リバウンド
いったん減量に成功して、体重が落ちたものの、しばらくたって再び太ってしまうことをリバウンド現象といいます。
ネズミを使った実験では、ある目標数値までネズミを減量させるのに21日かかりました。そして元の生活に戻すと46日後には元の体重に戻りました。
このネズミを再び減量させたのですが、同じところまで減量させるのに、今度は42日かかり、元の生活に戻すと14日後には最初の体重に戻ってしまいました。
この実験結果は人間にも当てはまり、慢性的にダイエットを繰り返している人は、ダイエットをするたびに痩せにくくなっていって、元の生活に戻すと簡単に太るようになってしまいます。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか?
その原因の一つとして、「基礎代謝量が落ちてしまうため」ということが挙げられます。
基礎代謝量とは、私たちが一日中じっとしていても、体が勝手に消費くれるエネルギーのことであって、成人男性で1500キロカロリー、成人女性で1200キロカロリー前後です。
太ってくると、この基礎代謝量が減ってきます。要するに、少ないエネルギーでも身体が維持できるように変化してくるのです。つまり痩せていた時と太った時では、同じカロリーのものを食べても、基礎代謝として使用するエネルギーが減っているために、余った分が脂肪として蓄えられることになります。
さらに太ってくるにつれて脂肪を合成する酵素の働きも活発になってきます。また太ってくると血糖値も上昇し、これを低下させるために脳が大量のインスリンを分泌するように命じます。
しかし、このインスリンには糖質を脂肪に変化させる働きがあるのです。
つまり、太っているほどますます太りやすくなるという皮肉な結果になってしまいます。
減量を決意すると、すべての人はまず間違いなく食べる量を落とします。すると最初の一ヶ月か一ヶ月半はみるみる体重が落ちていきます。しかしある一定のところにくると体重計の数字はそれ以上落ちなくなってしまいます。
これまで取っていたカロリーを減らしたのですから当然体重は落ちていきますが、ずっと低カロリーの食事を続けていると、だんだん身体がそれに慣れてきて、少ないエネルギーでも身体が維持できるように体内が変化してくるのです。
つまりこれが基礎代謝量が減ったということであって、この基礎代謝量が減ったところで減量をやめて元の食事に戻すと、当然身体が消費してくれるエネルギーが減っているわけですから以前よりも多くのエネルギーが余るようになります。そして、その余った分が脂肪となってしまいます。
何回もダイエットを繰り返していると、ちょっと食べただけで太ってしまう身体になるのは、ダイエットによって基礎代謝量が減ってしまい、以前より身体がエネルギーを消費しなくなったためです。
また人間の体には、身体の状態を元に戻そうとする調節機能が備わっているといわれます。減量して5kg落としたとしても、身体の方がまた元の体重に戻そうと少しずつ調節機能を働かせ始めます。
一般的に急速に落とした体重は元に戻るのも早く、時間をかけてゆっくりと落とした体重は元に戻るのも時間がかかかります。重要なのは、長期的に見て、減った体重をいかに維持出来るかであって、なるべく長期でゆっくりと落とし、身体が元に戻ろうとする力を最小に抑えることが重要です。