バックナンバー室(15) No.43〜No.45

No.43
 

<今回のテーマ>
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                                                        「安い」
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私たちに馴染みのある「安い」と言えば、cheap [t∫i:p]ではないでしょうか。しかしこの言葉、

  cheap   ;単に「安い」の意味のほか「安物の」の意味も表すことがある

相手の物の値段を聞いて「まああなたの指輪安いわね」ということで
  How cheap your ring is!  と cheap を使うと「安物ね」というニュアンスが伝わる恐れがあるので
要注意です。靴や服、指輪、ネックレス、鞄などなど、自分の持ち物が「安物」と言われて気持ちいい
はずはありませんからね。

「安い」と言えば cheap と、安易にいつも用いない方がよいでしょう。

  That jacket he is putting on looks cheap and nasty.
                                                    彼が着ようとしているあのジャケット、安物みたいね

nasty [nae'sti]adj.;ひどい、粗雑な

  This bottle of sake you bought is dirt cheap, isn't it?  君の買ったこのお酒、すんごい安いでしょ

「非常に安い」時にはこのように dirt [d∂:rt]を付けて表現したりもします。
 

「安い」に「安物」の意味を出さないようにするなら、

  inexpensive [inikspe'nsiv] ⇔ expensive (高価な)

  low-priced [loupraisd]

と、これらを使えば「値段・価格が単に安い」ということだけを意味します。
low-priced 、文字通り「安い」ですね。
また別の言い方をすれば、

  economical [i:k∂nα'mik∂l, ek∂-];経済的な

  reasonable [ri':z∂n∂bl];相応な、手ごろな、理にかなった

これらの語を使って「安い」ということを表現するのもいいですね。
reason は「道理、理屈」の意味がありますから、それが形容詞になって「道理・理にかなった値段」と
いうことで「安い」ことを表現します。
このようにストレートに安い、と表現するよりも少し回り道をしたような表現を使うのもグーです。

  It's a reasonable price.  いい(適当な)値段じゃない

また、給料や賃金「salary、wages」そして「cost や price」 などが安い場合は「 cheap は使わない」で
下さい。
もうお分かりでしょうが、cheap を使うとその人自身のことを「安物」とでも言っていることになりかねませんから…

ここで使うのは low だとか reasonable などです。
逆に高い時は high で表します。

ここで cost と price が出ましたから…

○ cost と price 「値段」の違い

どちらも「値段」ですが cost の方は「サービスへの代価」であるとか「費用」のことを表します。
「生活費」なら the cost of living、
「製造原価」なら production costs、the cost of production
などと言い、この時は price は使いません。
 

海外に行って、買い物をするならやはり安く買い物をしたいものです、
(特に日本人はそれ程買い物が上手ではない、と思われていますから。
日本人に対して売る場合には日本人価格なるものが海外に行くと存在しています)

提示された金額が「高い」と思えば、

  (It's) too expensive (for me).  高すぎます

とリアクションをしておいて、それから値引き交渉です、

  Can I get a discount (on it)?  (それ)まけてくれませんか
  Can I get a little discount?  少しまけてくれませんか

この主語を I から you にすると

  Could you give me a little discount? 少しまけてくれませんか

なんて表現になります。
※  Could you 〜? は Can't you 〜? などなど、いろいろ言えますね

これらの表現が短くなったのが、有名なこの言葉、

  Discount?

です、英語の是非はともかく、もはやこれだけでも十分通用します。
「もう少し安くして」を他の言い方をするなら、

  Could you make it a little cheaper?
とか、
  Could you make it come down a little?

となります。また、自分の予算を予め言っておくのもいいでしょう、

$500 is my limit.  500ドルが私の限界です、500ドルまでなら出せますよ

ここで budget [b∧'d3it]n.;予算     も使えます。

(交渉のコツは「根気」、特にアジア圏ではこれでもかの「強気」で!)
そして値引きの際にはやはりこの言葉が一番かな、

  The best price, please?

交渉は当事者双方が満足いく結果が残るのがイチバン、best price とはまさに、自分にとっても、
そして相手にとっても、双方にとって得になる、ベストな値段のことです。
(まさに究極の、いやさ至高の一言か)
ここでも吹っ掛けるような人なら、とっとと店を後にするのも一手…
できるならいつでも「 BEST PRICE 」で買い物をしたいものですね。

日本は世界でも高物価の国ですから国内の金銭感覚で値段をはからないことです。まずはその国との物価を比較して、例えば5分の1の物価の国に行ったのなら、表示された金額を5倍してみればそれが、高いのか安いのかのある程度の目安はつくはずです。

                                                                                                                    (END)
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No.44

<今回のテーマ>
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                                                            病気
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気分が悪い時、病気になった時には、

  I feel sick.   気分が悪いんだけど

  I begin to feel sick. 気持ち悪くなってきた

などと言います。
同じような語で、ill がありますが、では sick [sik]と ill [il]はどう違うのでしょうか。

sick はアメリカで使われ、ill はイギリスでよく使われます。
普通に「病気です」という場合は、先程のように sick を使うのが、アメリカ英語です、 イギリスでは ill 、
アメリカでは sick が「病気の」の代表選手な訳です。

ill は sick に比べるとアメリカでは使われませんが、イギリスで sick を使うと意味が少し変わってくるの
で注意です。

  sick  ;アメリカ ― 「病気の」を表す一般的な語
          イギリス ― 「吐き気」を伴う
                       普通に病気なら ill

最初の表現  I feel sick. もイギリスなら「吐き気がします」の意味になります。

  You'd better not eat any more, or you'll be sick.
                                             これ以上食べるのは止した方がいいよ、吐いちゃうよ

アメリカで吐き気があることを、表すのなら、

  I feel nauseous. 吐き気がします

と言います。
nauseous [n⊃':zi∂s, -si∂s]adj.;吐き気がする
nausea [n⊃':zi∂, -si∂]が名詞で「吐き気」のこと、また、動詞の
nauseate [n⊃':zieit, -si-]v.t.;吐き気を催させる
を使って、I feel nauseated. とも言います。

そして「吐く」ことは throw up といい、アメリカではこの表現がよく使われます。
胃の中から内容物が投げ出されるように、出てくるわけですからね…
(みなさんも経験があるのでは)

throw up を日本語で「吐く」とすれば、「嘔吐(おうと)する」という硬い表現、お医者さんが使うような表現が、vomit [vα'mit] になります。
嘔吐物、すなわち「ゲ○」もこの vomit を使えばよいのです。

では、ついでにその他の気分が悪い時の表現をいくつかあげておきましょう。

  I feel chilly. 寒気がします       chilly [t∫i'li]

  I fell dizzy. めまいがします      dizzy [di'zi]

  I feel dull.   体がだるいんです   dull [d∧l]
  I feel languid.                   languid [lae'nggwid]

chilly、dizzy、languid すべて形容詞です。
feel + 形容詞 で「?を感じている」という2文型の形です。

ほかには、

  I have a headache.  頭痛がします
          [he'deik]
歯が痛いなら、toothache [tu'θ:eik]、胃なら stomachache [st∧'m∂keik]などと言います。

「痛い」という表現はこの他に、

  My head hurts.  頭が痛みます

と動詞 hurt を使って表現できます、これを使えばどこが痛いのか簡単に表せますね。 My tooth、 My stomach, My back (背中),
My right calf [kaef, kα:f](右のふくらはぎ)…などいろいろと表現ができますね。

  I have no appetite. 食欲がないんです  appetite [ae'pitait]
  I have a fever. 熱があります          fever [fi:v∂r]
  I have diarrhea. 下痢です
        [da'i∂ri'∂]
とまあこれぐらいにしておきましょう。
 

「病気」という名詞といえば、sickness, illness, disease でしょう。
                           [si'knis]  [i'lnis] [dizi':z]

sickness, illness はそれぞれ sick と ill の名詞ですから、その違いの説明はもういいでしょう。
ここでは、sickness, illness と disease 、2つのグループで考えます。
同じような意味でも使われることがありますが、この2つの基本的な違いは

  sickness      病気である「状態」や
  illness             その「期間」を表す

  My wife died of leukemia after a short illness.
             [lju:ki':mi∂]                      妻は白血病で短い病間の後死んだ
                                 (病間;病気にかかっている期間)      → わずかの闘病期間で死んだ

carsickness ;車酔い     seasickness ;船酔い
また妊娠した際の「つわり」のことを morning sickness と言いますが、
(朝に気持ちが悪くなるものらしい、そうなのでしょうか)
酔うと吐きたくなるからここは sickness なんですね。ここに、sick がもともとは「吐く」の意味であった
ことが表れていることが分かります。
 

  disease      sickness, illness の状態になる「原因」、そして「病気そのもの」を表す

catch(contract) a disease ;病気になる
     [kα'ntraekt]
※ そして病気になると sickness, illness という状態になる訳です。
イメージとしては  disease → sickness, illness という感じです。

heart disease ;心臓病     contagious disease ;伝染病
                        [k∂nte'id3∂s]
hereditary disease ;遺伝病   Alzheimer's disease ;アルツハイマー病
[h∂re'dit∂iri]          [α':ltshaim∂rz]

この様に病気の名前には disease の方が多く用いられます。
 

                                                                                                                    (END)
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No.45

<今回のテーマ>
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                                                   already と yet
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今回は中学で習った現在完了の「完了」の用法の、already と yet について見ていきます。
では、懐かしいところで、まずは中学英語の復習から

  I have already finished my summer homework. 私は「すでに」夏休みの宿題を終えました
         (just)                                          ( just なら「ちょうど今」)

  He hasn't finished his summer homework yet. 彼は「まだ」夏休みの宿題が終わっていません

  Have you finished your summer homework yet? あなたは夏休みの宿題が「もう」終わりましたか

just、already は「肯定文」に用い、have(has) と過去分詞の間に置く、
yet は「否定文」では「まだ」
        「疑問文」では「もう」の意味で用い、文末に置く

このように習うでしょうか。(このあたりから英語から脱落していく人も多いのでは)
さらにこれが「否定の疑問文」になると、

  Haven't you finished your summer homework yet?
                          あなたは夏休みの宿題が「まだ」終わってないのですか

という訳になりますから、
yet は「否定文」では「まだ」
      「疑問文」では「もう」
      「否定疑問文」では「まだ」の意味で用い、文末に置く

となり、さらに複雑になり、このような分け方をしていると、頭が混乱してきます。日本語から追って考えて、上のように yet の訳は「否定文」の時は「まだ」、「疑問文」なら…、「否定疑問文」なら…という様に覚えようと
すると大変にも思えてきます。(要は日本語に訳す際の問題なのですが)

そこで、already と yet をもう少しイメージとしてとらえてみましょう。

これらは現在完了形ですから、「動作の完了」について見ていきます、
すると already を使う時には、I have already finished my summer homework. ま
た I've already eaten lunch. など、話者が話す時点で、その「動作」は終わった、食べた、と「完了」していることが分かります。
( just もまた完了していますね)

これに対して、 He hasn't finished his summer homework yet.はその「動作」は終わっていない、と
「完了していない」ということですし、
Have you finished your summer homework yet?
Haven't you finished your summer homework yet?
これらは、疑問文で、日本語での言い方はともかく、それが終わっているのか、と完了している
かどうかを尋ねていますから、その「動作」の「完了は不明」ということになります。

このことを下図にように表してみました、

       ―――――――――――――――――――――■―――――――
                     ○ already                                  ◎ just
                     ? yet                                            |
                     × yet                                            |
                                                                        時点

ある時点を考えて、
その時点までにその動作が「完了」していれば ○ already
                     (それがその時点に近ければ  ◎ just )
          完了しているかどうかが「不明」の場合 ? yet
                「完了していない」場合                × yet

こうして見ると「現在完了形」とは言え、実際に「完了」しているのは already と just なんですね。
(まず、これを気に掛けておいて下さい)
 

かくれんぼ(hide-and-seek)の日本語の掛け声で見てみると、
「もういいかい?」は隠れる、という動作が完了しているかどうかは不明なので、この時の状態は yet、
「まーだだよ」は動作は完了していないのでこれも yet、
「もういいよ」になると、隠れるという動作は完了しているので、ここでalready(just) になります。

そして、本日 already と yet をこのイメージで分けた、最大の理由はこれ、

  Have you finished your homework already?  もう宿題終わっちゃったの
  Have you eaten lunch already?             もう昼食を食べちゃったの
  You can't eat already, can you?           もう食べれないの

※ このような場合は already は後に置かれます。
already は肯定文以外にも、このように疑問文、否定文でも使え、「驚き」を示します。
最初に取り上げたまとめ方だとこれらの例文に出くわすと、さらに複雑になって覚えるのも一苦労となるでしょう。

しかし、これも先の already のイメージが分かると楽に理解できます。

日本語でもそうですが、
「えー、もう宿題が終わったのかよ」「えっ、もう、食べちゃったの」という場合は形は一応、疑問文ですが、話している自分の方ははもうその動作が「完了」していることが分かっている場合がほとんでですね。
宿題が終わっている、昼食を食べてしまっているからこそ驚いているわけですから…
話し手には相手の動作の「完了」のイメージが頭にあるので、ここは yet ではなく already なのです。

You can't eat already, can you? これも目の前で、すでに食べるのを「完了」しているか、これから「完了」しようとしているのが見てとれる、そんな状況にあるのです、これも話し手の方には「完了」のイメージがあるので already を使うのですね。
(こうすると、already が疑問文、否定文などでも使える説明ができますから私としては気に入っております)

already は動作の「完了」を示し、yet はそれが不確か、または完了していない時に用いる、というイメージさえあればいいような気になりませんか。
 

そして最後に、already、just、yet は「完了形」で用いる、と習いますが、実際は(特にアメリカでは)
「過去形」でも使います。

  The dog just barked.      bark [bα:rk];吠える
  He already ate lunch.
  Did you finish your summer homework yet?

これらは「過去形」の形ですが、それぞれ、

  The dog has just barked.
  He has already eaten lunch.
  have you finished your summer homework yet?

という「過去完了」と同じ意味になります。
(イギリスでも過去形でも十分通じますが…)

それにしても完了形を使う必要のないアメリカ英語、うーん楽ですよね。
(それとも、かえって文法事項は二重に覚えないといけないから、複雑でしょうか?)
 

                                                                                                                    (END)
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