ストロンゲストマン・コンテスト
ストロンゲストマン・コンテストとは、日本ではなじみが薄いかも知れませんが、イギリスやヨーロッパ諸国、アメリカなどでは、何日もかけてこのコンテストの内容を放映するほどにメジャーな大会です。
普通にバーベルなどを持ち上げて重量を競う大会とは全く違い、ある巨大なものを運んだり、ひっくり返したり、莫大な負荷がかかったままの体勢を保ったり、非常に重量のあるものを投げたりして、そのタイムや距離などによって順位が決まります。
参加選手はそう多くはありませんが、どれも生え抜きの化け物ばかりで、身長190㎝以上で、体重も140㎏だの160㎏だのといった人間がゴロゴロ出ています。
彼らの多くはパワーリフティングやボディビルの出身で、中にはウェイトリフティングでオリンピックに出場した経験のある選手も出てきたりします。
この競技は過酷を極め、選手の大半は手のひらが血だらけになり、中には骨折や筋断裂などで競技続行不可能となる選手もいます。一人一人が十種目以上の競技をこなして総合で審査されますが、下にその競技種目をいくつか挙げてみます。
● 船に使われるイカリ(重さ110㎏)を抱きかかえて20m運び、次に250㎏のイカリに持ち替えて20m引きずる。タイムを競う。
● 一つが100㎏から135㎏の丸い岩のかたまりが8個地面に置いてあり、一つ一つの岩の前に大きなタルが置いてある。この岩をそれぞれのタルの上に乗っける。8個全部乗せ終わるまでのタイムを競う。
● 115㎏の酸素ボンベを両手に一個ずつ持つ。酸素ボンベには取っ手がついているので、ちょうど両手にカバンなどを持ったような体勢となるが、このまま90m運ぶ。
● 金属製のタルを上に投げ上げて、その高さを競う。
● 肩に鉄柱をかつぎ、その鉄柱の両端には二つ合わせて360㎏の六気筒エンジンが吊されている。この体勢のまま20m走る。
● 直径2m、重さ317㎏のトラクター用のタイヤが地面に横たえてあり、このタイヤを持ち上げてはひっくり返し、持ち上げてはひっくり返しながら20m移動させる。
● それぞれ4人の人間が乗った車が6台、ロープでつないであり、先頭の車に取りつけられたロープを引っ張る。引っ張りながら30m走る。
● 天井がはずされ、底をくりぬいた車の中に入って、車の内部に取り付けられた太い帯状のものを両肩にかけてそのまま立ち上がる。吊りバンドで肩から車をぶら下げたような状態となる。
車の重さは380㎏。この体勢で25m歩く。