脳のこやし

もご参照のあれ

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あらすじしか書いてないようなのは、
記憶が薄れているものです

だいたい、読んだ順番で並んでいます

また思い出したら、追加していきます

宇宙の果てのレストラン
グラス・アダムス

新潮文庫

 「銀河ヒッチハイクガイド」の続編。
 けっこう古い本なのに、またもや偶然にも古本屋で発見。
 おかしいです。 「銀河―」より笑えました。

 今回は、根暗で、自分が嫌いで、人間はおろか、他のロボットさえも自分を嫌っていると思いこんでいるロボット マーヴィンも大活躍してますし、途中に出てくる、問屋や周旋屋の乗った移民船が母星から旅立った理由がわかった時には、笑い転げました。
 前回に引き続き、究極の答えに対する、究極の疑問についても語られていますし、今回は人類の起源まで判明してしまいます(笑) そのおかけで、導き出される究極の疑問も 爆笑必死!
 こんな本に、少しでも「生命とは何か」という究極の疑問とその答えを期待した私がバカでした(笑)
 続編の「宇宙クリケット大戦争」も探さなくてはなりませんね。

妖魔夜行
戦慄のミレニアム

上・下巻

山本弘

角川スニーカー文庫

 今まで妖魔夜行として小説、リプレイなどで展開してきた妖魔夜行世界の総決算、集大成的 最後の小説。
 タイトルの通り、西暦2000年を舞台にした終末黙示録的な天使と悪魔たちの戦いを妖魔夜行のキャラたちが繰り広げています。
 この世界と言うか、山本さんなりの「神の定義」が語られているのも興味深いところ。

 ところで、「Xヒューマーズ」って、アメリカの妖怪のチームが出てくるんですけど、名前が「X-MEN」っぽくて ベタだなーとも思ったんですが、アメリカだからこそ、ベタな名前もアリって考えもありますよね。
 スーパーマンも、バットマンも、スパイダーマンも、めちゃくちゃベタな名前ですし、キャラ自体をパクってるわけじゃないんで、ОKですよね。
 下巻になれば、それぞれのキャラの背景がわかって、そんなことも気にならなくなるんですけど。

 ラストで、摩耶とガンチェリーがロック調賛美歌を歌いつつ、カットバックで海中、海上、異世界、そして宇宙と次々と場面が展開していくのは燃えます。

 「ほとけ ほっとけ、かみ かまうな」ってことですな。

魔術師の遺産
ミスタラを継ぐものたち

上・下巻

D・マッキオーネ

電撃文庫

 AD&Dの小説は たくさん翻訳されてますが、D&Dの小説は、これと「竜剣物語」ぐらい。
 この小説の時代は、マスターセットよりも、まだ後の時代のようで、アルファティア大陸が沈んでしまった後のお話とか。
 イモータルの住む世界が描かれてて、たくさんのイモータルが出てくる上に、ドラゴン・ルーラーまで出てるのは興味深いところ。

 おまけに、性格が悪いと設定されているはずのシャドウエルフが、今まで虐げられてきた悲しい種族だったのだという事実も明らかになってたりして、おもしろいです。

 お話は、主人公ダヴが亡き養父の友の元ヘ向かう旅の途中、さらわれた幼いシャドウエルフの王女と王子と出会い、その2人の誘拐がきっかけとなって起こる戦争を防ぐため、2人をシャドウエルフの森まで送り届ける事に――というような感じで、
 パーティ5人の内4人が、冒険するにはまだまだ未熟だったり、お子ちゃまだったりして、気が気でないのですが、力をあわせて困難に立ち向かっていく姿がけなげで、ついつい応援したくなってしまいます。
 舞台も、海、陸、地下、空とさまざまで、D&Dの要素もふんだんに盛り込んであって楽しませてくれます。

竜剣物語

全5巻

D・J・ハインリヒ

電撃文庫

 前半では、騎士の地位を失墜させられた英雄フリンが、騎士になることを夢見るジョホーナと出会って騎士への復帰を果たし、宿敵である緑竜ヴァーディリスと戦うところまでを、そして後半では、ミスタラ世界創世の物語から、カラメイコス大公国全土を危機に陥れる大異変へと話が展開していきます。

 舞台は、原題の「ザ ペンハリゴン トリロジィ」の名の通り、カラメイコス大公国のペンハリゴン周辺が中心ですが、終盤には、カラメイコス大公国全土に広がっていきます。

 ともあれ、登場人物や世界設定はいいとしても、残念なのは、モンスターが出てこないという点です。
 敵として出てくるのは、オークとヒュージ・グリーンドラゴンとオリジナルのアベイラートと――ハーフ・オーガー程度。
 「魔術師の遺産」には色々と出てきたので、もっといろんなモンスターとの戦いが見たかったと言うのが正直なところ。

 ところで、この物語の年代は、どの辺りになんでしょうね?
 これだけの大事件が起きておきながら、アルフハイムの名が出てくるんで、それほど後ではないんでしょうけど・・・まぁ、ノウンワールドというか、ガゼッタワールドというか、ミスタラ世界というか、その辺はパラレルワールドでマスターの数だけ世界があるんでしょうけどね。

 ところで、1巻の前書きには、全6巻って書いてあったんですが、実際には5巻でお終い。
 見ると、日本訳では少しずつ前倒しになって全5巻に収まってるみたいですが、わたくし的には5巻目の物語りは、4巻までにくらべるとかなり駆け足すぎというか断片的で、どうも物足りません。
 海外ものって、いいかげん描写がくどくて嫌んなる時もありますが、これはもっとしっかりしたものを読みたかったです。

探索の魔石
呪われた女剣士
明かされた謎の印形

全2巻

K・ノバック
J・グラブ

富士見文庫

 発売された当時、1巻を読んだんですが、なかなか2巻が出なかったんで、お蔵入りしてたんですが、D&D熱が再燃したんで読んでみました。

 女剣士エイリアスが、二日酔いで目覚めてみると、腕に怪しげな刺青を入れられ、最近の記憶がなくなっていた。
 エイリアスは、その刺青の謎を解くために・・・というようなお話で、ネタバレになるんで書きませんが、ファンタジーには珍しくSF的なお話しでした。

 わたくし、世界を救ってしまうような壮大なお話よりも、こういったパーティ規模なんだけど、そこそこの大冒険といった感じの方が好きです。

ゲーミング・マギ [1]
運命のダイス
D・ビショップ

教養文庫 A&F

 人々が現実世界のように暮しているゲーム世界の外で、プレイヤーの飼いネコがネズミを追いかけてボードの上を駆け回り、ゲームをメチャクチャにしてしまったから、さあ大変。
 ゲーム世界はひび割れ、奇妙にねじ曲がり、うまくいくはずの出来事が、とんでもない方向に向かい始めていた。
 そしてそれと同時に、現実世界でも異常な事態が進行して――という感じのお話。

 主人公が「ノートルダムの鐘」と同じように身障者というのは、日本ではほとんどない設定ですよね。
 その主人公イアンは、みんなからバカにされ、カッコよくもないしドジばっかりなんですが、ときどき見せる活躍が、なんだか頼もしかったりして先を期待してしまいます。

 わたくし的お気に入りキャラは、囚われの身のアランドラ王女。
 そういう設定なら薄幸の美少女かと思いきや、美しくはあれども、かなりのあばずれで、周りの人間たちをいいように操っているのが笑えます。
 それでも事態が一向に好転しない所が、また滑稽。

 2、3巻を読んでみたいんですが、今となっては見つけるのは至難の技ですね・・・

人間の土地
サン・テグジュベリ

新潮文庫

 「星の王子さま」の作者の飛行家時代の自伝。
 私が読んだのは、昔の訳の版だったんで、いまいちわかり難いところもあったんですが、昔の空を飛ぶこと、空路を開拓することが冒険だった時代の苦難や、行方不明になった仲間(自分)の奇跡の生還などが、詩的な表現も交えながら語られているところは素晴らしかったです。
 「星の王子さま」で飛行機が砂漠に墜落するところは、実話だっんですね。

 ところで、「宇宙の果てのレストラン」で生命の意味についてはぐらかされてしまった(?)私ですが、この小説のわずか6ページ目にして、その答えを教えられてしまいました。
 『務めなければならないことは自分を完成すること』だと。

大洞窟
クリストファー・ハイド

文春文庫

 ユーゴスラヴィアでネアンデールタール人の描いた壁画の残された洞窟が発見され、調査に向かった考古学チームが地震のために、その中に閉じ込められてしまった。
 救出の望みが薄いと判断した一行は、どこに続いているとも知れない洞窟の奥深くに、出口を求めて進むことにした――という感じのお話。

 この小説は、もちろん洞窟探検の部分もおもしろいのですが、そのリーダー格たる人物が日本人であるというのも面白いところです。
 外国作品に登場する日本人のイメージは、お世辞にもいいと言えないものが多いですが、この小説に出てくる地質学者 原田以蔵は、実に頭脳明晰、冷静沈着に描かれていて好感が持てます。
 ただ、日本人の目から見ると、いささか日本人っぽくいところがあるのは否めませんけど。

 ところで、一行が無事 洞窟から脱出できるのかも見所なのですが、メンバーたちが次々とおぞましい死に方をしていくのも、ある意味 見所といえるかもしれません。

ジャンパー
 ―跳ぶ少年―

上・下巻

スティーヴン・グールド

ハヤカワ文庫SF

 父親から虐待を受けていた少年が、ある日 テレポーテーションの能力を身につけて、父親のもとから去ることを決意し、前途洋洋かと思いきや、現実の厳しさにぶつかって、掴んだしあわせは何度ももろくも崩れ去り、それでも必死で自分の道を探し、最後にはテレポーテーションの能力を駆使して、政府の組織やテロリストたちと戦いを演じていく、というようなお話。

 まぁ、テレポーテーション能力を使って、少々 問題ある行動もとったりしますが、全体的に見ると爽快で、ラストは晴れやかな気分にれます。
 解説にもある通り、アメリカの映画かテレビシリーズのようなストーリーですので、海外の少年少女向けドラマが好きな方には、ぜひおすすめです。

地球から来た傭兵たち
ジェリー・バーネル

創元推理文庫SF

 完全に敵に包囲されてしまったリック・ギャラウェイの小隊の前に宇宙船が現れ、助ける代わりに傭兵として働けという交換条件を出される。
 リックたちはその条件を飲んで中世の文明レベルしかない惑星に連れていかれ、そこで戦争に巻き込まれていく――というお話。

 そう聞くと「戦国自衛隊」みたいに、剣vs現代兵器の戦争になるのかと思いきや、そうではありませんでした。
 弾薬や爆薬には限りがあると言う事で、それらを使うことなく、地球の歴史の中で使われた戦術を駆使して軍隊を勝利に導いていくというのがキモでした。
 元が「イラストレイテッドSF」とかいうのらしくて、挿絵が多いのが実に雰囲気を盛り上げてていい感じです。
 日本のティーン向け小説も、これくらい挿絵入れてもいいんでしょうが、値段が上がりますかね?

E.G.コンバット

1〜3rd

著:秋山瑞人
原作:☆よしみる

電撃文庫

 基本は、実戦叩き上げの優秀な軍人が教官となって、落ちこぼれの訓練生を鍛え上げていく――というお話で、登場人物のほとんどが女性、軍事用語や専門用語飛び交いまくり、育成ゲームライクな訓練生たち――と、『媚び』要素満載ですが、軍隊モノなんで、お下品な言葉が出てきて萌え萌え感は、かなり低下してますし、芯はしっかりしていて、笑えるところは笑わせ、泣かせるところは泣かせてくれます。
 それに戦争を題材としてても、命の重さなんて関係ねぇーってなモノが多い中、この作品は命の重さや、それを背負う重圧などがひしひしと感じられて、ライトなティーン向け小説に終っていないところもいいです。

 同じ作者の「鉄コミュニケーション」の小説もそうでしたが、この小説の登場人物も、ほとんどがマイナス思考で、人の顔色 気にしーで、そのくせ素直じゃなくて、なのにうじうじ悩んで後悔ばっかりしてて・・・でも、それでもなんとか前に進んでいこうという姿勢が実に人間臭くて、共感が持てました。

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