|
基本は、テキストアドベンチャー。 章仕立てになっていて、主人公の男の子、女の子を切り替え、助け合いながらストーリーを進めていく。 |
ストーリー
カップメンから生まれた男の子と、竹の中から生まれた女の子が、運命に導かれ、都で暴れまわっている竜を封印するために旅に出る。 |
レビュー
タイトルからすると、桃太郎ようなお話を想像するかもしれませんが、それは、本当に大まかな部分であって、犬、猿、雉の3匹のお供を連れて鬼ヶ島に行くという以外は、全く別モノのお話です。
かといって、ただの昔話の寄せ集めかと言うと、そうでもありません。
このゲームは、日本の昔話に共通した世界の中でで繰り広げられる、新たな冒険物語と言っていいでしょう。
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました――
という、昔話お決まりの文句で始まり、
おじいさんは山へ柴刈りに行って、竹の中から女の子を見つけ、川へ洗濯へ行ったおばあさんは、上流から流れてきた奇妙なお椀を見つけます。
そしてそのお椀にお湯を注ぐと、中から元気な男の子が飛び出してきたのです。
2人はおじいさんとおばあさんの子供として、すくすくと育ち、8年の月日が流れました。
そんなある日、お使いに行った隣村で、都で竜が暴れ回って大変なことになっているという噂を耳にします。
その日から、2人の全てが変わってしまいました。
2人がおじいいさんとおばあさんの本当の子供ではないこと、そして普通の人の子ではないことを知ったばかりか、育ての親であるおじいさんとおばあさんが鬼にさらわれてしまったのです。
2人は、おじいさんとおばあさんを助けるために、鬼たちの砦がある、屏風岩に向かう決意を固めました。
その時から、2人の運命の歯車は、ゆっくりと回り始めました。
自分たちを導く「ひのえさま」とは一体何者なのか?
自分たちの前世と出生の秘密とは?
それらがわかった時、自分たちが竜を封印しなければならない使命の下に生まれてきたのだということを知り、2人とお供の3匹は、竜を封印するため、敢然と鬼ヶ島に乗り込んでいくのでした。
基本はコマンド選択式のアドベンチャーですが、当時すでに、ザッピングシステムが使われていて、2人をうまく切り替えていかないといけないので、一筋縄ではいかない場面もあります。
他にも、ちょっと意地悪な部分や、何もしないのが一番よかったりする場面もありますしね。
でもクライマックスはハラハラドキドキですし、ラストの別れのシーンなどは、とっても切ない気持ちになってしまいます。
ホント、このお話と雰囲気は、教育テレビの人形劇でやってもおかしくないくらいです。
そして、このゲームのお話をより盛り上げてくれるのが、その場面場面にぴったり合った音楽です。
BGMが、ゲーム内容に合わせるのは全く当たり前の事なのですが、このゲームの音楽は、その時の状況だけでなく、主人公たちの心情にも合った音楽を奏でることで、より主人公たちとの一体感を与えてくれます。
昔話の田園風景を思い起こさせるゆったりとした音楽から、
これから冒険が始まるぞと思わせるような勇ましい音楽、
ユニークなキャラが現れる時には、コミカルに、
神秘的な場面では、澄んだ水や空気の繊細さが伝わってくるような感じに、
他にも、不安げなものから、寂しさを誘うような音楽、もちろん戦いの場面では、ハラハラドキドキものの音楽が用意されています。
これらの深みのある音楽は、ディスクシステムに搭載されていた追加音源による恩恵も、大きかったと思います。
今なら、ニンテンドウパワーか、ソフト単体でも「平成 新・鬼ヶ島」のオマケ(?)としてプレイできますので、未プレイの方は、ぜひプレイしてみてください。
前、後編に分かれていて、ファミコン版「新・鬼ヶ島」では、お供の、りんご(犬)、まつのすけ(猿)、おはな(雉)が、主人公たちに出会うまでのお話や、主人公たちの前世の話、そして鬼ヶ島での決戦をアドベンチャーパートとミニゲームで楽しませてくれます。
それらのゲームをクリアすると、ファミコン版の「新・鬼ヶ島」がプレイできるようになります。
未プレイの人にとっては、順序が逆になっちゃいますが、まったく平気で楽しめると思いますので、ぜひ。
「遊遊記」(ファミコン ディスクシステム)
「タイムツイスト」(ファミコン ディスクシステム)
「ナイツ」(セガ サターン)