Top Page  怪事件・怪人物の表紙へ  No.36  No.34


No.35 触れた者は全員呪われ死に至る、長きドクロの呪い



1907年7月3日、イギリスのスコットランドで、イアン・マックシェイプ卿(きょう)という城主が、身に覚えのない罪で首吊りの刑に処された。彼を憎む、自分の部下の罠にかかって殺人事件の犯人に仕立て上げられ、その結果、死刑に処されたのだ。

イアン卿の妻は、不当な死刑を受けてしまった夫を嘆き悲しみ、死体を掘り起こして首の部分だけを切断し、これまで一緒に住んでいた城の一室にイアン卿の頭蓋骨(ドクロ)を安置した。

しかしこの時からこの城に異変が始まった。毎晩夜中になると、ドクロの安置してある部屋からものすごい叫び声が聞こえてくるのである。まさしく城中に響きわたるような大声で。


連日、こういうことが続くとさすがに「イアン卿が幽霊となって復讐しに来るのではないか。」という話になり、配下の者たちはこのドクロを再び埋葬し直すことにした。この埋葬作業を直接任されたのは下男のフィリップという男だった。

フィリップは早速ドクロの安置されてある部屋に入り、ドクロを持ち上げようとした。が、フィリップがドクロに触れた瞬間、突然ドクロは「ギャーギャー!」という凄まじい叫び声をあげ、激しく揺れだしたのだ。

その声はフィリップが耳をふさいでも脳に直接響くような大声だったという。びっくりしたフィリップはそのまま逃げだしベッド逃げ込んだ。しかしその翌日からフィリップは原因不明の高熱と悪夢に襲われ、「呪われている・・あのドクロは呪われている・・。」と、しきりにうわごとを言いながら3日後に息を引き取った。


これを見て、かつての配下の者たちは全員恐怖した。だが、フィリップが謎の死を遂げたからといって、このままドクロを放っておくわけにはいかない。次に別の者が試みたが、まったく同じような現象が起こり、この男も原因不明の高熱と悪夢にさいなまれ、数日後に死亡した。

それから城の者が次々と試みたが、ドクロに触れた者は全員、高熱・悪夢・死という結末を迎えたのだった。そしてもう、誰もドクロに触れようという者はいなくなった。


そしてそれから80年以上の時が流れた。その城にはいまだにドクロが安置されており、それを見に来る観光客も少なからずいるという。しかし皆、遠巻きに見て帰るだけで、実際に触ってみた者は一人もいなかった。

1993年8月1日、スペインからの旅行者ペドロ・ロペスはこの噂を伝え聞き、城を訪れた。現在城の管理をしているのは変死を遂げたフィリップの子孫である。

ペドロが案内されて安置室に入ると、テーブルの上に無造作に置かれているドクロが目に飛び込んできた。

「伝説を気にしないのであれば触っても構いませんよ。」管理人にこう言われ、ペドロは一気に両手でドクロを持ち上げてみた。たが、何の異変も起こらない。ドクロは揺れもしないし叫び声もあげない。


「もう、呪いは解けたのか・・。」そう思ってドクロをテーブルに戻すと、半ば拍子抜けしながらペドロは早々にホテルに引き上げた。しかしペドロがホテルに着いてベッドに入った瞬間、やはり異変は起きたのである。

強烈な寒気と高熱が一気に出始め、頭が割れるように痛い。苦痛にのたうちまわりながら彼は急いで救急車を呼んでもらった。救急車が到着して彼が運び込まれる・・しかし、病院に着くまでの間に彼は心臓発作を起こし、意味不明の言葉を繰り返しながら息を引き取ってしまった。

80年以上の時を超えて呪いはまだ生きていた。ペドロの死によって、このドクロの犠牲者は13人目になった。



Top Page  怪事件・怪人物の表紙へ  No.36  No.34