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「ルドルフ―」は、飼いネコだったルドルフが、魚屋に追われて飛び込んだトラックで東京に連れていかれ、そこで出会ったイッパイアッテナから、文字や生き方などを学びながら成長していくお話。 「テーオバルト―」は―― 一方「マックスの―」は、盗賊ギルドの頭領の後継ぎなのに、まるで泥棒の才能のないマックスが、みんながあっと驚くような物を盗んでこなければ帰って来れないという、厳しい修行の旅に旅に出されるお話。 |
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「二分間の冒険」は、喋るクロネコ ダレカに導かれ不思議な世界に迷いこんだ悟が、その世界で出会った、同級生そっくりのかおりとともに生贄を求める竜を倒しに行くというお話。 「放課後の―」は、学校に住みついているという人の言葉を喋り、お話を作るのが好きな学校ネズミが、図画の先生に自分たちの話をしていくというお話で、学校を舞台にした不思議に面白いオムニバス作品です。 「ふしぎの―」も、「放課後―」と同じように学校を舞台にした不思議に面白いオムニバス作品。 「雨宿りは―」は、同じアパートに住む雨森さんは、もしかすると魔法使いなのではないかと、子供たちが雨宿りするすべり台の下で、雨森さんにまつわる不思議な話をしていくお話。 「ようこそ―」は―― 「ムンジャクンジュ―」は、登ると祟りがあるといわれるクロヤマで見つけた、毛虫のような不思議な生き物ムンジャクンジュを、同じアパートに住む克彦と稔と良枝はこっそり育てていたが、やがて手におえなくなって、クラスのみんなに助けを求めて・・・と、子供たちだけで秘密を共有するというワクワク感が面白いお話です。 「びりっかす―」は―― 「選ばなかった―」は―― |
遠い星からきたノーム
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デパートで生まれ育ち、デパートの外に世界なんてないと思いこんでいるノーム(想像上のノームとはまったく関係ない)たちが、デパートが解体される事を知って、反目しあっていた者たちも一致団結してトラックを盗み、みんなで逃げ出す――というようなお話(1巻)なのですが、ノームたちの考え方やなんかがトンチンカンで、デパートの創設者は神で、デパートに張り出されている注意書きや、宣伝文句なんかは神の啓示であると思いこんでたり、章の始めに旧約聖書をパロった引用なんかが出てくるのも楽しいところです。 人間に対する風刺や、なかなか哲学的なところもあっておすすめ。 イメージは違いますが、「ドラゴンランス」のノームたちが好きな人は、とんちんかんなノームという点では一致してますので、読んでみてください。 |
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「穴」は―― 「トイレ―」は、傷付きたくないから友達を作ろうとしないクラスの嫌われ者ブラッドリーが、転校生のジェフやカウンセラーのカーラと出会ったことによって、自分の心の問題を解決していくお話。 |
.月神の統べる森で地の掟・月のまなざし天地のはざま月冠の巫王.たつみや章講談社 |
縄文時代を舞台に、星の神の子として生まれたポイシュマの成長と、月の神を信仰するムラの民と日の神を信仰するクニの民の戦いを描く、純日本縄文ファンタジー小説。 日本のお話だと、どうしても史実なんかを元にして、古代の勢力争いや登場人物がどうこうと、小難しい物が多いのですが、このお話は、縄文の生活様式なんかにはこだわってますが、小難しいところもないですし、時代小説みたいに時代がかった言葉も使われていないので、そういうのが苦手な人でも、純粋なファンタジー小説としてすんなり受け入れられます(ちゃんと剣と魔法のファンタジーっぽくなっているところがミソ)。 物語の方は、ムラとクニの争いが全体的な流れですが、主人公ポイシュマの成長と冒険に主眼が置かれていますので、あまり殺伐とした感じもなくて読みやすく、最初の「月神の―」だけを読むと、ムラの者とヒメカのクニの戦いだけで終るのかと思いきや、物語はおそらく作者も当初予想していなかった方向に広がりを見せ、ラストはとんでもないことになっています。 翡翠色の瞳と一房の白い髪をもつ星神の子ポイシュマ、若く頼もしいムラの長の長アテルイ、アテルイの幼馴染みで白く美しい髪もつ月の神の息子シクイルケ、クニの長の地位が約束されながらも厄介払いの旅に出されたワカヒコ、真の神懸りの力を持つ日の巫女ユツなどなど、主要な登場人物だけでなく脇役も実に魅力的ですし、他にも、 ただ、1巻のあとがきにあった、「日本神話で月の神についてほとんど触れられていないのはなぜなのか、ということを解き明かす」という命題について、ほとんど触れられないまま終ったのは、ちょっと残念でした。 ともあれ、時代劇ではない純然たる日本ファンタジーってのは珍しいですし、自然と、人としての生き方をもう一度見つめ直す意味でも、読んでおいて損はない作品です。 予備知識がなくても楽しめますが、アイヌ民族の風習や神話などについて知っておくと、より楽しめます。 |