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このコラムは1993年から2005年まで手作りチラシ「MYDOやまます酒店です」に書いたものです。その後は左の「ちゅうぶラリン」にて25回にわたり「初心者のための日本酒講座」を連載しました。内容に関しまして正確ではないものもあるかもしれませんが、ご容赦ください。

TITLE リスト

旅館に泊まるのって大変よ
ねつ造・・わかっていても公では沈黙すべき?
いいすぎたよなぁ
みのもんた よ、また君は変だぞ!
ビールよ、どこに行ってしまうのだ?
待望される「熟成酒の時代」
それならそれで、結構!
蝿男
トウハクバカシュ
オレンジより…
税金払いたい!

旅館に泊まるのって大変よ

 

 出張ではビジネスホテルを利用したり、蔵元さんが用意してくれる宿に宿泊するのが常だ。ところが、家族旅行となるとそうは行かない。子供達を連れてくつろげるところでなければならないのはもちろんのこと、ネックはどうしても食事となる。

 先日、城崎温泉に一泊二日で行ってきたのだが・・・。

 私、カニが食べられないんですよ。(最近は食べれないと言う言い方もするようだけど文法的には間違ってると思う、こういうのを「ら抜き言葉」というらしい)城崎温泉と言えば「カニ王国」を名乗るくらいカニ、カニ、カニ!知り合いの蔵元が近くにあれば気の利いた旅館でも紹介してもらうのだけど、今回そんなツテは一切無いし。電話でいちいち聞いて回る時間も無いので、インターネットで検索することにした。
 旅館を調べて、「御食事」をクリック。カニ御膳、カニづくし、カニすきなどばかり目に飛び込んでくる。甲殻類が食べられない人は来ないでくれと言わんばかりに。(因みに私は、エビは大丈夫だし、カニも身さえ食べなければ問題ないのだが)確かに、カニの産地以外の人にとっては城崎と言えば温泉&カニなんだろうけど、鳥取の人間にしてみればカニも温泉も珍しくも何とも無い。当地での忘年会シーズンなんて私にとっちゃあ地獄ですよ。
 そこまで言うんだったら何も城崎にしなくてもと・・・、とお思いでしょうが、家族の多数決で決まったのだからしょうがない。

 で、調べた中で唯一、「カニが食べられない人は但馬牛のお料理もあります」という旅館があった。そうだよね、この位書いてくれてもいいよね。カニ以外にも食べるものあるんだからさぁ。ったく、不親切な旅館が多いことか!

 食事は何とかクリアできた。だが、家族でゆっくり過ごすのに、夜、自分ひとりだけ飲みに行くわけにもいかないから、食中酒を何とかしなければ。

 温泉旅館は地元もそうだけど、酒に気を使ってるところがほとんどないと思いません?安酒(なんと一升で800円しない酒をつかうところもあるそうな)のチンチンの燗がでるところの何と多いことか!今回は酒屋であることを明らかにして、その旅館で出される酒の銘柄を聞いてみた。
 長春秋という地元のお酒らしい。普通酒だと言っていた.純米酒がお料理に一番合うと思っている私にとっては実に情けない返事であった。そこで、普段から蔵元に電話することに慣れている私は、長春秋に尋ねてみた。「純米酒はないのですか」の問いに対して「生の300mlのものはありますが、純米大吟醸も切らしておりますし、現在はありません」との答え。今時そんな蔵があったのか?と我が耳を疑ったよ。だめじゃん。
 それならばと、城崎とは少しはなれているけれど去年の「ここに美酒あり選考会」で入賞した朝来郡の田治米(たじめ)に電話。何でも特別純米にあたる「黒松 竹泉」という銘柄があるらしい。城崎での取り扱いの酒屋さんまで聞いて、旅館に連絡。すると、どうだ今度は旅館がその酒屋さんと取引がありませんから云々と言い出した。えーい、何でもいいから用意してくれ!純米だぞ、純米。
 取引先の酒屋さんで何とか取り寄せるとの返事をもらって一安心。

 ところが、ところがだよ。宿に着いてみると「黒松 竹泉」が鎮座していたが、何と上撰だ。蔵元がいいかげんな情報を流したのか、旅館がわかっていなかったのか、今となってはどうでもよい事だが、純米って言葉が城崎では通用しないようだ。何飲んでるのかな?ここの人達は。
 用意してくれた「黒松 竹泉」はキャンセルして、宿の女将らしき人にこの辺りで気のきいた酒屋さんを尋ねてみた。すぐ近くに色々な酒をそろえている酒屋さんがあると聞き、そこで自分で選んで買うことにして出かけてみた。
 色々な酒があるの言葉を頼りに出かけた私は再び我が目を疑ってしまった。店内には15種類位かな、日本酒がありましたよ。そのうち6種類くらいは店頭在庫が1本ずつ、松竹梅やら月桂冠も数の内。いったい城崎の人は何を飲んでいるのかな?宿泊客は何を飲まされているのかな?
 中に田治米の純米吟醸城崎温泉バージョンがあったので、手にとる。普段なら店の人にどんなお酒なのか聞くところだが、絶対わかる訳がない、絶対飲んでない、こいつらはと思いお金だけ払って会話をしないで帰った。名誉のために付け加えておくが、田治米の純米吟醸はそんなに悪い酒じゃなかったよ。

 しかしさ、出かけたのはあの大雪の1月14日、15日だよ。あんなに苦労して命懸けで雪道走って行ったのに、料金以外は大した事無かったな。

 皆さんはここまでして食中酒にこだわりますか?(何?提げていく?それじゃあせっかく旅行に行った意味が無いじゃない)こだわっていかないと、何時までも現状のままですよ。 

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ねつ造・・わかっていても公では沈黙すべき?

 藤村新一さん、たった一日で業界だけでなく、日本全国に有名になってしまった小心者のうそつき。宮城県上高森遺跡の発掘調査団長の彼は、発掘現場に自分で石器を埋めておいて、国内最古の石器を発見したかのように自作自演して、日本国中をはじめ全世界をも騒がした男である。なんでも彼は他の人では見つけることが出来なかった遺跡から次々と前旧石器時代の石器を掘り当て、「神の手」と呼ばれていたらしい。高校の教科書の記述にまで影響を与えていたことを考えると、自ら小心者といっているわりには随分なことをしでかしたものだと思う。

 歴史的事実などは文章として残り、更にこのような大発見となれば、メディアによって報道される。それだけに、彼は業界人として生き残ることは不可能だろうし、ともすれば宮城県、いや東北地方では暮らしてゆけないかもしれない。

 こんな大それたねつ造では無いにしても、日本酒業界にもねつ造は存在する。しかしこの場合、その酒は消費されてなくなってしまうものだから証拠が残らない。たいした噂にもならない。究極の逃げ道は、「嗜好品だから」個人によって感じ方が違うと言えばそれまでとなってしまう。

 平成12年秋、とある場所にて日本酒のきき酒をした。その酒は「特別純米酒」とあった。酒名はもちろんのこと使用米や精米歩合も明記してある市販酒(一般に酒屋さんで売られている酒ということ)である。しかし、その中身はどうみても、もっとグレードの高い酒が混入されているとしか思えなかった。使用米や精米歩合などから考えてそんな味わいや香りになるわけがなかった。ここまでだけ聞けば、「中身のわりに低価格で販売する良心的な蔵元の酒」と思われることでしょう。ところが、このきき酒は審査のためのきき酒だったのです。(こんなこと書くと関係者から絶対にクレームがつくよな)つまり、おそらく蔵元はこの価格帯のお酒を入賞させて「当社の特別純米酒は入賞するほど素晴らしいのですが、皆様にはお手ごろ価格で販売しています」なんて宣伝文句で売ろうと思っているに違いない。そんなことしなくてもこの結果が発表されれば、入賞したその他の酒が純米大吟醸であることから、日本酒に多少なりとも詳しい人間なら(これが曲者?)そんな風に勘違いしてしまう。

 当日、その酒を飲んだ人は極限られた人数だから、そのほんの一握りの人間がねつ造された酒質のことに気がつこうと、蔵元がシラを切ればそれまでということになる。その酒は消費されてもうないのだから、真実を証明することができない。沈黙するしかない。

 何かの機会にその酒に出会い「何でこの酒が入賞したの?」と疑問を持つ方もあろうかと思うが、審査はブラインドで行なわれる為、そうした疑惑は審査が終わってから浮上するものなのだ。・・・言い訳がましいな・・・。

 こんな小さな?ねつ造もあるかと思えば、もっと大掛かりにメディアを利用したものもある。

 雑誌などで、数ページにわたり「いま、こんな酒が旨い!」とか「銘酒居酒屋の選ぶ酒」などの記事を見かけることが度々ある。出版社側はお金儲けだけを考えるから、よい酒を造っていようがそうでなかろうが「広告費」を出してくれる蔵元の酒はなんでもかんでも誉めている。

 この場合、広告ではない他のまっとうな記事などで、ある年突然有名になったような蔵元の浮かれた心理をついてくることが多いようだ。(おしなべて、田舎に存在する蔵元達は人がいいのだ・・・酒が良いとはいっていない)その年たまたま出来のよかった酒で、または世間が酒質の良し悪しにかかわらずその手のものを欲しがる状況にあっただけであるにもかかわらず、彼らは天下を取ったと勘違いするものなのだ。
・・・しょうがないけどね、つけこまれるのよ、この手合いは。

 フルカラーで同じようなレイアウトの(雑誌が違っても出版社が同じ場合によくある)場合など要注意だ。流行のねつ造が、流行に変わったりするから恐ろしい。アパレル業界では、当然のことのようだけどさ。

インターネットで話題にのぼる酒もある程度疑問視してみたほうがよいと思われる。MLなど、本当の事を言うとすぐに愛好者の会だから、他の人間が気分を害すことはネチケット違反として締め出されてしまう。偽情報に踊らされているのを黙って見るしかないこともある。

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いいすぎたよなぁ

 オリンピックの日韓戦の直後、森首相と韓国大統領の会談で、森首相が「勝っていたら申し訳なかった」と言うような事を言ったとか言わないとか…。親類縁者の方々には申し訳ないが、どう贔屓目に見てもおバカさんの域を出ないだろう。

 そんな経緯があってかどうか、韓国製の妙な飲物が輸入されている。その名は「C1シーワン」、いかにも眉唾な感じがする。焼酎甲類でありながら「オリゴ糖・はちみつ・アスパラギン」配合だそうだ。確かに酒税法の中に焼酎甲類に対する糖類添加の条項はあったと思うがごく微量の添加が許されるのみだったはずである。ところが飲んでみると(飲まなきゃいいのに、飲んでみないと気が済まない)「?」、甘
さはすだち酎の如く、ひつこさはオリゴ糖そのもの。こりゃリキュールだぜ!製造元のホームページを拝見すると、「これは、うけるにちがいない」「これは旨い」だの「韓国料理にぴったり」だの、酒屋や料飲店が絶賛している。あんた達さぁ、そりゃ売りたいのはわかるけど、大袈裟じゃぁない?まさか、森さんが「少々の違法は目をつぶるからどんどん輸出して下さい」なんて言ってないだろうな。

 こんな国際的な言い過ぎではないにしろ、最近「言い過ぎだったかな」って思うところあり。

 「良い(特定名称の)日本酒は、冷蔵保存して下さい」

 これが、度が過ぎたかなぁってこのごろ思うんです。業界全体としてもね。そりゃね、もちろん冷蔵保存は大事ですよ。でも、それは春から夏の間に長期間保存する必要のある時とか、蔵元がある目標を持って熟成させる手段に使う時などや酒が生や生詰めの時、に限られてくるのじゃないだろうかね。酒屋が家は管理が良いですよって、何でもかんでも冷蔵庫に入れちまったから(人のこと言えないか・・。)お客さんが一歩引いちゃってる様な気がする。家にはあんな一升瓶が入る冷蔵庫なんてないし・・。ってね。

 ビールでさえ、変に頭固い人いるもん。「冷蔵庫に入ってるビールは常温にもどして又冷やしてはいけない、味が落ちる」なんて。いいの!5、6回やったってなんともありません。特に日本のビールみたいにめいっぱいろ過かけてあればそのくらいで変成する成分なんて残ってないです。

 日本酒収集マニアで飲まないのに長く保存しておきたいとか、ちょっとだけ味見しては次のお酒に取りかかり結果的に一本飲むのに長期間かかる場合は、冷蔵庫があると安心だよね。酒屋だってね、入荷してすぐに売り切れる日本酒(その時点で、それ以上の熟成を要しない)なら冷蔵庫など置きませんよ。

 秋風が吹くこの季節、生や生詰めじゃない限り(生詰めでも大丈夫なものあり)、特定名称酒を冷蔵庫から開放してやりませんか。どの道、日本酒好きのあなたには味が変になるまで放っとけるわけありません。ただし、これが言えるのは当店の酒に限定しておいた方が良いかもしれません。酒
自体に力のない酒はやはり劣化速度が速いですから。

 そうそう、もう一つ。冷蔵庫に入ってるからって、熱(燗)に弱いわけじゃありませんよ。前述のビールとは理由が全く違いますが、温めてやっても美味しく飲めますし、温まったものが冷めても(燗冷まし)美味しいですよ。燗冷ましが飲めないような純米酒(あえて限定します)は、所詮大した事ないと思って頂いてよろしい。お燗するから普通酒を買うなんてバカはお止め下さい。

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みのもんた よ、また君は変だぞ!

 ようやく「100号」を迎えるこのチラシ。「ちょいと一杯」はまだまだ100号には程遠いが、このタイトルになる前は「酒雑記(しゅぞうき)」としてたまに紙面に登場していた。タイトルとしては酒雑記の方が洒落てると思うんだけどね。イメージが堅かったのかしら、あまり反響が無かったので「ちょいと一杯」にタイトル変更した。このコラムは、何度か書いたが店主の怒りや疑問が業界人、消費者、メディアに対して爆発した時に書いてきた。しかし、回を重ねる毎に(年を取って子供の人数が増える毎に)怒りが出尽くしたり、ちょっとの事では怒りにならなかったりしてきている。人間が丸くなってきたのかしら…?そんな中、「愛の貧乏脱出大作戦」を見て、おかしなことを言ってるみのもんたがどうも鼻についた。みのもんたと言えば、昼間の似非教養番組で、いつも、さも自分が発見したかのように偉そうにしゃべっている、以前にもこのコラムの赤ワイン特集でとりあげた程の御人だ。

 貧乏人の修行の場は私の知り合いでもある「奥久慈軍鶏」の焼き鳥屋さん、東京の阿佐ヶ谷の「バードランド」であった。修行の様子はオンエアーを見た方もいらっしゃると思うが、あの料理に対して厳しい店主の和田さんを知っている者にとっては、「あれれ??」と言う感がしてならなかった。実際に食べに行けばよくわかるのだが、営業中は常にお客さんの食べるペースに目を配り、飲物、鶏のタイミングを計っている彼は、お客さんのどの皿があいているか数人いるスタッフの誰よりも把握している。そんな気配りの中で串を焼いているのだ。しかも達人と言われるくらいの焼き加減で。

 肉を串に刺すのはオーダーを受けた後、目の前でやっているので(多分意味がある事なのでしょう、予め刺していないのは)焼きと気配りと会話で忙しい彼はおおよそ、刺す作業は他の者にやらせている。連日超満員なのだからいたしかたなかろう。だが、そんなに毎日串を刺す作業をしているスタッフにさえ何度もダメ出しをしているのがわかる。その都度、ここはこうしなさいと教えている。

 さて、修行に来た「貧乏人」を見つめる和田さんの目は「呆れ返って」いた。知り合いならわかるものだ。串に刺す作業もそこそこに焼きの修行なんて通常あの店では考えられない。焼き具合や素材に対する愛情も、評価するなら20点位しか与えていなかったはずだ。目が「もうどうしようも無い、帰ってくれ!」と訴えていた。番組が買い取るとは言え愛情を持っている材料をあんなに無駄にされた彼の心中はいかばかりの物だったか。番組じゃなかったら、少し訛って「だめだよぉ、おじさん。悪いけど帰ってよ。ねっ、邪魔だから出ていって」って言っていたに違いない。教えて何とかなる人かどうかわかるでしょう普通。

 にもかかわらずだ!番組ではいかにもその「貧乏人」が技を習得したかのように取り上げ、みの氏は貧乏人の作った焼き鳥を完成品の如く誉めちぎったのだ。

 みのもんたよ、貴方を信じる少しばかりおつむの働きの悪い主婦達を騙すのはいいかげんにしなさい。本当に旨いと思ったとしたら、貴方は味盲ですよ、きっと。

 さらに、彼はこう言ってのけた。「こんなに旨い焼き鳥を食べると、冷やでいいから酒がほしくなるね」。まったく、和田さんに聞かせてやりたいよ。彼の店は料理に合うようにちゃんと日本酒(純米酒しかない)の温度を考えてサービスすることでも一流なのだから。和田さんの店や考えを全く理解していないのでは司会者として失格であろう。我慢に我慢を重ねて、半ば諦めながらも修行に付き合った彼がうかばれないよ。

 ゲストの小林幸子にも言っておきたい。…伝わるわけないけどね。…

 「しかし、達人はひとの良さそうな人ですね。タレに醤油とバルサミコを使うなんて教えちゃっていいんですかね」と彼女は言ったが、醤油だって私の知ってる限り3種類以上は使っているし、バルサミコだって世界に1種類しかないって訳じゃないのだ。ブレンド比率だって微妙なんだし。料理の世界はあんたの衣裳と違って奥が深いっつうの!

 達人の店で使っていた「奥久慈軍鶏」をあの貧乏人の店で使う事が許されたのだろうか?番組ではいつもと違ってそこの所がはっきりしなかったが、おそらく、和田さんは彼にあの素材を使う事を許してはいないだろう。

 今回は、和田さんと親しい友人の証言を元に書いたが、今度私自身も聞いてみることにする。


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ビールよ、どこに行ってしまうのだ?

 今年の春は、ビールメーカー各社が「モルト100%ビール」をこぞって発売した。

 アサヒは「スーパーモルト」、キリンは「素材厳選」、サッポロは「グランドビア」、サントリーは「モルツのリニューアル」。かたやビールの出来損ないのような発泡酒を販売し、もう一方では本物志向。消費者ニーズに合わせて色々とやってくれているのは理解できるが、小売業の視点で考えた場合、手打ちそば屋でインスタントカップそばを併売しているのとさして変わりない。

 なかでも、気になるのがアサヒビールの発想である。せっかくモルト100%ビール(酒屋からすれば待望のアサヒのモルト100%ビールである!)を造りながら、酵母がスーパードライと同じではモルトの深い味わいが出ないじゃないか。これならばスーパードライをリニューアルして、缶デザインなどはそのままで原料をモルト100%にすればよかったのに…。日本酒は平成4年に級別廃止になった時、上撰クラスが「糖無し」に変えた時のように、中身を変えて基本的には外観を変えなかった。結果、そのクラスの酒を飲む人を上手に半歩上のクラスに導いた様に思う。サッポロの場合は、エビスというモルトの味わいを大切にする既存商品があって、その上でのグランドビア(かつてあった「キリンモルトドライ」とコンセプトは同じじゃないか??)なのだから許すかな…?。

 そもそも、日本のビール会社は本物のビールを造った事があるのだろうか?基本がない派生商品ばかり造って目先を変える事ばかりに血眼になっている。現在、大方の日本酒メーカーのが辿ってきた道程だ。やれ、香りだの水のようだの、わけのわからないバイオ酵母だの、挙げ句の果てにはファイバーインだの、その結果はどうだ?淡麗辛口の酒は真の日本酒再興の担い手となったか?衰退の一途ではないか!仮にも大学を卒業したエリート集団がその状態の分析ができないのだろうか。

 アルコール飲料が今後最重点で考えなければならないのは、「あくまで脇役に徹する」ことである。料理屋では味を引き立てる脇役、クラブやスナックではおねぇちゃんをきれいに見せる脇役、会合では話が円滑に進む為の脇役に徹する事だ。中でも重要なのが食事を引き立てる役割だと思う。日本のビールは基本的にこの引き立て役を全く果たしていない。「焼き肉の時のビールは最高じゃないか」とおっしゃる方の意見も十分理解できるが、食と飲料の関係には3つのタイプに分かれる事をご存知か?

一つは、反発。全く合わない、むしろあわせる事によって嫌味が発生する。

一つは、並行。邪魔はしないが、新たな味わいは生まれない。

一つは、調和。あわせる事で新たな味わいを創出する。

 このなかで、日本のビールは「並行」の部類に入る。苦味と炭酸ガスで味わいをきれいに洗い流す作用を持つ。しかし、新たな味わいは創出されない。口の中で箒の役割を果たすだけ。

 時代はドライの方向に確実に進んでいると某ビールメーカーは考えているようだ。確かに時代はそう流れているかもしれない。しかし、その流れは日本人が世界に誇る事のできる繊細な味わいを飲み込んでしまう。時流に乗る事だけを考えていては、本筋を見失う事になりかねない。また、そんな時流を煽ってはならない。飛躍しすぎかもしれないが、そんな考えが発展途上国といわれる国の森林伐採を止められないでいるのではないだろうか。本当に人間の為には、本当の日本人の持つ能力を守るにはなど、考える必要があろう。

 日本酒の場合はどうだ?ビールと同じような物がアルコール添加酒である。ビールと違うのは箒ではなく、口の中を玉の様に転がっていくことである。

 ビジュアル的に説明しよう。

 食べ物にはたくさんの味の突起物があると想像して欲しい。その突起物に酒の突起物が歯車のようにかみ合った時、「味の調和」が生まれる。
味の突起物のある食べ物が口に入る、そこに球形(味の突起物がなく、酒だけ飲むと非常に滑らかに感じる)のアルコール添加酒が流し込まれても全くかみ合う部分がない。一方、純米酒は、数はそれぞれ違いはあるにしても必ず突起物がある。どこかで必ずかみ合う部分が発生する。たまにはその結果「反発」という事態も引き起こすが…、しかし、どこかで調和の部分が発生する。
 日本酒を食事と考え合せた場合、おのずとその本流である「純米酒」に焦点は絞られる。同様にビールはしっかりした味わいのある「決してドライタイプではない」モルト100%のビールに到達すべきではないか。時流は必ずしも正しい方向に向っているとは限らない。金儲け主義や出荷数ではなく、本流に立ち返る事も必要ではないだろうか。そんなビールメーカーがあってもいいじゃないか。
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待望される「熟成酒の時代」

 サリチル酸って聞いた事ありますか?日本酒に昭和44年くらいまで使われていた防腐剤の事です。これは、殺菌処理が不十分なお酒が「火落ち菌」によって腐敗するのを防ぐ為に使用されていました。ものの本によりますと、実はWHOの勧告として昭和36年には飲食物への使用は禁止されていたのですが、火落ち菌対する十分な研究と指導がなされていなかった為に、昭和44年のチクロ騒ぎの時マスコミがサリチル酸も取り上げるまで、禁止に向けて本腰をあげなかったようです。そんな中でも一部の蔵では「防腐剤ナシ」のレッテルを貼って随分前から殺菌処理、冷蔵保存に取り組んでいました。当店にある「竹鶴」もそんな研究熱心な蔵の一つです。

 防腐剤を使用しないでも殺菌処理をしっかりしているから日本酒の劣化は無くなったのでしょうか?極希な場合を除いて「火落ち菌」による「品質」劣化はなくなりました。あったにしても、その殆どは小売店の管理の悪さから来るものです。しかし、酒質そのものが脆弱で長期保存に耐えられない場合もあります。新酒の時に非常に滑らかで味わいも十分に出切っている酒は寿命が短い事を物語っています。このようなお酒を置いておきますと、香りや味のバランスは崩れ、夏を越す頃には原形をとどめなくなります。

 一方、「味わい」について言えば、答えは「考え方次第」です。

 一つの事例としてあげられるのが、ご丁寧にも賞味期限付きの新潟酒。おおよそ新潟酒は「賞味期限3ヶ月」と明記されています。これをどう見るか。

考え方その一.

 市場に出たその時の味わいをギリギリの状態と考えるならば、その通りかも知れません。
 特に、有名銘柄またはそれに似通った名前で売り出している銘柄などまともなルートを辿らないで店頭に並ぶ事がよくあります。蔵元から出荷された酒が取扱店に行き、その取扱店が横流ししてブローカーに渡り、その後幾つものブローカーが中間搾取しながら最終的にディスカウントなどの量販店に売りさばきます。その間の「品質管理」などは一切ありませんから、店頭に並んだ酒は限界状態で悲鳴を上げています。

考え方その二.

 市場に出た時が最高の状態と考える場合。
 もともと端正では無い酒に厚化粧を施して見た目をよくするために使われる「炭素ろ過」により、熟成に関与する成分まで取り去ってしまっている場合。こういう酒は注意書きにあるように「冷暗所で保存」していますと一向に変化してきません。「それ以上置いても意味がありませんよ」という事です。

 マイナス方向の事ばかり並べましたが、本当のことを言えば「味わいの劣化」など一時的なものだと考えています。確かにどんなに良い条件で製造され、保管された日本酒でもある年月の間は(酒によって違う)確実に不快な味わいへ向っていきます。ところがある日突然、熟成酒として目覚めるのです。(長期熟成研究会ではこれを解脱という)元の酒とは見た目や風味も異なりますが、これまでバランスを崩していた香味が一体化して別物に華麗なる変身を遂げるのです。そんな熟成酒がやっと日の目を見ようとしています。先般行なわれていた「FOODEX JAPAN」(国際的な食品と飲料の見本市・千葉幕張にて)では、長期熟成酒のブースにかなりの人だかりができていました。そこには見学者だけでなく他の日本酒出店者も数多く見られました。鳥取県では三朝正宗の藤井酒造さんが多数出品されていました。

 ワインはその熟成が当たり前のように捉えられています。日本酒も同じ「醸造酒」であることを再認識して頂きたいと思います。長期熟成酒に限らず、日本酒が1年や2年で飲めなくなるなどということは思い込みにすぎません。私の好きなお店など平気で5年も前の酒を提供します。管理も飲用温度も位非常に良い状態で。


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それならそれで、結構!

 もう3年ぐらい前の話になるだろうか。
 とある小料理屋にいった時の事。出てきたお酒は私のよく知っている蔵の物でした。お燗をつけてもらって頂いたのですが、なんともまずい、痩せこけた(旨味がない)酒でした。夜遅かったにもかかわらず、あまりのショックにその場で蔵元へ苦情の電話を入れた事がありました。夜分に電話した私も確かに失礼極まりなかった事と反省はしております。が、しかし、その応対といったら「ウチは確かな物を造っております」の一点張りでした。せめて、店名を聞き帳合をしらべて確認しますぐらいのことが言えないのだろうかと思ったものでした。
 話は、さらにさかのぼります。
 とある雑誌のセミナーで熱海に行きました。何か勉強になる事があるかもしれない、少々費用がかかるが、損はないだろうと思ってでかけました。つきなみな講演(酒屋さんの成功例のようなものでした)の後、懇親会、そして各部屋に別れての二次会がありました。なぜか私の部屋には、編集長(早々に引き上げましたが)、漫画家の高瀬斉、新潟の蔵元、山形の蔵元とその会の中心的なメンバーが揃っていました。話は当然日本酒の話となりました。丁度その頃、現在でも続けて出荷している槽汲み酒とは別の蔵の槽汲みを扱ったところでした。そのお酒があまりにも(熟成が)すすみ過ぎで、それ以後の熟成を止める必要がありました。当店では販売と同時に、火入れの方法も添付してお客様に販売をした事をその席で話したのです。すると、山形の蔵元(当時はその蔵元の酒も若干ながら扱っていました)は次のように放言したのでした。

 「小売店ごときに造りの事にまで首を突っ込まれたくない。ましてや出来上がった酒に手を加えるなどもってのほかだ!」…と。

 お客様にとって不利益にならないように、配慮した事が、この蔵元にとっては気に入らない事だったようです。後日談ですが、前述の槽汲みは火入れをしても一週間で古酒化していました。生のままなだとしたら、そうとう味が進みすぎたものになっていた事でしょう。

 こんな昔の話はさて置き。
 最初に紹介した蔵元がまたやってくれました。つい先日の事です。ルートセールスの人が「今度、○○しぼり というお酒を出します」という事でチラシを置いて帰ったそうです。留守をしていましたから、不明瞭な点を蔵元に聞いてみる事にしました。
 私 「お届けは流通業者から直接お客様へ…云々。酒販店様には午後4時までにお届けします。」これを見て、蔵から直送される分と酒屋が届ける分とがあるのかな?と思うのは当然ではないでしょうか。それなのに、送料に関しては一切記述がないのです。これに対して

 蔵元「流通業者とは酒屋さんの事です。」

 ナヌッ!?って思いましたよ。この蔵元は酒屋を流通業者つまり単なる配達人としか思っていなかったわけです。
 私「今日は1月○日だから、留添後○日位ですね。2月の○日位でしたら、醪の状態でも酒質が想像つきますからその頃に味見させてもらえませんか?」これは至極当然、私にとっては当たり前の申し入れです。搾りたてを予約出荷するのですから、製品になってからきき酒するのでは遅いのです。おまけにその蔵のお酒に少なからず…いや、ものすごく疑問を持っている者としては、胸を張ってお客様におすすめするにはその方法をとるしかないと思いませんか?企画が面白いからといって「美味しさに疑問の残る酒」の注文を取るわけにはいきません。

 蔵元「ウチは造りに関しては杜氏に任せております。杜氏のプライドもあります。仮に醪をみたとして、美味しくないからいらないと言われても困ります。」

 再びナヌッ!!でございます。酒屋は味を見る義務があると思っています。美味しいという言葉には確かな人体実験の結果が必要だと思っています。この蔵元の言葉の裏に見える「小売店ごときに、なにがわかる」の考え方に大ショックでした。
 確かに多くの酒屋が、単なる配達人である事は認めますが、酒屋、いやいや消費者までも馬鹿にしたこの態度は許せません。

 蔵元「お客様には色々な好みの方がいらっしゃいますから…。当方も何年間も小売りや蔵見学で経験していますから、良く分かっております。」

 でました、でました!不味いもなにもかも覆い隠す伝家の宝刀「好み」です。おまけに言わせて頂ければ、蔵元さんより小売業界は私の方が経験が長いのです。なにも、こんな苦情のような会話ばかりをした訳ではありません。ガスを含むお酒の場合のキャップの注意点や、発送の注意点も進言したのにね。聞く耳持たないんですよ。ったく。

 何か、昨年世間を騒がしたインターネットの「東芝問題」みたいになってしまいましたが、2000年を迎えますます日本酒業界が苦難の道に突入しようとしている今、こういう考えの蔵元は邪魔でしようがありません。もう結構、そんな蔵元いりません!

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蝿男

 何年か前…もう十年以上も前だろうか。ちょっと流行った映画に「THE FLY」という題名の作品があった。なにかの実験中(記憶が定かでない)人間と蝿が融合してしまうというB級作品だった。

 ここでの話は、蝿と人間が融合するのではなく、人間が蝿並みになるというお話。

 先日(10月24日)、岩手県一関市において「第11回ここに美酒あり選考会」が開催された。この会の事は第7回(平成7年)、開催地がここ倉吉の頃からずっと報告しているのでご存知だとは思うが…??
 春の新酒鑑評会に対して、「日本酒は本来、秋上がりした酒を味わうものである」という観点から、もっといえば、新酒のうち(春先)には「飲みやすい酒」だが秋以降になるとすっかり味や香りに変調をきたして飲めなくなるものがあまりに多いという現状を打破するために、技術のための鑑評会ではなく飲み手のための審査会を開催しようというのがこの会の主旨である。
 この度は、残念な事に比較的少なめ(93蔵)の出品であったが、審査員としては実に気が楽であった。「気が楽」ついでに今回は全くの「自分の尺度」で審査する事ができた。総出品数が120点以上になってくると、心の余裕のようなものが無く、単に良いものを選んでいく作業になってしまいがちで、「これは本当に飲んで旨いのか?」というところまで突っ込んで考える時間が無いのである。今回の審査では「晩酌として何杯も杯を重ねる事が出来るかどうか」という一点に終始した。何が違うかと言えば、非常に値段の高い「純米大吟醸」(味が濃く、香りが高すぎて燗酒には良いが飲み続けられないものがある)などを、造りとしては非常に素晴らしいのはわかっていて、バッサバッサと切り捨てていくことにしたのである。もちろん、その酒が高いか安いか、純米大吟醸であるか無いか、何てことは審査員には知らされないが、そのくらいはわからないと審査員にはなれない。…たまに誤魔化されるが。私一人で審査するわけではないから、私が落としても他の審査員が拾えばその酒は入賞する。ここが、複数の審査員がいる良い所である。因みに、今回は11人の審査員がいたので、「十人十色」プラス1ってとこかな。
 審査結果は、別記した通りである。

 選考会が終わり、今回は残念ながら入賞しなかった蔵元 萩野酒造(宮城県 代表銘柄 萩の鶴)におじゃました。
 2種類の純米のきき酒後、蔵元がおもむろに「これ飲んでけろ」とラベルも何も無い一升瓶を差し出した。

 「なんか、もう一つ冴えがありませんね」「山田錦で造った高級な酒でしょうけど」と答えると、同じような瓶でもう一本出てきた。「これはどうかな」と蔵元。

 「こいつは、さっきのに比べて数段良い出来栄えですね」と率直に答えると、蔵元は我が意を得たりとばかりに「そうだろ、どちらも同じタンクの山田の35(山田錦 精米歩合35%)だけんど、後に出した酒の方が出品酒だぁ」と、種明かしをしてくれた。

 「この酒さ、どちらだそうか迷ってたらなぁ、こっちの酒さショウジョウバエたかったのさ」「うちの蔵じゃ、必ず良い酒にはショウジョウバエがよってくる」…。

 へっ??ショウジョウバエ??

 そういえば、当店のレジの横にある試飲用ディスペンサーにも確かにショウジョウバエが寄ってくる!しかも、私が旨いと思う方により多く近寄ってくる。という事は…私のきき酒能力は「蝿並み」なの?これって喜んで良い事なの?
 こいつが、100%正しければ、第12回ここに美酒あり選考会には、私の代りにショウジョウバエが白衣を着て参加すればいいって事か。宅急便で代表蝿を送り込んで審査員をやってもらおう!
 はて、待てよ。それまでに、ショウジョウバエに毛筆の勉強させなきゃ。選考会の賞状の宛名書は私の仕事なのだ。ショウジョウバエだけに「賞状」ってか?


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トウハクバカシュ

 地ビールブームは何処へ行ったのか?確かに今でも全国に地ビールは存在するが、その殆どが売れなくて困っている。県外出荷はしないといっていた醸造所も、県内での消費量が少なく、六〇klという生産量を保つためにどんどん県外に出荷している。(六十kl未満になると製造免許が無くなる)

 確かに個性的なビールたちではあるが、その個性さえもヨーロッパのビールの真似事である場合が多く、おまけにそうした元祖的存在の輸入ビールの方が安く購入できる。

 地元との密接なつながりも失い、世界的に見れば個性もないこのビール達に将来はあるのだろうか?

 閑話休題、ちと、古い話になるがこの夏の当店のギフト商品に地ビールがあったのはご存知か?カタログを配布しはじめてすぐに「お止めなさい」と忠告を受けた。「なぜあなたの店のように品質にこだわる店がこんなビールを推奨するのか。信用問題になり兼ねませんよ」と。実は迷った挙げ句であっただけに、痛い指摘だった。出荷毎の味のばらつきは百歩譲って許したにしても、「開栓したが泡が出なかった」等ということもある。また、製造元以外の責任として卸段階での品質管理が不十分という事もその理由の一つだ。

 更に問題なのは、製造元の売ろうという意識の欠如である。造れば売れるといまだに幻想を抱いているのか?と思われる節がある。顕著な例が送料の問題だ。産地直送品などは「送料一律○○円」「全国何処へでも送ります。送料込で○○円」等が普通だが、当店の扱った地ビールは皆さんが宅配便取扱店に持ち込んだ金額と全く一緒。(ご丁寧に箱の大きさでぐんと高くなる)当店でさえ、運送会社と契約して少しでも安くなるようにしているのに、「なぜ契約しないのですか」と問えば「そのような考えはございません」とだけ。

 どうやら、最近になって「ギフトカード」とやらで送料一律は実現したようだが、金額的には馬鹿に高い。

 建設にかかる費用の大半を補助金で賄った会社が、顧客のために、地元のイメージアップのためにサービスするのは半ば義務だ。

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オレンジより…

 「オレンジよりオレンジ味、ファンタオレンジ」そんな馬鹿なことがあるかいな!オレンジ本来の味よりも造った味が本物だと言い切ってしまう恐ろしい世の中である。合成した味わいが本来の味わいにとってかわる現象はなにもジュースに限ったことではあるまい。食材にしても本来の味が消えていっている。辛くない大根、苦くないきゅうり、やたらと水っぽいトマト、等など。

 当店では、食材ではありませんが、本物の・・・いや本来の味の調味料を揃えていきます。そのアイテム数は少ないとは思うが、「酒の味がわかる味覚を保護する」ために拡売に務めてまいります。

税金払いたい!

 確定申告も終わり気ぜわしい日々から開放された方も多いことでしょう。いろいろと節税対策(脱税はいけませんぞ!)に頭を悩ませたことと思います。
 しかし、ホッとして乾杯なんてことをすればせっかく節税したのに、またその場で税金を支払っているのと同じです。なぜなら、皆さんご存知の通り、酒類全般には酒税がかかっています。おまけに消費税までかかって、税金の二重取りになっているからです。

 ちょっとまって!!だからといって、「じゃあ、酒飲むの止めた」なんて言わないで下さいよ。まさか酒屋の私がそんな事勧めるわけないじゃないですか。単純ですが酒を飲むにも節税対策があるってことですよ。もうお気づきの方もいらっしゃるでしょうが…、えっ?ディスカウントストアで買ってもだめですよ、安いからって言っても税金は同じだけかかっていますからね。方法はいたって単純明快!ビールを飲むのを止めることですな。ビールの課税率はは1kl当たり22万2千円ですから350缶1本で約81.6円、普通の値段229円で計算すれば実に35.6%もの酒税(消費税込)がかかっています。(どうでもいいけど、小売値段が安くなればその価格に対する税率はあがることになりますわなぁ)以下にそれぞれの酒にかかっている酒税を記述してみます。(1kl当たり)

日本酒(普通出回っている度数で)14万5百円
焼酎
 甲類(樹氷など) 24万8千円
 本格焼酎(芋、麦など) 19万9千4百円

ワイン 5万6千5百円
ウイスキーなど 40万9000円
発泡酒 10万5千円
焼酎・ウイスキー・日本酒等度数が高いものは比例して税金も高くなります。

 見ていただいてわかるように、最良の納税パターンはビールで乾杯、チューハイでつないで、最後はおねぇちゃん相手にウイスキーを飲む!ついでに、たばこもプカプカやるのがいいでしょう。これであたも優良納税者になれます。所得番付けには載りませんが、自己満足してください。対して最悪?の納税パターンはまずは、ワインで乾杯、つまみにあわせて日本酒をたしなんで最後は本格焼酎の湯割りでしめる、なんてところでしょうか。一見、優雅な食事風景ですが酒税に対する節税対策としてはかなりの節約になっています。
 ただね、後者の場合「勘違い料理屋」で飲みますとそれぞれをえらく高い値段設定してあったりして、お勘定の際にごっそり消費税をもっていかれることがあるのでご注意願います。
 赤字国債を大量に発行している国家のことを思えば、たくさん税金を納めてやるのも結果的には自分や子孫のためになるかもしれません。私などの場合は、所得が低いですから(本当だから嫌になる!)酒類はすべて飲み、たばこを懸命に吸い、なんとか国家の収入をふやしてあげようと必死です。そうだ!みんな仲間になりませんか?「赤字国債を減らす会」なんてどうです。みんなで大義名分の元、大酒飲みませんか。ついでに、山枡酒店にたくさん税金を払わせるように、おおいに利用しませんか。ディスカウント値段じゃないから、私はおおいに所得税を、あなたはおおいに消費税を!本当、この循環こそが今の「デフレスパイラル」抜け出す一番の解決策になると思います…なんてね。


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