バックナンバー室(2) No.4〜No.6
 

No.4

<今回のテーマ>
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                                                     listen と hear
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listen と hear、注意しないとどちらも「聞く」と訳しがち。今回はこの2つの違いを考えていきましょう。
 

まずは、listen  聞くは聞くでも、耳を傾けること、つまり、「何かを注意深く聞くこと」なんです。
 

そして、hear はというと、ふだん何気ない時に「自然に聞こえてくる」状態なんです。
                                                               勝手に・自然と耳に入ってくるのが、hear です。

  I can't hear you. (電話で;君の声が聞こえないんだけど→)電話が遠いんだけど。

ラジオの聴視者のことを listener といいますね。

ラジオからどんな音楽が流れてくるのか、どんな話題が語られるのか、それに耳を向けてますよね。
深夜番組、中学生の頃「オールナイト・ニッポン」を布団の中で小さなボリュームで耳をそばだてながら聞いていた、あの感じです。(どんな?)
耳を傾けて注意しながら聞いてるから、listener なんですね。

また、中学の英語の先生が、生徒が騒いでいて話を聞いてない時によく、

Listen!  とか listen to me. なんて言っていたのも、「こっちに注目」とか、「意識をこちらに向けなさい」ってことでああ言ってたんですね。(何度聞いたことか、この言葉)
 

listen ていうのはこのように「注意」することを前提としていますから、その注意・意識が向けられる方向が問題になるんです。

ですから、listen の後には、to がきて、その方向を示すんです。

listen が注意を伴っていることがわかると、注意して人の言うことを聞いた結果、

「(人の言うことに)耳を貸す、(人の言うことを)聞く」と訳せるのも理解できます。
 

listen for A  (Aをもとめて→聞こうとして)耳を澄ます

listen in   電話・話を盗み・立ち聞きする、(ラジオ)放送を聞く
                                                                  これらも、注意して聞いています。
 

一方、hear は、自然に・勝手に聞こえることですから、
                                               「?を耳にする、?と聞いて知っている」という意味にもなるんです。

hear of A (A の)消息・うわさを聞く

これも自然に聞こえてくるんですね。

hearing  これは自然に聞こえてくることですから、「聴力、聴覚」

一方、listening  は、「傾聴(熱心にきくこと)、聞込み」
 

しかし、hear には単に、listen to の意味でも用いられることもあります。

この場合だと、hearing も「意見聴取、聴聞会」の意味になり、a public hearing 公聴会  なんてなるんです。

しかしこの場合でも、アメリカは民主主義が発達している国ですから、聴聞会や公聴会が、国民に与えられた当然の権利、行政側から見れば、当然に(つまり自然に)国民の意見を聞くべきことなのだ、という考えが根底にあるからではないでしょうか。
                                                                                                                           (END)
 

No.5

<今回のテーマ>

<今回のテーマ>
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                          have to と must
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have to と must 中学で習った頃、先生に何が違うのか尋ねた方も多いんじゃ
ないでしょうか。先生によっては、きちんと教えてもらった人や、「両方と
も、同じだ」と教えられた人もいるのでは。

次のカッコの中に語句を入れて、同じ意味の文になるようにしなさい。

You must go to the clinic. clinic[kli'nik]診療所、クリニック

You (  )(  ) go to the clinic.

なんて問題が出たとき、have to を入れるんですね。

この二つ、文法の問題ではよく書き換えで出てくる問題ですが、実際はちょっ
とニュアンスが違います。

簡単に言えば、must の方が have to よりも強調した言い方になりますが、も
う少し詳しく見ていきましょう。

  You must go to the clinic.
  You have to go to the clinic.

  I must go to the clinic.
  I have to go to the clinic.

両方とも「あなたはクリニックに行かなければならない」
なんですが、have to の方は例えば、熱があるから、だとか、いつも行ってい
る健康診断だから、診てもらわなきゃだめだよ、などというそれをしなければ
ならないための「客観的な理由」「外的な要因」がある場合です。

○ have to     にはそれをしなければならない「客観的な理由」や
                   「外的な要因」がある

この主語を I にして、I have to go to clinic. としても、これもにも「客
観的な理由」「外的な要因」があるのですから、
周りから病院に行きなさいと勧められた、とか、同じようにいつも健康診断だ
から行かなくては行けないな、ということになります。

  Do you have to slurp your coffee? コーヒーを音を立てて飲むのを
                                                止めていただけませんか
slurp [sl∂:rp]v.t.音を立てながら飲む

Do you have to do 〜? は「〜するのを止めていただけませんか」と相手に対
して頼む際の表現ですが、
これを直訳すると「〜しなくてはならないのですか」これはつまり、「〜しな
ければならない理由でもあるのです」という相手がそうすることの「客観的な
理由」を尋ねていることにもなるのですね、
そうしなければならない「客観的な理由」がないのでしたら、「〜するのを止
めていただけませんか」と言う意味となるのですが、ここにも have to の持
つ客観性が見てとれます。
 

これに対して、

○ must には「義務」「命令」の感じが含まれる。
 

must には「話し手」の義務感や命令という「意志」が入ります。

You must go to the clinic. なら何らかの理由で相手を診療所に行かせた
い、行かせなければならない、ということです。そしてこれが、行かなくては
駄目だ、という「命令」感にも繋がっていきます。

I must go to the clinic. なら、例えば自分が病気であるのは分かっている
から、それで自分の意志によって、行かなければならない訳です。
 

ちなみに clinic と hospital の違いですが、

clinic は、個人または専門の病院、医大や附属病院の外来患者の診療室もこ
う言います。

hospital は、入院や手術の設備のある病院、です。

また、a doctor's office(医院)なんて言い方もあります。

アメリカでは、普通、まずクリニックなどで診てもらってから、入院する
(hospitalへ)ことが多いようです。

go to [=enter] the hospital  が、病院に行く、ではなく、「入院する」と
いう意味になるのもこれでわかりますね。
 

must の方は「義務」「命令」の意味を含みますから「法律」などによる強い
強制もまた must です。

  All drivers must wear safety belts. すべてのドライバーはシートベルト
                       [se'ifti]           をしなければならない

これが、
  You have to wear a safety belt.

have to ならば、危ないから、みんなもやっているから、とか「法律」にもあ
るから(ここでは、あくまでも外的な要因として、法律が強制力になっている
のではなくその理由として)、シートベルトを締めなければならない、ので
す。
 

ところが、実際の会話では must は

  You must wear a seat belt. シートベルト締めたら・締めた方がいいよ
                                        (seat belt = safety belt)
  You must go and see "Matrix".  マトリックスを見に行かなきゃ

  You must come and have tea with us. ぜひお茶を飲みにいらっしゃい

などと「勧誘」や「提案」を表す際にも使います。

これは日本語でも「絶対に見なきゃだめ!」と言うのでも、言い方によっては
強制的な意味にもなるし、友達同士なら「見た方がいいよ」の意味になるのと
同じですね。
また、会話になると、その程度が下がるのはよくあることなんですね、日本で
は最近は「超」が付く言葉もよく使われるようにもなりましたが、これも
「チョー○○」になると、もともとの「超」の程度よりはぐっと下がっていま
すからね。

でも、やっぱり語の基本的な強さは must > have to であることは押さえて
おいた方がよいかと思います。

これが分かっていると、それぞれの否定形は must not だと「〜してはいけな
い」そして  don't have to は「〜する必要はない」と must not の方が
have to よりも強く「禁止」の意味になるのは、

これはもともと must > have to という関係があるので、
→  must not > don't have to という関係にもなる、と考えることができま
すね。

また、don't have to が「〜する必要がない」の意味になるのは、最初に述べ
た have to が「客観的な理由」を表すということから、それの否定形は「〜
する(客観的な)理由がない」つまり「〜する必要がない」ということになる、
という説明もできます。

ちなみに、have to は会話では have got to となることも多いですね。

そしてこの have got to の短縮形が gotta [gα't∂] です。

  I gotta be going now.    もう行かなくちゃ→おいとま致します
 

最後に must には

  She must be sad.   彼女は悲しんでいるに違いない

「〜に違いない、〜のはずだ」という意味もありますね、

そしてこの用法での否定は cannot 「〜のはずがない」です。
 

●なお、本文中には私個人の主観的表現も含まれおります、ご了承ください。
 

No.6
 

<今回のテーマ>
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                                                  美しい・かわいらしい
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みなさんは「うつくしい」そして「かわいらしい」と聞いたら、どんな英単語を思い浮かべるんでしょうか。
今回はこれを考えていきましょう。

◎ beautiful   「うつくしい、きれいな」と訳されますがどんな美しさなのでしょう。

これはどんな「美しさ」かというと、色・形・音・その他私たちが感じるもの、それらが一体となって我々の目や耳そして心などを楽しませ、満たされた気持ちにしてくれるものなんです。

a beautiful woman きれいな女性

きれいなお姉さんを見ると、男ならずとも気持ちのいいものではないでしょうか。目を楽しませてくれますよね、そして心も。

beautiful beer おいしいビール

「美しさ」にとらわれると、なかなか使えない表現ですが、これも私たちの舌、味覚をそして心をも楽しませてくれますね。

a beautiful time  すばらしい時間

beautiful weather うららかな天気   などの訳になるのもこれで分かるでしょう。
 

◎ lovely       beautiful に心の温かみ、愛らしさが加わったものです。

a lovely woman きれいな女性、 a beautiful woman との違いが何となくつかめるでしょうか?

うまい訳が浮かんできませんでした、無念。

a lovely day すばらしい日
 

◎ handsome  日本語のハンサムに近いですね。目鼻立ちがよくかっこいい、立派だなどと感じる時です。

 a handsome boy 美少年

 a handsome face きりっとした顔

普通は男性について形容する時に用いられます。宝塚の男役の方のようにきりっとした顔立ちの女性などに用いることもできます。

handsome はこの意味から→「みごとな」という意味になり、

また、「気前のいい」とか「(量的に)十分な」などの意味でも用いられます。(テストだとこちらの方が出やすいでしょうね)
 

◎ pretty    繊細、優美さがあってかわいらしい時です。

 a pretty girl かわいい女の子

 a pretty dress きれいな・かわいらしいドレス

pretty は副詞として用いられると、「かなり、相当、とても」 などの意味でも使われます。

 It's pretty cold.  かなり寒いね
 

◎ cute   主にアメリカで用いられます。  (小さくて)かわいらしい、可憐な
                                     キューティーハニーのキュートです。

 a cute baby   かわいらしい赤ちゃん

赤ちゃんには cute を用い、lovelyとはあまり言いません。

cute はこの他に「抜け目のない」とか「きざな」という意味もあります。
 

◎ charming   charm は魅力とか魔力など、人を引きつけるものですから、「うっとりさせるような、魅力的な」

a charming gentleman 魅力的な紳士
 

どうでしょう、なんとなく分かってきましたか。                                            (END)
 

●なお、本文中には私個人の主観的表現も含まれおります、ご了承ください。
 

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