No.43普通では食べないようなものを食べて死亡する


大食い大会は現代でもありますが、そういった類(たぐい)の大会は江戸時代にもあり、大流行した時代もありました。その中でも江戸時代の狂歌(きょうか)作者として有名な大田蜀山人(おおたしょくさんじん)が主催した大会では、普段食べないものを食べる大会となったため、死亡者が何人も出るという恐ろしい大会となりました。

しょう油を二升飲んだ男がいました。一升 = 1.8リットルですから二升で3.6リットルです。この人はその場で急死しました。

また、同じくしょう油を一升飲んだ男もいましたが、こちらは何とか命は取りとめたものの、半年くらいは起き上がれず寝たきりの生活をすることとなりました。

ロウソクを食べた男もおり、そのロウソクは現代で言う百目ロウソクで、一本約375gです。これを三本食べたあたりから、めまいと吐き気に襲われ、それでも頑張って八本まで食べた時に意識を失ったということです。何本に挑戦していたのかは不明ですが、そのまま食べ続ければ命はなかったでしょう。

また、ゴマ油を七合(七合 = 1.26リットル。一合は180ml。)飲んだ男もおり、この人はその場で倒れ、その時には生きていたものの、三日ほど激しい下痢が続いた後、死亡しました。

泥を食べた男もおり、この人は茶碗で27杯も食べて急死しました。
あまりにもむなしい死に方と言えます。


ちなみに現代ではありふれているタバコは、幼児が間違えて食べてしまった場合、すぐに吐き出さなければ非常に危険で、死に至る可能性があります。
これはタバコの中に含まれているニコチンが原因で、ニコチンの致死量は大人で40〜60 mg、これはタバコ3〜4本分に相当します。幼い子供であれば10〜20 mgミリグラムで、わずか1本分の量です。
幼いこどもがいる家庭では十分注意し、また大人の人も酔った勢いでタバコを食べて見せるようなことはやめましょう。


逆に食べる物がないような緊急事態に追い込まれた例として、フィリピンの大地震で建物の生き埋めとなった男性は、自分の小便と身体から出た血液をなめて飢えをしのぎ、14日経って救出されました。

また、中国の漁船が遭難したおり、その乗組員たちは24日間雨水を飲み、ダンボール箱をちぎってはそれを食べて何とか生き延びて救出されました。