1957年5月。イギリスのノーサンバーランドである日曜日、教会でいつものように日曜礼拝が行われていた。11歳のジョアンナとジャクリーンの双子の姉妹は、両親に連れられてこの日も礼拝に出席していた。

だがその帰り道、帰りを急いではしゃぐあまり二人は道路へ飛び出してしまい、そこへ運悪く乗用車が突っ込んで来た。
「あっ!」と思ったのもつかの間、二人はほぼ同時に車に跳ねられ、そしてそのまま死亡してしまった。

愛する娘を二人いっぺんに失った両親の悲しみは大きい。
「こんなひどいことがあるなんて・・。」妻は涙を流しながらうなだれた。
「いや、二人は私たちを置いて遠くへ行ったりなんかしないよ、いつか必ず帰ってくる。二人一緒に・・。」

「やめて!そんな気休めは!」と妻は言ったが、夫の方は真面目であった。昔から輪廻転生を強く信じていたからだ。

そして一年後、妻が妊娠していることが分かった。
「二人が帰ってきたんだ! きっとこの二人はジョアンナとジャクリーンの生まれ変わりだよ!」
まだ双子どころか男か女か分からない時点で、夫はすでに喜んで妻にこう言った。

「そんなことがあるもんですか。」と妻は否定したが、それから間もなくして生まれたのは夫の言った通り双子であった。

産声を上げたばかりの赤ん坊を夫は熱心に観察した。片方の赤ん坊のマユ毛のあたりに傷跡を発見した。死んだジョアンナには、同じ位置に、自転車で転んだ時の傷跡があったのだ。傷の位置も形もそっくりだ。

そしてもう片方の赤ん坊の尻に渦のようなアザを発見した。やはり死んだジャクリーンにはその位置にそれとそっくりのアザがあったのだ。


「間違いない!やっぱり二人は生まれ変わってきたんだ!」
夫は、そう固く信じた。

二人が生まれて間もなく、その家族は夫の仕事の都合で別の土地に引っ越すことになった。そしてそれから3年後、その一家は再び同じ土地へ戻ってきた。
ジョアンナとジャクリーンを交通事故で失った、この土地へ再び帰ってきたのである。

新たに生まれた娘たちは3歳になっていた。ところが、この土地へ戻ってみると娘たちが奇妙なことを喋り始めたのだ。
「あっ、あそこが私たちの家ね!」
「またあのブランコで遊びましょうよ!」

娘たちが生まれてすぐに引っ越したのだから、この子たちにその時の記憶があるはずがない。もちろんブランコで遊んだことなど1回もないのだ。

「あの道を曲がると私たちが行っていた小学校があったわ。」
まだ建物さえ見えてないのに、娘たちは知っているかのようにこう言った。確かに小学校はある。だがそれは死んだジョアンナとジャクリーンが通っていた小学校なのだ。

「あなたが教えたの?」と、妻は夫に聞いた。
すると娘たちは
「そんなことお父さんに聞かなくても知ってるわ!自分たちが行ってたところだもの!それより早く帰ってメアリーと遊びたいの!」
「私もスザンヌと遊びたい!」

このセリフを聞いて両親は更にびっくりした。メアリーとスザンヌといえば、死んだ娘たちが可愛がっていた人形の名前だったからだ。ここに至って生まれ変わりについては半信半疑だった妻も、認めざるを得なかった。

この現象は2人が6歳になるまで続き、それ以降は突然おさまってしまったという。


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