Top Page 心霊現象の小部屋 No.12 No.10
これは1962年にオドンネル博士という人物が医学雑誌に発表した事件である。 ミーカー夫人は、ある夜、隣の娘の部屋から妙なあえぎ声が聞こえてくることに気づいた。なにごとだろうと思って娘の部屋の前まで行き、そこで聞き耳を立てていると、部屋の中からはSEX特有の、娘のあえぎ声が聞こえてくる。 娘であるドリーンは18歳になったばかり。驚いた夫人はドアをそっと開けて中を覗いてみた。するとそこには異様な光景が・・。 娘は一人で裸になって、まるで誰かに抱きかかえられているかのような体勢で身をのけぞらせ、快感に打ち震えている。どう見ても、ベッドには娘一人しかいない。それが到底一人では身体を支えきれないようなSEX特有の姿勢で歓喜に悶(もだ)えているのだ。 びっくりした母親はドアを全開にし、「ドリーンどうしたの!しっかりしなさい!」と大声で叫んだ。その途端、ドリーンの身体からは力が抜け、腕がだらんと落ち、ベッドに崩れ落ちた。そして次の瞬間、母親の身体の横を何かが通り抜けていった。 すぐにベッドに近寄ってドリーンの顔を見ると、何事もなかったかのようによく眠っている。だがよく観察してみると、さっきの光景が幻覚ではなかった証拠にドリーンの顔や首すじにはキスマークがいくつもつけられていた。そしてベッドには男の精液のようなものもついていた。 目に見えない男に犯されていたことは間違いない。すぐドリーンを揺り起こし、母親は今見たことを全て話すと、ドリーンは顔を真っ赤にして答えた。 「そういえば最近、毎晩のように変な夢を見るの・・。若くて美形の男が私を襲ってくる夢なんだけど、それが本当にSEXしてるような感覚で・・。恥ずかしいけどすごく気持ちいいの・・。」 とりあえず母親は、ドリーンを精神科の病院へ連れて行くことにした。事情を話したが先生は欲求不満からくるものだろうということで、あまり相手にしてくれない。だが、母親があまりに熱心に主張するので、「そうまで言うなら・・。」ということで、一晩ほど立ち会ってくれることになった。 ドリーンが眠った後、部屋のドアをそっと開けて母親と医者の二人が中を観察する。すると眠って間もなくしてドリーンは、まるで何者かに身体を起こされているかのような体勢となり、バジャマを脱がされ、次いで下着も脱がされ、目に見えない男によって犯され始めたのだ。 びっくりした二人はしばらく動けない。ようやく我にかえって「ドリーン!」と叫ぶと、昨日と同じようにドリーンは崩れ落ち、また眠ってしまった。ベッドを調べてみるとまたしても男の精液らしきものがある。 医者はその液体を採取し、病院に持ち帰って調べてみると間違いなく人間の男の精液であることが確認された。 「こんなバカなことがあるんだろうか・・。」医者もこの現実を理解することは出来ない。だが、当面、この見えない男からドリーンを守ることが最優先だ。 医者の勧めで、次の晩からドリーンは貞操帯(ていそうたい = 性器を守る道具)をつけて寝ることになった。その日の晩も母親と医者はドリーンの部屋を観察する。 ドリーンが眠ってしばらく経つと、またもや部屋に男の気配を感じた。昨日と同じようにパジャマが脱がされ始める。だが、下半身を脱がしている時、その見えない男はドリーンは貞操帯を発見し、失望の唸(うな)り声をあげた。一瞬、ゾッとするような声が部屋に響き渡った。 その一瞬後には部屋は静まり返り、何事もなかったかのようにドリーンは眠っている。それから数日間は毎晩、見えない男は現れていたが、毎晩貞操帯をつけて寝ているドリーンはどうしようもなく、そのうちとうとうやって来なくなったという。 |