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No.63 少女たちの血で若返りの儀式を行ったエリザベート夫人



1600年代、ハンガリーのニートテ地方。そこにチェイテ城と呼ばれる城があった。城の城主はエリザベート・バートリー伯爵夫人といい、40代の美しい女性であった。

だが、いつの頃からか、この城に奉公にいった少女が帰ってこないという噂が立ち始めた。この何年もの間、城へ働きに行った少女たちは約束の期間を過ぎても誰一人帰って来ない。

心配になった親たちが城へ申し立てても「娘はとっくの昔に返している!」と追い払われるだけだった。

城主であるエリザベート夫人は、夫人が40歳の時、当時の城主であった夫を亡くし、まもなくその夫の母親も死んだ。その時から夫人はこの城の支配者として君臨し、子供たちが消え始めたのもこのころからだ。


城には時たま夜になると、人目につかない入り口に馬車が到着する。そしてその馬車の中から猿ぐつわをかまされ、両手を縛られた少女たちが何人も降ろされる。

少女たちはそのまま地下の牢獄へ閉じ込められ、何日かおきに5〜6人ずつ連れ出される。そしてそのまま帰って来ない。少女たちは夫人が信じる「若返りの儀式」の生贄(いけにえ)にされていたのだ。


エリザベート夫人が若返りの儀式を行うようになったのには、きっかけがあった。ある日夫人の髪に櫛を入れていた召使いが、つい力を入れすぎてしまって夫人の髪の毛を何本か抜いてしまった。

これに腹を立てた夫人はこの召使いを手鏡で何度なく殴り、逃げ惑う召使いを捕まえてさらに殴りに殴った。次第に召使いの顔から鮮血がほとばしり、その血は夫人の手にかかってしまった。

だがこの時、夫人は何ともいえない快感を得た。身体に電気が走ったような恍惚(こうこつ)感。うっとりと血のついた手を見つめる。そして翌日、夫人は、血を浴びたその部分だけが若返っていることを発見した。

この時から魔術やオカルトに対して非常に興味をいだくようになり、血に対して異常な執着を見せ始めた。夫が生きている時は陰に隠れて小動物や馬を殺す程度だったが、夫が死んでからは抑制がきかなくなり、1年も経たないうちに夫の母親を殺害した。

夫の母親を殺害する前にその下女も殺し、この時は裸になって返り血を浴びてみたが若返りの効果はなかった。


ところでエリザベートが行っていた若返りの儀式であるが、まず、牢から出された少女たちは裸にされ、一人ずつ部屋に入れられる。そしてそのあと鋭利な刃物で身体中を切り刻まれ、血を絞り取られる。

床には一本の溝が通っていて、少女たちの血はその溝へ流される。そしてその溝は壁を隔てた隣の部屋へとつながっているのだ。エリザベートのいる部屋まで溝を通って流れてきた血はそこで溜められ、裸となったエリザベートはその血の中に浸り、ひたすら快感に震えていた。
そしてこの儀式は10年以上も続けられたという。


だがついに「チェイテ城に奉公に行った少女たちは一人も戻ってこない」という話はハンガリー国王の耳に届き、国からの調査が入った。そしてそこで発見された膨大な数の白骨死体・・。

すぐに城の一派は捕らえられ、手を貸した部下たちは生きながらにして火あぶりの刑に処せられた。そして当の本人、エリザベートは、考えようによってはもっと残酷な刑に処された。

少女たちを閉じ込めていた牢獄に一人入れられ、全ての窓はふさがれて真っ暗にされ、そこに食事だけを入れられてそのまま生かされた。生かされたというより、死ぬまで暗闇の中に閉じ込められたのである。

4年後、その闇の中でエリザベートは死んだ。死体を引き出してみると54歳のはずであったが、手や顔のシワ、髪、皮膚のシミなど、まるで80歳を過ぎているかのような変わり果てた姿になっていたという。



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