Top Page 心霊現象の小部屋 No.17 No.15
1961年、アメリカのアーカンソー州にあるホットスプリングス国立公園。その近くにある、あるホテルにバークハート一家は滞在していた。休暇をここで過ごそうと家族で泊まりにきたのだ。 両親は絵を描くのが趣味で、このホテルにも大きなキャンバスと絵画の道具を持ち込んで、この休みの間に近辺の風景でも描こうと思っていた。 だがある朝、両親は娘の泊まっている隣の部屋へ娘を起こしに行った時に異変に気づいた。部屋の隅においてある、大きなキャンバス・・まだ誰も何も描いてないはずなのに、そこに娘の肖像画が見事に書かれていたのである。 「娘のこれほどの絵が描けるはずはない」不審に思った母親は娘にこの絵のことを聞いてみた。すると娘が言うには、 「昨日の晩、知らない女の人が部屋に入って来て『絵を描かせて下さい。』って言うの。お父さんやお母さんの泊まってる部屋から入ってきたから、私てっきりお母さんの友達の人かと思って・・。」 娘の泊まっている部屋と両親の泊まっている部屋はドアでつながっている。両親のいる部屋を通過せずに娘の部屋に入ることは不可能だ。昨日の晩、両親の部屋には他の人間など一人も来なかったし、つながっているドアは開けっ放しにしてある。誰かが来たり明かりをつければすぐに分かるはずだ。 「その女の人の言う通りのポーズをとって描いてもらったんだけど、その人って明かりを全くつけないの。真っ暗の中でひたすら描いていたわ。かすかに顔が見えたんだけど、丸顔で白い髪が肩の辺りまであるような人だったわ。でもその人、何か変な感じで・・、身体の周りが光ってるように見えたの。描き終わったらスーッと部屋を出ていっちゃった。」 その人の特徴を聞いて母親はゾッとした。心当たりがあるのだ。8年くらい前に死んだ、自分の友達の画家にそっくりだったのである。実際に幽霊が絵を描くという現象があるとは信じがたいことであるが、こうして目の前に描かれた絵がある以上、その事実を信じないわけにはいかなかった。 |