというのだ。幼くして亡くなった女の子の骨壷だったらしい。

ということはその骨壷は、まだアパートの下に眠っているということだろうか。さすがに今となっては掘り起こすことは困難なので、すぐ近くにお地蔵さんを祭ることにした。そして住職に供養してもらった結果、それからは女の子の霊が出ることはなくなったという。



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