バックナンバー室(21) No.61〜No.63
No.61
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☆ 意外に知らない?英語の知識について考えるマガジンです ======================================================================
<今回のテーマ>
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another と the other
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another と the other は、共に「別の、もう一つの」と訳すことができます
Do you have sweat shirts? トレーナーありますか
(服のトレーナーは英語では sweat shirt [swet ∫∂:rt]、日本でもス
ウェットシャツと、また略してスウェットと言いますが、英語では sweat だ
けだと「汗」の意味になります)と言って、トレーナーを探しに店を訪ねて、商品を見させてもらうと、ちょっ
と気に入らない、そこで別の商品を見たい、という時には普通、Show me another (one). 別の・もう一つのものを見せて下さい
(one は sweat shirt のこと)と言って別のトレーナーを見せてもらうのですが、次のように言うと、
Show me the other (one). 別の・もう一つのものを見せて下さい
※ another, other は「代名詞」と「形容詞」どちらでも使える
これだって、上の文と同じ様に「別の・もう一つの」という訳を付けても日本
語訳としては正解と言えます。
ところが、英語ではこの二つはちょっと違うんですね。another と the other 、見てみると互いに other が使われています、the
other は見たまま the + other のことです、another はと言うともともと、
an + other だったのが一語になって another となったのです。つまり、
the other は「定冠詞」the に other が付いたものです、これに対し
another は「不定冠詞」an に other が付け加わって an + other →
another となっています。the と a(an) の違いについてはNo.17, 18で取り上げましたね、
「定冠詞 the」は「特定されている」ことを表し、
「不定冠詞 a(an)」 とは「特定がされていない」を表すのでした。
日本語では同じ「別の・もう一つの」という語ですが、英語ではさらにそれが
「特定」がされているかどうか、ということが問題になります。the other は「特定された」別の・もう一つ、のことになります、これはどう
いうことなのかと言うと、
仮に「二つ」のものがあるとすれば、片方を one とするならば、残りは当然
一つになりますね、残りが何であるかが、話し手と聞き手共に、そこで確認が
できるわけです。このように2つのうちの一つを取り上げれば、この残りの方
は必然的に「特定化」されますから、ここでは the が用いられます。二者 ◎ ● 二つのうちの「残り一つ」
one the other が the other
対して不定冠詞 an を含む another は「特定がされていない」もう一つ、と
いうことです。これはどういうことなのでしょう、「特定がされていない」と
いうことは言い方を変えると「どれでもいいからどれかひとつ」、つまり
「いくつかあるなかの、ひとつ」ということでもあります。
すなわちこれは、one と言ったもの以外にも「複数」あって、その中の一つ、
ということです。三者以上 ◎ ● ○ ○ … 残り(複数)のうちの「どれかひとつ」
one another3つ以上ある場合、一つ目を one とすれば、次の一つは another となりま
す。「別のトレーナー見せて」と Show me another (one). と言えば、トレーナー
は「他にもいくつか」ある訳です、その中のどれかひとつを見せて、というの
がこの Show me another (one). です。これに対して Show me the other (one).の方はトレーナーは「2つのうちの
残り一つ」なんです、
売り場にセーターが2つしかなかった時や(そんな店は滅多にないですけど
ね)、店員さんが最初に持ってきたセーターが2つで、そっちの残りのもう一方
を見せみて、とお願いする時がこの the other となります。
自分と店員さんの間で、2つのトレーナーが話題の中心になっていれば残りの
片方は当然二人の間では「特定」されますから、こういう表現ができるので
す。そして、中には店員に「他のセーターを全部見せなさい(持ってきなさい)」と
言う客もいるでしょう、そんな時は、Show me the others. 残りを全部見せて
となります、others 他のものが「複数」ある中で、the と「特定」しますか
ら、これは「残りすべて」ということになります。三者以上 ◎ [ ● ● ● …] 残り(複数)のうちの全部
one the others
これが、特定の the のない、単なる others だけなら、
Show me others. 残りのうちのいくつかをみせて
他にも「複数」ある中からその中の「いくつか」を見せて、と頼むのがこれに
なります。(実際にはこれや another を使った表現が普通になるますよね、一
般的には)三者以上 ◎ [ ● ● ● ] ○ ○ ○… 残り(複数)のうちのいくつか
one others「多数」の場合で、最初に挙げるのを one ではなく some にすると、
◎ ◎ ◎ [● ● ●] ○ ○ ○… いくらかは〜、またいくらかは…
some others(some) → 〜もあれば…もある◎ ◎ ◎ [● ● ● ● ● ●…] 〜もあれば、残り全部は…
some the othersSome animals became extinct, others survived.
絶滅した動物もあったし、生き長らえた動物もいたSome were rescued, but the others (were) killed.
救助された者もいたが、残りは全員死亡したextinct [iksti'ngkt]adj.;絶滅した
survive [s∂rva'iv]v.i.;生き残る、生き延びる
rescue [re'skju:]v.t.;救助するでは、おさらいをしてみましょう、
あなたは地球防衛軍、一匹の怪獣と戦っています、怪獣の一つの目にビームが
見事命中!隊長は続けてこう言いました。Aim at the other (eye).
Aim at another (eye).
Aim at the others.それぞれの意味はというと、最初の the other だと2つあるうちの一つです、
怪獣の片目は今射抜いたので、「もう片方の目を狙え」という命令ですね。
(普通はこれでしょう)another や the others を使うということは、怪獣の目は少なくとも3つ以上
あるのですね(例えば、キングギドラだとすると頭が3つありますから目は6
つ)、「他にもある中のどれかもう一つ狙え」というのが another です。
the others になると「残っている目を全部狙え」という隊長の命令なんです
ね。
片手を上げている相手(個人)に対してさらに、
Raise the other hand. もう一方の手も上げろ
[reiz]
というのは当然ですね、手は2つですから。これが、Raise another hand. (残りのうちの)どれか一つの手を上げろ
と一人の相手に言っていれば、相手には手が3つ以上はあるということになり
ますね。(もしかすると相手は千手観音なのかも)では、another と other を使った表現を紹介しておきます。
the other day ;先日
another day ;またの・別の日にI was summonsed to the police the other day.
[s∧m∂'nz] 先日警察に呼び出されたんです
summons v.t.;出頭を命じるCome (and see me) another day. 別の日にまたいらっしゃい
the other day は「特定」されたある日で「先日」、
another day は未来の日のうちの「どれか」で「またの日に」です。
one after another ;次々に
Seicho wrote great works one after another.
清張は名作を次々に作り出した
each other ;互いに 厳密に言えば、2つのものの場合には each other
one another 3つ以上の場合に one another を使うが、実際は
区別なく使われている。They looked at each other. 彼らは互いに顔を見合わせた
(one another)every other day ;1日おきに この every は「毎(ごと)に」の意味
week;隔週に ある日●とまた別の日(週)○が every 交互に
month;隔月に なって ●○●○●○… と続くからThis magazine is published every other week.
このマガジンは隔週で発行されています他には、
on the one hand 〜, on the other hand … ;一方では〜、他方では…
とう表現もあります、対比させて物事を述べる際に用います、手は2つですか
ら片方を the one とすれば、もう片方は the other となりますね。
下には一応、図をまとめておきました。
二者 ◎ ● 二つのうちの「残り一つ」
one the other が the other三者以上 ◎ ● ○ ○ … 残り(複数)のうちの「どれかひとつ」
one another◎ [ ● ● ● ] ○ ○ ○… 残り(複数)のうちのいくつか
one others◎ [ ● ● ● …] 残り(複数)のうちの全部
one the others
◎ ◎ ◎ [● ● ●] ○ ○ ○… いくらかは〜、またいくらかは…
some others(some) → 〜もあれば…もある◎ ◎ ◎ [● ● ● ● ● ●…] 〜もあれば、残り全部は…
some the others
No.62
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<今回のテーマ>
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PC について
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今回は「PC」について取り上げます。
(PCといってもパソコンのことじゃありませんよ)、
このPCとは Politically Correct のこと、(またはPolitical Correctness)
[p∂li'tik∂li k∂re'kt]
ポリティカリー・コレクトとは直訳すれば、政治的な(差別表現の)訂正、つま
り「政治的に正しい(または正しいこと)」の意味で、「政治家などが公の場
所で発言するときに使用しても非難される心配のない(言葉)」のことを言い
ます。アメリカでは1970年代からの「女性解放運動」いわゆる「ウーマン・リブ
women's lib (women's liberation) 」で、異性間の差別的表現を是正してい
[liv∂re'i∫∂n]
こうとする動きを皮切りに、黒人問題などの人種問題から、あらゆる社会差別
をなくしていこう、偏見をなくそうとしていこうとする運動が続けられていま
す。
日本でも、1999年に男女雇用機会均等法の改正が行われて話題になりました
ね、(婦人警官という表記がなされなくなったりしました)PC の面から言えば、特に職業に関する語について男性語、女性語と分かれて
いた従来の語を、適切な表現にしていこうとする動きがあります。代表的な語では、最初に取り上げるべき語は man です。
man という語は「成人男性」を指すだけでなく、「人、人類」の意味でもずっ
と使われてきた言葉なんですね(辞書にもそう載ってますしね)、ところが、
woman にはその意味はないんです、
当然、そうなると man だけが「人類」を表すのはおかしい、女性の立場はど
うなるんだ、という主張が出てくるのは当たり前ですね。
という訳で、「人」を表す際には、人(ひとり) ― person
(複数) ― people
人類、人間 ― human being, humanity, humankind, people
[hju':m∂nkaind]
※ mankind は(×)とされます。この他にも human(s) とか individual [ind∂vi'd3u∂l]なども
「人、人間」として使われますね。
「人類」には man が付いている mankind は使わない方がいいんです。職業関連の言葉では特に man が付いた言葉は避けられる傾向があります、
私たちにもお馴染みのセールスマンやビジネスマンはそれぞれ salesman,
businessman と man が入りますから、これでは女性を無視した表現ですから
ね、日本ではセールスレディ(saleslady)やOL(オフィス・レディ office
lady これは和製英語)の言葉もよく使われますが、男女を分け隔てなく、平等
に扱おうとするのがPCですから、男女別々の呼称は望ましくないんですね。ですから、
salesman → salesperson, sales representative (sales rep)
[reprize'nt∂tiv]
representative は「代表者、代理人」
businessman → business person, business workerと一般的に言う場合はいいんです。
man を含んだ語は多いので、以下に主なものを挙げておきます。
police man (警察官) → police officer
fireman (消防隊員) → fire fighter
cameraman (カメラマン、写真家) → photographer
[f∂tα'gr∂f∂r]
mailman (郵便配達人) → mail career, postal worker
[k∂ri'∂r]
seaman (船員) → mariner, sailor
[mae'r∂n∂r][se'il∂r]
watchman (警備員、ガードマン) → guard, watchdoorman (ドア係、ドアボーイ) → door keeper
chairman (議長) → chair person
congress man (国会議員) → representative
spokesman (スポークスマン) → speaker, press agent
[eid3∂'nt]
要は今までは、男性がほとんど分野へも、女性の進出が見られるようになって
きた訳ですね。日本でも7,8年くらい前までは、女性の警備員はほとんどいま
せんでしたが、最近は本当に女性の交通整理の方もよく見かけますからね。
また、職業ではありませんが、こんな表現もあります、
sportsman (スポーツマン) → sports lover, athlete
[ae'θli:t]
snowman (雪だるま) → snow figure
[sno'umaen] [fi'gj∂r]「雪だるま」までPCの流れが…確かに雪だるまには男の子のイメージがありま
すし、女の子の雪だるまもあってもいいような気もしますが、別にどっちでも
いいじゃないの、と思うのは私だけ?man が避けられるように、女性を表す woman や接尾語の -ess も避けられま
す。career woman (キャリアウーマン) → professional
actress (女優) → actor
hostess (ホステス) → host
stewardess (スチュワーデス) → flight attendant
[flait ∂te'nd∂nt]girl や boy が付く語も
school girl(boy) → schoolchild (小・中学校の生徒)
girl は一般的には、高校を卒業した人に対しては用いません。
(親しい人への呼びかけでは使いますが)boy は給仕の方を「ボーイ」と言ったりしますが、これは失礼な言い方なので
ウエイターの方を「ボーイ」と呼び付けるのは止めましょうね。
ウエイター、ウエイトレスもそれぞれ男女を示す言葉なので、waiter, waitress → waiter person
となります。もちろん、実際にウエイターの方を呼ぶ際は "Waiter." と声を
掛ければいいんですけどね。
(ここでも、指を鳴らしたり、手を叩いたりして呼ばないで下さいね。「召し
使い」じゃないんですから)文章などで、女性と男性を並べて書いたりするときには、boys and girls, he
and she, Yosuke and Chisato とかだと、たまには入れ替えたりするのがいい
ですね。
ただ、呼びかけの、Ladies and gentlemen! 「みなさん」
はこれで成句になっていますから、このままでいいんです。その他に男性を連想させる語では、
bodyguard (ボディガード)→ personal protection agent
[e'id3∂nt]
patron (パトロン)→ sponsor, benefactor
[pe'itr∂n] [spα':n∂sr][be'n∂faekt∂r]ボディガードはやっぱり男を連想しますよね(ケビン・コスナーやシティハン
ターとか)、パトロンならタヌキ親爺やお金持ちのおじ様とかね。
スポンサーは、最近はよく耳にする語ですね。(パトロンの方が今は死語か
な)
benefaction で「慈善、寄付、施(ほどこ)し」の意味です。逆に女性を連想させる語としては
house keeper (主婦、家政婦) → home manager, household worker
maid (メイド、お手伝い) → house worker, room attendant
また、mistress[mi'stris]と master は対の関係の言葉なんですが、
mistress の方は「女主人、妾(めかけ)、愛人」の意味に対して、master だと
「熟練者、精通者、師匠、師、所有者、先生、親方」の意味も含まれているの
で、当然不公平だということになって、避けられる傾向がありますし、さらにmaster key (マスターキー) → universal key
master plan (マスタープラン) → overall plan
こんな言葉なんかも、master を使わないくて済むような語が生まれていま
す。(語源を辿ると確かにそうなんでしょうが、でも、ここまで来ると、何も
そこまで…という気も)
また、同じ感じで、
king-size (特大の) → jumbo-size, supper-sizeまた、夫婦間の言葉である、wife や husband についても spouse [spaus,
spauz](配偶者) という言葉を使うべき、とする主張もあります。今「夫婦」としましたが、日本語でも「父母」「男女」などと男性が最初に置
かれますから、男尊女卑を表しているとよく言われますが、夫婦には「めおと
(女夫・女男)」なんて言葉もありますし、父母のことは「おもちち(母父)」、
また「いもせ(妹兄)」という夫婦や兄と妹(姉と弟)を表す、女性の方が先に述
べられる言葉も大和言葉の頃からあるんですね。女性の敬称は、Ms.[miz]を付けるのが今は一般的ね、しかし結婚されている女
性の中には、結構 Mrs.[mi'siz]を好まれる方もいらっしゃいます。
職業以外では、「黒人」のことを言う際には、以前は Negro [ni':grou]でし
たが、今は Black(s), African American と呼びます。
(Nigger [ni'g∂r]なんて言うのは絶対に駄目ですし、colored も今は言って
はいけない表現です )「ペット pet 」という表現も、ペットの尊厳を軽んじているということで、
animal companion [k∂mpae'ni∂n]という呼び方もあります。
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コンパニオンと言えば、男女雇用機会均等法を受けて、全国のミスコンの呼
称が変わっていますよね。今までは「ミス○○」と言っていたのを、「○○大
使」「○○コンパニオン」「○○天使」などの名前にどんどん変わっていま
す。しかも「女性のみ」の応募とは表示できないので、男性も応募してよいこ
とになっている(特に自治体主催のものはそうせざるを得ない)んですけどね…
なんか、これも違うような気が…
主催者にはじめから男性を採用する気がないのに(PRには女性を起用した方
が華やかですし、男性を起用した場合の効果的な宣伝は自治体レベルだと難し
いですからね)、それなのに募集をかけなければいけない、というのは如何な
ものでしょうか。まあ、まれには採用されるケースもあるんでしょうが、本当
に稀なことでしょうからね。応募者の機会費用(それをしなかったら別のこと
ができたのに、ということ)を考えると、何でもかんでも男女毎に募集する旨
の表記をしてはいけない、というのは不便に感じますね。
あと「コンパニオン」という言葉、この言葉は悲しいかな、既に日本のおじ
さんの間では「おねえちゃん」の意味ですっかり浸透してしまっているんです
ね、いずれ法改正が必要かな。
No.63
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======================================================================まぐまぐのメルマガの説明文には「tall と high の違いって? tell, speak,
talk そして say はどう違うのか?などなど……」と書いてあるにも関わら
ず、何と今の今まで取り上げていなかった「言う、話す」を表す単語について
今回は取り上げていきます。<今回のテーマ>
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talk と speak
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今回は、「話す」の talk と speak から。talk はもちろん「話す」ですが、もっと端的に言えば、
talk 相手と「会話」する
talk は「相手」のいる「会話」をイメージさせる語です、これに対して
speak はspeak talk に比べて一方的な話
talk が「双方向」の会話を表すなら、speak は「片方向」の話をまずはイ
メージさせる語です。
speak は例えば、speech (スピーチ、演説)、 speaker だと「演説家、話者」
そしてコンポなどの「スピーカー」という語もあります、演説家の話を聞いて
いるのがその字のごとく聴衆ですし、スピーカーから出る音を私たちは聞いて
いるように、これらは一方向の話や音を表しています。
これが今度は二人(以上)で互いに話しをすると talk 「トーク」になります、
talk show (トーク番組) テレビのトーク番組では必ず司会者はゲストと話し
をしながら番組を進めていきます。(英では chat show)I don't speak a word of Korean. 私は韓国語を一言も・全く話せません
[k∂ri'∂n]
この文では talk を使うことはできません。双方向の「会話」になるその前
に、言葉を発することができないのですから speak を使います。
また「大きな声で話して」は Speak up. 「もっとゆっくり話して」なら
Speak more slowly. です。ここも相手から自分への話についての要求ですか
ら speak なんですね。
双方向、「ゆっくり」な会話なら、long (長い)を使って a long talk とか
a long chat になりますし、こんな「ゆっくり」も、I'd like to talk it over with you some of these days.
そのうちあなたとゆっくりお話したいものですが
talk over ;よく話し合う
(ゆっくりとおしゃべりをするのではなく何かの問題解決の為)speak ill(badly) of 〜 ;〜の悪口を言う
well 〜をよく言う悪口などを言う際はえてして、一方が話すことが多いですよね。
I've heard Kate made him cry again. You'll have to speak to her.
ケイトがまた彼を泣かしたんだって。あの子を叱ったほうがいいよspeak to は「〜を叱る」の意味もあります、叱る時には当然叱る側の一方的
な口調になりますよね。
talk と speak はイメージ的には、下のような関係です、――→
talk ←―― 矢印でいうと talk が両方向を示し、speak の
方は片方向の矢印のイメージ、これが基本です。
speak ――→
(←――) speak には( )の中に ← の矢印がありますが、
talk と同じような感じで speak も使われることも
多いからです。I spoke to him yesterday. 私は昨日彼と話しをした
(with)
I talk to him yesterday. ゝ
(with)
これなんかは共に「〜と話す」で、ほとんど同じ意味で使われていますね。
(talk with、speak with と with を使うのはアメリカ的です)このように2つはよく似た感じでも用いられますが、speak の方がいくらか
「堅い」感じを与えます。
電話を掛ける際にはこう言いますねMay I speak to Mr.Ghosn? ゴーンさんをお願いします
Can I talk to Mary? メアリーをお願いします
ビジネスの場では当然上の speak を使った表現を用います、ここで talk を
使うと親しみが入って、軽い感じになってしまうので、ビジネスの場には不向
きなんですね。ちなみに、ここで電話に出ているのが本人だったなのなら、
Speaking. 私ですよ (今話しているのは私です)
I'm speaking. 自分が今話していますよ、「声をあなたへかけているのは私で
す」という気持ちがこの Speaking. です。ちなみに、相手が誰なのか尋ねるのは、
Who is speaking, please? どちら様ですか
と聞きます。
He gave a talk about organic farming. 彼は有機農業についてスピーチ
(speech) [⊃:rgae'nik] ・講演をしたtalk にも speech のような意味がありますが、ここでも speech を使うと、
ちゃんとした講演、講義という堅苦しさが talk よりもあります。では、あといくつか speak や talk を使った表現を紹介しておきます、
She really makes me wanna throw up. あの子まじムカつく!
Speak for yourself! I love her. 言ってろよ!俺は好きだよmake me wanna throw up ;感じが悪い、ヤな感じ
この throw up は「吐く」の意味です、私を吐かせたくさせる→感じが悪
い、となります。make me sick なんても言います。発言した相手に対して、そんなことは自分ひとりで、とか自分に、話してなさ
い、ということで、「自分はそうは思ってない」ということを表すのがこの
speak for yourself です。I'm sorry I've lost the fountain pen you gave me.
ごめ?ん、君にもらったあの万年筆、なくしちゃったよ。
What are you talking about? 何の話をしてんの?(何の事?)fountain [fa'unt∂n];泉、噴水
相手が訳の分からないことや変なことを言った時に、は What are you
talking about? を使います。I'm talking to you! 聞いてんの
自分の話を相手が聞いていないのを注意する時に使います、「私が話してると
ころでしょ」つまり「ねえ、ちゃんと聞いてるの」「聞きなさい」の意味を表
します。あと「話す」の意味がある語では
chat ;おしゃべりをする
talk よりもさらに軽くて短い会話がこのお馴染みの chat になります。
chatter [t∫ae't∂r];(大した話ではないことを)ぺちゃくちゃ話をする
(犬や鳥などが)けたたましく鳴く、吠える主婦の方の井戸端会議であまり意味のない話を「ぺちゃくちゃ」喋(しゃぺ)
る、あの感じが chatter になります。
ただ、chatter から gossip [gα's∂p] (人の噂話)になってしまったりもす
ることがよくあるんですよね。「しゃべる」では rap [raep]という語もありますね、「おしゃべり・議論す
る、批評する」の意味です。( rap out で「怒鳴る、叫ぶ」)rap music「ラップ」や rapper 「ラッパー」で今はお馴染みなのがこの rap
です。
ただ rap session [se∫∂'n]は「ラップ演奏」ではなく、「グループ討論」
のことを表しますから注意して下さい。
(また、心霊現象の「ラップ現象(コツコツと勝手に音が鳴る現象)」やその
「ラップ音」もこの rap です)
関係はないですが、ちなみに「ラップタイム」の「ラップ」は
lap [laep];ラップタイムのラップ(一周)
(他にも「ひざ」「(服の)すそ」「たたむ」「ペロペロなめる」など多義)「サランラップ」などの「ラップ」は
wrap [raep](rap と発音は同じ);包む、包み紙などの単語もあります。
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