Top Page  心霊現象の小部屋  No.25  No.23


No.24 心霊写真を面白がって配ると・・。

東京の大学でテニス部に入ってる山崎さんは、ある夏の日、部員たちと一緒に合宿に出かけた。その合宿を行った土地には、近くに幽霊が出ると噂される神社があり、合宿の最中、そこで肝試しをやろうという話になった。

夜、みんなでその神社に出かけ、肝試しをやりながら山崎さんは写真を撮りまくった。200枚以上も撮っただろうか。果たして本当に霊が写っているかどうかみんな興味津々で、現像されたものを持って帰ってくると、待ってましたとばかりにチェックが始まった。

すると10枚もの写真に何か得体の知れない煙のようなものが写っていたのだ。しかもその中の1枚には、はっきりと女性の顔だと分かる写真も含まれていた。

「おぉっすげぇ!本当に写ってるよ!」みんなから歓声が上がった。その写真を撮った当の山崎さんは嬉しくなり、東京に帰ってきてから何枚も焼き増しして、人に見せたり配ったりした。


それがいけなかったのかどうかは分からないが、間もなくして一緒に合宿に行った部員の一人が交通事故に遭い、両足を複雑骨折してしまった。また、別の部員はウツ病にかかり、精神的にちょっとおかしくなり、大学にも来なくなってしまった。

そして当の山崎さんは・・彼はアパートで一人暮らしをしているのだが、ある晩、彼が一人で部屋にいると「コンコン」とドアをノックする音が聞こえてきた。誰だろうと思ってドアを開けてみると誰もいない。

ドアを閉じるとまたノックの音が聞こえる。また開けてみるとまた誰もいない。
そういうことが何回かあると、誰かのいたずらだろうと思ってそのうち無視するようになった。

だが、そのノックの音は翌日にもやってきた。その日も無視した。そして更に翌日。またもやノックの音だ。だんだん腹も立ってきたが、やっぱり無視していると、今度は誰かがドアを開けようとしている。


ドアにはカギをかけているので、開くわけはないのだが、誰かがドアをガタガタと揺らしている。いい加減にしろという気持ちで山崎さんも玄関に近づいていった。

ガチャッとドアを開けるとそこには一人の女性がうつむいて立っていた。
「あんたか、この間から何回もうちのドアをノックしていたのは!何か用でもあるのか?」
と、少し怒り気味で山崎さんが女性に言うと、女性の方もゆっくりと顔を上げて、山崎さんと目が合った。見たこともない人だ。だがどこかで見覚えがある。

「あっ!!」と次の瞬間、山崎さんは声を上げた。写真に写っていた、あの幽霊らしき女の顔だったからだ!
「あ・・あんたはもしかして・・!」
と言うと女性の方は
「や・・め・・て・・。」
とだけ言って、そのままじーっと山崎さんの目を見つめる。そのうちだんだん怒ったような顔になり、そのままスーッと姿が消えてしまった。

山崎さんは全身に震えがきて、その場に座り込んでしまった。「やめて」とは・・? 霊が写った写真を面白半分に人に見せて歩いたり人に配ったりしたことを言っているのだろうか?

すぐに山崎さんは人にあげた例の写真を回収し、家の近くの神社に持っていった。だが一枚足りない。次の日の晩もノックの音が聞こえてきた。やはり全部回収しないと、この音からは逃れられないようだ。