脳のこやし

もご参照のあれ

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子供向けだからこそ、混ぜものも、混ざりものもない、
まっすぐな純粋さで描かれている物語は、バカにできません。

普通の小説より、さらっと読めてしまうのも魅力です。

あらすじしか書いてないようなのは、
記憶が薄れているものです

だいたい、読んだ順番で並んでいます

また思い出したら、追加していきます

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つきのふね

宇宙のみなしご

講談社


カラフル

理論社

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流れ星におねがい

童心社


ショートトリップ

理論社

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森絵都

 「つきの―」は、
 親友だった さくらと梨利は、ある出来事がきっかけで、お互いを避けるようになってしまった。
 それ以来、さくらは宇宙船の設計図を描く不思議な青年 智の部屋に入り浸たり、空気のように、お互いに干渉し合わない関係に安らぎを感じでいた――
 というような感じで始まるのですが、
 特にこれといった夢も希望も思い浮かばないし、そんな先のことなんてわからないけど、世界も時間も回り続けて、あれやこれやといろいろあるけれども、やっぱり自分は自分で生きていかなければならないんだ――というお話・・・かな?。
 中学生さくらの一人称の語られるさらっとした文章が読みやすく魅力的です。
 好きな人を助けてあげたいんだけど、自分にいったい何ができるんだろうかと、自分の無力さに対するもどかしさやなにやら、とっても切ない話だったりもします。

 「宇宙の―」は、
 両親が仕事で留守がちな陽子と弟のリンは、2人だけの他愛のない秘密の遊びを楽しんでいた。
 なんとなーく始めた登校拒否を、なんとなーく止めた陽子が、新しく思いついた遊びは、深夜の住宅地で、こっそりと他人の家の屋根に登る「屋ね登り」だった・・・という感じで始まって、全体的に見れば、「月の船」と似た感じのお話ですが、

 深夜というのはやはり。ただの夜とはひと味ちがった、家も木も駐車場の車たちも。何もかもが眠っているように見えるぶん、自分だけはたしかに目覚めていて、見て、歩いて、足音を残して、生きている気がする。

 というところや、

 なにかにときめいてわくわくして、でもそれを我慢したらつぎからは、そのわくわくが少し減ってしまうような気がしていた。
 なにかをしようと足踏みする、わたしのなかの千人の小人たちが八百人に減ってしまう。二回我慢したら六百人に。三回我慢したら四百人に。
 そして最後にはわたしのちっぽけな体だけが残される。
 からっぽのこの体だけ。
 暗いところにひとりきりで。

 という部分に、痛く共感してしまいました。
 友達の大切さが語られる「宇宙のみなしご」の件も非常よいです。

 「カラフル」は、
 前世で罪を犯した魂が、抽選で選ばれ、ある自殺した中学生の身体にホームステイして、罪を償うことができれば、また輪廻転生のサイクルに戻れる――とホームステイ生活を始めるお話。
 このホームステイ先の中学生というのが、友達もいない地味な中学生生活を送っていて、デキのいい兄には無下に扱われ、母の不倫と片思いの相手の援交現場と、上司が不正で捕まって昇進できると大喜びしている父の姿を一日の内に目撃し、生きていることが嫌になって自殺したというありさま。
 でもまぁ、それは別の人格なんだからと、新しい魂は気にせず好きなようにやっているうちに・・・と、要は自分の心の持ちようだし、上辺だけでは人の心はわからない、それに人には人それぞれいいところがあるんだ――というようなお話。
 これもタイトルの「カラフル」の件が素敵です。

 「流れ星に―」は、
 足が遅いのに体育係というだけでリレーの選手に選ばれてしまった桃子が、やる気のない他のみんなをまとめてリレーに勝ち、校長先生に願い事をかなえてもらおうというお話。
 他の作品と違って小学生向けですが、用務員の仙さんとの心の交流やらあって、良い話です。

 「ショート―」は、旅の香りを織り込んだショートショート集。
 たまに真面目な話もありますが、ほとんどはオチノの効いたニヤリとさせられる話が多くて、「冒険王ヤーヤー」「ヒッチハイカーヨーコ」「借り物競争」「ファンタジア」などは、個人的に大ウケ(特に「ファンタジア」は、訴えられるんじゃないの? ってギリギリな感じで)。
 最初、図書館で読んだので、笑いを押し殺すのに必死でした。
 4コマ漫画的にさらりと読めるので、どなたにでもおすすめ。
 個人的には、女王様シリーズがもっと読んでみたいです。

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ぼくたちはシクルギャルズ

偕成社


シュレミールとちいさな潜水艦

講談社

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斉藤洋

 「ぼくたちは―」は、
 マコト、ダイスケ、ツトムたち3人は、冬休みに自転車旅行を計画していたが、ツトムの自転車が盗まれてしまったため、町内の年忘れ芸能大会の3位の商品である自転車をゲットすべく、女装し歌って踊れるシグナルギャルスを結成。
 果たしてシグナルギャルズは自転車を手に入れ、自転車旅行に行くことができるのか? というお話。
 最初は嫌がって、他のみんながエイリアンに見えていたマコトが、徐々に快感(?)を覚えるようになって堕ちていく過程が、読んでて楽しかったです。
 他にも、商売や人間関係、誠実さや勇気になんかについても触れられていて、いいお話になってます。

 「シュレミール―」は、
 攻撃を受けたショックで心が生まれた自立潜水艦アルムフロッサーが、偶然乗り合わせた老猫シュレミールと一緒に軍から逃げ出し、しばらく自由な時を過ごしていたが、逃げているばかりではどうにもらいので・・・というような話。
 猫と潜水艦はお互いのことを思いやっているのに、軍のお偉いさん方は自分たちのことしか考えてなかったり、軍の人間は大真面目にやっているつもりでも、傍から見れば、まったくこっけいなことばかりだというのが皮肉って書いてあるが笑えます。
 ラストもせつなくて いいんでおすすめ。

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イルカの子 ディロの冒険
ホラス・ドブス

辺見栄 訳

寺門孝之 絵

学研

 題名のとおりイルカの子供ディロの母親がディロを生むまでと、ディロが独り立ちするまでを描いたお話。
 作者がイルカの研究者ということで、生態なんかについて詳しく書かれていますが、それだけでなく、イルカの視点や思考などについて独自の世界観で描かれていますので、ディロと一緒に海の中を泳いでいるような気持ちになれます。
 これを読んでると、「エコー・ザ・ドルフィン」を思い出しますね。
 3部作ということですが、日本ではこれしか出ていない様子。 残念。
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ごきけんなすてご
やっかいなおくりもの
にぎやかなおけいこ
ふたりでまいご

徳間書店


おさるのはまべ
おさるのおうさま
おさるがおよぐ
おさるになるひ

講談社

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いとうひろし 文・絵

 「ごきげんな―」は、弟が生まれて両親がちっとも自分をかまってくれないので、もっと自分をかわいがってくれる人に拾ってもらおうと、自ら捨て子になる女の子のお話。
 「やっかいな―」では、他の人に拾ってもらえなかったので、それならば今度は弟を誰かにあげてしまおうと、貰い手を探しまわるお話。
 「にぎやかな―」は、友達の犬の芸を見せられて、弟ならもっと凄いことができるとウソをついてしまったので、一生懸命 弟に芸を仕込もうとするお話。
 絵本のような感じで、絵がとてもかわいく、人間と話せるイヌやネコ、カメが出てくる、楽しくも心温まるお話になってます。
 本編とは関係ない、絵だけのちょっとしたお遊びも楽しかったりします。

 「ふたりで―」は、上のシリーズの直接の続編ではないのかもしれませんが、設定は似た感じで、弟をかわいがる世界一の姉は、世界一の弟を持つべきだと、弟を鍛えるべく千尋の谷に突き落とすつもりで、知らない所に弟を連れていって、そこから独りで家に帰らせようと思ったら、自分も帰り道がわからなくなってしまって・・・というお話。

 「おさる―」シリーズは、
 南の島に住む おさるの子の冒険やちっょとした事件を描いたお話。
 南の島で流れるゆったりとした時間のような感じのお話で、癒されますし、哲学っぽい部分もあるんで、大人も楽しめます。
 もっとシリーズが出ているようなので、全部読んでみたいです。

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