春の山菜と水苔を採りに行こうの巻 その2
'03/04/15
滝から観音道の登り口
【観音様へお参り】
ついでに観音様へお参りをしていこうということになった。
この山は、狗留孫山の麓に位置しており、この一枚岩の滝から、山頂を目指せる。狗留孫山は、観音信仰に基づいて開かれ、庄方観音口からの登山道には、一丁ごとに石仏が置かれ、おおきな摩崖仏もある霊峰だ。庄方観音口からの登山は、私も小学校の遠足で行ったことがあるし、町外からも訪れる人が多い。しかしこちらの登山道は、一般的にはあまり知られていないようだ。
(←登山口をすこし登って、一枚岩の滝を見下ろす)
獣道を登る
その昔は、地元の人たちも山に入り、観音様の祠があるところまでお参りをしていたようだ。
しかし年月が経つにつれ、高齢者が多くなったことと、熱心な信仰が薄れたことからか、山にお参りに行く人は少なくなったようだ。
そういえば、私が子供の頃は盆前に、山頂付近の奥の院というところで接待講のようなものが開かれていたと思うが、今はどうだろうか?
登山道は、あまり登る人がいなくなった為か、倒木が道を塞ぎ、荒れ放題で、獣道のようなところを、息も絶え絶えに15分程度登った。
祠
観音様の祠に辿り着く。あまりに登りがきつかったので、母と共に、思わず仰向けにひっくり返った。辺りが広くなっており、付近に榊も植えられている。その榊を切り、お供えをして、お参りをした。下界の喧騒など一切聞こえてこない、静謐な瞬間だ。
母の「もう二度とここに来ることはないかもしれんのう。」という言葉が、ズシンと胸に響く。
ちなみに、この祠からしばらく登ると、庄方観音口からの登山道と合流し、そこから狗留孫山の山頂までは一時間強の道程だそうです。
山ツツジ
下りはラクチンだった。山ツツジが丁度満開で、その仄かな薄桃色の花に思わず目を奪われる。
昔の人は、つくづく偉大だと思う。こんな山奥に観音像や、石仏を持ち込み、摩崖仏を彫り、登山道を作ってしまうのだから・・・。今の私は、誰かがいてくれないと、一人で山を歩くことすら出来ない。
しかし、そんな私ですら、「確かに山には神様がいらっしゃる」のを感じた。
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