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No.108 青木ヶ原樹海に探検に入った大学生

青木ヶ原樹海とは、富士山の北西に位置する広大な原生林で、その大きさは、山手線に囲まれた面積とほぼ同じくらいだと言われる。

樹海で発見された、自殺者のものと思われる痕跡。
樹海の中には国道139号線が通り、遊歩道も整備され、近くにはキャンプ場や公園などもある観光地である。

だがその反面、自殺の名所としても名高い。

首を吊(つ)ったり、劇薬を飲んだりしてこの中で自殺する者が後を断たない。

かつては、年に一回、警察と消防、それに防犯協会の職員が300人から400人集まって、自殺者の遺体を一斉捜索する「青木ヶ原樹海 合同一斉大捜索」が行われていた。

この捜索は遊歩道を中心に左右50メートルから100メートルの範囲だが、それでも捜索のたびに数体の遺体が発見されている。

だがこの大捜索にはデメリットもあり、いつもメディアが報道するために「青木ヶ原樹海とは自殺が多い場所」という印象を世間に与えてしまったことである。

実際、自殺志願者で、樹海には来たものの自殺を思いとどまったり怖くなったりして、警察に助けを求める電話をかけてくる人も多く、そうした人たちの話を聞くと
「テレビで大捜索のニュースを見て、樹海で死のうと思った。」
と答える人も多くいた。

自殺の名所と世間に知られることは、かえってここでの自殺を誘発させることになるとの理由からこの大捜索は2000年で打ち切られている。

この樹海では年間、多い時では100体以上の遺体が発見されている。一斉大捜索は終わったものの、通常のパトロールは行われているので、その時に発見されたり、観光客が遊歩道をはずれて「探検」した時に発見したりする。

遺体は、遊歩道からそれほど離れていない場所でも多く発見されているが、奥地の方までは捜索もほとんど行われないため、まだどれだけの遺体が眠っているのか、数の想像さえつかない。

青木ヶ原樹海は、「一度迷ったら出られない」と言われる。遊歩道を歩いている限り、迷うことはないのだが、問題は興味本位で遊歩道からはずれて森の中を探検しようとした場合である。

遊歩道から200メートルも300メートルも離れると、どこも同じ景色に見え、上からは大きく枝がおおいかぶさっているため、富士山さえ見えなくなるらしい。どこも薄暗く、本当に迷って出られなくなる可能性が極めて高くなる。

自殺の名所であるゆえに心霊現象の話も多く、霊感の強い人がこの樹海の中を歩いていたら、いつの間にか自分の周囲に霊が何体も立っていたとか、歩いている最中に金縛りにあったとか、家に帰って風呂に入ろうとして服を脱ぐと、自分の体中に手の跡がついていた、などの経験をした人もいる。

若者が肝試しに遊歩道からかなりはずれたところまで行くこともあるらしいが、そのような行為は、森の中で迷う危険性も超常現象に遭遇する可能性もはね上げることになる。



▼3人の大学生の体験

1995年の夏、ある3人の大学生が樹海を探検しようとこの地にやってきた。彼らは遊歩道を通らず、自分たちの力だけで3日かけて樹海を横断しようという計画を立てていた。

だが3人の中に1人、用心深い男がいて、彼はこの樹海横断計画を、河口湖付近に住む別の大学生にも話しており

「もし俺たちが4日経っても帰って来なかったら、警察に話して捜索をお願いしてくれ。」

と頼んでいた。

そして彼らは樹海の中へと出発した。そして4日経ったが、彼らは帰って来なかった。

頼まれていた大学生は約束通り警察へ通報し、警察はすぐに捜索隊を組織して樹海の中で捜索を開始した。

捜索を開始して2日目、捜索隊は3人のうちの1人を発見した。

その「発見された彼」は、倒れていたり座りこんでいたわけではない。

全裸で木に抱きついていたところを発見されたのだ。意味不明の場面だった。

だがよく見ると、その姿で腰を前後に振っていた。何をしたがっているのか、大体想像がついた。

捜索隊が声をかけても彼は気づくことなく、腰を振り続けており、目はうつろで口からはヨダレを垂(た)らしていた。

捜索隊がビンタをするとやっと正気に戻ったようで、話をすることも出来るようになった。彼の話によれば、髪の長い美人と樹海の中で出会い、彼女と3日間を共に過ごしたのだという。

捜索隊に発見された瞬間は、おそらくその美人とヤッている最中であったと思われる。

しばらくして、もう1人も発見された。彼は枯草の中に入って寝ていたところを発見された。

話を聞けば、彼も髪の長い美人と出会い、一緒に行動していたと言う。彼の場合は、その美人と一緒の布団で寝ている最中だったのだろうか。

そして最後の1人は発見されたが生存はしていなかった。大木の枝にヒモをかけて首を吊って自殺していた。

その後、生き残った2人は再び学生生活へと戻ったが、ノイローゼのようになり、入退院を繰り返したという。

樹海から帰ってきた彼らは時々

「なっちゃん、来てくれたの?」

と、誰もいないところへ向かって話しかけ、見えない相手に向かって1人でずっと話し続けるようなことがたびたびあったという。

樹海のことをよく知る地元の人の話では、樹海に入って頭がおかしくなって帰って来た人は他にもいるらしく、遊歩道ならまだしも、遊歩道をずいぶんとはずれた森の中で、偶然、誰かに出会った場合、それは幽霊だと思った方がいいということである。

樹海の奥地には霊が多数さまよっているらしい。



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