アントニオ猪木の人生語録(2)

一生懸命にやっている人を小馬鹿にするのは、自分がかなわないから笑うことで逃げているのだ。
そうすることによって、己(おのれ)のちっぽけな自尊心を満足させているに過ぎない。男ならもっと堂々と張り合え。

派手に見えれば見えるほど、裏で地道な努力をしているのがあらゆる世界のプロだ。
プロの世界で生きようとするなら、楽に生きようとするな。そう考えたら最後、プロにはなれない。
プロとしてやっていく方法。それはどこまで地味な努力が出来るか、ということと、どこまでその職業に誇りが持てるかということだ。

「おやめなさい。」と言われて「ハイ、そうですか。」と引き下がるような奴は男ではない。事業でも職業でも何でもいい。
やりたいと思ったものはとことんやれ。誰のための人生だ。自分の、たった一人の自分のための人生ではないか。自分が決めたことはやり通せ。

もう、目一杯登りつめた。「俺がボスだ。」と思っていても、上には上がいる。井の中のカワズだな、と気づく。
今の古い井戸から更に広い井戸へと突き進む。進んだ先が、例え井戸には変わりないとしても突進する。それが男の生き様だ。
そして気づいたら、いつの間にかビッグになっていた。これでいいではないか。

他人をおとしめてまでも、そんなに自分がかわいいのか。
「自分が自分が、俺が俺が。」という思想がはびこってい過ぎる。自己中心の考えからは、優しさは生まれない。優しさのない正義はなく、強さもない。したがって他人からも愛されない。

俺はここまでやれた。それは常に夢を持っていたからだ。夢・・強い欲さえしっかりと持てば、君だって俺以上のことがやれる。
俺がやれたんだ。君だって出来る。やりたいことをさあ、やるんだ。やり抜くのだ。

よく他人のアラ探しをして、悪口を言う奴がいる。いいところを積極的に誉めないで悪いとこばかりを責める。
親にもこの手の馬鹿が多い。子供の成績が悪いからといって結果だけ見てガミガミ言う。

「胸に手を当てて自分の学生時代を考えてみろ」と言いたい。一つ覚えで「勉強しろ。」と言えば親の役目は済んだと思っている。すぐ結果を見ようとするからアラ探しをするようになるのだ。なにごとでも大切なのは結果までのプロセスである。

どのようにしてこのような結果が生じたか? それを重視しなければならない。

女性が理想の男性像に求めるものの、No.1に挙げるものとして「優しさ」がある。
だが、彼女たちが求めているものは、自分をコロコロと甘えさせてくれるような優しさなのだ。いいコいいコと、なでてくれさえすればいいのだ。猫と一緒だ。

優しさとは、強さに裏付けされなければ本物ではない。アベック公園のたまり場で見られるようなじゃれあいなど、本当の優しさではない。強いから優しくなれるのだ。弱いものに優しさはない。それは優しさではなく、じゃれあい、慣れあいだ。

強くなくては優しくなれない。他人に、そして自分にやさしくなれるのは強者だけだ。君よ、強くなれ。肉体をそのためにまず作れ。身体が出来れば精神面も自然についてくる。


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