ゲド戦記 影との戦いル・グイン同時代ライブラリー |
ゲドが、慢心から生み出してしまった自分の影の追跡と戦いを描いたファンタジー小説。 そなた、子供の頃は魔法使いに不可能なことなどないと思っておったろうな ―中略― だが事実はちがう。力を持ち知識が広がっていけばいくほど、その人間のたどるべき道は狭くなり、やがては何ひとつ選べるものはなくなって、ただ、しなければならないことをするようになるもなのだ。 ある意味 人生を言い表してるとも言えますが、自分の人生、諦めちゃっちゃあねぇ・・・ |
賢者の石コリン・ウィルソン創元推理文庫 |
しかも、主人公たちを妨害する存在が、ライバルとか秘密結社みたいな実体のあるものではなくて、ツタンカーメンの呪いみたいな、過去を暴こうとする物に降りかかる災厄になっているというのも面白いところ。 過去透視できるようになった主人公たちが、いかにこの罠を潜り抜けるかが、終盤の鍵となっています。 ちょっと、クトゥルー神話が入ってますが、クトゥルー神話が全くの作り話だとは言い切れませんしね。これはこれで一つの答えとしてねよいのではないでしょうか。 個人的には、結論として出る、人間の本質みたいなところは共感できる部分があります。いささか悲しくもありますがね。 作品全体を通して、いろんな説とか、引用とか出てきますが、無知な私にはそれが事実なのか、創作なのかよくわかりませんでした。 |
竜の棺高橋克彦祥伝社 バンドネオンの豹高橋克彦講談社文庫 |
日本の竜伝説を追って日本各地を巡り、竜はUFОではなかったのかという仮説を展開していくお話。 「バンドネオン―」は、大阪の万国博覧会から始まり、謎の大泥棒「バンドネオンの豹(ジャガー)」と地球空洞説と、その文明をめぐる少年少女の大冒険物語。 |
七回死んだ男西澤保彦講談社文庫 |
普通の推理小説とは違うんで、推理小説を読まない私でも楽しめました。 |
.ノーライフキングいとうせいこう新潮文庫 解体屋外伝いとうせいこう講談社文庫 アタとキイロとミロリロリいとうせいこう幻冬舎文庫 |
「ノーライフキング」は、1本のゲームソフトを巡って子供たちの間で色々な噂が流れ、その噂が現実と重なり、現実と空想世界の境界が消えた時、子供たちは・・・と、子供たちの口コミネットワーク、噂、呪いなどを取り込み、限定的ながらコンピューターネットも登場する、当時としては先進的な作品。 「解体屋外伝」は、洗脳された人間から洗脳を解くための解体屋<デプログラマー>が、世界的な洗脳組織の戦いに巻きこまれていく話。 「アタとキイロと――」は、まだ幼稚園にも行っていない アタちゃんの空想の中にある『夜の公園』での、ネコやウサギやアヒルやカエルたちの ほのぼの冒険なお話。 他にも「ワールドエンドガーデン」も読みましたが、知識不足のため、いまいち噛み砕けず、わたくし的に消化不良。 |
ガリバー旅行記スウィフト新潮文庫 |
このお話、子供のおとぎばなしかと思えば、違ったんですね。人間の罪悪を扱き下ろす風刺小説だったとは。 小人国、大人国は有名ですが、解説にもある通り、天空の国、馬の国の方が面白いです。 特に馬の国で出てくる「ヤフー」なんか、今も昔も変わらない醜い人間そのもののぬ姿で、時代は変わっても人間は変わらないんだなぁと、悲しくなっちゃいますねぇ。 |
.ギャラクシートリッパー美葉全3巻 妖魔夜行 シリーズ
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校舎の屋上に現れた巡航ミサイルに道を尋ねられた主人公が、その巡航ミサイルと一緒に宇宙に飛び出して、いろいろな宇宙人に出会い様々な体験をする、宇宙版「ガリバー旅行記」なお話。 妖魔夜行の方は、テーブルトークRPG「ガープス
妖魔夜行」の小説。 「私は十代の―」は、ごく普通の女子高生が、ある日突然、蜘蛛女になってしまって、妖怪たちと戦ったり・・・というようなコメディタッチのお話。 「悪夢ふたたび・・・」は、猟奇殺人を繰り返す妖怪「異人」たちを、東京の善い妖怪たちが追い詰めていくお話。 同シリーズ中短編集「暗き激怒の炎」に収録されている同名の「暗き激怒の―」も、予想を裏切られるオチで、やられたーって感じになりました。 「パラケルスス―」は、「ゴーストハンターRPG」の小説化で、「ラプラスの魔」の続編。 |
羊たちの沈黙トマス・ハリス新潮文庫 |
「レッドドラゴン」「ハンニバル」も読みましたが、「羊たちの沈黙」が1番良いような気がします。 「レッドドラゴン」は、古いせいか翻訳がマズくて、雰囲気がいまいち伝わらず、「ハンニバル」は、スターリングとレクターが再会するまでが、長すぎてタルかったです。 まぁ、これはレクターが主役の小説ですから仕方ないといえば、仕方ないのですが。 |
恐竜物語レイ・ブラッドベリ新潮文庫 |
恐竜狩りの話しは、前にどこかで読んだようで、再び出会った不思議な感じがありました。 |
ちょっとピンぼけロバート・キャパ文春文庫 |
第二次大戦を中心にした戦場カメラマンとしての話がメインですが、ピンキィとの恋の行方も気になります。 文体は古いですが、ユーモアたっぷりで、面白いです。 |
女王陛下のユリシーズ号アリステア・マクリーンハヤカワ文庫NV |
希望と絶望の交差する、甘えのない真実の海戦が描かれています。 |
マラコット深海コナン・ドイルSF創元推理文庫 |
この本の解説にある通り、道具立ては古いですが、海好きということで、楽しめました。 |
トゥームレイダーデイヴ・スターン徳間書店 |
ストーリーは映画と全く同じですが、ララの父親のことや、イルミナーティ、トライアングルについて詳しく書かれてますので、映画で説明不足だったところを補完する意味で読むといいと思います。 ページの下が、パラパラマンガにってるのは、ちょいウケ。 |
ウォーハンマー ノベル
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悪の魔術師ドラッケンフェルズを倒し、国を救った勇者たちの戦いを、現地で演劇として再現すべく、当時の冒険者達が再び集められた時、何かが動き始めていた・・・というような内容。 どちらかというと、ホラーか、ミステリーっぽいです。 テーブルトーク「ウォーハンマー」の小説ですが、そんなことは気にしなくても楽しめます。 主人公の1人 ジュヌビエーブが魅力的なバンパイアなので、パンパイア好きの方にも、ちょっと おすすめ。 |
.ある日、どこかのダンジョンで上・下巻 ドラゴンは、ダメよ上・下巻 G・コスティキアン電撃文庫 |
テーブルトークRPGをパロった、剣と魔法のファンタジー小説。 「ある日―」は、魔法大学を卒業したての火の魔術師が、一癖も二癖もある仲間と共に、ダンジョンを探検して、とんでもない価値のお宝を手に入れ、それを巡って街中が大騒ぎになる話。 1部が、ダンジョン、シティ アドベンチャーで、2部が、ウィルダネス アドベンチャーになってるのも、D&Dのベーシック、エキスパートとレベルアップしてる感じなのが面白いです。 |
鉄(くろがね)
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同名マンガのオリジナル小説ですが、なんか文体のテンポや描写なんかが、しっくりきました。 この小説の方は、主人公ハルカの前に、ハルカそっくりのロボット イーヴァと、その相棒の戦闘ロボット ルークが現れ――というお話。 子供時代のきらめきと せつなさと、人間とロボットとの壁、せつなさ、やるせなさが見事に描かれています。 |
DADDYFACE世界樹の舟冬海の人魚伊達将範電撃文庫 |
街中で所構わず派手な戦闘を繰り広げたりしますが、8歳違いの親子とか、金の力で全て解決とか、さえない貧乏大学生が、最強の対仙人格闘術『九頭竜(くずりゅう)』の使い手だとか・・・設定が常軌を逸しているので、もう、こんなのもアリかなって感じで・・・だって、「駅なんか買っちゃいけません」って怒る親が、ドコの世界にいるのやら・・・ ともあれ、読むべきところは、他にもありますんで、トレジャーハンターものが好きなら読んでみるのもいいかと。 1巻は、竹取物語の異伝を、2巻は、北欧神話と世界樹、3巻は、人魚をメインにしたお話。 別々のお話ですが、人間関係を把握するためにも、1巻から読む方がよいです。 |
キノの旅
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でも、穏やかな語り口調からすると、「星の王子さま」の前半の星巡りの辺りっぽいかも。 キノとその相棒の言葉を喋るバイク エルメスが、人間社会のある一面を極端に誇張した国を、めぐっていくお話。 このお話に登場するのほとんどの国は、ある意味 平和で理想的国なんでしょうけど、こんな世界はいやですよねぇ。 ところで、本編とは全く関係のない、4巻のあとがきが最高に笑えます。 このように、お笑いのツボがわかっている作者という点を踏まえると、同じ巻の「2人の国」のような、サディスティックでバイオレンスな国(お話)が出てきても、「実は、コントのノリなんですよぉー」と思えば、嫌悪感を抱かずに楽しめたりするから、あら不思議。 |
わたしにもできる銀行強盗ジーン・リューリックハヤカワミステリー文庫 |
解説にある通り、少々 荒削りなところと、詰め込みすぎな感じもありますが、面白さは損なわれていません。 アンティークのウンチクもちらほらと読むことができます。 でもなんか、不幸な人が集まり過ぎな気もしますね(笑) |
悪魔の国からこっちに丁稚上・下巻 L・スプレイグ・キャンプ電撃文庫 |
ホントかどうかわかりませんが、訳者のあとがきによると、テキトーに訳したらしくて、なんだかなーって部分もありますが、そのテキトーさも、これはこれで笑えていいかもしれません。 でも完訳版も読んでみたいですね。 |
虚舟 大江戸攻防珍奇談松浦秀昭ソノラマ文庫 |
あれもこれもと欲張り過ぎて、いまいち まとまりのない感じもしますが、当時の風俗や科学(?)技術など色々調べてあって、デタラメにロケットやミサイルなどを登場させているのではないところがよいです。 グレイとか、3メートルの宇宙人とかも出てきますんで、そう言うのが好きな方は、読んで見てください。 |
ディスクワールド騒動記 1テリー・プラチェット角川文庫 |
亀と象に支えられた円盤上の世界で繰り広げられるドタバタ旅行記。 日本人をパロったらしい、メガネをかけて、デーモンが小箱の中で絵を描くカメラをぶらさげ、本物のケンカや英雄、ドラゴンにあこがれ、お金はたくさん持ってるのに、自分の国ではぜんぜんお金持ちじゃないという、お気楽旅行者ツーフラワーが笑えます。 日本ではこの1巻しか出てませんが、もっと読みたいですね。 セガ サターンで出てるアドベンチャーゲームもやらねば。 |
銀河ヒッチハイクガイドダグラス・アダムス新潮文庫 |
こっちは冒頭から、住んでた家が取り壊される――と思ったら、それと全く同じシチュエーションで、地球が取り壊されて、宇宙に放り出され――というようなお話。 題名からすると、宇宙をヒッチハイクで旅するような話かと思われるかも知れますが、それとはちっょと違う感じ。 確かに宇宙を旅するんですが、デタラメな宇宙世界の文化を、妙な理論や屁理屈で懇切丁寧に解説してくれる、ホラ吹き小説です。 ストーリーは、ご都合主義な展開といわれれば、その通りなんですが、まぁ、コメディ小説ですからねぇ。 でも、地球が何故 作られたのかっていう件のところは、「えーっ! そうだったのーっ!?」って、大ウケです。 |
ミッドナイト・ミートトレインクライヴ・バーカー集英社文庫 |