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フィールドを歩き回って情報を集めて行くアドベンチャーモードと、妖怪たちと戦うアクションモードがある。 実写ムービーがストーリーを盛り上げてくれる。 |
ストーリー
江戸の昔 そして、現代。 |
そのとばっちりで、たまたまそこにいあわせたクラスメートの男の子(プレイヤー)まで宝石にされてしまう。 そこへ封印石の精霊のおじいさんが現れ、「すべては、おまえたちの責任じゃ! 3人力をあわせ、妖怪どもを封印し、征伐せえ!」と言い放ち、3人組みに妖怪たちと戦う力を秘めた道具を授けた。妖怪を封印し直せば、男の子もにんげんに戻る事ができるという。 かくして、退魔業(セイバーズ)になった仲良し3人組みの妖怪征伐が始まった! |
レビュー
『セイバーズ』って、『征伐』に掛かってたんですねぇ・・・
それはともかく、オープニングからやられました。
パッケージを見て、覚悟はしていたんですが、それ以上の破壊力でした。
そこかしこに、ソニックとテイルスのぬいぐるみが意図的に登場するのにも笑えます。
まぁ、パッケージを見ての通り、日曜日の朝にやっていた「美少女仮面ポワトリン」や「有言実行三姉妹シュシュトリアン」といった東映不思議コメディーシリーズそのまんまのゲームです。
設定を見ると、なんで風水師が妖怪を封印するのか? とか、風水の系統なのに、なんで3人の衣装が山伏みたいな格好なんだ? とかありますが、それはまぁ それとして、やってみると、結構 楽しかったです。
実写ムービーは、実写とCGではなく、実写とアニメの合成ですが、それなりによくできています。
女の子たちの普段着のセンスが、なんか違ってるってのを気にしなければ、なんの問題もありません。
変身シーンを実写でやっているというのも、評価できる点ではないでしょうか?(笑)
オープニング、プロローグのムービーが終わると、ゲーム画面になるわけですが、まず目に付いたのは、キャラの女の子の移動がスキップで、髪の毛がみょんみょんと踊っているところです。
妙な、ドット絵へのこだわりを感じます。
そして、作り上げられた街並み。
これも、家の1つ1つ、窓やブロックの1つ1つにまで、ドット絵職人のこだわりが感じられます。
この箱庭的街並みは素晴らしいです。
家だけでなく、公園や空き地、ゲートボール場、健康ランド、スポーツジム、本屋、スーパー、駅、線路、踏み切り 等々・・・
この街に実際に暮らしても何の不自由のないくらいに、作り上げられています。
最初は広く感じられますが、全体マップを呼び出せば、目的地が表示されますので、迷う事はありません。
この辺りの作りも行き届いています。
ゲーム自体は、目的の場所に行ってフラグを立てていけばいいのですが、3人の女の子の中の1人を選んで行動するので、選ぶ女の子によってイベントが変わってきます。
つまり、3回はプレイしないと、全てのイベントを見ることはできないわけです。
おまけに夜になると、女の子の家に帰って、ドキドキおしゃべりモードにはいります。
ここで上手くお話を進めていくと、女の子と2人だけのサービス ムービーを見ることができます。
ちなみに、オプション画面で、一度見たムービーは何度でも見れますので、全てを見たければ、やはり、3回ずつクリアするしかないようです。
それから、隠しパラメーターらしきものがあって、女の子との親密度によって、最終話のムービーが変わるようです。
お気に入りの女の子がいれば、その女の子と行動を共にするようにしましょう。
妖怪との戦いは、アクションになりますが、難しくはありません。
ザコをよけて、狙いの妖怪に近づいて、ボタンを押すだけです。
この攻撃の度に、実写ムービーが挿入されるのは、斬新ではありますが、少々うっとおしくもあります。
まぁ、戦闘は数えるほどしかありませんけどね。
全体的に見ても、私的には楽しかったんですが、
残念だったのは、話が4話しかないことと(108匹の妖怪はどうなったの?)、最終話が、ボスとの戦闘だけで終わってしまったことです。
システム的には悪くないので、完全ドット絵のギャルゲーに焼き直して、ストーリーを長くすれば、イイ線いくと思いますが、まず無理でしょうねぇ・・・もっと遊びたかった。
ところで、パッケージの後に、制作スタッフの名前が堂々と書いてあるので気になって調べてみたのですが、衝撃の事実が明らかになりました。
まず、私が目に付いたのは、美術館の館長 役の 螢
雪次朗さん。
取説に写真も載っているのですが、こ、これは・・・「ムーンクレイドル」に出演していたお方・・・
そして更に言うならば、「バーチャフォトスタジオ」をバカゲーチックたらしめている、オカマっぽい西音寺豪先生ではありませんか!
この役者さん、妙にゲームに出てますね。
古い言葉で表現するなら、バーチャルアクターってトコですか?
なるほど、時代の先を行ってた訳ですな・・・
さて、その次に目に付いたのは、友情出演の 桂
正和さん。
これって、あの漫画家の、桂 正和さん?
と思って調べたところ、おそらく、あの 桂 正和さんのようです。
どう友情出演なのかというと、どうやら映像監督の 金田 龍さんが、「電影少女 VIDEO GIRL AI」の監督をやってる辺りからのようです。
しかし、桂 正和さん、このゲームの内容というか、どんな役をやるか知ってたんでしょうか?
なんだかんだ言いつつ、半分ダマされてたのかも(笑)
まぁ、シャレということで・・・
さて、次は、特別出演 謎の風水師役の 鈴木
清順さん。
なんと、日本だけでなく海外でも評価の高い、「映画のテロリスト」と呼ばれた有名な映画監督だとのこと。
そんなお方が、なぜ役者として?・・・謎は深まるばかりです。
そして、アクションディレクターの 多賀谷 渉さん。
「仮面ノリダー」から、「眠らない街・新宿鮫」「ガメラ・大怪獣空中決戦」「サイコメトラーEIJI2」などに参加したばかりでなく、ドリームキャストの「シェンムー」にまで参加しているようです。
もしかして、この「おまかせ!セイバーズ」がなければ、「シェンムー」のアクションは違ったものになっていたのかも・・・
こう考えると、ある意味、重要なゲームだったのかもしれません。
ちなみに、ヒロイン3人の方も調べてみましたところ、
3人は、南青山少女歌劇団 出身で、
夢月雛子 役の飯田 未さんと如月若羽
役の千葉 妙子さんは、サターンの「魔法騎士レイアース」のCMに出演してたり、
千葉 妙子さんと、広橋佳以 役の河原
鮎さんは、声優として、ドリームキャストの「北へ。White
Illumination」に出演してたりするようです。
他にも、千葉 妙子さんと河原 鮎さんは、ミュージカル「サクラ大戦 〜花咲く乙女〜」劇中歌『花咲く乙女』『想い』を歌ってたり、
河原 鮎さんは、金田
龍 監督の「ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others」に出演してたりと、この作品からの展開を考えると、なかなか興味深いものがあります。
ともあれ、見た目が個性的で倦厭されがちですが、ゲーム自体は及第点をあげられるデキですし、話のタネにも、ぜひ1度プレイすることをおすすめしますよ。