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No.87 夢に現れた光景〜中世時代の騎士たちが現在の道路で何かを埋めている



1892年、イギリスのシュロップシャーに住む、ベティ・フォックスという女性が、ある晩変な夢を見た。夢の中に登場してきたのは、中世の時代の騎士のような格好をした男たちだった。彼らは皆、分厚い盾を持っていて、頭には兜をかぶり、ヒザまであるスカートのようなものを身に着けていた。

その騎士たちが、どこかの道路の横を一生懸命掘っている。そして穴を掘り終えると、その穴の中に何かを埋めたようだった。
ベティはここで目が覚めた。変な夢だと思って妙に記憶に残っていたが、夢は夢としてそのまま何気なく一日を終えた。


ところが彼女は次の晩も似たような夢を見たのである。似たような夢というか、前日の続きだった。登場人物も景色も全く同じ。そして今度は自分も登場していた。

昨日は騎士たちが何かを埋めるところまでだったが、今日は、なぜか自分がその道路を歩いている。しばらく歩いていると、ちょうど作業を終えた騎士たちがバラバラと立ち去っていくところだった。

夢の中のベティは、ここがどこか知りたくなって辺りを見回してみた。すると道路標識がある。登場人物は大昔の時代の人間だっが、掘っている道路はなぜか現代の道路だった。道路標識によると、ここはアッキントンとロゼターの間くらいにある道路らしい。

さらにベティは騎士たちが掘っていた現場に近づいてみた。すると騎士たちが残したゴミの中に、十数枚の貨幣が落ちていることを発見した。二日目はここで目が覚めた。


そしてそれから数日後、また夢の続きを見た。同じ場所で騎士たちは、また何かを埋めていた。道路脇にある雑草の茂みの中だ。今度は二人の騎士たちが穴を掘って埋める役で、別の二人の騎士が見張りに立っていた。そして同じく自分が道路を歩いている。騎士たちが去った後、その場所へ行ってみると、埋めた穴の上に貨幣がたくさん散らばっている。

これだけ似たような夢を見ると気持ち悪くなって家族に相談してみたが、みんな笑うだけでまともにとりあってはくれない。だが彼女は、「自分の精神がおかしくなっしまったのだろうか?」という不安と共に、「ひょっとしたらあの夢は本当の出来事なのでは?」という考えを捨てきれなかった。


意を決して彼女は一人で確かめに行くことにした。場所はアッキントンとロゼターの間くらいにある道路。もちろん風景もきっちり覚えている。そしてその場所を探して道路を走っていると・・あった! 夢の中とほとんど同じ場所だ。騎士たちが何かを埋めていた茂みも発見した。

さっそく持ってきたクワで茂みのところを掘ってみた。すると間もなくガチッと音がして、土の中からは金貨が何枚か出てきた。そうとう古い金貨のようだ。更に掘ってみると、今度は壷(つぼ)が出てきた。壷の中には金貨や銀貨がぎっしり詰まっている。あまりの量に呆然とするベティ。

ベティは人に見つからないようにこっそりと壷を車に運び、すぐに家に持ち帰った。家族に一部始終を話すと、みんなは驚きの声をあげた。夢の中の話だと思って取り合わなかったものが、現実となったのだから・・。


素人目に見てもかなりの年代ものの金貨だと分かる。さっそく家族は、近所に住むオートレーという貨幣収集家の家に一枚だけ持って鑑定をお願いしに行ってみた。一応、「家の裏で発見したものだ」ということにして貨幣見せたところ、それは古代ローマのものであることが分かった。オートレーはかなりの金額を出すから、この金貨を売って欲しいと言う。

この時点でベティは全て本当のことを話してみた。オートレーの驚きようも相当なものだったが、親切に対応してくれて、考古学者を紹介してくれた。結局金貨はその考古学者が買い取り、ベティ一家はかなりの大金を得ることが出来たのである。

後に考古学者たちが、金貨を発見した場所を調査したところによると、そこは1500年以上前の古代ローマの植民地ウリコニウムの遺跡であることが確認されたのだ。


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