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事後、被告春名好子との話し合い(平成11年7月16日15:00〜16:20)
*この記録は被告春名好子との事後の話し合いの際の録音テープ(原告証拠記録、甲第8号証)を書き出したものです。(原告証拠記録、甲第9号証に当たります。)
(問題点・疑問点)については、当時、記録をまとめる際に、感じたことです。
原告 ○代 「外来で39週(予定日1週間前)の時点で、マイリス坐薬を入れたのは?」
被告 春名好子 「39週時点で子宮口が全然緩んでいなかった。殆どの人は、38〜39週になると、子宮口は指1本入るぐらいが普通で、全然緩んでいなかったし、赤ちゃんの頭が下がっていなかったので、子宮口を軟らかくするための薬、マイリス坐薬を入れた。」
(問題点・疑問点)
*坐薬使用の前に、何の説明もない。(インフォームド・コンセントなし)
原告 ○代 「マイリス坐薬を入れることにより、子宮内を傷つける恐れは?タンポンを入れたのは?」
被告 春名好子 「(坐薬)15分以内で溶ける。溶けるまでの間に出てきたらもったいないのでタンポンで栓をする。タンポンは帰宅したら抜くように言ったと思う。今まで、いろんな人に入れてきたが、どうこうなった事はない。必ず効果があって、子宮口が軟らかくなるとは限らない。」
(この時、『外来カルテ』が被告春名好子の手元に届く)
「指は一本入ると書いてある。入り方がすごく硬かったのだと思う。所見的に言うと。」
(問題点・疑問点)
*カルテが手元に届いてからと、その前の説明が異なる。
*薬効の期待できない坐薬を、予定日以前に使う必要があったのか。薬効の乱用ではないか。
原告 ○代 「お産までの経過を教えて下さい。」
被告 春名好子 「5月31日、朝来院した際、お腹が張ると言われたが、5〜7分おきにモニター上には出ていたが、子宮口が全然緩んでいないし、開いていないから、まだもう少しかかりそうなので、一旦帰宅してもらった。この時は、特別問題はなかったし、熱があるというのも聞いていなかったし、診察した時に羊水も出ていなかったので、とりあえず帰ってもらった。」
原告 ○代 「この時(5/31朝)破水のテストはしているのですか。」
被告 春名好子 「特別な訴えがない限り、いつもしない。(5月31日)夕方来た時も、はっきり言って内診をした時に、羊水の出る様子はなかったが、熱があると言われたので、検査してみた。リトマス試験紙で、黄色が青くなったらアルカリ性で、破水していると青くなる。それが(リトマス紙)、少し青くなったから、破水しているのかな・・・。(と思った。)明らかに羊水が出るという状態ではなかったが、熱があるし、破水しているといけないので、そのまま入院してもらった。(この時)お腹は、張っていたが、子宮口は変わっていなかった。」
(疑問点・問題点)
*陣痛の間隔が短く、おりものが多いにもかかわらず、破水テストもぜずに帰宅させた。(5/31朝の受診時)
*入院時、本当に破水テストはしているのか。
(*裁判において被告は破水に関し、「入院時、破水(+)だった。」「原告が破水を言わなかった。」等、主張に一貫性がありません。看護記録には、破水テストの有無、程度等の記載は一切ありません。)
原告 ○代 「(5/31)夜の話ですよね。」
被告 春名好子 「9時50分、10時前くらいですね。子宮口も硬かったし、熱もあるし、破水かどうかは確かではないが、抗生剤を普通は内服ぐらいにするが、熱があるから点滴でした。」
(疑問点・問題点)
*入院時間に1時間のずれがある。
原告 ○代 「5月31日夜の時点で看護婦(師)に『このぐらいなら帰る程度』と言われたが、発熱していて陣痛があるのに、他の妊婦で帰る人がいるのですか。」
被告 春名好子 「熱の原因にもよります。他の原因で風邪とか・・・。どの看護婦(師)が言ったのかわからないが、熱があることを知らなかったのかも知れない。私は、熱があるし、破水の疑いもあるから抗生剤を使って、入院して様子をみるようにと思った。もしも、破水しているのだったら、早く産んでほしかった。もうお腹が張っていたので、そのときに陣痛をつけるような薬は使わなかった。普通破水したら、自然に陣痛が来るはず、結構痛がっていたので(お産)進むと思った。痛みがあると言われたから痛み止め(無痛分娩)をした。痛みは順調にあったはずだが、朝まで様子をみると、全然進んでいないし、朝行ったら痛みが落ち着いたと言われたので、早く産まないといけないから点滴(陣痛促進剤)を使った。」
原告 ○代 「陣痛促進剤の量は?30分おきに3回増量しているが・・・。」
被告 春名好子 「陣痛促進剤の量には決まりがある。プロスタグランジンFを3A使って、1時間に2tから薄めて30分おきに赤ちゃんとお母さんの状態を見て、14tまで上げた。なぜ14tで止めるかというと、ほとんどの人がお産になるというのが統計上でている。安全域ということで止める。○○さんの場合は、(点滴を)やり始めてぼちぼち(子宮口が)開いてきて、指一本しか入らなかったのが、昼に2〜3p、夕方6:30頃8〜9pになっている。特別問題はなかった。勿論、赤ちゃんの心臓のモニターはずっとしていたし、赤ちゃんの状態が悪くなったら、帝王切開しないといけない事は分かっていた。」
(疑問点・問題点)
*母体、胎児に対し、安全を考慮した上で、薬剤を使用していない。薬剤を必要最少量にとどめるなどの配慮がない。
*陣痛促進剤を使っている間、モニターのみの観察で、看護婦(師)が側にいる事はなかった。痛みを訴えても、薬剤を止めるという事もなかった。
(*裁判所施行の証拠保全において、分娩監視記録は、胎児娩出の約1時間前の記録しかありませんでした。おまけに前後の数分間は、用紙の紛失で、日付や氏名の確認のできないものでした。陣痛促進剤に関しては、上記では最大使用量は14cc/HRと発言していますが、カルテの医師所見には、20cc/HR使用の記載がありました。被告はカルテ記載と異なる虚偽の説明をしています。)
原告 ○代 「夜の間(5月31日、入院してから)モニターを他の部屋で見ていたのか。」
被告 春名好子 「詰所にテレビのようなものがあって見ていたはず。ある程度の値以上になるとアラームが鳴るようになっている。ずっと見ていたわけではないが、画面に15〜20分出ているので、ちょっと出て(詰所を留守)帰ってきても見える。赤ちゃんの心音が下がるなどの異常があればアラームが鳴るはず。」
(疑問点・問題点)
*入院時より、既に胎児心音は頻数であり異常であったはずだが、本当にアラームは鳴るように設定されていたのか。または、アラームの設定値に問題があったのではないのか。
*看護婦(師)にモニターを理解する力があったのか。
(*鑑定医は、入院時から胎児心拍の異常、そして6/1 16時12分の時点で、重症胎児仮死を指摘しています。)
原告 ○代 「6月1日午後から苦痛だったが、呼吸誘導、痛みの緩和などはしないのか。」
被告 春名好子 「助産婦(師)が、ちゃんとしたはず。」
原告 ○代 「助産婦(師)は何人いるのですか。外来で聞いた時は、3人と言われていたが、スタッフが若いのでとても不安だった。お腹の大きい助産婦(師)もいましたね。」
被告 春名好子 「そうですね・・・。その時の対応について、私に言われても、あれなのですけど・・・。」
(困った様子で、助産婦(師)の人数については返答なし。)
(疑問点・問題点)
*スタッフの対応に関しては、自分には関係ないということなのか。
原告 ○代 「外来で、この病院はどのようなお産をするのか聞いたら、『呼吸法で生みます。きちんと誘導します。』と言われたのですが。」
被告 春名好子 「呼吸法と言うのは、(子宮口が)全開してからの事になる。」
(疑問点・問題点)
*子宮口が全開しない妊婦に対しては、何もしないでよいのか。促進剤を使って陣痛を誘発しているにもかかわらず。
原告 ○代 「痛みが強い時も、全く何もしてもらえない。」
被告 春名好子 「後で言っておきます。」
原告 ○代 「分娩の時も、声かけ等は、しないのですか?」
被告 春名好子 「私がいる時は、私が主体でやっている。」
原告 ○代 「お産の前(分娩に対し)誘導してくれると思っていたが、他の看護婦(師)もあのような感じ(何もしない)なのですか。」
被告 春名好子 「個人差がある。助産婦(師)もいるし、看護婦(師)もいるから。」
原告 ○代 「助産婦(師)にお産の時、あたらない時もあるという事ですね。」
被告 春名好子 「うちの医院では、そうなります。」
(疑問点・問題点)
*スタッフによって看護(対応)に差があるという事なのか。
原告 ○代 「浣腸は、お産の前にしないのですか。外来では浣腸すると聞いていたのですが。」
被告 春名好子 「浣腸されませんでした?お通じが出たという話をされたのでは。」
原告 ○代 「お通じは出てないし、産道を広げる為に導尿はされたのですが。」
被告 春名好子 「浣腸は、必ずしもする訳ではない。しない人もいる。」
原告 ○代 「その時の看護婦(師)の必要ないという判断だったのですか。」
被告 春名好子 「その時の看護婦(師)の判断です。(言葉を濁しながら)」
(疑問点・問題点)
*話が矛盾している。浣腸をするのを、忘れていたのではないか。排便の有無についても一切聞かれていない。
被告 春名好子 「どうしても、子宮口が開くまで、看護婦(師)がずっとついているわけにはいかない。あの時は、(お産が)○○さん一人だったと思うのですが。ずっとついていても人によっては何時間かかるか分からないし、○○さんはかなり長かったと思っているかもしれないけれど、点滴をはじめて12時間、長い方は丸1日かかる人もいる。どうしても半分以上は家族についてもらって、時々診察に行くようにしている。」
原告 ○代 「その説明(家族任せ)もないし、とても不安だった。定期的に来られないし、こちらが呼ばないと、看護婦(師)は来ない。」
被告 春名好子 「多分、張りを(モニターで)見ていた。お腹の張りが縮まらないと(お産)進まない。多分、夜の間に痛かったのが治まったので特別には見に行かなかったのだと思う。かなり痛みを訴えて、声を出すようなら見に行ったはず。○○さんは見てほしかった人で、見られるのを嫌がる人もいる。触らせない人もいる。」
原告 ○代 「内診をお願いしても、『1時間前に診たのに・・・』と拒否されたりした。」
被告 春名好子 「言っておきます。人それぞれで診てほしい人もいれば、その反面診てほしくない人もいる。『診ようね。』と言っても、嫌がって拒否される場合もある。私も拒否されたことはしょっちゅうある。できればその方の希望にそうようにと、みんなには言っている。そういう希望があれば、見に行くように言います。」
(疑問点・問題点)
*異常を訴え、内診を希望している妊婦に対しこのような発言があって良いのか。
被告 春名好子 「21時頃まで様子をみたが、(子宮口)全開までいかなかったが、私がもう少し頑張れるか聞いたら、『だめです』と言われたので、息んでもらうようにした。1時間半息んでも状態が変わらないから、分娩停止という事で吸引してみた。はっきり言って試しの吸引で○○さんの息む力がなくて下がらないのか、(子宮口が)狭くて下がらないのか、引っ張ってみたが、全然びくともしないので、時間が経っても開かないだろうから帝王切開の説明をした。」
(疑問点・問題点)
*吸引を施行する前に、試しの吸引をするという説明は全く無かった。
原告 ○代 「(子宮口が)9.5p開いていると言われたが、会陰切開しても出ないのか。」
被告 春名好子 「9.5pと言うのは、赤ちゃんの頭を10として、9割5分ということで、一周全部残っているということは、どうしてもそこから頭が外れない。赤ちゃんの頭は小さくならないし、子宮口は広くならないから・・・。18時30分の時、9p少し前で全開すると思っていたが、9.5pで止まった。息むということは、子宮の収縮と○○さんが腹圧をかけてする。熱も無くて、破水もしていなければ、疲れているのかもしれないと思って、もう1日様子をみることも考えるが、熱があるし、赤ちゃんの状態が悪くなるといけないので、帝王切開を決めた。」
原告 ○代 「児頭骨盤不均衡という事で、帝王切開だったのですか。」
被告 春名好子 「そうです。」
(疑問点・問題点)
※レントゲン撮影もしていないのに、どうして児頭骨盤不均衡という事になるのか。
原告 ○代 「吸引される前に内診した時点で、児頭骨盤不均衡である事は、わかっていたのではないのですか。吸引することにより(胎児に)影響はないのですか。」
被告 春名好子 「(影響)ないと思います。モニターをずっと見て(吸引を)やっていた。頭が、下がり(吸引の効果があり)もっと狭い所に赤ちゃんの頭が下りてくると、頭が圧迫され、心音が下がったりするが、全然そのようなことは無いし、赤ちゃん自身の頭も全然動かなかった。心音もずっといっしょ(一定)だった。(児)下がってもこないし、影響がないというのは、(モニターで)見ていた。」
原告 ○代 「吸引カップの大きさは?」
被告 春名好子 「子宮口が全部開いていなかったので、医院にある小さい方でしました。何故かと言うと、本当は(子宮口が)全開しないと(吸引カップを)かけてはいけない。それは、周りのものをいっしょに引っ張ると、切れて出血したりする。私は、(子宮口が)開かないので難しいと思ったが、周りに傷がつかない様に、気をつけてした。だから会陰切開もしなかった。」
(疑問点・問題点)
*子宮口が全開していないと吸引してはいけない事を知っていて、吸引処置をしている。
*子宮損傷の恐れがあるにもかかわらず、吸引処置をしている。
(*被告カルテには、吸引時の児頭の下降度や回旋状態の記載は一切ありませんでした。)
原告 ○代 「吸引カップは、2サイズあるのですか?」
被告 春名好子 「そうです。吸引する事によって、赤ちゃんに影響はない。赤ちゃん自身の頭に血腫(たんこぶ)は、出来ていなかったと思う。そういう影響があるとすれば、引っ張った事により骨盤の狭い所に入り込んで、頭を圧迫する方が強い。吸引で引っ張る事より。」
原告 ○代 「(試し吸引にしては)圧を上げて引っ張っているのは?」
被告 春名好子 「普通の圧にしか上げていない。吸引で引っ張ると皮下出血がおきるが・・・脳出血がおこるとすれば、もっと強い力で引っ張って、なおかつ狭い所を通ると、おきる可能性がある。」
(疑問点・問題点)
*試し吸引で普通の圧で引っ張るのは、おかしい。
(*国立病院の病理解剖結果より、「頭蓋内出血(脳の中の出血)」以外に「頭蓋骨骨膜下出血(頭蓋骨よりも外〔頭皮側〕の出血)」も存在していました。なお、骨膜下出血は、大泉門や骨縫合のない(脳内部との交通のない)部分に存在していて、外傷が指摘されています。)
原告 ○代 「試し吸引で児を出そうとは、思わなかったのですね。」
被告 春名好子 「そうです。帝王切開を決めないといけないと、思っていたので。」
原告 ○代 「(吸引する時に)破水している事は、分かっていたのですか。」
被告 春名好子 「はっきり言って、未だに何処で破水したのか、分からない。」
原告 ○代 「破水の可能性があるから(6月1日)その日のうちに、帝王切開されたのですね。」
被告 春名好子 「この時点(吸引)で、破水をしていたのは、分かります。赤ちゃんの頭に直接、触れたから。その前の時点で、どこで破水したのか分からない。羊水が、ダラダラ出てくるというのはなくて、ちょっとおりものが、多いというのが続いていた。子宮口が開いてきた時点で、卵膜がないのは分かった。破水しているから帝王切開を、急いだ。」
(疑問点・問題点)
*卵膜がない事を知っていながら、緊急帝王切開を行わず、吸引をしている。
原告 ○代 「試しの吸引は、必要なかったのでは。」
被告 春名好子 「○○さんには必要ないが、私が(帝王切開を)決心する為に、必要だった。(吸引で)赤ちゃんに被害は、無かった。気をつけていたし、すぐにやめたので。出ないのに1時間もしていたと言われたら責められても文句ないが、2回やっただけですぐにやめた。9.5pまで開いていたら、もう少しで生まれる。何時間かしたら全開大する人もいる。他に熱があるとか、破水している等なければ、もう少し頑張ってもらった。」
(疑問点・問題点)
*実際、吸引は3回行っている。
原告 ○代 「帝王切開に入っても緊迫感は、なかったのですね。(母子に対し)」
被告 春名好子 「お母さんに対しては、痛みが強そうだったので早くしてあげないといけないと思って急いで用意した。どうしても手術の準備をしていたので・・・看護婦(師)が剃毛とかの準備をしていたはずです。」
原告 ○代 「吸引カップの素材は?」
被告 春名好子 「うちには、1種類しか置いていない。だいたい金属とソフト(ビニール)のものがあるが、ソフトものもは使った事があるが、あまり役に立たない。吸引力が無くて。うちは、金属で吸引する。吸引にこだわられているみたいですが、吸引で赤ちゃんんに影響は、無いと思います。」
(疑問点・問題点)
*試し吸引と言う発言があるにもかかわらず、ソフト製のものは効果が無いので、金属製の吸引カップで行ったという事に問題ある。
(*解剖結果では、頭蓋骨骨膜下出血は、外傷が指摘されています。)
原告 ○代 「痛みの緩和もされないで、吸引で内臓から(胃の辺り)引っ張られる感じがして、看護婦(師)も立って見ているだけで、いつ息んだり力を入れるか分からなかった。」
被告 春名好子 「それは、言っていたと思います。誰にでも『息もうね』と言って息んでもらう。」
原告 ○代 「言われてないです。」
被告 春名好子 「私が、ずっとついていたから言っていたと思います。」
原告 ○代 「言われていないです。自分が、ただ力を入れるだけで、初めてだからいつ力を入れていいか、分からなかった。」
被告 春名好子 「お産は、自分でするものですから。全然出来ない人に対しては、必ず言います。いきなり息むのではなくて、深呼吸を2回して、息んだところでそのまま止めて。だから言っているはずです。誰にでも言いますから。出来なかったら私は、何回でも言いますから。」
原告 ○代 「絶対に言われてないです。」
被告 春名好子 「言われていなかったら自然にでも、普通の人は息む事が出来る。たいていの人は。」
(疑問点・問題点)
*呼吸誘導をしていない事を、認めている発言ではないか。
原告 ○代 「いつ力を入れていいか、分からない。他の人は、分かるのですか。」
被告 春名好子 「分からない人もいます。分からない人は、痛くなったら教えてもらって、いっしょに息む。○○さんの場合は言われなかったと言うことは、上手に息みが出来ていたから、多分私は、そこまで言わなかったのだと思う。多分最初の数回は・・・(言った)。」
原告 ○代 「言われていない。看護婦が基本的には、何もしないのか。おなかを押さえたり。」
被告 春名好子 「(おなかを押さえれのは)最後に産む瞬間の事です。圧縮と言って、それは特別な事。」
原告 ○代 「陣痛がきている時に、いつ力を入れていいか分からない。」
被告 春名好子 「下手な人は、本当に全然息んでくれないという事がある。○○さんは、1時間以上ずっと付いていてちゃんと息んでいたから、別にそこまで文句を言わずに出来たと思う。はっきり言ってそばにいて、かなり疲れていると思ったから、何回も息んでもこたえない。せっかく息んでも、赤ちゃんにこたえない。9.5pから。○○さん、疲れていると思って、その時点で帝王切開を勧めた。はっきり言って、覚えていないのがあると思う。」
原告 ○代 「夫、母、姉がずっと(吸引前まで)いましたから・・・全て分かっている。」
被告 春名好子 「ただ誘導するのは、本当に出来ない人に言います。○○さんの時だけ、言っていないはずがない。はっきり言って1時間半もついている事は、ほとんどない。それは、他の人よりも状態が切迫していたから、ずっとついていないといけないと思った。普通は9.5pまで開いて駄目かと思ったら(時間がかかりそうならば)また後で見に来るから『寝ていてね』と言って逃げる。今日中に産んでもらわないといけないと思っていたので、息む間ずっといた。絶対に言っていない事はない。私が、分娩室にいたのは覚えていますか。」
原告 ○代 「(覚えている)大体の時間の経過も、頭に入っている。」
被告 春名好子 「破水はいつしたか分からないが、熱がある状態なので私は、ずっとついていた。破水はしているし、9.5pで止まっていていつまでかかるか分からないし、いくら『えらい』と言われても逃げさせてもらったと思う。」
原告 ○代 「破水テストは、いつしたのですか。」
被告 春名好子 「5月31日の夕方、熱があると言われたから・・・夜10時ぐらいです。」
原告 ○代 「だから10時ぐらいには、破水していたという事ですね。」
被告 春名好子 「破水テストは、いい加減で、大体6割ぐらいしか正確率がない。目で見て流れ出るのが、一番確か。アルカリ性というのは確かに羊水もアルカリ性だけれども、おりものとかもアルカリ性のものがある。ダーと流れ出る感じは、なかった、熱があるから、破水しているかもしれないから早く産んでほしかった。(破水しているか)ハテナかなと思っていた。子宮口が開いてからは、途中で破水したのか、その前に破水したのか、私には今でも分からない。言えるのは、入院した時は、羊水は出ていなかった。ずっと羊水が出るというのは、なかった。ただ子宮口が開いてきた時点では、卵膜はなかったので、破水していると思った、熱が出ている原因がはっきり言って破水して熱が出るとすると、しばらく時間が経っていないと出ない。破水してすぐに熱が出るわけではない。」
(疑問点・問題点)
*破水テストは、6割ぐらいしか正確でないと言う事は、何のためにテストをするのか。発言がいい加減すぎる。
原告 ○代 「入院の時の熱は、他に何か原因でも?」
被告 春名好子 「それは、分からないです。他に、風邪とか原因があったかもしれないし。破水は○○さんも、気づいていなかったし、私たちも診察しても気づいていなかった。」
(疑問点・問題点)
*今になって他の原因、風邪など言う事はおかしい。他に熱を疑う症状はない。他を疑うならば、もっと問診をするべきではないのか。
*破水に気づいていなかったのではなく、おりものが多かったので、分からないと何度も言っていたし、子供に対する感染についても何度も尋ねたが、相手にされなかった。
原告 ○代 「気づいていなかったが、(破水の有無が)分からないことは言った。おしるしが5月29日からあって多かったので、破水していることが分からないと、入院時に言った。だから、子供に対し感染も気になっていたし、何回か聞くと、その度(そのための)抗生剤と坐薬を使っていると言われた。」
被告 春名好子 「それは、(5月31日)来てからのことですね。破水しているかもしれないと、私達も疑っていたので、抗生剤も普通だったら、破水だけして来た人には飲み薬を飲んでもらう。どっちにしても、破水していたら2日以内に産んでもらわないといけない決まりがあるので、陣痛が来ていなかったら点滴をして産んでもらうし、熱がないただの破水だったら、とりあえず感染予防の抗生剤をするけど、破水して熱があるのだったら強力なものをしないといけないので点滴をした。疑って、それに対し処置をしたつもりです。破水をいつしたか、私にも分からないし、○○さんも気がつくほど羊水もでなかったと思うし、内診しても(分からなかった)。」
原告 ○代 「おしるしが多くて分からなかったのが事実なのです。おしるしがどんどん増えてきていたから・・・。」
被告 春名好子 「まあ、それはよくあること。知らない間に破水している人は、今までにもいたし、だから私達も疑っていたのですから・・・。熱があるのを、放って家に帰したわけではない。だからこそ、その日のうちに産んでもらおうと思っていた。」
原告 ○代 「帝王切開の時、羊水は子宮の中に残っていたのですか。」
被告 春名好子 「少しはありました。結構少なかったです。」
原告 ○代 「取り出した時から、赤ちゃんの状態は悪かったのですか。」
被告 春名好子 「状態は産まれた時から、悪かったです。私達も、はっきり言ってここまで悪いとは思っていなかった。ずっとモニターしていて、特別心音が下がることもなかったし、そんなに悪いとは思っていなかった。」
原告 ○代 「ずっと心音が高かったのでは。」
被告 春名好子 「多かったのは、多かったです。お母さんに熱があると、多くなる。(5月31日)朝来た時と夕方とでは、ちょっと高くなっている。お母さんに熱があると、どうしても高くなる。大人でも脈が上がる。周りの環境が高くなると、心音は下がらないと言われている。」
原告 ○代 「帝王切開は、どうして全身麻酔なのですか。」
被告 春名好子 「安全域の面から、全身麻酔でする。勿論、腰椎麻酔でしたほうが、産声が聞こえたりという事はあるが、麻酔の事故も多い。麻酔の範囲がはっきり決まらないことが多い。無痛分娩と同じように、腰から管を入れて髄液がある一歩深いところまで麻酔薬を入れる。麻酔薬を何tか決めて寝てもらっても、痛いと言われて、後から効いていないと言われても、もう一回入れ直すわけにはいかない。返って入りすぎたら、胸が苦しいと患者さんは言う。結局、帝王切開の時は臍の下を切るのだから臍まで効かないといけないし、胸まで効くと息が出来なくなる。(ジェスチャーで)、ここ(臍)から、ここ(下腹部)までしか効かないのだけど、その量というのが、はっきり言って皆さん(他の医師)、経験で大体2tぐらい入れる。そういうのもあるから、全身麻酔のほうが安全だと思って、全身麻酔でしています。」
原告 ○代 「全身麻酔をかけて、子供に影響はないのですか。」
被告 春名好子 「一般的に麻酔薬は、お母さんが寝るための睡眠薬を入れますので、その睡眠薬で赤ちゃんが寝ることはあるが、その睡眠薬は短い間しか効かないので、それが一番効いた状態で出れば、赤ちゃんが寝ている可能性はあるが、ピーク一番効いている状態を過ぎてしまえば、まず寝ていることはない。」
原告 ○代 「少しは子供に麻酔がかかって、寝てしまうということですね。」
被告 春名好子 「そうですね。でも、寝ているから息をしないという事はないです。寝ているから、状態が悪いのかは分かります。寝ているのだったら、起こせばいいのですから。はっきり言って、叩き起こすのですが。刺激をして。全身麻酔のほうが安全だと思います。」
原告 ○代 「私に対し、麻酔が安全ということですか。子供が寝るような状態になっても。」
被告 春名好子 「経験上、赤ちゃんが寝て困ったことはないし、時間の経過が分かっているから、どのくらいして赤ちゃんが産まれるようにしていれば、影響があることはない。そういうことは分かっている。だから全身麻酔で、息をしなかったのではないと思います。はっきり言って今回。」
原告 ○代 「子供が出てから、どのような処置をされていますか。息をしない状態で。」
被告 春名好子 「まず、マスクで酸素を送って、全然自発がないので、挿管チューブを入れて、挿管チューブに酸素をつないで、バックを手動で押して、主人(被告春名伸彦)が国病に連れて行った。」
原告 ○代 「そのくらいの処置しかされていないのですね。他に吸引するとか・・・。」
被告 春名好子 「吸引して刺激をして後は、呼吸が出来ていなかったから、挿管して呼吸を・・・。」
原告 ○代 「洗浄するとか、血管に点滴を採るとか・・・。」
被告 春名好子 「それはちょっと、うちでは出来ませんので・・・。」
原告 ○代 「出来ないから。国病に送られたということですね。」
被告 春名好子 「そうです。」
原告 ○代 「保育器に(搬送の際)入っていなかったのですか。」
被告 春名好子 「うちには保育器がない。挿管していたら、保育器には入れられない。バック(アンビューバック)を押さないといけませんので。」
原告 ○代 「分娩室の前に置いてあるのは、保育器ではないのですか。」
被告 春名好子 「保育器は勿論あります。言われているのは、持ち運び可能なものでしょう。あれは運べないタイプ。あれはちょっと呼吸状態の悪い子供だったら酸素を入れて、保育器に入れて、少し様子を見るため。それで改善すればいいし・・・。しなければ、国病に送る。そういう時のために保育器がある。一番は、保温の問題ですから・・・温めて・・・。」
(疑問点・問題点)
*保育器の有無について、返答が変わる。
*軽症児のための保育器はあり、重症児のための保育器はなく、他の対応策もないのか。
原告 ○代 「酸素が子供に、うまく送られていたのですか。」
被告 春名好子 「酸素は、結局自力で全く呼吸をされないわけだから、バックで呼吸をしない変わりに、入れてあげていた。少なくとも病院にいる間は、100%の酸素がいっていたはずです。自力でしない変わりには、十分(酸素が)入っていたと思います。国病に行った時もそうだったが、あまり肺の状態がよくなかったようなので、どちらにしてもあまり酸素は、身体に入っていなかった様です。一番は呼吸ですけど、気道に問題がありまして・・・。」
(*国病に搬送した際、気道確保ができておらず、挿管チューブの更新をしています。そして自発呼吸を全くしなかった将輝の肺(羊水中にいる胎児は肺呼吸をしません。臍帯をとおして循環しています。)には胎便が多量に混入していました。)
原告 ○代 「出産時、子供の状態が悪い事は、分かっていたのですね。」
被告 春名好子 「だからすぐ国病に連絡して、救急車に来てもらいました。」
原告 ○代 「家族(母、姉)が言うことには、救急車が来るのが長かった(遅い)と言うのですが。すぐに、呼ばれたのですか。」
被告 春名好子 「呼ぶのは、すぐに呼びました。ただ勿論、赤ちゃんを放って救急車を呼びに行くわけには、いきませんので。状態を説明しないと、来てくれませんので・・・。主人(被告H ♂)が、一通り処置をして、バックを押せるような状態にして、あと看護婦(師)に押してもらって、その説明を(救急車依頼)しに行きました。私は手術中なので、○○さんのおなかの事もありますので、手が放せなかった。出来るだけ早くしました。」
原告 ○代 「帝王切開の時の、記録を見せていただけないですか。出血量や羊水量が、分かりますか。」
被告 春名好子 「羊水が、出血量といっしょになるので、少なかったと思います。700(ml)ぐらいとしか、書いていないので。」
原告 ○代 「羊水も含めて700mlという事ですか。」
被告 春名好子 「そうですね。」
原告 ○代 「700mlということは、普通の人と比べてどうですか。」
被告 春名好子 「少ないですね。羊水が1000(ml)ぐらい出ますので、それから考えると、1300〜1500(ml)が普通ですけど。だから羊水の量には個人差がありますから、それは全然問題ない。」
原告 ○代 「だから(出血と羊水が)いっしょになっているから分からないということですね。」
被告 春名好子 「そうです。」
(問題点・疑問点)
*羊水量がはっきりしない。母子手帳に出血量700mlと記載してあるので、羊水は残っていなかったのではないのか。
原告 ○代 「帝王切開とは、どのような手術をされるのですか。」
被告 春名好子 「(絵を書きながら)ここを(下腹部)縦に切る。子宮の細いところ(子宮の下の方)を横に切る。そこから赤ちゃんを出して縫う、だから、最後まで○○さんが痛いと言われていたのは、先の辺(子宮縫合部の右の方)だと思う。(下腹部)傷は真っ直ぐあって、中(子宮)を縫っているのは、付け根(子宮の入り口の辺)をこれだけ(横)。」
原告 ○代 「子宮の中の縫った部分に、縫合不全や癒着はないのですか。」
被告 春名好子 「感染があった可能性が高いので、それで微熱が出ていたのだと思う。結局、帝王切開というのは、きれいな手術ではない。それは何故かというと、おなかの中は無菌なのです。腸が出てきて、その中は外界と通じていないから、無菌状態です。子宮の中は、子宮の口が外につながっているから、多少縫った後、要するにお産した後に、ここが(子宮口)開いているわけだから、下から上がってくる可能性が無きにしもあらずなのですけど。ほとんどの人が、あまり感染とか起こさずに順調に行くことが多い。感染する理由というか、感染しやすい状態としては、要するに手術前に、破水していたとか、(子宮の)中に何か物が残っていたとか。(子宮の)収縮が悪いと血が溜まるので、そうなると物が残っていて、そこにばい菌が付き易い。常に(悪露が)流れていれば、付きにくい。破水していたという可能性は、要するに手術の前から子宮の中に感染があったという可能性ですから。そうなると子宮の中のものが、悪露が早く出てくれればいいけど、出てくれないと、そこにまた・・・(感染する)。」
原告 ○代 「手術の直後に(子宮の中を)洗浄するのですか。縫合部に化膿止めを使うのか。」
被告 春名好子 「子宮の中の胎盤や卵膜は、全部ガーゼを使って、目で見える範囲は剥いで・・・。勿論、傷とかは消毒します。」
原告 ○代 「その傷(子宮縫合部)が、癒着する事は無いのですか。」
被告 春名好子 「内側にあった感染が、直ってくれればいいんだけれど、○○さんは、しばらく熱が続きましたよね。ああ言う状態が続くと、感染した可能性が高い。やはり最後は、ここ(子宮の傷の右)が痛いと言われていたので・・・。要するに、糸で縫っていますから。その糸の部分に感染してここ(縫合部)が、痛んでいたのではないかと思う。傷が化膿すると、そこがくっつく(癒着)可能性は高い。」
原告 ○代 「特に今後の影響は・・・。」
被告 春名好子 「影響がないようにと思って、抗生剤とかを・・・。私達は、できる限りの事をした。」
原告 ○代 「それは最後(産後)ですね。」
被告 春名好子 「産後とりあえず、同じ抗生剤をずっと使っていたけど・・・。だけど手術後3日ぐらいまでは、微熱程度ですんでいた。」
原告 ○代 「坐薬(解熱、鎮痛)を使っているので、どうかと思う。」
被告 春名好子 「痛みがありましたからね。でも、出る時は出ます。(熱が)出始めたのは(術後)4日目ぐらいからです。」
原告 ○代 「ずっと熱は、出ていた。入院してからずっと・・・。帝王切開は、簡単な手術ですか。」
被告 春名好子 「そうです。帝王切開自体は、特別問題なかったと思う。ただ感染しやすい理由がある。他の人に比べると、感染しやすい理由が・・・。」
原告 ○代 「どういう事ですか。」
被告 春名好子 「破水しているから、感染しやすい。」
原告 ○代 「汚い状態が、続いたからですか。」
被告 春名好子 「そうですね。」
原告 ○代 「子供の状態の記録は。」
被告 春名好子 「子供の状態は、ここに(母カルテ)書いただけ。子供さんの状態については、その日に全部話したと思いますし、小児科の先生の事だと思います。」
原告 ○代 「死因が脳出血ですけど、今回の出産とは全く関係ないのですか。」
被告 春名好子 「私達が聞いたのは、出血事態かなり後におこっていますので、分娩中に出血したのではないと思う。」
原告 ○代 「だからお産後に、出血したという事ですか。」
被告 春名好子 「小児科(国病)からは、そう聞いている。行ってすぐには、出血はなかったと聞いています。」
原告 ○代 「(NICUですぐ)調べられていないから、分からないのでは・・・。新しい出血ではないと聞いています。」
被告 春名好子 「私達が聞いたのは、行ってすぐに出血していたわけではない。」
原告 ○代 「国病で脳出血が、何らかの原因で起こったという事ですか。」
被告 春名好子 「だと思うのですけど・・・。」
原告 ○代 「それは、どういう事が考えられますか。脳の中から出血するという事は?入院して・・・。(NICUに入院していて、脳出血を起こすのか)」
被告 春名好子 「私は言うのは、どうかなと思うのですが。一番の可能性は、脳圧亢進があると言われていたので・・・。圧力がかかると、血管が破れる事があるのではないかと・・・。」
原告 ○代 「脳圧亢進は、どういう時に起こるのですか。」
被告 春名好子 「脳圧亢進は、脳に障害があると起こる。」
原告 ○代 「だから障害というのは、どういう事が考えられるのですか。」
被告 春名好子 「要するに、低酸素血症だと思う。要するに、酸素が頭にいかなかった。どういう理由で行かなかったのかは、分娩中に赤ちゃんが一番狭い所を通って出てきたのではないので・・・。おなかの中にいた時に、どうだったのかは分からない。そう言う事がおきると言うことは、今から思うと感染かなと思う。」
原告 ○代 「感染で、子供が低酸素状態になって、脳が動かないから、脳圧亢進がおきて、出血したと言う事ですか。」
被告 春名好子 「そうではないですか。」
原告 ○代 「考えられる事としては?」
被告 春名好子 「他に理由がなければ、そうかなという感じです。今までにある理由の中だと、感染が起こって・・・。はっきり言っておなかの中の赤ちゃんは、見えるわけではないので。一番がモニターですので。モニターを見ていて、そこまで問題がなかったので・・・。そこまで悪いと思っていなかった。」
原告 ○代 「心音が高い状態が長く続いていたのは、異常ではないのですか。」
被告 春名好子 「異常でないと言う事ではないが、正常よりちょっと高いので、異常といえば異常なんですけど・・・。ただお母さんが熱がある状態では、よく見られる事です。」
原告 ○代 「(心音が高い)時間が長かったのでは。」
被告 春名好子 「いろいろ調べてみたのですが、本とか・・・。ただ何時間続いたら、異常だから、帝王切開しなさいという事は、一切書いていない。心拍が高かったりしたら、注意して様子を見なさい、と書いてあって・・・。一番に帝王切開に移行するのは、胎児仮死という状態で・・・。モニターとかで言われるのですが、胎児仮死というのは、たいていは心音が下がる状態で。高かったら高いなりに、勿論少し下がる。」
(*鑑定医は、頻脈、徐脈、心拍数基線最変動幅の減少が診られ、胎児仮死を指摘しています。)
原告 ○代 「心音が高くても下がると、言う事ですね。」
被告 春名好子 「そうですね。」
原告 ○代 「手術室に移る時に、モニターがはずされているのですが、その間に心音が下がった可能性は、ないのですか。」
被告 春名好子 「可能性としては、あるかもしれません。だから私達は・・・そんな入るまでに(手術室)かなり悪い状態では、なかったから・・・。モニターをはずしたのですけど。勿論あまりにも、産まれた時の状態が、悪かったのですけど・・・。」
原告 ○代 「私は、転げまわるくらい痛みがあったのに・・・。」
被告 春名好子 「それで、胎盤早期剥離という病気があるのですが、もしかすると、そういう事もあったのかと思ったのですが・・・。ただ胎盤が、早く剥がれると、やはり手術の時に、胎盤の奥に出血があたりするのですが、それがなかった。」
原告 ○代 「帝王切開まで緊迫感は、なかったと、入院中に説明されましたね。」
被告 春名好子 「それは、産まれた時の状態が、悪かったので、そうだったのかと思った。だけど胎盤を見ても、そういうものは(胎盤の奥に血)なかった。だから、そういうものは(胎盤早期剥離)なかったと思う。」
原告 ○代 「胎盤には、異常がありませんでしたか。臍帯なども・・・。」
被告 春名好子 「長さも、大きさも、特別異常なかった。」
被告 春名好子 「まだ、解剖(病理解剖)の結果を聞いていない。」
原告 ○代 「異常(奇形)は、ないと言われている。」
被告 春名好子 「細かいものは、1ヶ月ぐらい経たないと、出ないと聞いている。それで私達いろいろ考えて、可能性としては、やはり感染だったと思う。」
原告 ○代 「子宮の中の感染ですね。」
被告 春名好子 「そうですね。それは、いつ感染したのかは分からない。私達も・・・感染して来る人もいる。羊水が、すごく汚いのが出たりして・・・。そのような人で、お産になる方もいる。それでもそこまで、状態の悪い赤ちゃんは、今まで見たことがない。だから、どうしてここまで悪いのか、未だにわからない。ただ、一番考えられるのは、感染していて、急変したのかな・・・という感じですけど・・・。さっきも言ったけど、急変しても、手術までの間かもしれない。(モニターのはずされている時)それは、モニターをとっている間は、ほとんど(心音に)変化がなかったわけですから。その間、心音など悪くなれば、いつでも帝王切開をしようと言うつもりだった。」
原告 ○代 「モニターをはずしている間に、赤ちゃんの状態が分からないから、その間にもしかすると、(心音)下がっているかもしれませんね。」
被告 春名好子 「そうですね。だけど準備のためにはずしていたわけで、怠慢していたわけではない。」
原告 ○代 「手術に入るまでに、状態がそうなるか分からないのに・・・。子供の状態の分からない時が、できたということですね。」
被告 春名好子 「要するに、それまでに心音が下がって、帝王切開をしようと、言ったのなら、ずっと誰かに持ってもらってでも、心音とって・・・早くと言って・・・。それまで、ずっと変わりないので・・・。」
原告 ○代 「その後に(心音)下がるかもしれない。」
被告 春名好子 「それは、それまで下がっていないので、そこまで心配していなかったとういう事です。やはり、帝王切開すれば産まれると、ほっとした面はありました。私達には・・・。だから、このままずっと、いつ(赤ちゃん)悪くなるかもしれない状態から、今から帝王切開して産まれたら、大丈夫というのはありました。」
原告 ○代 「予想は、しなかった(児が悪い状態であること)ということですね。」
被告 春名好子 「そこまでの、異常はですね。さっきも言いましたが、感染がある可能性があるから、きっと(児)呼吸が、悪いかなとは、思っていました。私達も、すごいはっきり言って、一生懸命していた。はっきり言って、手を抜いた覚えはありません。」
(*分娩監視記録は、児娩出の約1時間しか、ありませんでした。職務怠慢の何者でもありません。)
原告 ○代 「そうかもしれませんが、全然、お産中も不安でしかたなかった。誘導もされないし、夜入院した時から、痛いと言っても『(看護婦〔師〕に)痛くないでしょ』と言われて、相手にされなかった。すごい不満・・・。身体も確かに、きつかったけど・・・。手術の時も、剃毛する時も、無理にされた。痛みがあるにもかかわらず。移動する時、(手術室に)歩けない事を言うと、嫌な態度をされたり・・・。」
被告 春名好子 「それは、言っておきます。」
原告 ○代 「入院の時の対応にしても・・・(不満)。廻診は、他のお母さんにもされないのですか。毎日部屋を廻るなど・・・。」
被告 春名好子 「毎日は、行かないです。」
原告 ○代 「看護婦(師)にうまく(訴えが)伝わらない時は、先生は知らないと言う事ですね。いくらおなかが痛いと言っても・・・。」
被告 春名好子 「今から思うと、直接言ってくだされば、よかったと思うのですが。勿論、お乳の事は気にしてはいたが・・・。あの状態で(お乳を)止めますかという事は、ちょっと精神状態を考えて、言わないようにしていた。(児の)状態が悪い事を、知っていましたから。その状態で、どうするのかというのもあったので。こちらとしては、気を遣って言わない方が、いいかと思ったのですけど・・・。」
原告 ○代 「他のお母さんには、沐浴指導や授乳指導はされますね。勿論、子供がいないから授乳は、出来ないけど・・・。」
被告 春名好子 「まあ、そうですね。国病に入院しているから、退院できる様になって、国病の看護婦がしてくれる。それを、私達も知っていたし、まあ、状態悪いのを知っていたから・・・。皆、当たらず、触らずがあったと思う。それなりに、気を遣っていたと思うのですが・・・。」
(問題点・疑問点)
※「当たらず、触らずがあった」これが医者の発言か。
原告 ○代 「こういう患者にこそ、かえって精神的なケアーが、必要だと思う。精神的にもそうだけど、部屋に全然来られないし・・・。他の部屋に検温の放送が入っても、来られない時もあった。食事も部屋に運んでくれるように、お願いしていたのに、食事の放送が入っても1時間ぐらい遅れて食事がきたり・・・。食欲ないから、食べる気もしないけど。もう少し配慮があっても、よかったのでは・・・と、すごく感じていた。」
被告 春名好子 「言っておきます。」
原告 ○代 「かなり(発熱で)汗をかいていたのに、身体も拭かれなかったし、シーツ交換も退院まで3週間一回も変えてもらえなかったし、シーツ汚染した事を言っても、防水シートを一枚出してもらっただけで・・・。他のお母さん達は、普通短い入院だから・・・。もう少し早く対応してくれれば・・・。こちらから(いろいろな事)は、言えなかった。確かに、汚物、ゴミは毎日取りに来られていたが、部屋の掃除をする感じはないし・・・。ここは、婦長さんという方はいるのですか。」
被告 春名好子 「うちは、婦長はいないです。ちょっと若い看護婦(師)が多いので、どうしても、そういう・・・。はっきり言ってうちは、単科の医院になりますので、そういう○○さんみたいな問題ある患者さんを、扱う予定は全然なかったです・・・。そういう事がないようにと思って・・・。分娩までは、かなり気をつけていたのです。だから、経験のない子が多いので・・・。何人かは、国病からついてきてくれた看護婦(師)がいるのですが・・・。
(問題点・疑問点)
*患者に対し、このような(問題のある患者を扱う予定がなかった)発言があっていいものか。
原告 ○代 「(国病から来た看護婦〔師〕が)いても、部屋には全然来られないから・・・。」
被告 春名好子 「それで、そういう事になったと思う。(部屋に来ない)まあ、国病に行って、そのケアーが出来ているか、どうかは・・・。よその病院の事で分からないかな・・・。というのがある。それは(精神的ケアー)は、すごく難しい事・・・。どこに行っても・・・。」
原告 ○代 「普通にお産した人には、ちゃんと指導されるのですね。悪露交換や沐浴や授乳指導等は・・・。」
被告 春名好子 「それは、していると思います。」
原告 ○代 「(産後)お乳が出る事は、分かっていた事ではないのですか。悪露交換も、手術直後も全然されなかった。部屋変えの時(尿管抜去の時)一回してもらっただけで・・・。」
被告 春名好子 「それは、ビシャビシャだったという事ですか。」
原告 ○代 「悪露交換の指導もないし、パットも変えてもらえない。他のお母さんにも、悪露交換の指導は、しないのですか。」
被告 春名好子 「多分、していると思います。」
原告 ○代 「それも(指導)も全然なかったです。」
被告 春名好子 「言っておきます。」
原告 ○代 「だから悪露が中に残る・・・(子宮内に停滞)。知らない人は、全然分からないという事ですね。だから、お産セット(産後に使うパット等が入っているもの)も、どれを何に使うなどの説明はないから・・・。やはり指導がないと、分からないですよね。交換の仕方も・・・。」
被告 春名好子 「分かりました。言っておきます。言わない方も悪かったし、行きずらかったのかもしれませんので・・・それは、謝ります。」
(問題点・疑問点)
*「言っておきます。」の発言が多く、スタッフの対応に関し、責任を感じていない。自分の指導力の無さではないのか。
原告 ○代 「産後も、(手術)直後もそうなんです。麻酔から目が覚めても・・・」
被告 春名好子 「最初は、悪露見ているはずですけど・・・。」
原告 ○代 「見られていないです。私の母も姉もいたし・・・私も朝には、目が覚めていたし・・・。」
被告 春名好子 「朝4時とか、6時とかに、ちゃんと記録がありますけどね・・・。」
(問題点・疑問点)
*悪露交換もされていないのに、カルテに記載があるというのは、どういう事なのか。(産後、家族《母、姉》が付いていたし、既に麻酔から覚めていたので、交換された事実は、絶対にない。)
原告 ○彦 「いろいろ聞きましたが、今回子供のことに関して、言い方は悪いのですが、(医院側として)過失は無かったということですか。」
被告 春名好子 「無かったと思います。一応、気をつけていましたから・・・私達も・・・。だから、はっきり言って私も、ショックです。気をつけて、○○さんに対応したつもりですし。はっきり言って、手を抜いた覚えは、全然ありませんし・・・。放って他の事をしていたとか、早く終わらせたいからとか、そういう覚えもないし。一応、その時その時で、考えて診察をさせてもらったし・・・。その時その時の状態を見て、どうしようかなというのは、考えていた。」