ナナちゃんと椿団
9月になりました。
力いっぱい遊んだ夏休みももうおしまい。さあ、2学期のはじまりです。
運動会のれんしゅうもはじまりました。
ふねこうえんには、いつものように、ナナとカミノがいます。
アイスを食べているふたりの顔は、日焼けしてこんがり、いい色。
「小学校の運動会は、やっぱりかっこいいな。ほいくえんのときとは、ぜんぜんちがうなあ。」
運動会では、1年生から6年生まで、赤組と白組に分かれてきそいあいます。
ナナはおうえん合戦のれんしゅうが大すき。6年生のおにいちゃんやおねえちゃんたちが、いろんなかけ声やダンスを教えてくれるのです。
「ナナ、赤組になったんだよ。」
「そっかあ、負けられないなあ。オレ、白だ。」
「えーっ、カミノは白組なの? でも、がんばるもん。ぜったい赤組の優勝だあ。」
アイスを食べ終わったカミノが、ぽつりと言いました。
「・・・モトちゃん、元気かなあ。」
「また3人で、アイス食べたいね。運動会、見に来てくれないかなあ。」
ナナも今、モトちゃんのことを考えていたのです。
「そうだな。オレ、ぜったいまた会えると思うんだ。」
カミノがまじめな顔で言いました。
そして、運動会の日。
ナナもカミノもいっしょうけんめいがんばりました。結果は、白組の優勝。
でも、モトちゃんはあらわれませんでした。
運動会が終わり、ふつうの毎日がもどってきました。秋のここちよい風が町じゅうにひろがり、空もなんだか大きく見えます。
その日は金曜日でした。
あしたとあさってはお休み。1年1組の宿題は『秋みつけ』です。
「秋を感じられるものを見つけよう」と、たんにんの田原先生は言いました。
11月になりました。
その日もやっぱり金曜日でした。
アトラスまでおつかいに行くとちゅう、ナナはひとりの男の子に話しかけられました。
3年生か4年生ぐらいかな、ナナの椿の花のバッジを見て、
「おっ、キミもか。じゃああした3時にな。」
その子もやっぱり椿の花のバッジをつけているのでした。
・・・おかしいなあ、何かある、きっと。
ナナとカミノのほかにも、バッジを持ってる子がいる。一体どういうことなんだろう。
つぎの日。
ふねこうえんでナナはカミノに話してみました。
「そうそう、オレもなんだよ。えーっと、いつだったっけかなあ。うーん、たしか夏休みの前だった。
友だちんちに行くとちゅうに、知らないやつに話しかけられたんだ。
オレとおんなじ5年生ぐらいだと思うけど、オレたちの学校の子じゃない。そいつ、オレに『何か見つかったか?』って聞くんだ。」
「見つかったって、何が?」
「・・・さあ。わけわかんないだろ? で、『何が?』って聞いたら、そいつ走ってにげてった。」
「なんか、おかしいよね。」
「あ、それから、まだあるぞ。サッカーの帰りに話しかけられたこともあった。そいつは女子だった。背がすごく高かったけど、小学校の制服を着てたっけな。そいつも、わけわからないこと言ってた。お城に集合してからどこかに行くとか、そんなかんじの話だ。」
・・・おかしい、絶対おかしい。ナナたちのしらないところで、何かがおこってる。
「ねえ、カミノ。もしかして、その子たちもバッジつけてた?」
「うん、つけてたな。オレももちろんつけてたけどな。」
カミノは、自分のシャツの椿の花のバッジをちらりと見ました。そして、ニヤリとわらいました。
「行ってみるか。」
「うん、行こう。」
ナナも、ニヤリとわらいました。
「えーっと、まず、ナナは松陰神社で、赤組のリーダーに『あしたおくれそう』とか言われたんだよな。それ、いつ言われたんだ?」
「えーっ、もうおぼえてないよ。いつだったっけ・・・。」
ナナはいっしょうけんめい思い出そうとします。
「えーっと、たしか、金曜日だった。『あきみつけ』のしゅくだいがでたのは、お休みの前の日だったもん。」
「じゃあ、その『あした』ってのは、土曜日だ。アトラスにおつかいに行って話しかけられたのは、いつ?」
「えーっと、何日だったっけ、思い出せないよ。でも、それも金曜日だよ、ナナがおつかいに行くのはいつも金曜日だもん。」
「じゃあ、『あした3時』ってのは、金曜日のあした、つまり、土曜日の3時ってことだな。」
「うん。」
「で、オレは、『お城に集合』だとか、『何か見つかったか』とかって話しかけられたんだ。」
「お城って、萩城あとのことかなあ。」
「うん、そうだろうな。」
「じゃあ、『土曜日の3時に城あと』だあ。」
「うん、『土曜日の3時に城あと』に行ってみよう。」
「あれ、きょうも土曜日だよ。」
「そうだな、でも、もう5時をすぎてるから来週にするか。」
カミノが、するするとマストをおりました。
「うん、来週だね。」
ナナもマストをおりました。
すごーくすごくおもしろいことがおきる、今からわくわくしてきます。
「あ、そうだ。ナナ、あした、おまつりだよ。行くか?」
「もちろん。大すきな金管バンドがでるんだもん。」
「そうか。オレは、とのさまの行列がすきだな。」
「じゃあ、いっしょに行こうよ。」
ふたりは、あしたのやくそくをして、帰り道をいそぎました。
さあ、きょうは日曜日。 「時代まつり」の日です。
この日は町じゅうがうきうき。大人も子どももこの日をたのしみにしているのです。
会場にはたくさんのお店が出て、たくさんの人でにぎわいます。
奇兵隊やてっぽう隊、大名行列もでる「時代パレード」は、大人気。
ナナとカミノは、メイン会場になっている市役所で待ちあわせました。
まずは、わたがしや松陰だんごのかいぐいです。
そしていよいよ、パレードのはじまりです。
待ちに待った『金管バンド』もとうじょうして、ナナはうきうき。
あの、赤と白のユニフォームがかっこいいんだもん。
「ナナ、3年生になったら、ぜったい金管バンドにはいるんだ。」
ナナはカミノに、きっぱりと言いました。
「よし、じゃあ、そんときはオレが見にきてやるよ。そんときはオレ、中学生だけどな。
おっ、ナナ、つぎだ、つぎ。」
つぎは、カミノのすきなおとのさまの行列です。
この町のむかしのおとのさまの格好をした人たちが、ゆっくりと歩いて来ました。
よろい、かぶとがとっても重そう。
みんなおとのさまになりきって、つぎつぎと登場です。
1人、2人、3人・・・・・ぜんぶで15人。みんな、とっても強そうです。
「おとなになったら、オレ、ぜったいあれにでるんだ。」
こんどはカミノがきっぱりと言いました。
「じゃあ、そんときはナナが見に来てあげるよ。『カミノがんばれー』っておうえんしてあげるよ。」
「おうっ。よろしくな。」
ふたりがそう話している間にも、パレードはどんどん進んでいきます。
「よし。おっかけようぜ。」
ふたりは走って、金管バンドまで追いつきました。
そして、おとのさまの行列まで見て、また走って先まわり。金管バンドに追いつきました。
それからまた、おとのさまの行列がとおりすぎます。
「『うーん、やっぱりかっこいいなあ』でしょ?カミノ」
ナナがカミノのまねをしながらふりむくと、カミノはひどくしんけんな顔をして、行列をじっと見つめています。
「ナナ、なんかおかしくないか?」
「ん? なにが?」
ナナもじっと見つめてみました。
「なんだろう。なんだか、さっきとちがう気がする。」
「なんか・・・、多くないか?」
「うん、そういえば、列が長くなってるような・・・。」
「ちょっと待てよ。1人、2人、3人・・・・・14人、15人、16人。」
「16人? 最初は15人だったよね?」
「ふえてる・・・。」
・・・ひとりふえてる・・・。
いつ、ふえたんだ?
そのとき、列の最後のひとりのおとのさまが、ちらりとこちらを見ました。
「あーっ!」
「あーっ!」
ふたりは同時にさけびました。
「モトちゃん!!」
列の最後を歩いていたのは、モトちゃんでした。
ずいぶん大人になっていたけど、ナナとカミノの友達の、モトちゃんにまちがいありません。
「モトちゃーんっ!」
ふたりは大声でさけびました。
モトちゃんはふたりのほうを、また、ちらりと見ました。
かぶとの下からみえるその目は、とてもうれしそうに笑っています。
そして、ほんのいっしゅん、ペロリと舌を出しました。小学生みたいに。
そうしてまた、すました顔をして前を向いて、列に続いて行ってしまいました。
ふたりはあっけにとられて、その列をみおくっていました。
そして、しばらくして、ふとわれにかえりました。
「あれ、モトちゃんだったよね。」
「うん。大人になってたけど、あれはぜったいモトちゃんだ。」
「早く追いつかなくちゃ。」
「ああ、オレ、話したいことがいっぱいあるんだ。」
ふたりはあわてて、おとのさまの行列を追いかけました。
でも、もう、モトちゃんはいませんでした。
行列のおとのさまも、15人にもどっていました。
そのつぎの土曜日。
「おっ、もうすぐ3時だ。そろそろ行くか。」
「うん、ちょっと急ごう。」
ふたりは、きょうこそ『土曜の3時に城あと』に行こうとしているのです。
ふねこうえんのマストをするするとおりて、ふたりは自転車をこぎはじめました。
城あとにつきました。
入口には、むかしこのお城をひらいたというおとのさまがすわっています。
おくへ進むと、お城がすがたをあらわしました。でも、お城とはいってももうたてものはなく、大きな石でできた石がきがしずかにのこっているだけです。
ふたりは、うちぼりにかかる橋をわたって、さらにおくへと進んで行きました。
そのとき、どこか上のほうで、子どもの声がしました。
ふと見上げると、石がきの上のほうに、小学生ぐらいの子どもたちが集まっています。
「なんだろう。」
「行ってみようか。」
ふたりは、大きな石でできたかいだんをのぼって行きました。
石がきのてっぺんについたとき、そこにいた小学生たちは、いっせいにふたりのほうを見ました。そして、ふたりの椿の花のバッジに気がつくと、みんなキラキラと目をかがやかせました。
「ようこそ、椿団へ。」
いちばん背の高い、髪の長い女の子が、はずんだ声で言いました。
ナナとカミノは、ぽかんとして小学生たちを見ていました。
そういえば、どこかで見たことのある顔もいます。あの運動会の赤組のリーダーも、にこにこわらっています。
「あのとき、しくじっちゃったんだ。バッジしてたし、もう知ってるって思ったんだ。」
「そうなんだ、ぼくも、『しまった』って思ったんだ。バッジしてたしなあ。本当はぜったいひみつなんだ。」
みんなうれしそうに、ナナとカミノに話しかけます。
ナナは、思いきって聞いてみました。
「あのー、『椿団』って、何ですか。」
「『椿団』って、オレたちもそうなのか?」
カミノもつづけます。
「わたしが説明しようかな。」
さっきの、いちばん背の高い、髪の長い女の子が、しずかに言いました。
「わたしの名前は、ヨコタ。いま、団長やってるんだ。よろしく。」
「6年生だよ。みんな、ヨコタッチってよんでるんだ。」
そばにいる子が、笑いながらつけくわえました。
ナナとカミノは、ヨコタッチを見つめました。ヨコタッチはにっこりして、それから話しはじめました。
「椿団は、小学生だけのひみつのグループなんだ。いろんな小学校の子がいる。きみたちも入れてみんなで10人になった。
メンバーになるのには、条件が2つある。
1つは、小学生だってこと。もうひとつは、このバッジをもってることさ。」
そう言うとヨコタッチは、じぶんのシャツの椿の花のバッジをちらりと見ました。
よく見ると、そこにいる小学生全員が、同じように椿の花のバッジをつけています。
「毎月第1土曜日の3時に、みんなここに集まってる。でも、だれにもないしょだ。
ぜったいひみつのグループだからね。
パパにもママにも、中学生になって椿団をそつぎょうしても、ぜったいだれにも言っちゃいけない。
椿団のことを話せるのは、椿団のメンバーにだけだ。」
「椿団って、いままで聞いたことないぞ。さいきん、つくったのか。」
カミノが聞きました。
「いや、ずうっとずうっとずうーっと昔から続いてるらしい。私にもよくわからないんだ、前の団長から聞いた話だからね。
ある日、バッジがくる。ここにいるみんなはそれぞれ、べつべつの日にべつべつの場所で、ぐうぜんバッジを手にしてるんだ。きみたちもそうだろ?」
「うん、そうだった。ナナは、小学校に入る前の春休みだった。カミノはそのあとだった。」
ナナは思い出しながらこたえました。
「でもさ、バッジ持ってるだけじゃ、自分が椿団のメンバーだってこと、わかんないだろ? みんな、どうやって集まったんだ?」
またカミノが聞きました。
「自力で。」
ヨコタッチが、さらりと言いました。
「きみたちとおんなじだよ。私たちもみんな、『何かあるな、何かおかしいな』って思って、ここをさぐりあてたんだ。きみたちもそうだったろ?」
「うん、そうだな。」
「じゃあ、バッジもらってるのに、自分が椿団だって気づいてない子もいっぱいるんだね。」
ナナが言いました。
「うん、そうだと思う。ほんとうは何人いるのかわからないよ。・・・ある日このバッジがくる。私たちはある意味、えらばれた小学生ってわけだ。」
ヨコタッチは、しんけんな顔で答えました。
「うーん、そうかあ。えらばれた小学生かあ。ちょっとかっこいいなあ。・・・でも、何のためにえらばれたんだ?」
カミノが聞きます。
まわりを見まわしてから、ヨコタッチはしずかに言いました。
「・・・ある、使命のためだ。」
「使命?」
ふたりは同時に聞き返しました。
「うん、使命だ。」
ヨコタッチは続けます。
「椿団はね、ずうっと昔から、ある使命をせおってるんだ。ずうっとずうっと昔から、どの時代の椿団も、このバッジをむねに、その使命のために動いてるんだよ。」
カミノは、ゴクリとつばをのみこみました。
「その、使命って?」
「-----地下都市さ。」
ヨコタッチがさらりと言いました。
「この町の下には、地下都市があるんだ。ずっと昔からどの時代の椿団も、その地下都市をさがしてきた。
どこかに入口があるはずなんだ。われわれ今の時代の椿団も、さがし続けてる。
そして、1ヶ月に1度集まって作戦会議をやってるんだ。何かてがかりが見つかったか、報告しあったりね。」
そう言うと、ヨコタッチはまわりのメンバーにむかって聞きました。
「なっ、みんな、何か見つかった?」
メンバーたちはつぎつぎと答えます。
「ううん、見つからなかった。」
「ぼくも、だめだった。」
「私、ちょっと気になる場所があるんだけど。」
「えっ、どこ?」
「えーっとね、ちょっと遠くなんだけどね・・・。」
いつのまにか作戦会議がはじまってしまったようです。
ナナとカミノは、そのようすをあっけにとられて見ていました。
「ナナ、オレたちどうやら、椿団ってやつらしいぞ。」
「うん、そうらしいね。でも、なんだかよくわかんないよ。」
「ああ。でも、おもしろそうだな。」
「うん。すごくおもしろそう。」
ふたりの顔は、だんだんかがやきはじめました。
「よおし、じゃあ、来月はみんなで調査だ。」
ヨコタッチが言いました。
「わかった。」
「じゃあ、来月な。」
どうやら、会議もそろそろおわりのようです。
そのとき、ひとりの男の子が思い出したように言いました。
「そうだ、今年はでたな。」
「うん、そうらしいね。ぼくは見られなかったんだ。」
「わたし、見たんだよ。たしかに今年はひとり多かった。」
「あー、ざんねん。いちど見てみたかったよ。」
「わたしは見たことないんだ、でも、ほんとうだったんだね。」
みんな、むちゅうで話しています。
「何の話?」
ナナが聞きました。
「こないだのおまつりの話だよ。あれで、おとのさまの行列があるだろ?
あれでさ、ひとり多いことがあるって、昔からうわさされてるらしい。
あ、もちろん、椿団だけの伝説だけどね。」
・・・・それ、モトちゃんのことだ。・・・・・・昔からの伝説だって?
ナナもカミノも、何も言いませんでした。ただ、うなづいているだけでした。
たいせつな友だちのモトちゃんのことです。今年はでた、なんて言ってほしくありません。
そのうち、きょうの会議も終わりになったようです。
「じゃあ、また来月。土曜日な。」
「3時に。」
みんな、口々にそう言い合って帰りはじめました。
「そこの1年生、来月おくれるなよ。おやつよりもだいじだからな。」
「はぁーい。」
ナナも手を上げて返事をしました。
かえりみち。
「・・・おどろいたな。」
カミノが口をひらきました。
「・・・椿団か。」
「うん。椿団だったんだ、ナナとカミノは。」
ナナもうなづきました。
「地下都市って言ってたよな。」
「うん。ずっと昔からさがしてるって。」
「それ、モトちゃんと関係あるんじゃないのかなあ。」
「うん、ナナもそんな気がしてた。」
しばらくの間、ふたりはだまっていました。
「もしかして・・・。」
カミノがぽつりと言いました。
「モトちゃん、ものすごい宿題つくっちゃったんじゃないか。」
「うん。椿団がずーっとさがし続けても、まだ見つからないようなすごい宿題。」
そのころ、ナナの家では、パパさんとママさんがのんびりとコーヒーをのんでいます。
「ナナ、どこに行ったかなあ
おひるごはん食べたあと、あそびに行ったっきりよ。」
ママさんがちらりと時計に目をやります。
「ま、もうすぐ帰ってくるだろう。」
パパさんは、ひとくちコーヒーをのみました。
「じゃあ、私、お買い物に行ってくるね。ナナが帰ったら、おやつ出してあげてね。」
ママさんは、サンリブへとでかけて行きました。
ママさんが出かけたあと。
パパさんはふと立ち上がって、おくの部屋のおしいれをあけました。そして、そのなかのずっとずっとおくのほうから、小さなはこを取り出しました。
そのはこを開けると、、またもっと小さなはこ。
古ぼけたその小さなはこを、パパさんはだいじそうにそっと開けました。
なかには、椿の花のバッジ。
すこし黒くなっていて、ずいぶん古いもののようです。
「ナナはもう気がついたかなあ。
パパなんて、3年もかかったんだ、自分が椿団だって気づくまでさ。
地下都市はもう、見つかっているのかなあ。」
そしてまた、コーヒーをひとくち。しばらくバッジを見つめていました。
それからまた、そのバッジを、そっとはこにもどして、また、おしいれのおくにしまいました。
「・・・ねえ、カミノ。ふたりでモトちゃんをさがそうよ。」
「そうだな。モトちゃんに会って、たくさん話がしたいよなあ。ついでに、地下都市のことも聞いてみたいし。」
・・・・また、ぜったい、モトちゃんに会える。
・・・・こんどは、ナナたちが、モトちゃんに会いに行くんだ。
ペダルをちからいっぱいこぎながら、ふたりはそう思っていました。
(5. 『モトちゃんのものがたり その1』につづく)
©とびや