グレイシー柔術に伝わる食事法
グレイシーの選手全てが行っているわけではありませんが、グレイシー柔術には古来から、技の伝承とともに食事法も独特のものが受け継がれています。この食事法は特に科学的根拠があるというわけではありませんが、グレイシー一派の体験を基にして築き上げられた、いわゆる「食べ合わせ」を主体とした食事法のことです。
ただし、これを行うと急激に痩せるとか、驚異的にパワーアップするとか、そういったものではなく、あくまでも「頑強な身体を作るため」あるいは「健康で長生き出来て、いつまでも若々しくいられる」ための普段の生活習慣のような位置付けとなります。
具体的に言うと食べ物をAからFの6つのグループに分け、このグループとこのグループのものは一緒に食べてはいけない、とか、これとこれは一緒に食べてもよい、などというルールに基づいた食事法のことであり、以下がそのグループの内容の一部です。
Aグループ
グループ内であれば、お互いに組み合わせ可能。Bグループの一つとも組み合わせが可能。
▼肉類
牛肉 鶏肉 魚 タコ 貝 卵 カニ 海老 イカ バターや油
▼野菜
トマト なすび ニラ ニンジン にんにく ピーマン パセリ アボガド テンサイ とうもろこし いんげん ブロッコリー ほうれん草 きのこ レタス キャベツ えんどう豆 オリーブ油 かぼちゃ かぶ きゅうり ごま セロリ 大根 たまねぎ アスパラガス カリフラワー ラディッシュ
▼豆類
ピーナッツ アーモンド カシューナッツ くるみ ココア
豚肉は食べません。
Bグループ
1回の食事では、この中の一つしか食べてはいけない。Aグループと組み合わせが可能
米 大豆 とうもろこしの粉 コーン 大麦 小麦 ライ麦 その他の麦類 干し豆 その他の豆類 ジャガイモ サツマイモ 山芋 全てのでんぷんと粉類 イモ類全般
Bグループは、主に炭水化物を含む食品です。この中から一つだけしか食べられない、ということは、たとえば「ラーメンとご飯」「パンとポテト」という組み合わせは不可ということになります。
しかし、パスタとパンは一緒に食べることができます。両方とも同じ小麦から作られているからです。
Cグループ
グループ内であれば、お互いに組み合わせ可能。油を使っていないなら、Bグループの一つと組み合わせが可能。
▼ 果物
スイカ 梨 ナツメヤシ 乾燥バナナ 調理したバナナ ブドウ パパイヤ プラム プルーン メロン 甘いりんご 干しブドウ いちじく 柿 ココナッツ
▼チーズ類
クリームチーズ カッテージチーズ (新鮮な)チーズ
▼その他
お茶 ハチミツ 砂糖
Cグループは、甘い果物や甘いもののグループです。ですが、果物と油を一緒に食べてはいけないというルールがあるため、例えばフライドポテトとスイカ、などという組み合わせは出来ません。
チーズは、クリームチーズやカッテージチーズなどの自然のものを選び、プロセスチーズなどのように加工してあるものは避けています。また、溶けたチーズは別扱いで、果物と一緒に食べることは出来なくなります。A・Bグループのどれかと組み合わせます。
概してグレイシー一族は、チーズと果物を大量に摂っているということです。
Dグループ
単体でしか食べられないもの(グループ内でもそれ以外でも組み合わせ不可)。
レモン びわ すっぱいりんご ラズベリー 桃 マンゴー すっぱいプラム パイナップル すっぱい梨 ざくろ さくらんぼ いちご グレープフルーツ オレンジ ヨーグルト
酸味の強い(すっぱい)果物は、決してそれ以外の食品と一緒に食べることはありません。また、こうしたすっぱい果物は、週に3回以上摂ってはいけないとされています。
Eグループ
生のバナナとの組み合わせの可・不可。
▼ 生のバナナと一緒に食べてよいもの
ぶどう 柿 甘いりんご いちじく スイカ 梨 プルーン メロン 他、新鮮な全ての甘い果物 甘いりんご チーズ 生クリーム
▼ 一緒に食べてはいけないもの
油 ハチミツ 砂糖 バター ドライフルーツ アボガド
乾燥したり調理したバナナはCグループに入っていましたが、生のバナナは考え方が別になります。
Fグループ
牛乳との組み合わせの可・不可。
▼ 牛乳と一緒に食べてよいもの
Bグループの全て 生、あるいは焼いたバナナ 熱を通した卵黄 ヨーグルト以外の乳製品
▼ 一緒に食べてはいけないもの
Aグループの全て 果物 卵の白身 肉類 油 オリーブ 砂糖 その他甘いもの
牛乳やヨーグルトは、週3回以上摂ってはいけないものとされています。
また、これ以外のものとして、卵黄・コーヒー・お茶などは中間的な食べ物と位置付け、どんな食べ物と組み合わせてもよいとされています。
これらのことは、グレイシー独自のものであり、普通のダイエット法や栄養のバランスといった観点とは別物と考えて下さい。