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No.013 信用できない支店たち

県内に10店舗くらい営業している、とあるスーパーがある。仮にその店を「スーパーABC」と名付ける。(←ホントにそういう店があったらすいません。)

そのスーパーABCの、10店舗全部にお菓子を納品している問屋がある。

先日、そのスーパーABCの本部からそのお菓子問屋に一つの依頼があった。今度、各店舗にお菓子を納品しに行ったら、その時にそれぞれの店舗の状況を視察して来て欲しいというのだ。

何でも、そのスーパーABCの本部にお客さんから苦情の電話があったらしい。


「いつ行っても入り口にタバコの吸い殻とか落ちてますし、トイレも毎日清掃しているようにはとても思えないんですけど、もう少しきれいにしたらどうでしょう。」


みたいな内容だったらしい。本部に直接かかってきたので、それがどの店のことを言われたのか分からない。

本部から各店舗に電話をかけてもどうせ

「うちはちゃんとやってます。きれいにしてます。」

と都合のいい自己申告しかしないし、本部の人間が視察に行くとなると、そういう情報は水面下で瞬(またた)く間に店長同士で流れて慌てて掃除するのは目に見えている。

本部の目の届かない日々がどういった状況なのか、外部の出入りの業者を使って調査しようというのだ。

ご丁寧にチェックシートまでFAXで送られて来た。内容は、商品にホコリをかぶっているものはないか・床の清掃の状況は・トイレは・駐車場の清掃は・電球の玉切れはないか・従業員の接客態度は・・など10項目くらいある。それぞれに「良い・普通・悪い」の段階があって、どれかに丸をつけてくれというものだ。

そしてその用紙の最後にはこう書かれてあった。「あくまでもそこの従業員に気づかれないよう、こっそりとチェックして下さい。全く普段の納品業務を装って調査をお願いいたします。」と。

チェックシートは各店舗の担当者に渡されて、チェックが終わった後、結果はまたFAXでスーパーABCの本部に送信された。

要するに自分のところの社員が信用できないわけである。鋭いと言えば鋭い調査方法ではあるが、いやらしいと言えばいやらしい。

このスーパーに限らず、何らかの店舗の責任者の皆様、今日出入りした業者の中に、いつもと違う不審な動きをしていた業者はいませんでしたか。ひょっとしたらその人は本部の解き放ったスパイかもしれませんよ。