バックナンバー室(13) No.37〜No.39No.37
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「 旅行 」
==================================================================================「旅行」といって、思い浮かぶ単語は、travel、trip、journey、tour などではないでしょうか。
私などは「旅行」と聞くと journey がどうしても浮かんできてしまいます、何故かって?それは…「♪センチメンタル・ジャ・アー・ニー♪」(By 松本伊代)の歌が(振りも何となく)今も記憶に残っているからです。この中で日本人にとって一番なじみのある単語といえば、travel ではないでしょうか、旅行会社には
○○トラベルという名前のものがいくつかあります
し、トラベラーズチェック、SF映画ではタイムトラベル、スペーストラベルなどの言葉が使われていたりして…タイムトリップなどとも言いますが、どちらかというと travel の方が浸透しているように思います。
しかし、travel は結構むずかしい単語でもあるのです。travel 「不加算名詞(U)」だと、
場所から場所への単なる「移動」のことを表す
(traveling も同じ意味です)space travel ;宇宙旅行 time travel ;時間旅行(タイムトラベル)
air travel, traveling by air;空路での旅
traveling expenses ;旅費 expense [ikspe'ns]n.;費用
traveling salesman ;外交販売員
(旅行をするセールスマンではなく、移動しながら物を販売するセールスマンです)
日本語に訳すと「旅行・旅」になりますが、我々持っている旅に対する「楽しさ・開放感」のイメージよりも「移動」という動きに重点が置かれています。
I've traveled abroad for a week. 一週間海外に旅行にいってたんだ
※ 「動詞」になるとこれよりいくらかは広い意味でも用いられます。
しかし、
Lights travels faster than sounds. 光は音より速く進む・伝わるNew Shinkansen can travel at over 300 kilometers.
新型の新幹線は300キロ以上で走ることができるなど「移動」に重きを置いた表現ができるのが動詞 travel です。そして、
travels 「加算名詞」で複数形だと、我々が普段イメージするところ
の「旅行」の意味になるのが面白いところです。Why don't you write a book of your travels in Southeast Asia?
東南アジアでの君の紀行文を書いてみなよHave you ever read "Gulliver's Travels". ガリバー旅行記読んだことある?
journey [d3∂':rni] これも「移動」の意味合いが強くその「道のり」に重点が置かれます。
the journey from Tokyo to Nagoya ;東京から名古屋への旅程・行程
My father has an hour journey to work. 父の通勤は1時間の道のりです
※ どちらかと言うと英で使われるのが journey です。概念的には行き先までの「道のり」のことであって、帰りの行程については問題にしていません。
trip [trip] journey に「帰り」の行程が「加わる」と trip になります、「旅行」と言えばまず trip です。
「小旅行」と訳されることがあるように「短い」旅行という概念があります。
(特にアメリカでは「長・短」を問わない場合も多いですが…)Take the kids on a trip to an amusement park sometime.
たまには子供を遊園地にでも連れてったらbus trip ;バス旅行
trip abroad ;海外旅行
business trip ;出張 (公務員の出張なら official trip )
honeymoon trip ;新婚旅行
( honeymoon [h∧'nimu:n]は正確には「新婚さんの休み」のことです、
まあそれを利用して旅行に行くことが多いのですが…)薬でイっちゃうことも trip といいますね、精神が「旅行」状態になる訳です。(「小旅行」のうちはいいのですが…)
tour [tu∂r] 「観光」の意味合いが強くなり、旅先で訪れる場所も様々になります。
package tour ;パッケージツアー・パック旅行
[pae'kid3] (旅行会社がすべて手配する旅行)という言葉がある関係で、日本ではこの tour ことを、旅行会社の主催で行う「団体旅行」の意味で使っていることが多いのですが、tour 自体は「団体旅行」の意味ではありません。団体旅行なら…
group tour ;団体旅行
make a trip in a group ;団体で旅行すると group を付けて「団体」を表します。
ski tour ;スキーツアー
sightseeing tour ;観光旅行
tour conductor ;ツアーコンダクター(ツアコン)また tour には「コンサートツアー」、「ゴルフツアー」「テニスツアー」と「巡業」の意味でも使われますが、「観光」目的ではないですが、これも様々な場所への移動であることが分かります。
「旅行者」なら tourist か traveler ですが tourist の方が普通です。
空港等では passenger とよく表示してありますが、tourist は駅や空港を文字どおり passage [pae'sid3] 通過していく訳です。
「旅行会社」なら、trip agency や travel agency と言います。
[e'id3∂si]
( agent [e'id3∂nt] を使うこともあります)
「団体」での旅行なら excursion という言葉があります。
excursion [iksk∂':r3∂n] グループで行く小旅行(多くは日帰り)
日本語では「遠足」とも訳されます。school excursion ;学校の遠足、修学旅行(school trip)
「遠足」といえば、picnic と hiking でしょうか、この違いのポイントは
「食事」にあります。
picnic ;アウトドアに行って食事をすることです。
食事を伴った遠足ですとも言えます。hiking ;単に「歩く」遠足です、「食事」は問題にしていません
最後に、
voyage [v⊃'iid3] 「海」や「宇宙」への journey のことです。
(「空」は flight を使います)
宇宙船のことを spaceship と言うように「海」と「宇宙」はイメージ的に似たものがあるようですね、日本語では宇宙「遊泳」という言葉もありますし。 ( 英語では space walk )
(フランス語では、voyage は「ボンボヤージュ」と言ったように思いますが…)
(END)
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「 引く 」
==================================================================================「引く」の代表と言えば、draw と pull ですね。
まず、一般に私たちが言う「引く、引っ張る」という意味で使う語は pull の方であることを頭に入れておいて下さい。
これをふまえて draw を見てみましょう。draw 「スムーズさ・なめらかさ」に pull すること
pull という表現に「なめらかさ」が加わると draw になります。
draw a curtain ;カーテンを引く(開ける、閉める)
カーテンを引く時は、スーと引きますよね、あの感覚が draw です。
「引き出し」のことを drawer [dr⊃:r] と言いますが、これも引き出しがスーと滑らかに出てくるから draw なんですね。(なかにはそうでないものも、あるかも知れないですが)また、draw には「線を引く、線で描く」の意味もあります。
draw a line ;線を引くこれにしても鉛筆や筆などでスーとか、ささっと線を「引く」から draw が使われる訳です。これが名詞になって drawing ;絵、スケッチ、図面となるのです。
では、draw と pull を使った例文を見てみましょう。
He drew a gun from his inner pocket.彼は内ポケットから銃を取り出した
Suddenly she pulled a gun on me. 突然彼女が私に銃を向けた
上の表現は draw ですから「スムーズさ・なめらかさ」を含んでいます、早撃ちサッと銃を取り出すのではなく、その動作がスーと銃を取り出している様子が窺える表現です。
下の文は suddenly が伴っていますが、上とはその銃を取り出す時の力加減が明らかに違っていることが分かります。
on は「方向・対象;〜に」を表しますから、ここは「銃を向けた」となります。He drew a wallet out of his pocket. 彼はポケットから財布を取り出した
He pulled a wallet out of his pocket. wallet [wα'lit];財布日本語に訳すと同じ表現になることもありますが、上の方はやはりスムーズな動きを表しています。言葉には表れなくても、draw を見たらこのスムーズさがイメージできるといいですね。
draw up the blind ;ブラインドをあげる
pull down the blind ;ブラインドをおろすプランドがあがる際の動きは大概が「スー」「するする」と上がっていくのでdraw になる訳です。対してブランドがおりるのは、それがあがるのに比べると割に早く「サッと」おりますから draw ではなく、その時にブラインドを下ろす際の手の力を入れる動作の pull が使われるのです。
(もちろん、するするとおりてくるようなブラインドであればここも draw となるのです)煙草を吸う、表現も draw と pull が使えます
draw on a cigarette ;煙草を吸う(スーっと)
pull on (深く)上の場合だと、そうですね最近の女性の煙草の吸い方のイメージに近いと思います、肺の奥まで煙を吸わない吸い方ですね。
これに対して pull を使うと肺の奥まできっちりと煙草を深くすう様子を表しています。先ほどの「引き出し」についても、引き出しは draw、対してその「取っ手」のことは a drawer pull ;引き出しの取っ手・引き手と言ったりもできますが、「取っ手」自体にかかる力は「スムーズな・なめらかな」力ではありません、力を加えた結果として引き出しがスムーズに出たりするのですから、「取っ手」自体は pull なのです。
缶を開けるつまみ部分のことを pull-tab と言いますが、あれもそこに加わる力は draw ではないはずです。(結構力がいる時もありますからね)(ちなみに pull-tab が「つまみ」のこと、pull-top は pull-tab が付いている缶の上部部分のことを言います、お間違えなく)
では、次に pull を使った表現をみていきましょう。
車の運転に関して何故か pull を使った表現が多くあります。pull up (車、馬など)止める
pull 人 up ;制止する「引く」という動作と「止める」という動作は一見繋がらないように見えますが、昔は交通手段と言えば馬が中心だったので、その時の止まる時の手綱さばきが、pull up だったのです。
馬を止める時には手綱を引きます、そうすると馬がのけぞるような形になって止まります。あの動きが pull up です、その名残で今も pull up が用いられているのだと思います。
ここから、 pull 人 up で「人を制止する」の意味が出てきます。
pull out ;(追い越しなどの際に)車線を変更すること、新たに車線に入る
列車が出る、出発する
栓を抜く、歯を抜く手綱を使って今走っているレーンから out に出るから pull out です。
pull in ;車を道路脇に寄らせて止める
列車が入る、到着するこれは道路脇の駐車帯などに in 入るのです。
※ 列車の場合には pull は「客車」などを「引く」動きでしょう、
pull out 「引いてホームを出て行く」だから「出発する」
pull in 「引いてホームに入ってくる」だから「到着する」
pull over ;(救急車などが来ているなどして)道路脇に出して止める
pull off ;車を本線から出して、道路脇につける(一時的)
(服などをすばやく)脱ぐ ⇔ pull onなど、pull が使われます。
また、他には
pull down ;建物を壊す
;健康を害させる・弱らせる、(支配者・政府)を引き下ろす「健康」という状態から「引き下ろす」のです。
逆に pull through ;(病気や危機などから)切り抜ける
pull 人 through ;切り抜けさせるこの時は「悪い状態」から引いて通り抜けさせる訳です。
※ pull round を使うと through を使うよりも病気がよくなったのが「一転」してよくなった感じになります。
あと「引く」の意味で使われる言葉としては、
drag [daeg] 重い物を力をいれて引きずる
haul [h⊃:l] ロープなどを使って重いものを引く、つまり「たぐる」
などがあります。
(END)
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望む
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今回は「望む」「欲する」を表す want, wish, hope について取り上げます。
一番のお馴染みはやはり、want ではないでしょうか。I want lunch. お昼食べた?い
I want to live in the sticks. 片田舎に住みたいなthe sticks ;(街から離れた)田舎 stick [stik]n.;枝、ステッキ
want to は略して wanna [wα'n∂]となって I wanna live in the sticks.
wanna と略される言葉があるぐらいですから、want が普通によく使われる表現です。この「 want がフォーマル」になったのが wish です。
You may do it later if you wish. もしよろしければ、後でいいですよ
これなども want を使ってもいいのですが、あらたまった表現をしたいのならこのように wish を用います。
If you wish to win someone's heart,
you should win over those around him first.
将を射んと欲すれば、まず馬を射よことわざですが、文でもこのようにかたい文章に wish が使えます。
そして wish はその後の that 節の中では「仮定法」を使うのが特徴です。( want の後には that 節はあまり用いない)I wish (that) 〜 (that は通例省略)
○ I wish の後が「仮定法過去」ならば「現在」のことに反する願い
〜ならばよかったのになあI wish I were a bird. 鳥だったらよかったのになあ
(was)
I wish I had a BMW. BMW(車;ビーエム)を持ってればなあwere , had と「過去形」ですが内容は「現在」についてです。
○ I wish の後が「仮定法過去完了」ならば
「過去」のことに反する願いを表す
〜だったならよかったのになあI wish I'd admitted the mistake. そのミスを認めていればなあ
I wish he had studied hard for the bar exam. 彼は司法試験の勉強をもっとすればよかったのに
bar exam ;司法試験 exam は examination の略
「過去完了」が使われていますが内容は「過去」のことです。どちらも「仮に」〜だったらなあ、という気持ちなので、仮定法が使われるのですね。
この流れで、
○ 「未来の事柄」についての願いを表す場合も仮定法となり
could が使われるI wish I could have a cruiser. クルーザーを持てればなあ
cruiser [kru':z∂r]n.;クルーザー(行楽用)、巡洋艦
この場合には will を使って I wish I'll 〜 とはならないので注意です。
また、普通はこのように could が使われます。細かくなってしまいますが、would を使うのは「近い未来」について望みの
場合です。例えば待ち合わせの場所で、I wish / she would(could) come.彼女が来ればいいんだけど(近い未来)
(来ることが出来れば)※ 「近い未来」は would と could 両方用いることができます(もちろん will はダメ)
まあ、最後の方は詳しすぎたかも知れないですが、
wish の後の節には「仮定法」これを覚えて下さい、will は使わないのです。なぜこんなことを言うかというと、hope の場合は will を使うからなのです。
I hope (that) she will come. 彼女が来るといいなあ
wish ― could, would (仮定法)
hope ― will (直説法)そして hope の特徴はというと
○ hope 「好ましい・望ましい」ことを言う表現
「〜だといいのに」「〜になるといいのに」を表す「いいこと」を願うのが hope です。
I hope to go with you. 君と行きたいな
自分にとって to go with you その人と行くことは「いいこと」、望むべきことなのです。
※ このように want, wish, hope ともに to-不定詞をとります。
I hope he'll get the championship. 彼が優勝すればいいなあ
championship [t∫ae'npi∂n∫ip]n.;選手権、優勝
これも優勝することは、自分にとっては「いいこと」なのです。また、hope は「いいこと」を願う時の表現なので、
I don't hope he'll get the championship. という表現はしないのです。
Will she make it as a fashion model?
彼女はモデルとして成功するかしらこう聞かれた時の答えとしては
I hope so. そうなるといいね
I'm afraid not. 無理じゃないかなI hope so. は I hope she'll make it as a fashion model. のこと、また
I'm afraid not. は I'm afraid she will not make it as a fashion model.
のことです。○ I hope (that) 〜 ⇔ I'm afraid (that) 〜
I'm afraid (that) 〜は hope の逆で
「自分にとって好ましくないことを」思う時に用います。
まあ、自分にとっては「よくない」ことなのですね。さっきの I hope so. なら、自分も彼女がモデルとして成功するのを願っている訳です。
そして I'm afraid not. は成功すればいいのに、とは思っているのだけれど
も駄目だろうな、という気持ちなのです、
she will not make it as a fashion model.というのは自分にとっては「よいこと」、自分が望んでいることではないのです。
Will she fail? 彼女は失敗するかしら
I hope not. そうじゃないといいね
I'm afraid so. どうもそのようだねこの場合だと、I hope not. なら I hope she won't fail. 失敗しないこと、を彼女は望んでいるのですから hope なのです。( I don't hope so. にはなりません)
I'm afraid so. は I'm afraid she'll fail. 彼女が失敗する、ということは望んでいることではないので、I'm afraid なのですね。
さて、どうしてこれを長々と説明したのかと言うと、こんな場合も考えられるからです。先ほどと同じ質問、
Will she make it as a fashion model? 彼女はモデルとして成功するかしら
この時に、こう答えたなら…
I hope not. そうならないといいね
I'm afraid so. (残念だけど)そうなるようね彼女がモデルで成功するのをこころよく思っていないのなら、こんな表現もできるのですね。(おー、さむ?)
また、I'm afraid he will be abandoned by her. (残念だけど)彼は振られてしまうみたいだね
と言いながらも、実は心の中は
I hope he will be abandoned by her. アイツ、彼女にフラれちゃえばいいのに
abandon [∂bae'nd∂n]v.t.;捨てる
なんてこともあったりして。
hope もこう使うとコワーい言葉ですね。(END)
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