ここは焼物を入れる一つ目の袋(部屋)です。焼物を積んだり出したりする出入口が横にあります。焚くときは薪を投げ入れる小さな口が残るようにレンガを積んでフタをします。
一軒目は大口の影響を受けやすく酸化、還元のコントロールが難しいので小さくしてしました。今から思えば普通の大きさにしておけば良かったと思っています。
目地がそろわないように互い違いにレンガと積んでいきますが、壁の厚さは最低30cm以上必要です。特に部屋と部屋の間は温度が上がったとき窯が膨張してアーチが開きますので絶対30cm以上の厚さにして下さい。
さま穴を作っているところです。この穴が部屋と部屋をつないでいます。一つの部屋を焼いているとき、その余熱(炎)がこの穴を抜けて、次の部屋を暖めます。この窯で一軒目を焼き上げたとき二軒目は大体800度くらいになっています。よく見てもらうと分かりますが、穴の大きさが中央は狭く、端に行くほど広くなっています。これは炎がは中央に集まりやすいという性質(ロウソクの炎の先が細くなっているのと同じです)を考え、なるべく炎が両端に広がるようにするためです。
部屋の出入り口を作っているところです。作りたいアーチの高さに合わせて竹の支柱を立て、その上に割った竹でアーチを作り、またその上に短く切った竹を並べます。(そのつど、竹がずれたりしないように針金などでしっかり固定しています)。それが出来たらその上に両端からレンガを並べていきます。最後に中央に三角の溝が出来ますが、ここに棚板(カーボランダム)のかけらなどを木槌で打ち込んでしっかりとレンガをしめます。
基本的にどの部屋のアーチも同じですが、まず作りたいアーチの高さに合わせて竹を切ります。そして、それをずれないよう横木などしながら、しっかりと針金などで固定していきます。竹がグラグラしないようしっかり固定できたら、その上に割った竹でアーチをかけていきます。アーチは支柱の方の竹にノコギリで切り目を入れ、針金をかませてしっかりと固定します。最後にアーチの上にレンガがのせられるよう割った竹を狭い間隔でとめていきます。このことによって一層アーチが固定されます。
レンガを積む前に一度シュミレーションしてレンガの角度や幅、そして最後に出来る溝などを確認します。このとき実際に積むレンガのアーチのラインを整えるため、割った竹などをレンガとアーチの間に挟んでレンガのアーチを調整します。
レンガは両端から一気に積んで行って下さい。最後に三角の溝が出来ます。そこに割れた棚板(カーボランダム)などを木づちで打ち込んでレンガ(アーチ)をしっかりと締めます。
この作業は必ず一日でやって下さい。一日おくと作りかけのアーチが少し落ちてきたり、最後にアーチをしめるときモルタルが固まってしめくくなるからです。
アーチを積み終わったところです。
アーチの側面を積んでいるところです。私はあとからフタをするようにして作ってしまいましたが、これも失敗でした。前後のアーチを作るときに同じ段ごと一緒に作っていくべきでした。焼いていくうちにこのつなぎ目が大きく開いてしまいました。